地理空間情報推進基本法・提案者として(答弁) 衆議院内閣委員会-18号 2007年05月11日
地理空間情報推進基本法・提案者として(答弁)
166-衆-内閣委員会-18号 2007年05月11日
○河本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
この際、お諮りいたします。
第百六十四回国会、額賀福志郎君外九名提出、地理空間情報活用推進基本法案につきまして、提出者全員から撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○河本委員長 内閣の重要政策に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官山浦耕志君、内閣参事官小滝晃君、坪井裕君、刀禰俊哉君、内閣府政策統括官丸山剛司君、総務省大臣官房総括審議官久保信保君、外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長中根猛君、文部科学省大臣官房審議官板谷憲次君、経済産業省製造産業局次長内山俊一君、国土交通省大臣官房審議官辻原俊博君及び国土地理院長藤本貴也君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○河本委員長 地理空間情報活用推進基本法案起草の件について議事を進めます。
本件につきましては、西村康稔君外五名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の共同提案により、お手元に配付いたしておりますとおりの地理空間情報活用推進基本法案の起草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を求めます。西村康稔君。
○西村(康)委員 地理空間情報活用推進基本法案の起草案につきまして、提案者を代表して、その趣旨及び内容について御説明申し上げます。
平成七年一月、私の地元で発生いたしました阪神・淡路大震災以降、政府において、地図データと地図上に位置づけられるさまざまな情報を用いて、視覚的な表現、高度な分析、迅速な判断を可能とする地理情報システム、いわゆるGISを推進しており、道路などの位置、土地の境界に至る基本的な国土における地理空間情報は次第にデジタル化されつつありますが、同じ基盤的なデータがさまざまな機関や団体により重複して整備され、互いに重なり合わない等の現状があります。そのため、各システムの連携の強化を図り、さまざまな情報の重ね合わせを可能とするため、より高精度で新鮮な共通白地図が必要となっています。
また、人工衛星を使った米国の全地球測位システム、いわゆるGPS等の衛星測位は国民生活や国民経済に深く浸透し、重要な社会基盤となっているとともに、我が国でも準天頂衛星システム計画が推進されています。
平成十四年の測量法改正等により、日本測地系から世界測地系への移行が行われ、これら地理情報システムに係る施策及び衛星測位に係る施策の連携の可能性が拡大しており、二つの施策の相乗効果等を柱とした立法を行うことは時宜にかなうものとなっております。
本法律案は、このような状況を踏まえ、地理空間情報の活用の推進に関する施策に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、地理空間情報の活用の推進に関する施策の基本となる事項を定めようとするもので、以下、その概要について御説明申し上げます。
第一に、米国等では、地理空間情報の活用に関する技術、人材、制度等を包含する概念を国土空間データ基盤、すなわちNSDIと称しておりますが、我が国においてもこれに対応する国土空間データ基盤を形成するため、総合的、体系的に施策を実施し、関係する施策の相乗効果を発揮すること、信頼性の高い衛星測位サービスを安定的に享受できる環境の確保、その他防災対策の推進、行政運営の効率化、高度化、多様な事業の創出、民間事業者の技術提案、創意工夫の活用、個人の権利利益及び国の安全への配慮等の基本理念を定めることとしております。
第二に、国及び地方公共団体並びに関係事業者の責務について規定しております。
第三に、政府は、これらの基本理念を実現するため、地理空間情報活用推進基本計画を新たに策定し、地理空間情報の活用の推進に関する施策を総合的、計画的に推進するとともに、計画の策定及び施策の実施に関し、関係行政機関の協力体制の整備をすることとしております。
第四に、国は、地理空間情報の活用の推進に関する施策全体に関係するものとして、政策研究、知識普及、人材育成、行政における地理空間情報の活用、個人情報の保護のために必要な施策を講じることとしております。
第五に、国は、地理情報システムに係る施策として、電子地図上における位置を定めるための基準となる情報で電子化されたものであり、道路や鉄道の位置、三角点などのようにさまざまな情報の位置決めの基準となる基盤地図情報の整備や地籍や登記などの行政の各事務と基盤地図情報の相互活用、国が保有する基盤地図情報等の原則無償提供などに関する施策を推進することとしております。
第六に、国は、衛星測位に係る施策として、GPSを運用している米国政府等の地球全体にわたるシステムの運営主体との連絡調整、衛星測位に係る研究開発、技術実証、利用実証、その成果を踏まえた利用促進を推進することとしております。
これらの施策の実施により整備される地理空間情報を活用して、例えば、社会的弱者に対するより効果的な行政サービスの実施、災害時におけるより迅速、正確な対応、民間事業者による新たなサービスの創出など、国民生活の向上に寄与するものと期待されるところであります。
その他、附則において、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとしております。
以上が、本起草案の趣旨及び主な内容であります。
何とぞ速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
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地理空間情報活用推進基本法案
〔本号末尾に掲載〕
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○河本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
本件について発言を求められておりますので、順次これを許します。平井たくや君。
○平井委員 自由民主党の平井たくやです。
この法案の起草については、まことに意義深いものであると考えており、動議には全面的に賛成であります。また、法制定後の政策展開をより充実したものとするためにも、その立法趣旨や法案の基本的な性格に関する理解を深めて、執行に向けた議論を行っていくことが重要であると思っております。そうした観点から、何点かお尋ねをさせていただきたいと思います。
地球上あるいは地球外のすべての生物や物、すなわち森羅万象には位置と時刻があります。もちろん人間にも位置と時刻があります。あらゆる情報を効率的に活用していくためには、位置と時刻を軸として情報を管理していくことが非常に有効な方法であると言えると思うのであります。このように考えますと、地理空間情報の活用技術は、位置と時刻を軸とする情報の管理にほかならず、本格的な情報化社会への扉を開く基本ツールにほかならないと思います。
世界的科学誌ネイチャーでも、スペーシャル・インフォメーション・テクノロジー、地理空間情報技術は、ナノテクノロジー及びバイオテクノロジーとともに、将来が期待される三大重要科学技術分野の一つとされております。科学技術創造立国日本の将来の浮沈を左右すると言っても過言ではない重要分野であると思います。
今回の法案は、新産業、新サービスの創出、国民生活の安全、安心、利便性の向上、行政の効率化、高度化、弱者保護の強化、国土の利用、整備、保全などに大きく貢献するものであり、我が国の人口が増加しない時代にあっても、地理空間情報技術を駆使して豊かな暮らしを実現できる空間情報社会の実現という大きな夢や可能性を持つすばらしい政策を提案するものであると思います。
そこで、まず、地理空間情報を高度に活用することは我が国の経済社会にどのように貢献すると期待されるのか、地理空間情報を高度に活用できる社会とはどのような社会をイメージすればよいのか、国民生活の利便性の向上や安全性はどのようになるのか、提案の議員にお尋ねをしたいと思います。
○新藤委員 平井委員にお答えする前に、まず、私ども、自民、公明、民主三党でこの法案を提出することができました。国家の基盤を整えるという意味において、国家的な大義において各党が意識を共有できたこと、そしてまた、本日この法案審議に至るまでの間、いろいろな御努力、御尽力を賜りましたことを、まず提案者の一人として御礼申し上げたいと思います。また重ねて、委員長に御礼を申し上げたいというふうに思います。
そして、何よりも国家的な基盤を整えるという意味において、今委員が御指摘いただきましたように、これからの期待される世界三大技術のうちの一つでもある、この地理空間情報を世界に先駆けて実用化できるならば、これはまず第一に、我が国の国民、市民社会、そしてまたそれは世界に対して大きなビジネスチャンスを得られるだろう、このように期待しているわけでございます。具体的に申しますと、皆様御案内のように、最近のブロードバンドインターネット、それからGPS機能つき携帯電話など、いろいろとITの高機能化が始まっております。そして、そういうものの高性能化によりまして、いろいろなサービスが始まっているわけでございます。
でも、最大の問題は、森羅万象すべてに位置と時刻と高さがあるわけでございます。これを正確に把握する。そして、それがどう移動したか、どう移動しているか、これを特定することによって、それをいろいろな行政サービスやビジネスチャンスに結びつけようじゃないか。これが、電子白地図である、国土を碁盤の目に電子的に切って、まず基盤の図面をつくり、そこに衛星測位によって正確な位置と高度、時刻を与える、これを二つ合わせることによってサービスができるということでございます。
これは限りなくいろいろな可能性があると思っておりますが、少なくとも今もう既に始められつつありますのが、要するにマンナビゲーションと言われる、人がどこにいるか。例えば、弱者、高齢者の保護のためのいろいろなサービスができると思います。それから、子供の位置通報サービス、警備会社への現場急行サービス、こういったものももう始まっております。
それから、交通につきましては、まさに乗客の要望に応じたバスやタクシーの運行管理だとか無人運転だとか、こういったものがさらに正確にできるようになる。それから、地域の住民、事業者がこの情報を共有することによりまして、観光だとか文化情報、インターネット上の地図を共有できるだとか、いろいろなサービスができるだろう。さらには、貨物の位置をリアルタイムで把握することになれば、これは物流の革命が起こるだろう。それから、災害のときに交通不能地区をいち早く察知できるだとか、幾らでもできる。
町や村の各種の情報をいつでもどこでもだれでもが享受できることになる、これが今回の地理空間情報の活用の最大の効果ではないか。私たちの暮らしに大きな変化が訪れるんじゃないか、まさにこれもイノベーションだというふうに思って期待をしているところでございます。
○平井委員 お話しのとおり、国民生活や経済社会に対する影響が非常に大きいというのは、私もイメージすることはできました。
本案によって推進される政策は、国家戦略として推進されるべき高度の重要性を有するものではないかと考えるのでありますが、そうした国家的な施策としての重要性をどのように認識されておられるのか、官房副長官にお聞きしたいと思います。
○下村内閣官房副長官 お答えいたします。
御指摘のように、本法案によって推進される施策は、豊かな国民生活の実現やその安全の確保、経済社会の活力の向上と持続的な発展など、我が国にとって極めて重要な取り組みであると考えております。地理空間情報の活用に関し、地理情報システムと衛星測位に関する施策を総合的、体系的に推進することは重要な国家政策であると考えます。
○平井委員 ところで、そういった重要な国家政策の推進に当たって、今回は、閣法ではなく議員立法という形で枠組みをつくる必要性や意義はどうであったか。また、あえてこの時期に本法律を制定する必要性をどのようにお考えであるのか。提案議員の皆さんに質問させていただきたいと思います。
○茂木委員 地理空間情報の利活用は、私が科学技術担当の大臣時代から取り組みをさせていただいておりまして、きょうこういった形で議員立法として内閣委員会において審議をいただく、大変感慨深いものがございます。
国家戦略として推進ということでありますけれども、これは閣法とそれから議員立法、どちらがどうなるか、特定の規定があるわけではありませんが、恐らく非常に先進的なテーマを扱うものと、現実に見えるある程度普遍的なものを扱うものによりまして仕分けというのはおのずから私はできていけるのではないか。この問題につきましては、相当長い将来まで見据えて、まず政治としてリーダーシップを示す、こういう意味から議員立法という形をとらせていただいた、こういう形であります。
アメリカのテレビドラマの人気シリーズの「トゥエンティーフォー」ではありませんけれども、やはりこの分野というのはアメリカが一番進んでおるのは間違いないわけであります。この地理空間情報、この基盤につきまして、アメリカでは国土空間データ基盤、ナショナル・スペーシャル・データ・インフラストラクチャー、こういう言い方をしております。まさにこれはナショナルインフラストラクチャーなんだ、こういう思いを持っているということでありまして、それを推進するためにも、今回基本法として提出をさせていただきました。
○平井委員 次に、政府参考人に具体的な施策について何点かお尋ねしたいと思います。
一九九五年一月の阪神・淡路大震災以降、関係省庁による連携のもと、地理情報システムに係る施策が推進されたと聞いておりますが、これまでの地理情報システムに関してどのような取り組みがなされ、また、その結果得られた課題を踏まえて今後どのように進められるのか、政府にお尋ねしたいと思います。
○小滝政府参考人 お答えいたします。
一九九五年、平成七年の阪神・淡路大震災後、地理情報システム、GISが推進されてまいりまして、さまざまな地理空間情報は次第にデジタル化が進んでおるわけでございます。しかしながら、地理空間情報には、同じような種類のデータがさまざまな測量主体によって重複的に整備されている、あるいはそれらが互いに重なり合わないといったような現状があると認識しております。
こうした状況のもとで、政府では、関係省庁が合同しまして、GISアクションプログラム二〇一〇というのを去る三月に決定いたしまして、さまざまな情報の位置決めの基準となる基準点や道路、河川などの位置情報、これを基盤地図情報と言っておりますが、そうした情報の整備水準の向上に取り組むこととしているところでございます。
これに加えまして、本法案が成立いたしますと、基盤地図情報の精度管理や作成方法の基準が定められることになる、あるいは国が保有する基盤地図情報をインターネットで無償提供する、さらに、地籍、登記などの行政の各事務と基盤地図情報の相互活用が推進されるということになってまいりまして、この結果、地理空間情報の整備や重ね合わせが一層促進されることになるのではないかと認識しております。
○平井委員 国や地方公共団体が地理空間情報を積極的に提供して民間においても地理空間情報を活用したサービスが提供されることは、国民にとって大変有意義なことであることは間違いありません。一方で、国の安全に対する影響についても配慮する必要があります。すなわち、武力攻撃の対象となるおそれがあるような施設について高解像度の航空写真がインターネットで流通してしまうような場面を想定すると、地理空間情報が際限なく流通することが国家の安全に影響を及ぼすことも考えられるわけであります。
そこでお尋ねいたしますが、地理空間情報が広がることにより国家の安全に対する懸念はないのでしょうか。政府の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○山浦政府参考人 地理空間情報の活用は、国民が安心して豊かな生活を営むことができる経済社会を実現する上で極めて重要である一方、過度に詳細な情報が不適切に流通することとなれば国の安全にも影響が及び得ると考えております。そのため、政府としては、法案成立後に策定する地理空間情報活用推進基本計画において政府による取り組みの基本的考え方を明らかにするとともに、同計画に基づく措置を適切に講じていくことが必要と考えております。
