第159号 自民党総裁選挙始まる ~徹底した政策論議を~



毎週日曜日夕方5時より川口駅東口デッキにて国政報告を行っております。
お時間がございましたら是非お立ち寄り下さいますようお願い申し上げます。


◆ 福田内閣は仕事をしたのか

 9 月 1
日夜、福田首相が突然の辞意を表明しました。国民の皆様へ政治の混乱を招いたことをお詫び申し上げます。どんな理由にせよ、重い責任を持つ一国の首相が政
権を投げ出す形で辞任することは、言い訳のしようもない失態です。ねじれ国会の厳しい状況のもとで、年金問題やガソリン税の暫定税率問題などで支持率が低
迷する中、野党との協議が整わず国会運営は深刻な状況でした。
 しかしその一方で歴代政権が手をつけられなかった道路特定財源の一般財源化や国家公務員制度基本法の成立など評価の高い仕事もこなしてきました。7
月の北海道洞爺湖サミットでの地球温暖化問題の解決に向けた枠組み作りでは、米国・中国・インドなどの参加に流れをつくったり、中国との関係の修復、アフ
リカ支援への取り組みなど外交面でも大いなる業績を上げています。
 また経済分野においては、新たな成長戦略をつくり、新技術と新産業の創出、日本産業の更なる海外展開と国際経済網の拡大、中小企業の相続税納税猶予制度
の創設など、実は様々な進展もあったのです。私も経済産業副大臣として精一杯活動させていただいたつもりです。しかし残念ながらいずれの業績もいわゆる玄
人筋には評価が高くても、国民の皆様にはきちんと伝わりませんでした。福田内閣の致命的な欠点は「発信力」にあったと反省しております。


◆ 総裁選挙を開かれたものに

 私達はこの政治空白を一刻も早く埋めるために現在総裁選挙を実施中です。私はこの総裁選については国会議員になって以来一貫した姿勢で取り組んで参りま
した。それは「派閥によらない総裁選挙」です。
 自民党の総裁選挙は事実上の日本の総理大臣を決める選挙になります。国会議員の投票行動を派閥の論理で決定してよいはずがありません。総裁選挙を自由で
開かれたものにすることこそが自民党改革であり、若手議員の役割だと心得、私はこれまでその時々の総裁選において独自の活動を行って参りました。



◆ 自ら選ぶ総裁選挙

 平成10年の小渕内閣誕生の際には、候補者として人気が出なかった小渕先生のスタッフとして自ら名乗り出て、僭越ながら候補者のキャッチフレーズや政策
づくり、選挙期間中の秘書役をさせていただきました。
 平成13年の小泉内閣誕生の際には、自民党始まって以来初めての若手議員を集めての候補者別政策懇談会を仲間 3
人と開催し、その企画は自民党青年局へ引き継がれ、党の正式行事となって定着しております。この時は橋本派反乱軍などと呼ばれ大騒ぎになりましたが、最後
まで自分の意志を通させていただきました。
 平成15年の小泉総理の最後の総裁選には、若手候補者を立てるべく会をつくり、必要な推薦人20人に対しあと 1
人の19人まで集めたこともありました。
 平成18年の安倍内閣の誕生には多くの若手中堅議員と共に自民党の世代交代の為に再チャレンジ推進議連を結成し、初の戦後生れの総理実現を果たしまし
た。
 かいつまんで文字にするとこのようになりますが、自民党という政党の力の源泉に触れる私達若手議員の活動は、党内の秩序を乱すものとして強力な圧力がか
かったり、除名というような可能性もありましたが、私達が頑張ることが党の活性化につながり、新しい自民党を創ることになると信じ行動して参りました。
 今回の総裁選挙では主要な派閥が自主投票になりましたが、私達が続けてきたこれまでの活動も大きな影響を与えたのではと、いささかの自負があります。




これまで派閥によらない総裁選に取り組んでまいりました。
平成13年4月11日 候補者別懇談会で麻生候補を紹介する新藤(党本部にて)

◆ 新総裁に求められるもの

 いま政治に求められているのは、何よりも国民の暮らしを守ること。そして日本の将来が希望のあるものだということをしっかり示すことだと思います。景気
の谷の中で、中小企業や家計が一段と厳しさを増している時に、一刻も早く政策を立て実行するリーダーが必要です。それを選ぶのが今回の総裁選挙です。
  9
月10日には石原伸晃、小池百合子、麻生太郎、石破茂、与謝野馨各候補が立候補しました。いずれ劣らぬ論客であり、選挙期間中様々な場所で自由に堂々と各
々の政策を戦わせてもらうことを期待しています。間違っても裏工作や取引などをしてはいけません。そんなことをすれば国民は黙っておりません。私は党内に
あってこのことを強く発言し、そうならないようにしっかり行動したいと思います。
 さらに敢えて言わせていただくと、同時期に行われる民主党の党首選は小沢党首の無投票三選が既に決定済です。報道で伝えられたように、出たいという意志
のある議員の周辺をがんじがらめにして、立候補を断念させる手法は昔の自民党の体質そのものであり、独裁的且つ閉鎖的な雰囲気は私にはどうしても納得がい
きません。
 自民党の総裁選挙は、多くの候補者が立候補し、真剣な政策論争を戦
わせる場です。この政策論議を多くの国民の皆様にお聞きいただくために、全国各地で演説会が催されます。どうか皆様には総裁選挙をご注目いただき、そして
私達自民党が引続き政権を担う力があるのかどうか、私達の可能性をご判断していただきたいと思います。


新 藤 義 孝