例を挙げて申し上げますと、これは現時点での考え方でありますけれども、例えば、重要な施設について一般に公開されている以上に詳細な情報が開示され、テロリスト等に攻撃のヒントを与えてしまうような情報とか、あるいは有事の際の自衛隊等の行動が明らかとなってしまうような情報については国の安全を害するおそれがあると考えておりまして、こうしたものにつきましては、今後、詳細に検討した結果、規制すべき情報があれば適切な方法で規制を行う必要があると考えております。
○平井委員 先ほどお話がありましたとおり、IT、インターネット、ブロードバンドの施設の普及とか、そういうものと相まって利便性が向上する一方、個人のプライバシーとか個人情報というものの観点から考えると、懸念材料がないわけではありません。そういう利便性というものには光と影があるというのは当然のことでありますが、政府として個人情報保護の観点からどのようにお考えなのか、またどのように取り組んでいかれるのか、ちょっとお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○小滝政府参考人 本法律案におきましては、国、地方公共団体は、個人情報の保護のため、その適正な取り扱いの確保等の必要な施策を講ずるというふうに、第十五条という条文でございますけれども、規定をされているところでございます。
具体的に申しますと、国、地方公共団体が地理空間情報を利用、提供するに当たりまして、GISの上で情報を重ね合わせて照合されることによって間接的に個人が識別されるようになるような場合も含めまして、どういった範囲の地理空間情報が個人情報に該当するか。あるいは、個人情報に該当する地理空間情報につきまして、個人情報保護法制に照らして実務上どういった加工処置でありますとか提供制限などの措置が必要となってくるか、こういった点につきまして具体的な判断指針が必要ではないかというふうに考えているところでございます。
そうした観点から、地理空間情報の活用に際しての個人情報の取り扱いに関するガイドラインの策定を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○平井委員 確かに個人のプライバシーとか個人情報の保護については万全な配慮をしていかなきゃいけないんですが、一方で、余りにもそちらの方ばかり重視して、本当の利便性であるとか新しい取り組みというものがなかなか前に進まないということにならないように、角を矯めて牛を殺すようなことをよくやってしまいますので、そういうことがないようにここは、つまり世の中に一〇〇%というものはない、新しい科学技術でそういうものは何もないわけで、それを乗り越えていくのが我々の英知であり、勇気であり、そして我々がやらなきゃいけないことだと考えておりますので、十分に配慮しながらも、前向きに取り組んでいただくようにお願いをしたいと思います。
次に、衛星測位に関して伺います。
我が国では、米国の衛星測位システムであるいわゆるGPSを、カーナビやGPS機能のついた携帯電話などを通して広く利用しております。宇宙における衛星そのものは米国のシステムですが、地上におけるGPS利用という面では我が国は世界最大の利用国であるとの指摘もあり、一方、他国に目を転じますと、EUでは、独自に三十機の測位衛星から構成されるような衛星測位システムであるガリレオ計画を進めており、ロシア、中国でも独自の測位衛星を打ち上げています。特に中国では、ことし二月と四月に続けざまに四機目、五機目の測位衛星を打ち上げるなど、諸外国においても積極的に取り組んでいると聞いています。
我が国でもカーナビ等のように衛星測位が既に国民生活に深く浸透していますが、政府では、米国のGPSを補完するとともに、より高度の測位を可能にする補強信号を出すような、いわゆる準天頂軌道の衛星から高精度の衛星測位信号を出す準天頂衛星システム計画を推進しているわけでありますが、これが現在のGPSのみの利用に比べてどのようなメリットをもたらすのか、準天頂衛星システム計画の意義、概要についてお尋ねしたいと思います。
○板谷政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の準天頂衛星システムでございますけれども、御指摘のとおり、日本付近で常に天頂方向、ちょうど真上の方向に当たるわけでございますけれども、そこに一機の衛星が常に見えるように、三機の衛星を準天頂軌道に配置した衛星システムによりまして、先ほど御指摘のございましたGPSシステム、これを補完、補強し、山の陰であるとかそれからビルの陰であるとかといったものに影響されないで高精度な測位を可能とするものでございます。
この準天頂衛星システムでございますが、GPSの利用に仮に制限が生じるなどの不測の事態においても十分な測位を可能とする将来的な、そして自立性を持った衛星測位システムを構築すること、そして二つ目が、災害時等におきまして、救援、対処作業において被災地点などの高精度の位置情報の把握が有益でございますけれども、この準天頂衛星システムは、官民の安全、安心に係る社会基盤として期待されているといったような意義を有していると考えております。
平成十八年の三月に測位・地理情報システム等推進会議において策定されました準天頂衛星システム計画の推進に係る基本方針を踏まえまして、文部科学省が準天頂衛星初号機によります技術実証そして利用実証の取りまとめ担当となっております。総務省、経済産業省、国土交通省の協力を得て、現在、準天頂衛星初号機の開発を着実に進めているところでございます。
○平井委員 大変重要なことであると認識しますが、初号機の開発が予定どおりで進んでいるのか、そしてちゃんと予定どおりにまず打ち上がるのかということについてお尋ねしたいと思います。
○板谷政府参考人 お答え申し上げます。
準天頂衛星の開発につきましては、平成十八年十一月に宇宙開発委員会の評価を得まして、総務省、経済産業省、国土交通省の協力のもとに直ちに衛星の開発に着手し、各種モデルシステムの開発であるとか試験、こういったものを実施するなど、着実に開発を進めてきております。平成十九年度には衛星の基本設計段階から詳細設計段階に進めることとしておりまして、平成二十一年度の打ち上げを目標に開発を進めているところでございます。
○平井委員 今お話がありましたとおり、準天頂衛星初号機の平成二十一年度の打ち上げ目標に向けて政府は着実に取り組んでいただきたいと思っております。
また、衛星測位により得られる地理空間情報の活用推進のために、準天頂衛星初号機の次の段階にも非常に重要にかかわってくるわけであります。法案第二十一条において、まず、「衛星測位に係る研究開発並びに技術及び利用可能性に関する実証を推進する」とありますが、これは初号機のことを指しており、後段の「衛星測位の利用の促進を図るために必要な施策を講ずる」ことが二号機、三号機の運用を含む実用段階に向けた取り組みを指しているということと思いますが、この衛星測位の利用促進について、政府において責任を持って取り組んでいただけるのか、また、どのように進めていかれるのか、お尋ねしたいと思います。
○坪井政府参考人 御指摘の法案第二十一条の衛星測位の利用の促進につきましては、「衛星測位に係る研究開発並びに技術及び利用可能性に関する実証」の「成果を踏まえ、」とされておりますので、まず特に準天頂衛星に係る研究開発を進めまして、初号機による技術実証、利用実証に全力を挙げ、次の段階の三機の準天頂衛星によるシステム実証の段階に向けまして、十分な成果が上がるように施策の推進を図ることが肝要と考えております。
また、利用実証に関しましては、民間の側で、本年二月に財団法人衛星測位利用推進センターが設立されまして、衛星測位のさまざまな利用開拓に関して民間の知恵を集約できる体制が整えられてきているなど、官民が連携協力して衛星測位の利用の促進を図っていく基盤ができていると考えております。
今後とも、内閣官房が総合調整の役割を担いまして、関係省庁間の連携協力を図りながら、必要な施策が適時的確に進められるよう努めてまいりたいと思っております。
○平井委員 最後に、この法案によって地理空間情報を高度に活用できる社会が実現することにより、行政、産業、国民生活の各分野において、例えば新産業、新サービスの創出、国民生活の安全、安心、利便性の向上、弱者保護力の強化などの国家の基盤となる分野に大きく貢献するものと考えられます。そのような地理空間情報の活用推進に係る施策は、国家戦略として高度な重要性を有する一方で、多岐にわたるものであるため関係省庁が十分に連携する必要があると考えます。
内閣の重要施策として、政府一丸となって各省の十分な連携を図っていただく必要があると思うわけですが、官房副長官の御見解をお尋ねしたいと思います。
○下村内閣官房副長官 御指摘のとおりでございます。地理空間情報の活用は我が国の国家を支える基盤的取り組みでございまして、まさに内閣の重要施策として確実に取り組む必要があると考えております。
このため、現在、内閣官房に関係省庁の局長級の測位・地理情報システム等推進会議を設置しているところでございますけれども、本法案が施行された後には、閣議口頭了解によりまして閣僚会議の設置等をいたしまして、内閣主導で協力連携の体制をさらに充実してまいりたいと考えております。
○平井委員 ありがとうございました。
これは内閣主導で進めていかなきゃいけない非常にいろいろなテーマがあると思います。特に、行政の効率化、高度化という言葉は、いかに省庁横断的に進めていくかということと表裏一体であると思います。地図に関して言うと、私もいろいろな地図を今まで見てまいりましたが、登記情報システムや、国や自治体、また行政の各部署において保有する地図が違ったり、世の中には本当に星の数ほど地図の種類があるというような、いわば非常に非効率的な状況があるように思います。
ここで、せっかくですから、国のリーダーシップによってそういうものを統一できるものは統一して、利便性を向上させていただくようなことを進めていただきたいというふうに思っています。同時に、行政の効率化という面でも、これを契機にそういう問題に取り組んでいただければというふうに思っています。
国家的に重要な課題として着実に取り組んでいただかなきゃいけない問題ですから、ぜひ内閣の総合調整機能を最大限、フルに発揮していただきまして、リーダーシップを発揮していただくことをお願いして、簡単ですが質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○河本委員長 次に、近藤洋介君。
○近藤(洋)委員 民主党の近藤洋介でございます。
今回、議員立法の地理空間情報活用推進基本法案の質疑をさせていただくわけでありますが、私も、この問題を考えるときに、人間の歴史を考えますと、古今東西、よりよい正確な地図を持つ、こういうことは治世の基本でありました。また、人々の生活や経済行為を行う上でも、その土台になってきたわけであります。
近年、情報通信やコンピューター、そして衛星といった最新の技術を駆使したいわゆる地理空間情報を持って、そして広く国民が活用する体制を整えるということは、先ほどの平井委員からもお話がございましたし、政府また法案提出者の方々からも同じ御認識でございましたが、私も、これは国家の戦略分野だろう、こういう認識に立つものでございます。
したがいまして、民主党としても、この法案の議論を党内で行わせていただいて、その重要性を認識して現在に至ったわけでございますし、私としてもその一人としてこの重要性を強調したい、こう思います。
ただ、せっかく与党の先生方も大変努力をされ、また我々もそこにかかわり、努力をし、この法案をつくるわけでありますから、実効性のあるものにしなければいけない。仏つくって魂入れずでは困りますので、こういう観点から、私は、政府の姿勢、そして我が国の体制についてお伺いをしていきたい、こう思います。
まず最初に、今回の地理空間情報活用推進法案、すなわち地図情報を電子化して共通化して、そして新しい測位衛星を使って基盤を整える、こういうことで、先ほど来、災害の情報であるとか行政サービスの向上が図れる、と同時に、あわせて、この基盤をつくってさまざまな新産業、新サービス、民間の活用分野も広がる、こういうことが期待されているわけであります。
そこで、経済産業省、政務官に来ていただいておりますが、この分野の具体的な経済効果はどの程度あるんだろう、どの程度広がると推計しているか、概数でも結構ですからお教えいただけますか。
○高木大臣政務官 お答えさせていただきます。
まず、結論から申し上げまして、現時点でわかる範囲内での数字でございますが、衛星測位の直接間接の経済波及効果は、日本航空宇宙工業会の試算によりますと、平成十七年度で約一兆一千億円に及ぶとされております。恐らくさらに多いことは十分見込まれますが、把握しております数字は以上の数字でございます。
恐らく今までの審議の中であったかと思いますが、この衛星測位は、人工衛星によりまして正確な位置、時刻、移動の経路を把握することができます。また、地理情報システムによりまして、各地点のさまざまな情報であります住所とか周辺施設であるとか天候等、提供されるシステムによりまして、連携によって高度なサービスの提供が可能でございます。具体的には、現在、カーナビゲーションシステムのほか、航空機や船舶の位置の把握、また宅配便やタクシーなどの物流の状況の管理、また携帯電話端末を利用した位置の把握等、多様な産業利用が進んでおります。
また、今後さらに、福祉、介護、そしてまた観光等、幅広い分野での活用が期待されておりまして、この衛星測位は高い経済波及効果を持つものと考えております。
○近藤(洋)委員 ありがとうございます。
今お話があったように、現時点でも一兆一千億円ある。考えてみますと、カーナビがここまで広がるとはだれも思わなかったわけで、かつ今、携帯電話にも広がっている。恐らく、この基盤が整えば、産業革命と言うと言い過ぎかもしれませんが、ただ、さまざまな意味での物流革命であるとか生産の変容、生産、流通も大きく変わるでしょうし、そして民間事業者がさまざまなサービスを考えるんだろうということが期待できるわけでありますね。その意味では、産業のインフラ、電気、ガス、通信といった社会インフラになるんだろう、こういう思いであるわけでありますが、その全体の仕組みを支える大きな柱が、一つに測位衛星であろうかと思います。
そして、日本は、この衛星を、米国の衛星システム、GPS、これは軍事衛星でありますけれども、これを活用しておる。日本政府は、米国のこのGPSシステムを無償で利用させてもらっているということであります。これは、一九九八年の小渕・クリントン会談の共同声明という形で合意をし、そして毎年事務レベルの会合を開いて、継続的な利用を確認しているということで伺っております。
そこで、外務省にお伺いをいたします。
この日米間の合意というものは共同声明という形ですが、これは、どういう場合に米国がこの利用を、ただで日本は借りているわけですけれども、認めなくなる、利用を中断する形になるのか。その手続はどうなるのか。例えば、文書なり協定で具体的なその取り決めがあるのか。現在は共同声明という形で毎年確認をしていますが、それが中断する場合の具体的な手続というものは示されているのかどうか。裏を返せば、無償でこのサービスが継続することの保障というものは、政府間でしっかりした取り決めというものがあるのかどうか、お伺いしたい。
○中根政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま先生より御指摘がございましたように、この問題につきましては、九八年に日米間で取り交わしました共同声明において、アメリカから継続的かつ全世界的に利用者に対する直接課金なしにGPSサービスが提供されること及び日米両政府として民生利用を不当に中断または劣化させることを避ける必要性があることについて記述がございます。
日米共同声明でございますけれども、両国の首脳が発出をしたという意味で、大変高い意味のある文書だと思っております。
また、これも先生の方から御指摘ございましたように、共同声明に基づいて開催されてきております日米GPS全体会合におきましても、日本側としては、継続的、安定的な提供を米国側に求めてきております。これまでの協議等を通じまして、万が一GPSサービスが利用できなくなる場合は、外交ルートを通じて速やかに詳細情報が提供されるということになっております。
ただし、今のところ、かかる手続について明文化されたものはございません。こうした問題については、今後の検討課題として我々としては考えていきたいと思っております。
○近藤(洋)委員 今お話があったとおり、明文化した規定はないんですね。この共同声明の日本語訳を見ても、中断または劣化することなくGPS及びその補強システムの誤用、悪用を避ける必要があることを確信している、両国政府は確信しているというこの声明文はあるけれども、具体的な、どういう状況下に置かれたらば中断するのかというものはない、こういうことであります。
そこで、副長官にお伺いしたいのですが、仮に、日米両国の関係が悪化していなくても、GPSは軍事衛星であるわけですから、何らかの有事の際に民生部分が使えなくなる、こういう可能性もあるかと思うんですね。また、もちろん事故で使えなくなる可能性もありますが、軍事衛星としてふだん使っているものに民生がオンしている、乗っかっているわけですから、有事は軍事が優先するということも当然想定されるわけであります。
今、日米間の取り決めは、明文化することは検討課題だという外務省の御答弁がありましたが、これは、これだけ重要なインフラになっているわけですから、そしてこれからするわけでありますから、少なくとも危機管理として、こういった状況を、使えなくなったらどうなるんだ、どうするんだということを検討すべきかと思いますが、現在検討しているのか、または今回の基本法の成立を受けて政府として検討するお考えはあるかどうか、お伺いしたい。
○下村内閣官房副長官 お答えいたします。
委員御承知のことでございますけれども、これは、GPS、衛星でございますので、世界的なシステムということでございますので、御指摘のような万一の不測の事態になる場合のこの影響というのは、基本的には、我が国だけの問題ではなくて、米国を含め世界全体に及ぶということが考えられるわけでございます。
我が国としては、現時点では、米国側の事情でこのGPSが全面的に利用できなくなるような不測の事態というのは想定しにくいというふうに考えております。
○近藤(洋)委員 副長官、私は、想定しにくいというレベルのものではだんだんなくなる、これからなくなってくると思うんですね。
すなわち、これだけ国家戦略としてやるという法律をつくって、そしてさまざまな、もちろん行政サービスのある意味では根幹になり、そしてそれを利用したサービスも出てくる。それがシャットダウンする可能性もあるということを、常に、補完の安全ネットというのを考える必要があるんだろう、こう思うんです。
そこで、副長官もお話しでございましたが、全世界の衛星システムでありますからということですけれども、現在、米国は、GPSシステムを運用するために、測位衛星を二十四機飛ばして全世界をカバーしている、こう聞いております。
仮に、日本国だけを網羅するシステムをつくろうとすると、推定で何機程度の測位衛星が必要になるのか、これは内閣府だと思いますが、お答えいただけますか。そして、その費用は大体どれぐらいになるかも含めて。どうぞ。
○丸山政府参考人 お答え申し上げます。
内閣府総合科学技術会議におきまして、今先生御指摘のありました衛星測位の問題は、平成十六年九月に、我が国における宇宙開発利用の基本戦略というものを取りまとめた中で検討を行った経緯がございます。
そのときの結論は、衛星測位システムについて、当面の目標としては、国はリスクの高い測位補完、補強などにかかわる研究、開発、実証を着実に推進するという方針が出されまして、自立性を持った相互補完関係を有する地域衛星測位システムについては、長期的な目標だという位置づけがなされました。したがって、今御指摘のありました、日本として自立的な衛星測位システムの構成、あるいは衛星は幾つ要るのかという点について、具体的な結論は出されておりません。
ただ、その検討の過程に至る段階におきましてさまざまな案が検討されまして、先生御指摘の自立性を持った衛星測位システムをつくる例を検討いたしましたけれども、その中では、衛星を六機あるいは七機使用するような複数の案というものを想定いたしましたけれども、具体的な費用の試算には至らなかったというのが経緯でございます。
○近藤(洋)委員 今御答弁のとおり、六機から七機だ、こう仮定しますと、人工衛星、仮に打ち上げ費用も含めて三百億円必要だと想定すると、少なくとも一千億円台の後半から二千億円というコストがかかる、こういうことだと思うんですね、衛星を飛ばすだけで。
副長官、現実問題として自前の測位衛星を、日本国だけをカバーするものを飛ばすというのは、私はそこまでする必要はない、こう思います。ただ同時に、重要なインフラであるがゆえに、そのバックアップの備えはどうしても必要なんだろう、こう思います。
ですから、重要なインフラだから、アメリカがGPSで軍事衛星で回しているけれども、同時に、欧州があり、自分で考えよう、中国もつくろう、そしてロシアもつくる、インドも計画をする、こういうことで、主要国は、この測位システムについて自前のものをつくろうという動きを、今各国、各地域がしているわけでありますね。
そこで、お伺いしたいんですが、具体的には、欧州のガリレオ計画、こういうものがあると聞いております。日本は、正式にヨーロッパ側から首脳会談で、このガリレオ計画に参加しないかという打診を受けていると聞いております。
ガリレオ計画は、純粋の、これは軍事衛星ではなくて民生用の衛星の構想であるわけでありますし、その意味でも使い勝手がいいのではないか、こう思います。政府として、米国のGPSの、今ただだろうというものの保険という意味も含めて、補完という意味も含めて、このガリレオ計画に参加するお考えはありませんか。いかがでしょうか。
○下村内閣官房副長官 今御指摘がございましたように、欧州のガリレオ計画に参加するということは、資金分担を伴うということになるわけでございます。
このGPSは、今お話がございましたように、直接課金がない、無償でということで利用しているわけではございますが、今、我が国としては、GPSを補完、補強する意味で準天頂衛星システム計画を推進しているところでございます。そのような政策の整合性。それから、先ほど御指摘がございましたが、現時点で、我が国として、米国側の事情でGPSが全面的に利用できなくなるような不測の事態というのは想定しにくいと考えておりますので、GPSを補完する形、補強するような形で取り組んでいきたいというふうに考えております。
○近藤(洋)委員 副長官、ただほど高いものはないと思うんですよ。ただだから今はいいんです、こういう話じゃないと思うんですね。国家戦略としてやる話ですよ。おっしゃった準天頂衛星、これは私も必要だと思います。ただ、これはあくまで、ベースとなるGPSといいますか、幾つかの衛星の、私も専門家じゃないからわかりませんが、その精度を高めるために準天頂衛星を上げましょう、こういう話でありますから、ガリレオ計画にも参加しても、準天頂衛星を飛ばすこととの整合性は当然とれるわけであります。
ここは、想定問答としてそれはまだ考える必要はないというのもあるかもしれないけれども、想定しがたいという答弁はいかがかなと。やはり国家戦略としてやるのであれば、そういうことも含めて、せっかくその思いで我々は基本法をつくっているわけでありますから、ガリレオ計画に参加しなさいということを私は言うつもりはありません。ただ、そういったことも含めて国家として考える時期ではないですか、共同声明という紳士協定に頼っている状況ではもうないんじゃないんですかということを指摘しているので、もう一度御答弁いただけませんでしょうか。
○下村内閣官房副長官 お答えいたします。
政府答弁ということで御理解いただきたいと思いますが、今の状況の中では不測の事態については予想しがたいと思っておりますので、今の政策の中で当面粛々と進めていきたいというふうに考えております。
○近藤(洋)委員 非常にこれは心もとないということを、あえてこの場では指摘をさせていただきたいなと思います。
そこで、申し上げたとおり、測位衛星の精度を高めるために準天頂衛星計画を我が国としては検討している、こういうことでありますが、先ほども御答弁ございましたが、平成二十一年度に打ち上げる計画だ、こう聞いております。一機三百三十億円かかる、こういう話であります。
それでは、二号機、三号機はいつ打ち上げるのか、全体のシステムをいつまでに完成させるのか。これは科学技術担当副大臣、お忙しいところを来ていただいておりますが、通告をしておりますので、きょうは高市大臣もお忙しいということでありましたので、お答えいただけますでしょうか。(下村内閣官房副長官「私が」と呼ぶ)では、副長官がお答えいただけるならば。
○下村内閣官房副長官 私の方からお答えさせていただきたいと思います。
この準天頂衛星は、二十四時間で日本上空からオーストラリア上空を8の字形で周回する人工衛星でございます。したがって、常に日本上空に衛星がとどまるためには三機の準天頂衛星が必要となるわけでございます。
昨年三月に内閣の測位・地理情報システム等推進会議で取りまとめました準天頂衛星システム計画の推進に係る基本方針におきまして、まず第一段階として、一機目の技術実証、利用実証のための衛星を打ち上げ、その結果を評価した上で、追加二機の準天頂衛星を打ち上げるような第二段階のシステム実証段階に移行する計画としております。
いずれにしても、本法案を踏まえまして、準天頂衛星システム計画を着実に進めていきたいと考えております。
○近藤(洋)委員 委員長のお許しを得て、資料を配付させていただいております。
着実に実施するという話でございましたが、我が国の宇宙開発の推進体制と予算を示したペーパー、これは出典は文部科学省でございますが、これを見ますと、一番右手の棒グラフが宇宙開発予算でありますが、着実に実施するというお話、本当に着実にできるのかという危惧を感じざるを得ないわけであります。
平成十四年から平成十九年まで、これは役所がつくったペーパーですから「五年ぶりに増加。」というところにだけ線を引いていますけれども、問題とすべきは、小泉改革で激減をしてきた、こういうことなんですね。宇宙開発予算はもう坂道を転げ落ちるように落ちてきた。宇宙開発の予算だけじゃありません。研究開発予算というのが小泉政権下において非常に冷遇されてきた、こういうことが言えようかと思います。
こういう状況で、果たして、一機三百三十億円かかる、こちらの方はまずやるということでありますが、二号機、三号機のシステムが完結できるんだろうか。宇宙予算は総額で現在二千五百三十三億円ありますが、衛星だけではありません。準天頂衛星だけではない、さまざまなことをやらなきゃいけない、ロケットもある、こういうことであります。
そこで、平沢剛腕副大臣に来ていただいておりますけれども、その剛腕ぶりを発揮して、どうやってこの予算を確保する道筋を立てるのか、資金を確保する道筋を立てるのか、お答えいただきたいのですが。
○平沢副大臣 御指摘のとおり、宇宙関係予算、棒グラフにございますように、平成十四年から減ってきているわけです。これはなぜ減ったかと聞いてみましたら、平成十四年から十五年は宇宙研究開発機構の統合結果のようですけれども、その後は、ロケットの打ち上げに成功したときはふえ、失敗したときは次の年は減らされている、こういうことのようです。
おっしゃるように、宇宙関係予算の確保というのは極めて重要なことでございまして、今後、宇宙開発につきましては、先端的な研究開発、宇宙産業の競争力強化とともに、総合的な安全保障を含めた幅広い宇宙利用の推進を図ることが重要でございますので、重点化を図りつつ、真に必要な予算につきましては確実な予算措置が講じられるよう全力で取り組んでいきたいと思いますので、委員の御支援の方もぜひよろしくお願いいたします。
○近藤(洋)委員 そうすると、副大臣、この準天頂衛星計画は、今回基本法をせっかくつくるわけでありますから、真に必要な開発計画だ、こういう御認識でよろしいでしょうか。準天頂衛星の開発については真に必要なものである、こういう認識で政府はよろしいですか。
○平沢副大臣 その辺も含めて、私たちは前向きに検討していきたいと思っています。
○近藤(洋)委員 ちょっと弱いですよね。これは基本法をつくるんですよ、国家戦略だと。今この委員会で、国家戦略だと。これは与党の茂木前科学技術担当大臣も、国家戦略だ、こういうことで、科学技術関係の閣僚経験者の方も提案者になってのプロジェクトです。我々も賛成をし、かかわっている。これだけ院から、国会から言われているわけでありますから。もう国会の御議論というわけじゃなく、国会からはやれということが出ているわけであります。それをやれということを言われての答弁ですから、もう一回、真に必要だ、こういうことでよろしいでしょうか。
○平沢副大臣 限られた予算の中でどういうように予算を配分するかという問題でもございますが、委員の御指摘はよくわかりますので、予算確保に向けて全力で取り組んでまいりたいと思いますので、ぜひ御支援のほどをよろしくお願いいたします。
○近藤(洋)委員 予算が厳しいのは百も承知しているわけであります。全体の中で厳しいのは百も承知しています。だから知恵を出す必要があるんだろうな、こう思うわけであります。
そこで、経済産業政務官にお伺いしたいんですけれども、そもそもこの準天頂衛星開発計画は、当初は官民共同のプロジェクトだったわけです。それが、経緯があって、民間が抜けて官のみのプロジェクトになった、こういうことであります。最初の実証研究ですから、官が主導するのはいいでしょう。だけれども、一号機は国がやるにしても、じゃ、二号機、三号機は事業の一部を民間に入っていただく。これは先ほど政務官もおっしゃったように、大変経済波及効果の広い、ビジネスとしても広がる分野でありますから、民間の方にも入っていただく、加わっていただく、こういう知恵もあっていいのではないか。そういう形で、ある程度期限を区切ってこの計画をどんどん進めていく、こういう姿勢も政府として必要かと思いますが、いかがでしょうか。お答えいただけますか。
○高木大臣政務官 今お話がございましたとおり、衛星測位は多様な産業利用が可能なことから、政府としまして、準天頂衛星システム計画を推進するに当たりまして、平成十四年に発足しました協議会におきましては、民間事業者にも入っていただきまして緊密に連携を図ってまいりました。
この計画への参加につきましては、平成十八年三月、協議会での基本方針に基づきまして、初号機の開発、打ち上げは国が行う、民間事業者はその利用実証に参加するというふうになっております。具体的には、経団連が中心となって設立いたしました財団法人衛星測位利用推進センター等が準天頂衛星の利点を生かしまして実証事業を行うことになります。
まず、初号機の実証の評価を行い、その上で三機の衛星によるシステム実証の段階に進むわけですが、その時点で民間事業者が測位サービスを事業化するという判断をした場合には、事業内容と規模等に相当する資金負担を行うこととなっております。
まず、経済産業省といたしましては、第一段階として、民間事業者が準天頂衛星の初号機を利用した実証事業を着実に実施できますように、関係府省とともに、民間事業者と引き続きしっかりと連携をしてまいりたいと考えております。
○近藤(洋)委員 ぜひそういう形で、民間企業を加えながら開発を進めていく作業、これは重要だろうと思います。
そして、同時にやはり国としてやるべきは、私は、先ほどのGPS補完にこだわるわけではないですけれども、拠出金を出す。出すからこそ自分の地位も確保されるわけでありますし、例えばガリレオ計画に拠出金を出す形で研究開発計画にも乗れるわけでありますから、私は、そういう部分というものも含めて、やはりこれは政府で研究していただきたいな。その開発の知恵を世界で分け合う、こういうことにも、開発にもプラスになるんだろう、こう思います。
最後に、官房副長官にお伺いします。宇宙の平和利用についてであります。
御案内のとおり、昭和四十四年の国会決議で、宇宙の平和利用、こういうことが決議の中で打ち出されて、その後も、政府も宇宙の平和利用の方針を堅持している。私もこれは賛同するものであります。ただ、問題は、ここでちょっとお伺いしたいのは、平和利用という文言の解釈であります。
政府の解釈は、昭和四十四年の答弁以降、平和利用とは非軍事である、こういうふうにしております。しかし、当時、昭和四十四年から今まで来ますと、非常に技術も進んで、宇宙の利用も進んできた。宇宙関連技術が民生に転用される、こういうことも日常的に起きている。かつ、人工衛星自体も利用されている。GPSなどは典型例であります。軍事衛星を利用しているわけであります。
そうなると、我々がカーナビで走っているのは、軍事衛星の技術のおかげで走っている、こういうことも言えるわけであります。そうなると、この非軍事という解釈が現実と必ずしも一致しない部分というのが出てくる、今も若干出てきているし、これからも出てくるのではないか、こういうことであります。
私は、ここのところで、平和利用は非侵略とするかどうか、これはちょっとまた議論のあるところではありますが、しかし、その解釈も含めて再検討するということもこれから必要なのではないかと思いますが、副長官、いかがでしょうか。
○下村内閣官房副長官 先生の問題提起はそのとおりだというふうに思います。ただ、これは今御指摘がございましたように、昭和四十四年の国会決議がございまして、その国会決議の中の、平和の目的に限るという、その文言の解釈が非軍事だというふうに常識的になされている、そういう議論が今までされてきたのではないかと思います。
ですから、政府としては、宇宙に関する現在の施策というのは御指摘の国会決議を尊重して行われているところでございますので、この国会決議の解釈を見直すか否かにつきましては、まずもって国会の中で議論していただければ大変ありがたいというふうに思います。
ちなみに、現在、与党においても宇宙基本法に関する議論、検討がなされているということでもございますし、ぜひ各党においてこのような議論がされますことを政府として関心を持って見守ってまいりたいと思っております。
○近藤(洋)委員 この問題は大事な問題なのでまたの機会に譲りたいと思いますが、ただ、私がこの場で申し上げたいのは、我々も真剣にこの問題を民主党としてこれから議論していく、こういうことになろうかと思いますけれども、ただ、国会決議だから国会でというのではなくて、これを伺ったのは、やはり解釈は政府がしているわけですから、まさにその解釈を、政府の問題として、政府の姿勢として、それは政府としても検討できる部分もあるのではないか。国会に投げるだけの話ではないだろう、こういうことだけは指摘をしたいと思うわけであります。
この非常に重要な法案を今回こういう形で提案をし、議論がされているわけであります。くどいようですが、仏つくって魂入れず、こうならないように。我々民主党もしっかりこの分野について政策を提言していくということを申し上げ、時間ですので終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○河本委員長 次に、細野豪志君。
○細野委員 近藤委員に引き続きまして、GIS基本法について質問させていただきたいと思います。
このGIS基本法につきましては、私も、大変これはいいものができたなというふうに思っております。GISシステムという地理情報のシステムをきちっと運営していくということと、もう一つは、測位衛星のシステムをきちっと打ち上げて、その整合性をとっていくという、言うならば、二つの大きなシステムを統合する、そういう意味もございますので、大変私も関心を持って見てまいりました。きょうこれから採決、衆議院通過ということになろうというふうに思いますので、そのことについては大変喜んでおります。
もう一つ、私はこの問題を議論するときにしっかり踏まえておきたいと思っておりますのが、我が国においては宇宙に関する法律がほとんど存在をしないということなんですね。一部、JAXA法という法律がありまして、そこで宇宙のことをやるんですよということを書いた法律はあるんですが、宇宙そのものについてきちっと規定をした法律というのは我が国に存在をしておりません。
今回のGISシステムの法律というのは、その意味では、そこだけに焦点を当てたものではありませんが、大きな一歩を踏み出すものであるというふうに思っておりまして、特に、宇宙開発の部分について、提出者の皆さん、そして政府に対して質問していきたいというふうに思います。
まず、実はこれは通告はしていませんが、せっかく近藤委員の方から極めて本質的な質問がありましたので、平和利用についてお考えを提出者にお聞かせいただきたいと思います。
宇宙開発については、基本的に、二つの大きな制約が日本にはあります。一つは国会決議の平和利用の問題、もう一つは日米の衛星合意、三〇一条に基づく衛星合意、これは後ほど聞きます。
大きな制約の一つである平和利用の問題について、与党内でもいろいろ議論があろうかと思いますので、これはどなたか、そこはお任せをしますが、まずその点についての質問をさせていただきたいと思います。
○西村(康)委員 先ほど来議論のありますとおり、国会決議で平和利用に限られているわけでありますけれども、昨今のさまざまな世界情勢の変化等にかんがみて、宇宙利用を促進していこうということで、我々、与党内でも宇宙基本法の策定を目指して勉強を進めているところでありますし、民主党におかれましても非常に関心を持っていろいろな研究をされているというふうに伺っております。
時代に応じていろいろな考え方があるんだと思いますので、我々としては、ぜひ一歩前進をさせたいなという気持ちでおりますけれども、この法律は、今までの国会決議の範囲内、平和利用の範囲内のものでありますので、直接関係のあることではありませんけれども、ぜひ今後議論を深めて、与党内、そして民主党の皆さん方、野党の皆さん方とも議論を深めて、ぜひいい形での宇宙の利用ができるように我々としては頑張ってまいりたい、そんなふうに考えております。
○細野委員 そちらにだけ聞いておいてこっちが答えないのもなにかと思いますので、私の考え方を若干申し上げると、日本が自衛のために情報網をきちっと持って耳を大きくしておくというのは、これは防衛上必要だと思うんですね。ですから、軍事利用の中の自衛の部分はどこなのかということを探って、それに基づいて、今の国会決議というのはいいのかどうかという議論の整理は私はどこかで必要なんだろうというふうに思っております。我が党内でもその議論はそろそろ始めたいと思いますので、そのことについてはこの場をかりて申し上げておきたいというふうに思います。
宇宙に関するもう一つの大きな制約が、冒頭でも申し上げましたが、日米衛星合意でございます。
今回、二十一年に打ち上げると言われておる測位衛星、準天頂衛星は、実用衛星ではなくて実証衛星、つまり研究開発衛星ということですから、この日米の衛星合意の範囲外ということでありますが、必ず二機目、三機目、実用衛星としてしっかりと打ち上げということになると、この合意の部分が必ず問題になってくる。
答弁者の皆さんはもう釈迦に説法だと思いますが、要するに、実証衛星、実験用にやる衛星であれば国産でできるんだけれども、実用衛星になった瞬間に調達を自由化しなければならない。実質的に調達を自由化すると必ずアメリカの会社が持っていくというのが今までの日本のやり方でございまして、必ずどこかでここは制約が出てきます。
まず、答弁者に伺う前に政府に確認をしておきたいんですが、一九八九年に、アメリカのスーパー三〇一条に基づいて、我が国の衛星調達が外国の貿易慣行としてふさわしくないという話が出てきた。それに基づいて、一九九〇年に、我が国は非研究開発衛星の調達について、アクション・プログラム実行推進委員会というのをつくって、そしてこれを内外に、無差別にやるということを宣言しています。この文書が私の手元にも来ておりますが、ここで言う「非研究開発衛星の調達手続」というこの文書は、法律的にはどういう意味があるんでしょうか。
○刀禰政府参考人 お答えいたします。
ただいま御指摘のありましたものにつきましては、アクション・プログラム実行推進委員会というところの決定でございますけれども、これは閣議決定により内閣に設置された組織でございまして、全省庁の参加を得て開催されております。そのため、同委員会の決定というものは、全省庁の合意により形成された政策を対外的にお示しするという性格のものでございます。
この法的な位置づけというお話でございますけれども、閣議決定により内閣に設置されました委員会の決定というものでございます。
○細野委員 下村副長官もよく御存じだとは思うんですが、このアクション・プログラム実行推進委員会自体は確かに閣議決定されて設置をされているんですね。ただ、そこで出されたこの調達手続の文書自体は法的には全く位置づけられていないし、この手続自体も別に閣議決定されているわけではないんです。ただ、もう十七年たっているんですか、ここで合意をされたこの文書にずっと我が国は従って海外へ開放してきたというのが経緯ですね。この文書に関しては、法的な位置づけはありません。
もう一つ申し上げると、もう余り詳しく申し上げる意味はないのかなとも思うんですが、一九八九年というのは、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われて、我が国が貿易黒字を稼ぎまくって、アメリカからいろいろたたかれた時代にできた文書ですね。この文書をつくる次の日には、ヒルズUSTR代表に対して、当時の村田特命大使の名前で、こういう合意をつくりましたから大丈夫ですよという文書までわざわざ送っているんですね。そして、それに対して、よくそういう文書をつくってくれました、日本はよくやりましたという文書が我が国に返ってきている。こういう経緯をそろそろ我々はしっかり振り返って、今何が必要かということを考えるべきだと思います。
もう一つ付言をいたしますと、一九九〇年以降、これは数字がはっきり、すべて明らかになっているわけではないんですが、私がカウントした限り、二十四機の実用衛星が打ち上げられています。一年一機から二機打ち上げられていますが、そのうち我が国が受託したのはたった一機。これは二〇〇六年、昨年初めて国産機になっていますが、この一機だけ。実質的にはすべてアメリカが二十三機は受注をしてやっています。
要するに、実証衛星というレベルの低い実験衛星については国産だけれども、レベルの高いものになってくるとすべて国際調達、すなわちアメリカに持っていかれているというのが今のところのこの衛星合意の結末なんです。
官房副長官にも後ほどお聞かせいただきたいと思いますが、まず、せっかくですから提出者に、測位衛星をこれからやっていくということもあるわけですから、この合意についてそろそろ見直す。法的には意味がありませんから、いや、この手続はもう改めますと言えばそれで終わりなんですが、外国に対して宣言をしていますから、恐らく通告はしなければならないと思います。この文書についてそろそろ見直す時期に来ていると私は思いますが、いかがでしょうか。
○新藤委員 まず、細野委員には、この地理空間情報については大変御理解いただいて、また御尽力いただいていることを仲間の一人として御礼を申し上げたいと思います。それから、今お話のありましたことは、問題意識は共有できる部分もございます。
ただ、私の理解によれば、非研究開発衛星の調達手続というのはWTOの政府調達協定にのっとってやっている、WTOの協定がベースになっているというふうに私は理解をしております。ですから、それにのっとって、透明、公開、無差別を原則とした手続を行うんだということにおいては、日米の文書以前にWTOの政府調達協定があるんじゃないか、私はそういう理解で、また政府としては、ここを原則として今後も調達をしていかなければいけないというのが基本だというふうに思っております。
一方で、やはり国産衛星事業の国際競争力の確保、向上、これはとても大事なことだと思いますし、それからもう一つ我々が考えなければいけないのは、このWTOの協定の中でも、国の安全保障にかかわるものは適用除外となっている、こういうルールがあるわけです。
ですから、いろいろなものを考えながら私どもはこの問題に取り組んでいかなきゃいけないんじゃないか、こういうふうに思っています。
○細野委員 新藤議員は御専門でもあるので、これはもう改めて申し上げるまでもないと思うんですけれども、今新藤委員が引用された政府調達協定についても、安全保障上の目的の場合には国産でいいですよと書いてあるんですね。各国はこれを最大限に活用していまして、実用衛星はほぼ例外なく国産にしています。
要するに、衛星の分野というのは、測位衛星もそうですし通信衛星も情報通信衛星もそうなんですが、これが軍事でこれが非軍事ですなんてはっきり分けられないわけです。そこを全体をとらえて、衛星は国産でほとんど調達しているんですよ。ですから、これに基づいてやっているのではなくて、協定の上にわざわざこの調達の手続の文書をつくっているからやっているんです。そこは認識をぜひ改めていただいた方がいいと思います。
その上で、十分趣旨は御理解をいただいていると思いますのでこれ以上聞きませんが、官房副長官に、これから測位衛星をどんどんやっていくわけです。副長官はこういう、それこそ国益にかかわることについて極めて強い御関心と御決意を持っていらっしゃる方だと信ずるものですが、そろそろきちっとこれを見直してやっていくのはどうか。
アメリカの一つのシグナルでもあるんじゃないかと実は思っているんですよ。数年前であれば、恐らく、GISのシステムはいいとしても、測位衛星を日本が打ち上げるということに関しては、GPSがあるからいいじゃないかとアメリカは言ったのではないか。ここへ来て日本でもどんどんやれと言ってきているのは、やはり一つのシグナルではないかというふうに思っていまして、そろそろ政府としてこの見直しにぜひ取り組んでいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○下村内閣官房副長官 お答えいたします。
認識については共有する部分がございます。
ちょっと事実関係の、経緯だけ確認の意味でもう一度整理して申し上げたいと思いますが、非研究開発衛星の調達手続は、御指摘のように、一九八九年、米国がスーパー三〇一条に基づき優先外国貿易慣行に指定したことを一つの契機として、日米間で行われた協議も踏まえて、一九九〇年、第十四回アクション・プログラム実行推進委員会において、我が国の自主的措置として決定をいたしたものでございまして、先ほど委員が御指摘のとおりでございます。そのことをもって我が国が書簡を米国に通報したものでございまして、これは、交換書簡、一方的な我が国からの通報でありまして、特に国際的な約束ということではございません。
一方、この手続におきまして、非研究開発衛星を調達するための透明、公開、無差別を原則とした競争的手続を定めておりますけれども、政府としては、これまでもこの手続にのっとって非研究開発衛星の調達を行ってきておりますので、引き続きこれらの原則にのっとった調達を行うということが現在においては適切であるというふうに考えております。
○細野委員 官房副長官のその御答弁を聞くとがっかりしちゃうんですが、では、ちょっとさらに聞きます。
これも通告してあるので副長官にお答えをいただけると思うんですが、では、この測位衛星、準天頂衛星と言われる二機目以降の衛星も、これも実験衛星、研究開発衛星ということで打ち上げるんですか。
○下村内閣官房副長官 御指摘のように、一機目については、内閣の測位・地理情報システム等推進会議で取りまとめて、準天頂衛星システム計画の推進の基本計画において、技術実証、利用実証の結果を評価した上で、基本的に官民が協力をして追加二機の準天頂衛星を打ち上げる、第二段階のシステム実証段階に移行するということでございまして、二機目以降の準天頂衛星、必ずしも実用衛星と呼べるものではないというふうに考えております。
○細野委員 副長官、ぜひ御認識いただきたいんですが、そうやって日本はごまかしごまかしやってきたわけです、実用衛星に該当するようなものもJAXAが打ち上げる研究開発衛星として。私はJAXAという組織自体にも若干疑問を持っているんです。文科省の下にある独立行政法人ですから、そこで取り仕切って、まあ、これは実用衛星にするといろいろ問題が出てくるので、研究開発衛星と位置づけるということで、だましだましやってきたんですね。その手法は、そろそろ私は限界に来ているというふうに思っています。
先ほど近藤委員の質問でも民間を参加させてという話がありましたね。民間を参加させれば、利用の面の参加だけではなくて打ち上げに参加させれば、おのずとまた実用の部分というのはふえてくるわけですよね。そのときに、二機目もそういう研究開発衛星でやり続けて、唯々諾々とこの手続に従うんですというのは、少しやはり政府としては、せっかくこれだけ大構えなことをやっているのに、私はもったいないなというふうに思います。
政府と比較すると自由な立場にあるのが提出者の皆さんだと思いますので、どうでしょうか、二機目、三機目に合わせてこの衛星合意についても見直すことを与党の側としてぜひ御検討いただく、それぐらいぜひ答えていただきたいと思うんですが、これは、では西村提出者にぜひお願いします。
○西村(康)委員 非常に思いは共通の部分が本当に多いのでありますけれども、御案内のとおり、安全保障にかかわるもの、あるいは研究開発にかかわるものは抜けてありますから、現実問題、衛星を飛ばす際に、我々、そういう解釈をして理解を対外的にも求めていくということは可能だと思います。
今回も実証という形で三機飛ばす格好になると思いますけれども、当面そのような形で進めていくということになりますので、少し、WTOのルールの範囲内で何ができるのか、どこまでできるのかを含めて、そしてまた国際競争力をいかにこの日本の衛星ビジネスでつけていくのかということも真剣に考えながら、幅広い視点でさまざまな事柄について議論を進めて深めていくということが大事だと思いますので、民主党の細野委員の御意見もしっかり踏まえて、これからいろいろな形での宇宙の利用のあり方についてしっかりと勉強をしてまいりたいと思います。
○細野委員 だんだん二機目、三機目に向かって技術も上がってくるんでしょうし、ただその一方で、日本の場合は、地理情報と言っているからには、これはやはり軍事とかかわるんですとはなかなか言いにくいですよね。情報収集衛星は軍事で一応縛っているんですが、あれもかなり際どい線で、まあ一応安全保障に関係ありますからということでやっているわけですよね。ここは、要するに二つの制約がある中で辛うじてそこをやっているというのが今までのやり方ですから、そろそろやり方自体を考えるべき時期に来ていると私は思っています。
もう一点お伺いをしたいのが国際的な協力なんですが、私もちょっといろいろ選択肢を考えました。近藤委員が指摘をされたように、ガリレオに参加をしてリスクヘッジをすることも必要かもしれない。中国の衛星破壊の問題なんかもありますから、GIS自体もある部分で脆弱性を持っているかもしれないので、自己完結できるような六機体制、七機体制も考えるべきではないか。いろいろ考えましたが、さはさりながら、我が国の今の予算の制約を考えると、そんな簡単なものではない。ですから、三機体制である程度きちっと回していくことを先行すべきではないか、今の時点では私はそう考えています。
その上でお伺いをしたいんですが、この準天頂衛星は8の字形で上を回るわけですが、ちょうど南半球のオーストラリアの上を通るわけですよね。時を同じくして、オーストラリアとは安全保障についての協力関係も結んでいるわけですし、我が国の重要な資源もエネルギーも依存をしているパートナーでもあるわけで、オーストラリアと協力体制を結んでいくということに関しては比較的制約は少ないのではないかというふうに思っております。
政府としてその問題についてどのようにお考えになっているか、これは官房副長官にお伺いします。
○下村内閣官房副長官 御指摘のとおりでございまして、準天頂衛星システムは米国GPSの補完、補強を行うために、そのような形をとることによってオーストラリアの上空を通過するということでございまして、これからオーストラリアなどのアジア、オセアニア地域における国際協力というのは大変重要でございます。
そういう意味で、今後、オーストラリア等との間で衛星測位の利用面などの協力について検討を進める必要があるというふうに承知しております。
○細野委員 この問題は政治的ないろいろな交渉にもかかわりますので、提出者にもお伺いをしたいと思います。
○西村(康)委員 御案内のとおり、オーストラリアとの関係は非常にいい関係で進んでおります。ハワード首相が来られたときも、安倍首相との間で、安全保障も含めて、幅広い経済関係の中で両国間の関係を強化していこうということで合意をしておりますし、FTAの交渉なんかも進んでおります。
そういう観点から、オーストラリアとは宇宙利用の面でも一緒にやれる分野があるのではないかというふうに思いますし、特にこの準天頂衛星は、御指摘のとおりオーストラリアの上を通りますので、オーストラリア側でこの電波を受けて利用してもらうことも可能でありますから、そういった面で、一緒になってこの準天頂衛星のことも、共通の形で何かできることはないかということは検討に値するというふうに思います。
○細野委員 この点は双方から非常に前向きな御答弁をいただきましたので、ぜひ期待をしたいと思います。
続いて、GISのシステムの個人情報のあり方について一問だけ質問させていただきたいと思います。
ガイドラインをつくって個人情報をやるということなんですが、私が一番心配していますのは、やはりデータマッチングの問題。これは、相当のシステムがこれからこのGISシステムに積み重なっていくでしょうし、そのことによって飛躍的に情報マッチングというのが進むんだろうというふうに思うんですね。個人情報というのは、本当に、一つの情報であればさして価値はないんです。それが積み重なることによって、さまざまな個人を識別しやすくなると同時に、識別されたときに、それらの情報が総合されると相当個人のプライバシーが暴かれるというところに問題があるわけですよね。
そこで、平成十五年の四月十七日に出ているガイドラインを見たんですが、これでは非常に心もとない。個人情報の保護について書いてあるんですが、「特定の個人を識別することができるようになる情報もあるので注意を要する。」と書いてあるだけで、具体的に何をするとは全く書いてないわけですよね。これは、ガイドラインをつくるときにやはりデータマッチングに注意をして、新しいデータが入ったときには、それによって個人情報がそれこそ流出する懸念はないのか、流出した場合にそれが個人を識別される可能性はないのかということについてはかなりきちっと検証する。検証することがきちっとできれば、逆に利用もできるわけですから、そこはぜひ踏まえていただきたいというふうに思うんですが、ではこれは、まず官房副長官からお答えをいただきたいと思います。
○下村内閣官房副長官 議員御指摘のように、既存のガイドラインについては不十分な面があると思います。
国、地方公共団体が地理空間情報を利用、提供するに当たりまして、具体的に、御指摘のように、GIS上で情報を重ね合わせて照合することにより間接的に個人を識別できる場合を含め、どういった範囲の地理空間情報が個人情報に該当するのか、また、個人情報に該当する地理空間情報については個人情報保護法制に照らして実務上どのような加工処理や情報制限などの措置が必要となるのか、このようなことについて、情報の種類や個々の場面に応じた取り扱いに関する具体的な判断指針が必要と考えられます。
こうした観点から、地理空間情報の活用に関しての新たな個人情報の取り扱いに関するガイドライン、この策定を行っていきたいと考えます。
○細野委員 さっきの方の質問でも、平井さんの方にも同じ御答弁をされているので、さらに、要するにデータマッチングの問題について対応できるようなガイドラインをつくってくださいという質問をしたんです。わかりました。やられる、ガイドラインをつくるということはわかりましたので。
では、提出者に聞きます。
この問題についての対応を提出者としてはどういうふうにお考えになっているでしょうか。
○泉委員 この法案、昨年から与党の方でずっと議論が進んできた法案ですが、我々民主党も、今回共同提案をさせていただくに当たりまして、特に個人情報の保護というところには重きを置いてこの法案を見させていただきました。
委員御指摘のとおり、先ほど平成十五年の四月十七日のガイドラインというのがありましたが、実は、個人情報保護法が、その次の月、五月に成立をしているということもありまして、この時点では、個人情報保護法の観点からは、実は余りガイドラインというのは作成されていないという問題点がございました。
例えば、このガイドラインでいうと、「情報の提供に関するガイドライン」ということで、そもそも情報の保護に関するガイドラインということになっておりません。あるいは「提供に際し留意すべき点」という書き方になっておりますが、やはりそれでは弱いというふうに思っておりまして、こういった観点を個別具体的に、情報の重ね合わせによる、どのような実例が挙がってくるのかということも一つ一つ確認をしてガイドラインをつくっていきたいと思います。
時期については、我々提案者の方としては、やはり成立後早急にということを政府の方には要請をしていきたいというふうに思います。
○細野委員 官房副長官、今のが私の懸念なんですよね。ガイドラインをつくるのは政府ですから、個人情報保護法ができている中で、利用するたびにどういう制約があるのかということについて、ぜひ早急に御検討いただきたいというふうに思います。私もそこは注視をしていきたいというふうに思っています。
もう時間もなくなってきましたので、最後、ちょっとデブリの問題について、少しこの法案とは離れますが、質問させていただきたいと思います。
資料を配っていますので、ちょっとそれをごらんいただけますでしょうか。二つ資料をつけさせていただいているんですが、グラフの方をごらんいただけますか。これが宇宙のデブリの数です。一番上が、登録された物体ということですから、全体の数ですね。真ん中が落ちたもの、差し引くと、一番下、軌道上の物体が一番下のものです。
よく見ていただくと、一番最後のところでグラフが高騰しているのがわかると思うんですが、これは何かおわかりでしょうか、上がっているのは。一番最後に上がっているのがごらんいただけると思うんですが、これは、中国が風雲一号という衛星の破壊をしたときにこれだけ上がったんです。日本ではこれは余り大きく報道されなかったんですが、アメリカでは大変な問題になりました。中国との宇宙の協力関係についても破棄をすべしという議論まで出てきたぐらい大変な問題になったんですね。
私も、宇宙関係者とこの問題を随分議論いたしましたが、ちょうどこのデブリが出てきている軌道は、高度でいうと八百六十五キロ前後ということで、そこにこれだけ宇宙のごみがたまるということは、宇宙開発に決定的なダメージを与えるんですね。
その現状を示したのが地球儀の方でして、一九六〇年からどういう形でデブリがふえてきたのかということを模式的に示してあります。一番近々のが二〇〇〇年のデータですが、二〇〇〇年の時点でもうこれだけデブリがあるわけですね。
この問題に、やはり日本はもっときちっとメッセージを出すべきだ、そして国際的なルールづくりについても前向きにやっていくべきだというふうに私は思っています。
外務省からも御答弁いただこうかと思ったんですが、済みません、時間がもうありませんので、この問題に対して、少し政府としてきちっと取り組んで、国際的なルールづくりにもぜひ前向きにやっていただきたい。
ただ、ちょっと時間もありませんので、では、そういう必要性、あと、それについて立法機関としても取り組むということについてどのようにお考えになるか、提出者にお伺いしたいと思います。
〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕
○新藤委員 これは、国際社会が共有をしなければいけない問題だと私も思っています。そして、中国のこのデブリ、人工衛星の破壊実験の直後にちょうど私も中国に行っておりました。額賀元防衛庁長官とお邪魔したわけです。そして、あちらの国防大臣ともお話をしております。ただ、悔しいことに、我が国はこれを正式に確認していないんですね。それを確認するすべがない。ここからまず始めなければいけません。
そして、このスペースデブリの問題は国連のあらゆる委員会において我が国も積極的に発言をしております。そしてまた、さらにこれから強力に私どももやっていかなきゃいけないし、今回の宇宙基本法の中にもこういう問題も入れ込むべきではないかなと思っておりますし、これは人類共通の課題としてしっかりと取り組んでいきたい、このように思っております。
○細野委員 最後に宇宙基本法の話が出ましたので、この問題、これからだと思うんですが、せっかく通告しているので最後に、では宇宙基本法についてどういうことをお考えになっているか拝聴して、質問を終わりたいと思います。
○新藤委員 これは現在、自民党においてはプロジェクトチーム、また自民と公明党とのプロジェクトが設置されておりまして、同法案の検討を行っているところでございます。
その趣旨は、科学技術の進展その他、内外の諸情勢の変化に伴って、宇宙の開発及び利用の重要性が増大している。これにかんがみ、我が国における宇宙開発利用のあるべき姿を示すことと、そして、我が国において宇宙開発の果たす役割拡大を活発化して実りあるものとすることを目指しているということでございます。
そして、主には、宇宙戦略本部を設置する、それから、産業振興と汎用化についてきちんと位置づけよう、さらには、国の責務の明定と活動法をきちんとつくっていこう、こういうことでございまして、先ほど委員がおっしゃったように、宇宙に関する法律がございませんでしたので、これを基本として推進できるように頑張っていきたい、このように思っております。
○細野委員 これもまた個人的な意見なんですが、GIS法案よりは、どっちかというとそっちが先にあった方がやりやすかったんだろうと思うんですね。我が党内の議論はこれから、いろいろと議論は積み重ねてきておりますので、個人的には、この問題についてもきちっと議論をさせていただいて、私どもなりの見解を明らかにして、できましたら何らかの協議ができれば、そんなふうに思っておりますので、最後にそのことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。
○戸井田委員長代理 次に、三日月大造君。
○三日月委員 民主党の三日月大造です。
この地理空間情報活用推進基本法案、私も、二つの理由でこの法案に対して大変期待をし、賛同しているんですけれども、一つは、地理空間情報というものを国のインフラとするんだ、また、その整備をすることは国家戦略なんだ、こういう位置づけをすることは大変重要だというふうに思っています。
またもう一つ、これを整備、活用するということもさることながら、産官学連携して、官民挙げて人材育成、研究開発も含めて取り組んでいくんだということを包括的に定めた法律ということですので、この間、御検討いただいた関係各位、提出者初め皆様方に、まず敬意を表したいと思います。
期待をし賛同しながら、私は特に、国土交通分野から懸念される点や期待される点、法の趣旨、現状、目指すべき姿について確認をさせていただきたいと思います。若干順番を入れかえてお聞きをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。必要に応じて政府参考人にも確認をしてまいりたいと思います。
まず一つ目、今、国会で、参議院先議なんですけれども、測量法の改正法案が審議をされております。これも、インターネットで地図情報、地理情報を活用していくんだという、よく似た枠組みの法案だと理解をしているんですけれども、この測量法との関係について、どのようになっているんでしょうか。
○西村(康)委員 委員御質問の測量法との関係でありますけれども、御案内のとおり、参議院で既に可決をされました測量法の改正でありますが、これは、既にある地図の情報を、御指摘のとおり、インターネット等を通じて流通を促進していこう、利用を促進していこうというものであります。
それはそれで、もう既に測量の成果をどんどん世の中に生かしていくという意味で大事なことだと思うんですが、今回、我々、この法案、地理空間情報活用推進基本法案でやろうとしていることは、さらに、衛星測量を使っていわゆる地図情報をより正確なものにしていこう、基準も統一をし、それぞれいろいろなところにある地図情報を重ね合わせるようにしていこう、より精度の高いものにしていこうというものでありますので、測量の成果と相まって、この地図情報が整備をされて、それをまた今回改正がなされる予定の測量法の新しい法律によってさらに流通を促進するということで、両方の法律が相まって地理空間情報の活用が促進される、そういうふうに期待をしているところであります。
〔戸井田委員長代理退席、委員長着席〕
○三日月委員 今言われたように、この法律は、より測量の精度を高めていくものだというお話がありました。そうしますと、この法文の中にも出てまいります基盤地図情報、この基盤地図情報を整備したり、また更新をしたりということで大変重要な役割を担うであろう国土地理院、また、衛星も含めて地球全体、日本上空、その周辺、そういったところの気象等を観測、伝達する気象庁、この気象庁や国土地理院という組織に期待される役割や機能というものはどのように変わっていくのか、また、変えようとするのか。
○泉委員 御質問ありがとうございます。
国土地理院と気象庁という二つの観点からの御質問でありますけれども、国土地理院については、我が国の測量、地図作成を所管しておりまして、位置情報の基準を定める、そしてまた、その管理、提供を行うということで国民から期待をされている。この法案によって、国土地理院は、地理空間情報の位置の基準となる基盤地図情報の基準を策定し、その整備、更新を促進するということでいえば、非常に重要な役割がこれから高まっていく。ただ、もちろん、行政改革の観点でいえば、この国土地理院そのものも定員は増という形にはなっておりませんでして、定員の方は少なくしていくけれども、しかし、重要な役割を担っていく。
そして、気象庁についても、特に災害という観点からいえば、やはり非常に重要な役割はあるということでありますけれども、この法律の成立によって新しい役割が付加をされる、新しい機能が追加をされるということではないということでございます。
○三日月委員 国土交通省の方にも御出席をいただいていると思うんですが、今話題にしました基盤地図情報、これについては、詳細を国土交通省令で定めていくんだということで、測量の基準点、海岸線、公共施設の境界線、行政区画その他ということで例示がされておりますけれども、どのようなものが省令で定められる予定なんでしょうか。
○藤本政府参考人 お答えさせていただきます。
先生御承知のとおり、基盤地図情報というのは、地理空間情報の中で、いわゆる電子地図上における地理空間情報の位置を定めるための基準となる、先ほどおっしゃった海岸線とか、そういうたぐいの位置情報を定める、いわゆる白地図のようなもの、こう思っております。本法の二条三項の方に、国土交通省令によって基盤地図情報の位置を定めるための基準となる項目、そしてもう一つは、その項目の位置情報が満たすべき基準、この二つを省令で定めるというふうになっております。
具体の項目につきましては、今後、関係機関と協議、あるいは関係筋と協議をしながら決めていくことになると思います。先ほど先生、法文をお読みいただいたわけであります。そういう海岸線とか公共施設の境界線、あるいは行政区画等ということであります。その中で、例えば公共施設の境界線という意味では、道路ですとか鉄道ですとか、あるいは河川、そんなようなものが当然想定されるのではないかなというふうに考えております。
それからもう一点、項目の位置情報が満たすべき基準、これもこれから関係機関と御協議しながら決めていくことになると思いますが、これは、位置の精度をどういうふうに守っていくかという基準をもう一方で決めていく。例えば、都市部においては二・五メートル以内の精度にしましょうというふうに決めるとなりますと、例えば二千五百分の一の地図でいうと一ミリの誤差までしか誤差は許さない、そんなような基準を、これも省令の中で定めていこう、こういうふうに思っております。
いずれにしましても、本法の成立した後、速やかにこれらの省令を定めるということによりまして、それとあわせて広く関係者の意見も聞きながらこういう省令を定めていきたいというふうに思っております。
○三日月委員 もう一点確認したいんですけれども、今御答弁いただいたように、基盤地図情報には、位置情報と、そしてその位置情報が満たすべき基準を定めていくことになるんだというお話でした。これは国にとって大変重要なデータインフラストラクチャーだと位置づけるのであるならば、こういうデータの更新、これのリニューアルというのが極めて大事なことになってくると思うんですけれども、これは、どの主体がどのような対策を講じながら更新というのが行われていくことになるのか。これは提出者にお伺いしたいと思います。
○泉委員 この法律においては、国、そして地方公共団体、事業者、それぞれ責務ですとか努力というものが書かれているわけですけれども、例えば、道路、河川、それぞれ、さまざま情報の更新というものがなされると思います。現場から情報が上がり、それを集約し更新をするということでいえば、それはやはり国の責務であるというふうに思っております。
ただ、一つ一つの情報を現場まで行って確認して国が主体的に更新をするのかですとか、地方公共団体との役割分担ということについては、これから、今後の詰めになっていくというふうに思います。
○三日月委員 今、答弁の最後に言われた、現場から情報を、日々業務の中でいろいろな更新される情報があって、それを国がまとめ上げるのか、自動的に上がってくるのかしながら、地方公共団体と国とが連携してその更新に取り組んでいくんだというお話がありました。私は、このあたりをきちんと整理することが極めて大事だと思うんです。国がやるのか、地方公共団体がやるのか、はたまた事業者にどこまで求めるのかということが、この法律の特に地理空間情報の高度な活用という面で肝になる部分だと思うので、改めてちょっと突っ込んでお伺いしたいと思うんです。
法文の中にも、国、地方公共団体、事業者の努力という、四条、五条、六条のところで定めがあります。国は総合的なことをやるんだ、地方公共団体は国との適切な役割分担で遂行していくんだ、事業者に至っては、良質な地理空間情報の提供にみずから努めるとともに、国または地方公共団体が実施する施策に協力するよう努めるということになっているんですが、特に、国と地方公共団体との間の適切な役割分担というのは、どのようなことが想定されるんですか、どのような状態が。
○泉委員 まず、国自身は、全国さまざまな地域がございますので、共通のルール、そしてデータ整備のシステム、これをつくるということが大切な役割かと思います。根幹的なデータの整備、先導的な分野の調査研究、そして委員が冒頭におっしゃられました人材育成、こういうものはやはり国の役割であるというふうに考えております。
一方で、地方公共団体の役割は、その地域の特性に応じたデータ整備のルールをつくるとともに、具体のデータ整備や地域におけるデータ利用の推進を行うということであると思います。
一方、事業者の方でありますけれども、事業者の方は、その地域の中でさまざまなデータが整備をされていく中で、その利活用を推進していくということが大きな観点かと思います。もちろん、十五条に書かれているように、個人情報保護というところは大変大きなところだと思いますが、さまざまな地図データ、基盤情報をより多くのサービスに創造していくというところで高度な事業展開を図り、ひいては国民の利便性の向上に寄与をするというところが事業者の役割かというふうに思います。
その意味では、六条が、事業者の責務ということではなく努力ということで書かれているわけですけれども、そういった理由があるというふうにお考えいただければと思います。
そして、この地理空間情報の活用は、国、地方公共団体、関係事業者、大学等の研究機関、いわゆる産官学ですね、これが相互に連携しながら協力することで情報の共有化が進展するなど、効果的な推進が図られると考えているということで、この法案では、関係主体の連携強化についても国が必要な施策を講ずるということを求めている。
先ほど、一番最後の御質問でありますけれども、国と地方公共団体の適切な役割分担ということでいえば、改めてになりますが、国が、統一的に適用されるべき基準やガイドラインを策定する、そして基礎的、横断的な調査研究を行う、そして全国的な見地からの施策を講じるのに対し、地方公共団体は、その地域における行政課題の状況に応じて必要な施策を講じていくという役割分担になります。
○三日月委員 せっかくたくさんの政府参考人の方にもお座りいただいていますので、ちょっと通告にはなかったんですけれどもお伺いしたいと思うんです。
これまでは、手間はかかったけれども、地図なり地理情報をつくった人とそれを利用する人とがかなり近いところで、比較的フェース・ツー・フェースでわかりやすいところにいたので、その情報に対する問い合わせだとか内容の確認というのは比較的しやすい状態にあったと思うんです。それを、高度に、どこでもいつでもだれでもインターネットを通じて無償で利用できるようになるということは、そうしたつくった人、もともとそのデータがつくられたところとそれを利用する人とがちょっと離れたところになる状態というのが想定されるし、また、それを一方では目指しているというところがあると思うんです。
そうなると、今も問いました国と地方公共団体との役割、それらの地理情報というのをつくる、データを積み重ねていくというのが地方公共団体にあるけれども、それを一元的に更新したりまとめたりして発信していくのは国であったりするわけで、そのあたりの役割分担というのは今まで以上により重要になってくると思うんですけれども、国として、このあたりはどのような対策を講じていくおつもりか、お伺いしたいと思います。
○藤本政府参考人 先生おっしゃられたように、そういう基盤地図がいろいろな形で活用されるようになると国民との距離がむしろ遠くなるのではないか、こういうお話なんですが、逆に我々は、こういう法律ができまして、政府全体が一緒に取り組む、そして国と地方と民間が連携しながら取り組んでいくという意味で、むしろ、一体として取り組む情勢も醸し出されるのではないかというふうに思っております。
それともう一点は、国がこの基準をつくる場合に、先ほどもちょっとお答えさせてもらったんですが、できるだけ幅広く意見を聞いていく。要するに、皆さん方のニーズにこたえられるように、いろいろな、さまざまなニーズがあると思いますので、そういうものにこたえられるように、幅広く御意見を聞きながら基準をつくり、あるいは、我々も一部基盤地図の作成に関与させていただく部分がありますので、その際にもいろいろな方の御意見を聞いて、皆さんが使いやすいようなものをつくるように努めてまいりたいというふうに思っております。
○三日月委員 ぜひよろしくお願いしたいと思いますし、これは、成立後、三月を超えない範囲内で施行されるということです。もう既にさまざまな準備、関係者からのヒアリング、そしてニーズの把握等々されていると思うんですけれども、今申し上げたような懸念については、取り組まれる過程でぜひしっかりと対応していただきたいというふうに思います。
ちょっとここで各論といいますか突っ込んだ話をさせていただきたいと思うんですけれども、この基本法が都市政策ですとか交通政策また海洋政策に与える影響や効果について問いたいと思います。
その前に、せっかくですから提出者の皆さんに感想をお聞きしたいと思うんですが、先ほど下村官房副長官の御答弁の中でGPS、衛星測位を利用しての中で、それが例えば有料になった場合、誤作動をした場合の懸念について、同僚委員の方から問い合わせがありました。そういう場合は想定していないんだというお話がありましたが、私は、これからお伺いする都市政策や交通政策の分野の中で、こういうアメリカの持っているGPSを利用した衛星測位やその各種政策というものについても、今申し上げた誤作動の問題、有料化になった場合の問題、そうならないようにするための一定の政府の対応は必要だと思うんですけれども、どのようにお感じになっていらっしゃいますか。提出者としての考えを。
○泉委員 まず、GPSについてなんですが、確かに、GPSそのもの、本体の大きなトラブルというものは、我々も想定はしておりませんが、あるかもしれない。
ただ、事実上そのサービスにおいて、例えばカーナビ、これは経路案内というようなものをしておりますので、カーナビが故障したからといって、前の車と衝突をするとか間違って路肩に落ちるとか、そういう状況ではないということを考えれば、GPSそのものの誤作動があったとしても、イコール事故ということではまずないということかというふうに思います。
そしてもう一つ言えば、やはり今の我々、我が国ができるということでいえば、データのバックアップをしっかりととっておくということが非常に重要なのかなというふうに思っておりまして、例えば国土地理院でいえば、もちろん国土地理院本体でのデータの保護ということをしておりますけれども、それ以外に、つくばですとか千葉県の鹿野山というところにデータを分散して、複製をして保管をしているというようなこともありますので、そういった意味でのバックアップ機能というものは整備をさせていただいているというふうに認識をしています。
○三日月委員 今、提出者の方からは、カーナビとかに使われているので、GPSが壊れたからといってすぐに衝突したりするものではないというような御見解も示されましたけれども、必ずしもそのようなものばかりではないと思うんです。
例えば、海洋におけるGPS、衛星を利用した位置情報、また航空に至っては、MTSATによって管制間隔を縮めて、より多く飛行機が飛べる状態や何かももう既に導入がされているわけなんですね。
したがって、このGPS、衛星測位を活用したこうした交通管理システムがこれだけ普及してきている以上、それらをより高度に、より密に使えるようにしようと進めるに当たっては、その誤作動やフェールセーフの原則からいって、安全対策をより強化していくべきではないかと私は考えているんです。単なるデータのバックアップシステムだけでは私は足りないのではないかと思うんですが、そのあたりの御見解はいかがでしょうか。
○泉委員 すべてにお答えをできるかというところはありますけれども、確かに御指摘のとおり、航空機や船舶という場合には、技術の進展もありますし、また一方で、技術が進展をして、その技術すべてに頼ってしまうということが逆に危険を伴うということもございます。
その意味で、特に航空機や船舶という人命にかかわるシステムにおいては、その信頼性を両方からサポートしていくということで、衛星測位情報の活用をこれからも進めていくことは当然でありますけれども、やはり地上の無線等の施設の活用ですとか、そういったことも含めて航行の安全確保というものを行っていかなければなりませんし、今御指摘のあったさまざまな技術を利用して、より一層複合的に安全を確保していくためには努力をしていきたいというふうに思います。
○三日月委員 提出者でも、また政府参考人でも結構なんですが、このGPSの利用が有料化された場合、有料になった場合、もちろん、そうならないように日米間の交渉をきっちりするんだというような御答弁もありましたが、そうなった場合の費用負担や混乱に対してどのように備えていらっしゃるのか、また備える必要があるとお考えなのか、お聞かせください。
○泉委員 このGPSなんですが、運用をされている米国との間で、平成十年の九月に日米間の共同声明という形で出されておりまして、「合衆国政府は、平和的、民生的、商業的及び科学的利用のために継続的かつ全世界的に利用者に対する直接課金なしにGPS標準測位サービスの提供を継続する意向を有する。」ということで、明確に声明が出ております。その意味では、今後においても、GPSの利用が有料化されるような事態というのは、現時点では想定し得ないというふうにも考えております。
ただ、いずれにしても、この御懸念がないようにしていきたいというふうに思っておりまして、アメリカとの連絡調整ということについては、今後も引き続き密接にやっていかなければならないというふうに思っています。
○三日月委員 今の質問、政府からもちょっと答弁を求めたいんですが。
○坪井政府参考人 まさに泉先生が言われたとおりでございまして、このような日米間の合意がありますので、有料化されるような事態は現時点では想定できないだろう。ただ、まさにこの法案の中に、信頼性の高い衛星測位によるサービスを安定的に享受できる環境を効果的に確保するためとして、GPSを運営する米国等と必要な連絡調整を行えという規定があるものと理解しておりますので、政府も、そのようなこの法案の趣旨にのっとって対応してまいりたいと考えております。
○三日月委員 もう一つ、私ども国土交通分野で、地籍整備。六本木ヒルズの再開発のときにも地籍整備が進んでいないがためにいろいろ余分な時間とコストがかかったということがあり、また、都市部を中心にこの地籍整備がまだまだ進んでいないエリアがたくさんあります。この地理空間情報の活用推進がこれまで進んでこなかった地籍整備の推進に、また精度を高めるという点で与える影響、効果というものをどのようにとらえていらっしゃいますか。
○西村(康)委員 地籍調査、全国で平均しますと進捗率は十七年度末で四七%ということで、この推進が大きな課題となっているのは御指摘のところであります。
本法案に基づきまして、先ほど来御議論をしていただいておりますけれども、基盤地図情報の整備が進むということでありますので、地籍調査を実施する場合に、資料収集作業が効率化される。基準点情報の地籍測量への活用、あるいは街区の情報、そういったものの地籍図策定過程での活用が図られることが期待されますので、地籍調査がより効率的に、より円滑に進むということを我々は期待しているところであります。
いずれにしましても、これらの効果を通じて、基盤地図情報の整備と地籍調査とが、着実な実施によって双方相まって推進されるということを期待しているところであります。
○三日月委員 もう一点、最後に確認をしたい、またお伺いをしたい。
私は広げていくべきではないかという観点からお伺いするんですが、こうした地理空間情報の活用を推進していくということが日本の海洋政策に与える影響。とかく地理空間情報というと、国土の陸の上だけの情報、またその活用だけだという理解をすることがあるんですけれども、この対象となる地理空間情報には海洋領域は含まれるんでしょうか。
○茂木委員 当然、陸上であっても海上であっても、そういったものは含まれてくる、こんなふうに考えております。御案内のとおり、この国会で海洋基本法を成立させていただいたわけでありますけれども、海洋におきましても、正確にその位置であったりその情報を把握しておく、このことは我が国の国益からも必要だ、こんなふうに考えておりまして、当然、概念として含まれてくる、このように理解をいたしております。
○三日月委員 そうしますと、この基本法により、またGPSの活用や衛星測位の活用によって、海洋権益ですとか資源の調査、探査、保全にどのような形で資することになっていくのかということについて、期待やまた認識、御見解をお聞かせいただけますでしょうか。
○茂木委員 今御答弁申し上げましたように、海洋政策の推進に当たりまして、海洋に関する正確な情報の把握、これが必要である。例えば、大陸棚の限界の画定、こういう調査を行っていくということは、海洋権益を考える上でも極めて重要になってまいります。また資源、これを考えましても、どこにどれくらいの範囲でその資源が、例えば水産資源であってもそうでありますが、鉱物資源でありましても、分布しているか、こういうことをきちんとつかんでいく意味からも、この地理情報は大変重要だと考えております。
○三日月委員 ありがとうございました。ぜひこの法案に載っております趣旨、さまざまな挑戦をする法案だというふうに私は思っています。
先ほど来議論がありました個人情報の問題、こういったところに対策を講じていくということと、加えて、この地理空間情報が活用されることによってより進むであろう都市政策ですとか交通政策、こういったところに安全面でのフェールセーフの対策がきちんととられていくことを今後とも私自身確認をしっかりとさせていただきたいという旨を申し上げまして、少し早いですけれども、私の質問をこれで終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○河本委員長 次に、佐々木隆博君。
○佐々木(隆)委員 民主党の佐々木でございます。
五人目ぐらいになりますと大分同じ話の繰り返しになることは、お許しをいただきたいというふうに思います。
私は、この基本法は推進する立場であります。ではありますが、先ほど平井議員だとか細野議員などからもありましたが、要するに、進めるに当たって、とりわけ個人情報の保護などということが非常にきちっと守られていくことが推進に役立つという視点で少し論議をさせていただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。
今までの地理情報というものが、それぞれ個別に進めてきたために共通のものにはまだなっていない、そこをまず共通にしよう。それにもう一つ、GPSという空からの情報も入れよう。要するに、三次元をきちっとしよう、それに四次元も入れよう、こういうことでありますので、それ自体は非常にすばらしいことだというふうに思うんです。その相乗効果も期待できるところであるんですが、そういうサービスを享受するということになれば、その反対側にやはり被害を受ける人が出ないとは限らないわけでありまして、法律をせっかくつくるわけですから、法律には権利と義務が必要なように、推進と保護という両面がきちっとそろっていなければならないのではないか。
そういった意味で、最初に提案者にお伺いをしたいんですが、この法案を策定するに当たって、いわゆる活用推進という基本法なんですが、そこにおける留意点といいますか、セキュリティーの部分についてどのような検討がなされてきたのかについてお伺いをいたします。
○新藤委員 まず、個人情報というのをどこの時点で保護しなきゃいけないか、これは先生御理解いただいていると思いますが、私どもそこからまず始めなきゃいけない、こういうふうに思っています。
基盤地図情報、共通の地図ですね、基盤地図情報は、これは基準点や公共施設等の位置を示すまさに公共的な情報でございまして、そこには基本的に個人情報を認識するものを含んでいないわけです。ですから、基盤図面まではオーケーだ。しかし、それにいろいろなものを重ね合わせて活用していこうとするときに、個人情報を保護しなきゃいけない問題が出てくるというふうに私ども思っております。
ですから、例えば登記地図だとかそういったものも、個人の情報が入っていても公開されているようなものもございます。これは仕分けをきちんとしなきゃいけないわけです。しかし、いろいろなものをさらに重ねていったときに侵してはならない個人の情報がある、これをガイドラインをつくってしっかりと保護していきましょう、これを十五条にうたっております。
あわせて、先生から御指摘いただきましたように、個人情報保護以外に、著作権などの知的財産、こういったものも、知的財産保護に関するガイドラインを別途つくらなきゃいけないだろう、このように思っていますし、それをやらなきゃなりません。
さらに、重要な施設、国の安全に影響を及ぼす場合、例えばテロリストに攻撃のヒントを与えてしまうだとか、有事の際の自衛隊の行動が明らかになってしまう、こういったような問題も、これは規制すべきものについては適切な処置を行うように検討していくということでございまして、個人情報以外にさまざまな問題について必要な措置を講じていきたい、こういうことが法律の趣旨でございます。
○佐々木(隆)委員 そこで、各省庁にかかわる部分について少しお伺いをしていきたいというふうに思うんですが、最初に総務省にお伺いをしたいというふうに思います。
総務省でも、地方自治体のいわゆる電子自治体というのを進めてこられたと思うんですね、今日まで。そこを推進してきているんですが、電子化の進んでいる今の状況と、そのときのセキュリティーについてどんな対策がとられてきたのか。
実は私がインターネットで調べたのではちょっと古い資料しか出てこなくて、自治体における情報セキュリティー監査の現状ということでインターネットで調べますと、ほとんどの自治体で行われていないんですね。そんなことも含めて、現状とセキュリティーについてお伺いをいたしたいと思います。
○久保政府参考人 地方公共団体におきます電子自治体への取り組みについてでございますけれども、平成十三年一月にIT戦略本部がe―Japan戦略を策定いたしまして以来、着実に進展していると考えております。
例えば、昨年でございますけれども、平成十八年四月現在で、地方公共団体における庁内LAN、これは、都道府県におきましては一〇〇%、市町村におきましても九九・一%の団体で構築をしているということになっております。また、職員の一人一台のパソコンの整備につきましても、都道府県では一〇〇%、市町村でも八二・一%の団体で実現しております。
また、本法案に関係いたします地理情報システムでございますけれども、これにつきましては、統合型GISの導入ということにつきまして、都道府県におきましては二九・八%、また市町村では一五・八%で導入済みということになっております。
御指摘にございました、電子自治体が進展をいたしますとともに情報セキュリティー対策、これは非常に重要になってくると考えておりまして、各地方公共団体におきましても、近時、その取り組みというのは強化をしていると考えております。
同じく平成十八年四月現在でございますけれども、個人情報保護条例、これはすべての地方公共団体で制定済みとなっておりますし、情報セキュリティーポリシーにつきましても、都道府県で一〇〇%、また市町村でも九六・二%の団体で策定済みということになってございます。また、情報セキュリティー監査でございますが、都道府県では七八・七%、そして市町村でも二九・一%の団体で実施されているという状況になってございます。
私どもといたしましては、今後とも、地方公共団体のこうした取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えております。
○佐々木(隆)委員 今の数字を聞いて大分安心したんですが、私の手元にある資料だと、もうほとんど一〇%未満みたいな、二〇〇四年と二〇〇二年の資料なんですが。
ただ、各自治体で、とりわけこれは地図情報でありますけれども、さっき地図情報で二二%ぐらいとか一八%ぐらいと言っていたんですが、進めるに当たって、いわゆる個人情報との関係だとか、どこまで載せるかとかいうのは、まだまだ悩ましい状況にそれぞれの自治体があるというようなことも報じられております。とりわけ今度の場合には、先ほど一番最初に提出者から説明があったように、地図情報というのは一番もとのもとになる情報で、それにいろいろなものが載っかる可能性がどんどん出てくるわけですよね。そういった意味でいうと、自治体では取り組みたいけれども悩ましいというようなところもたくさんあるようでありますので、ぜひその辺はこれからも留意をしながら進めていっていただきたいというふうに思います。
次に、国土地理院にお伺いをしたいと思うんです。
今まで地図並びにGISを推進してきた立場にあるわけでありますが、その地図をつくるに当たって一番かかわりが深いのは測量協会とか測量設計協会というところだというふうに私は思うんです。今までの推進の状況の中でそういうところとどんな話し合い、とりわけセキュリティーについて、業界が自主的な取り組みをしているところもあるのかもしれませんが、そんなことも含めてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○藤本政府参考人 測量関係のいろいろな団体での取り組みでございますが、特にやはり個人情報関係が非常に悩ましいということで、関心が高いわけでございます。
今のそういう測量業界団体の取り組みということでは、最近の話なんですが、ことしの三月に、財団法人の日本測量調査技術協会というのがございます、そこが高解像度航空写真に関する自主研究会、こういうのをつくりまして、そこで一定の成果を得たようでございます。その成果を踏まえまして、会員企業にいろいろな周知をしておる実態がございます。具体的には、高解像度の航空写真につきまして、無秩序な一般公開については歯どめが必要であり、インターネットでの公開には、解像度の調整、少し見にくくするというようなことでございますけれども、調整などの適切な処置を求める旨の注意喚起を会員企業に行っているというふうなことがございます。
我々地理院の方でございますけれども、我々の測量行政について提言をしていただくための、有識者から成る測量行政懇談会というのがございます。そこでも提言をいただいておるんですが、我々がいろいろ提供する場合の話になりますけれども、国土地理院や公共団体が得る測量成果、これは、非常に基礎的かつ重要な社会基盤だ、国民の共有の財産として広く活用されることを原則とすべきである。ただ、そうはいいながら、個人情報や国の安全が害されるおそれのある情報が含まれる場合があることから、特に影響の大きいインターネットでの情報の公開等に関しては必要な措置を検討すべきではないか、こんなようなお話もいただいておりまして、我々も検討を進めているところでございます。
これまでのことでございますが、私ども地理院が直接いろいろな提供をする中で、航空写真、空中写真と言っておりますが、そういうものにつきましては、現在刊行しているものでいいますと、その解像度からいいますと、個人が識別できるような状態にはなっていないというようなことから、個人情報の問題が指摘されたということはこれまではなかったわけでございます。
ただ、これからは、解像度の高い空中写真というものをインターネットでだれでもアクセスできるというふうにする場合には、やはり個人情報に関する問題が出てくる可能性もあるということもございますので、その場合には少し解像度を下げるだとか、そういうことの検討をしていきたいというふうに思っております。
また、先ほど来話が出ておりましたが、地理空間情報全般の議論になりますと、この法案成立後に地理空間情報活用推進基本計画、これをつくるわけでございます。それを検討する中で、関係省庁等とも連携をしながら、先ほど来出ておりましたが、個人情報の取り扱いに関するガイドラインの策定、こんなようなことにも適切に対応していきたい、こういうふうに思っております。
○佐々木(隆)委員 地理空間情報、今度は地上というものも入ってきて、その部分について改めてお伺いしようと思ったら今の答えの中にあったようでありますので、そこは省きますが、今お話をいただいた一般公開規制については、解像度について、これはいわゆる自主規制をしているということですよね、協会の方が。
ただ、私も余り専門家でありませんのでテクニカルな話はわかりませんけれども、共有できる地図ができて、そこにどんなものがこれから載ってくるのかわかりませんけれども、そうなってきたときに、こういう協会があるところは協会の自主規制ができるからいいと思うんですけれども、そういういろいろな、どんな人たちが入ってくるのかもちょっと今のところは想像がつかないんですけれども、そうしたときに、政府がつくるといっても政府の職員がつくるわけじゃありません、技術屋さんがつくるわけですから、そういう人たちがどんどん入り乱れてくるわけですよね。そういうところで、どこまでそこら辺を整理していくのかということも一つ課題なのかなと。これは後ほどお伺いをしたいというふうに思います。
そこで、今のようなお話があったわけでありますが、そういうものの全体を束ねているのは内閣官房だというふうに思うわけであります。政府全体として今までも情報セキュリティーについていろいろ取り組んでおられて、政策会議とか内閣官房情報セキュリティセンターというようなものがあって、今までもそういうもの全体に取り組んでこられていたと思うんです。今までの取り組みの状況と、それから、今度この法案ができることによってどういうセキュリティーの体制というものをつくっていくのか。先ほど来ガイドラインというお話がありましたが、今までのやり方と今度のやり方でまた少し変わってくるんだと思うんですね。その辺を含めてお伺いをしたいというふうに思います。
○下村内閣官房副長官 お答えいたします。
今御指摘がございましたように、政府は、情報セキュリティー対策の中核機関として、平成十七年の四月二十五日に内閣官房に情報セキュリティセンターをつくりまして、同じく、同年の五月三十日に、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部のもとに内閣官房長官を議長とする情報セキュリティ政策会議を設置いたしました。この情報セキュリティ政策会議では、平成十八年二月二日に我が国全体としての情報セキュリティー対策に関する中長期戦略である第一次情報セキュリティー基本計画を策定するとともに、年度ごとにセキュア・ジャパンを策定いたしまして、政府全体として情報セキュリティー政策を推進しているところでございます。
例えば、第一次セキュリティー基本計画においては、政府機関の情報セキュリティー対策のレベルを技術や環境の変化を踏まえつつ世界最高水準とする、そういうふうに位置づけております。
今回、政府における地理空間情報の活用に当たっても、このような視点とレベルを持って十分配慮していくことが必要であると認識し、そのように推進をさせていただきたいと思っております。
○佐々木(隆)委員 この課題に当たって政府として、内閣官房として今までもかなり取り組んでこられていたんだなということを改めて私も認識したんですけれども、ぜひ進めていただきたいというふうに思います。
たまたま、これは経産省ですけれども、企業における情報セキュリティーガバナンスのあり方というかなり分厚いものが出ていまして、企業に対して、第一段階ではここまでやれとか、第四段階ぐらいまであって、かなり細かく、事細かにというか、こういうレベルで上げていったらセキュリティーはきちんと守られますよというのを片っ方でつくっていたり、政府としてもあちらこちらでかなり取り組んでおられるんだなということを改めて認識したんですが、リービッヒのおけという法則がありまして、これは中学ぐらいの教科書に出ていたんではないかと思うんですが、一番少ない栄養素のところの分しか作物は成長しない、たるがあって、どこか一つ低いとそこから水が流れてしまうということ。
これは、昔は作物学として習ったつもりだったんですが、このごろはセキュリティーのところにリービッヒのおけという言葉がしょっちゅう出てくるようになった。いろいろなセキュリティーを組んでも、どこか一カ所が弱ければ今の情報というのはすぐに漏れてしまうんだというので、リービッヒのおけというのは今やセキュリティー用語になっておりまして、そういった意味でも、セキュリティーというのは高度になればなるほど大変難しいので、ぜひお取り組みをいただきたいというふうに思います。
そこで、提案者にお伺いをしたいんですが、今、各省庁からそれぞれ地域の取り組みなどを含めてお伺いをしてまいりました。新しい法律を今つくろうとして、法律は、利用する人々の利便というのと同時に、享受するというか主体的に享受したいという人と、受動的に享受してしまう形になる人と、いろいろいるわけですね、一つの法律が動き出すと。逆に言うと、そういう人たちの保護とか安心というものもやはり同時に考えていかなければならない課題だというふうに思うんです。
先ほど、一番最初にも十五条にそのことを含めて書いてあるというふうに言われたんですが、この一つの条文からそのすべてを読み取るには少し私としては物足りないかなという気持ちがあるんです。今までの政府の皆さん方の答弁なども含めて、提案者として、セキュリティーについて十分というふうに考えているかどうか。私は一層強化が必要かなと思うんですが、お伺いをいたします。
○泉委員 議員御指摘のとおり、確かに、情報が集約されればされるほど、その活用は特定の人間しかできなくなる、一般の国民からは離れていく、そうすると、安心が担保されないということもあるかと思います。一方では、先ほど平井委員からもお話がありましたが、利便性というものを高めていかなければならない。その両面をどう両立させるかというのが非常に大事かというふうに思います。
この法案においては、地理空間情報の活用ということを通じて、利便ということで言えば、やはり多様なサービスをいかに多くの国民に享受していただけるかということになると思います。この多様で高度なサービスということ、もう一つつければ、廉価でそのサービスを提供、普及していくことが利便性を高めるということになると思います。
実は、この法案をつくるに当たってさまざまな具体ケースというものも想定をしているわけですが、その利便性の中にも安全、安心というものがかなり含まれている。高齢者の徘回防止あるいは子供たちの位置の特定、これもプライバシーには十分配慮をしていかなければならないものですけれども、そういった社会的弱者の安心、安全をしっかりと守っていくという意味では、利便性の中にも安心というものが含まれるんだということも今回の法案では私たちは訴えていきたいというふうに思います。
もう一つ、やはり今おっしゃいました個人情報の保護という観点であります。御安心をいただきたいのは、基盤地図そのものにおいては個人情報は含まれていないということを改めて皆様にもお伝えしていきたいというふうに思います。あくまで、基盤地図というのは特定の個人に視点を当てたものではありません。
その基盤地図を使って、その上にさまざまな統計データを載せていくわけですけれども、その統計データを載せていく際にも、例えばハードの面の統計データであれば、どこどこでどれぐらいの、例えば老朽化した水道管がこことここにあるとか、まだまだ強度の弱いガードレールはここの場所にあるとか、あるいは、私も委員の地元の北海道にお伺いをすると、千歳空港におりると倒木の被害が最近、昨年、おととしぐらいですか、非常にひどいものがありましたけれども、そういった倒木の分布図みたいなものを基盤地図情報に重ね合わせて、災害復旧ですとか自然の保護というものに役立てていく。
そういうことに関しては、これは個人情報が伴わないものですけれども、先ほど申しましたように、それぞれ個人の生活にかかわる、緊急で、災害が起こったときにまず人命を救助しなければならない、その対象者となる方々の分布図。そういった分布図も、分布図としてただポイントに印があればいいんですが、例えば、大きな住宅街であれば、ポイントがたくさんあるのでだれかわからないという話かもしれませんが、集落の中で一つだけポイントがつけられていれば、それは自動的に個人を特定してしまうということにもなるわけです。
こういった個別具体的な一つ一つのケースを含めて、やはり今後政府の中で十分な検討を続けていきたいというふうに思います。
○佐々木(隆)委員 今回つくろうとする共通の白地図について言えば、それは確かにまだそれこそ真っ白なわけで、何もないんですが、ある意味で利便性ということは僕も十分に理解しているつもりなんです。例えば、今、行政、自治体でも、税金を実施しているところと、経済のどこかを扱っているところと、農業のところとのデータが全部違って、これが重ね合わさらないから非常に不便だというような話があります。特に、その中で今、IT業界でみんなが一番求めているのが地図データと言われるものであることも事実であります。
それだけに、地図情報をなぜみんながそんなに求めているかというと、だからこの法律をつくってきちっとしなければいけないという意図だということも十分知っているつもりでありますが、それに載っかる情報によっては、徹底的に個人の情報が出てしまうという危険性を同時にはらんでいるものなんですね。今整備するのは真っ白い地図ですけれども、それに個人の所得から家族構成から略歴から載っけていくことによって、地図に載っけていくことによって、すべてがわかってしまうということの便利さと危険性を同時にはらんでいるということで、私はきょうはセキュリティーについてだけお伺いをしたわけであります。
非常に便利であるということは私も十分認識をしています。便利であることは非常に危険だということの背中合わせであるということがあるものですから、きょうはそういうことに限ってお伺いをさせていただきました。
最後にお伺いしたいんですが、これは初めての法律であって、この法律がスタートすることに私は非常に意義を感じていますが、逆に言うと、今言ったIT技術の開発というのは非常にスピードが速いという状況の中で、これをスタートさせることは、それはそれで私はぜひそうすべきだというふうに思っていますけれども、ある種、試行的なものでもあるわけで、できるだけ早い機会にやはり見直しをしていくということ。こんなところが足りなかったということも含めて、付加していくことも必要ではないかというふうに思うんですが、そういった見直しなどについての考え方があれば、提案者に最後にお伺いをしたいと思います。
○泉委員 ありがとうございます。
確かに、初めてこうして制定をされる法律ですので、見直しということは大変重要かと思います。もちろん、改めるべきものは改めるということで、これは期日というか期間を問わず、改めるべきところは改めるということだと思うんです。
まず、今回の法律が基本法であるということ、そして関係閣僚会議というものはあるわけですけれども、これまでの立法の事例なんかもずっと見させていただきますと、大体、明確な本部機能を置いているような法律の場合には見直し規定というものを置くケースが多い。しかし、置けなくもないんですが、こういった本部機能が特段置かれていない法律においては、見直し規定を置かない例も多々あるということをまず一つの理由としてお挙げをしたいというふうに思います。
さらに言えば、科学技術の進展ということで、そういう意味からは三年の見直しもというお話もある一方で、プロジェクト自体は非常に大きいということもございまして、GISアクションプログラム二〇一〇というものが政府の中でつくられているわけですが、その基本的な方針の中で、二〇〇六年度からおおむね五カ年という形で計画が定められておりまして、その意味では五年ごとに自動的に見直しをしていくような形に既になっているということもございます。
そういった意味で、委員の御指摘の趣旨は十分に踏まえながら、私たちは、この政府の基本計画というものに基づきながら、おおむねこの法律の施行後五年以内程度で法律の施行の状況について検討を加えて、その結果に基づいて、計画に基づく具体的な施策の点検、見直しなど必要な措置を講じていくということが適当ではないかというふうに考えております。
○佐々木(隆)委員 これで終わらせていただきますが、新しい技術でありますので、みんなで推進をしていくということの中で、新しいものだけにいろいろなところに注意も配らなければいけないのかなということも最後に申し上げさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○河本委員長 次に、吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。
最初に提出者に伺っておきますが、政府は、阪神・淡路大震災の一九九五年に地理情報システム関係省庁連絡会議を設置して、一定期間ごとに計画を立てながら地理情報システムを整備し、現在は地理情報システム等推進会議で施策を進めているところです。地理情報システムの整備自体は、この基本法が制定されなくても推進できる体制になっているというのが現状です。
そこで、本法案は自民党、公明党、与党の共同提案で始まったものですが、与党なら政府提出法案にして出していくということができたわけです。しかし、百六十四国会に議員立法でお出しになったわけですが、なぜ議員立法の形にしたのか、これを最初に伺いたいと思うんです。
○茂木委員 吉井委員の方から、例えば新しい法律がなくてもこの地理情報システムの整備はできるのではないかと。確かにそういう側面はありますが、きょうの質疑の中でも、今回、衛星測位も含めて物事をしっかりと進めていく。恐らく、スピード感、また一体性、そして計画性を高めていくという意味から、今回の基本法が私は必要だ、こんなふうに考えております。
そして、なぜ閣法ではなくて議員立法か。別に、何を閣法にして何を議員立法にしなけりゃいけない、こういう明確な定義があるわけではないんですが、恐らく、地理情報システムの問題、そして空間の利用の問題につきましては、現在の問題でもありますが、相当将来にわたるような幅広い課題を含んでいる。法律によりましては、もっと現在に近いところの具体的な施策を取り扱うものも多いのではないかな。
したがいまして、そういった将来を見据えた上で政治がまさにリーダーシップをとって取り組むべき課題だ、こういう意味から、議員立法として提出をさせていただいております。
○吉井委員 次に、提出者に法案の第三節、衛星測位に係る施策について伺いますが、法案に出てくる衛星測位の人工衛星というのは、アメリカの衛星測位システムGPSと、それから日本の準天頂衛星ということと理解していいですか。
○茂木委員 恐らく、宇宙というものはこれから、単に開発する時代から、まさに利活用を中心に考えていく、こういう時代になってくると思います。
そういった観点から、衛星測位の人工衛星として、現時点で実際に使われております、また幅広く利用されておりますのは米国のGPS、こういうことになってまいりますし、近い将来で申し上げますと、我が国で開発を進めている委員御指摘の準天頂衛星、こういうことでありますので、その二つが当然視野に入ってくるということだと考えております。
ただ、今後の利活用を考えてみますと、さまざまな衛星測位システムが今後利用される可能性、こういうものは否定できないわけでありまして、そういった場合には新しいシステム等々も本法案の対象になる、このように考えております。
○吉井委員 あわせて提出者に伺いますが、日本の宇宙政策は、一九六九年の宇宙の平和利用決議、国会決議にのっとって進められております。準天頂衛星システムも、当然その趣旨に沿って運用されるものと考えていいものだろうと思うんですが、確認をしておきます。
○泉委員 先ほども御質問がございましたけれども、昭和四十四年、一九六九年の五月九日に国会決議として平和利用というものが定められております。「平和の目的に限り、」というところで、これが非軍事ということでこの決議が上げられているわけですが、今回の準天頂衛星システムも、委員御指摘のとおり、当然にその趣旨に沿って運用されることになるというふうに考えております。
○吉井委員 次に、政府参考人に伺いますが、我が国が運用する人工衛星は、これまで全部で何機あるのか。人工衛星打ち上げの一機ごとに法律を制定したという例を私は知らないわけですが、打ち上げごとに制定した法律というものがあったのかどうか伺います。
○板谷政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の我が国の人工衛星、打ち上げたものでございますが、一九七〇年以降に打ち上げました、「おおすみ」以降、国内、国外で打ち上げたものを合わせまして百十九機ございます。
衛星の研究開発につきましては、委員御承知のとおり、宇宙航空研究開発機構が機構法に規定された業務に基づき取り組んできたところでございます。
法律の要否につきましては、個別具体的に判断されるべきと考えておりますが、これまでは、個別の衛星の研究開発に関し法律を策定したことはございません。
○吉井委員 あわせて政府参考人に伺いますが、準天頂衛星システムだけ法律をつくって運用しなければならないという何か特別の理由というものはありますか。なければないで結構なんですが。
○坪井政府参考人 今回の法律案では、地理情報システムに係る施策と衛星測位に係る施策を連携させて推進することにより地理空間情報の活用の推進を図っていこうという法律と理解しております。
このような中で、衛星測位に係る施策の一つとして準天頂衛星システム計画が存在しているものであると理解しておりまして、あくまでも本法案の中心的な目的は地理空間情報の活用の推進である、このように理解をしております。
○吉井委員 特にこれをつくらなきゃできないという理由というのはないわけですね。
提出者に伺いますが、法案二十条に「地球全体にわたる衛星測位に関するシステムを運営する主体との必要な連絡調整その他の必要な施策を講ずるものとする。」と規定しています。これは具体的にはどういうことを意味しているのか、伺います。
○新藤委員 これは、まさにこの文言のとおりに、地球全体にわたる衛星測位に関するシステム、これを現在有効的に運用されておりますのは、米国が打ち上げた全世界的衛星測位システム、GPSというのは、これはグローバルポジショニングシステムといいますが、これがあるわけです。
このGPSに対しましては、一九九八年、日米首脳会談において日米首脳がGPSの標準測位サービスの利用における共同声明を出した、それ以来の活用を行っておりまして、この討論をする全体会合というものを年一回これまでも開催しているところでございます。
○吉井委員 次に、政府参考人に伺いますが、準天頂衛星システムというのは、二〇〇一年七月に経団連が政策提言した宇宙の産業化ロードマップ、ここで打ち出したものですが、官民共同で始まったものですよね。しかし、その後企業側は実行本体から撤退したと思うんですが、その理由はなんですか。また、そのとき、その民間企業は何という企業で、出資者はどこであったのか、これを伺っておきたいと思います。
○坪井政府参考人 準天頂衛星システム計画につきましては、平成十三年に経団連からの提案があり、これを受けて、官民共同プロジェクトとして、国の側では研究開発を始めますとともに、民間側では、通信、放送、測位、このような複数の機能を擁する衛星システムの研究開発等を目的とする新衛星ビジネス株式会社というものが平成十四年に設立されておりまして、電機、機械、自動車、電力、通信などの企業約六十社が出資していたというふうに承知をしております。
その後、昨年の二月に、この会社から、通信・放送ネットワークなどの急速な発展など準天頂衛星システム計画を取り巻く環境の変化により、民間単独による通信・放送事業というのはなかなか難しいというお話があったということでございます。
しかしながら、この衛星測位の重要性や測位補完に対して官が果たすべき役割を踏まえて、技術実証、利用実証のための準天頂衛星計画を今、測位ということで進めているというものでございます。
○吉井委員 ですから、その準天頂衛星システムというのは、もともとは、今おっしゃったASBC、新衛星ビジネスを設立して、これは人工衛星メーカートップの三菱電機が約五割、四九・六%を出資してつくったんですが、結局、インターネットや地上デジタル放送網の普及でビジネスとしては見通しが立たないということで、企業側は実行本体からは撤退、この会社は解散ということですね。
各省庁が出した測位、準天頂衛星システムの利活用の状況等という資料を見せていただいておりますが、現在、アメリカの衛星測位システム、GPSを十省庁が測位やナビゲーションに利用しているわけですね。ところが、準天頂衛星については、十省庁のうち九省庁がコストなどを理由に消極的だと。出ている資料を見ればわかりますが、測位の精度は現行のGPSで支障なしというところもあって、必ずしも要らない、こういうふうに言っているところがあります。これは、GPSによる測位やナビゲーションで不都合が起きていないということを示しているんじゃないかと思うんです。
民間大手も撤退する、別段、十省庁中九省庁は必要なしと理由が消極的なんですが、それなのに国が準天頂衛星に非常にてこ入れしているということは、これは昨年の十一月十五日の毎日新聞の「理系白書」というのでも紹介されたりもしていましたし、いろいろなものに紹介されておりますが、なぜそこまでてこ入れをするのか、その理由というものを政府参考人に伺っておきます。
○坪井政府参考人 衛星測位ということにつきましては、非常に今、基盤というふうに重要で、国民生活に広く浸透している。
システムとしては、四つの衛星の測位信号を受信して測位ができるわけでございますが、日本は非常にビルなどの遮へい物も多いところもあります、また山陰なども多いところがありますが、そういうところでは、なかなかGPSだけでは十分な測位ができない地域もある。そのような中で、準天頂衛星は、ビル陰などの影響を受けないで非常に測位の精度の上がるような、測位補強のできる機能ということもあります。このような点を評価して、非常に重要だと判断して推進をしているという理解でございます。
○吉井委員 各省庁の方で、測位補強とかそういうものについての必要性のアンケートについては、必要なしとみんなは答えているわけですね。
それから、既にマスコミ等でも紹介されておりますように、官民共同衛星でやって税金七百五十億円、もたれ合いで頓挫したというので、民間の方はさっきも言ったように撤退したり会社は既に解散というところもあるという中で、今残って一生懸命やっているのは官だということが紹介されております。
二〇〇六年三月に、内閣官房の測位・地理情報システム等推進会議は準天頂衛星システム計画の推進に係る基本方針というのをまとめていますが、本法案はこの基本方針に法的保障を与えようとするものではないかと考えられるものです。
そこで、準天頂衛星システム計画の推進に係る基本方針について伺っておきますが、第一段階として、国が全額負担で二〇〇九年度に準天頂衛星一機を打ち上げ、実証を行う。その結果を見て官と民により第二段階に進み、二機の準天頂衛星を打ち上げる。民間は、実証の結果を評価して事業化の判断を行い、めどが立てばの話ですけれども、その場合、相応の負担をするという計画。
ですから、準天頂衛星システムを完成するまでには各省が必要とする経費はかなりのものになると思うんですが、第一段階、第二段階、それぞれ幾らを見込んでいるのか、また民間の負担割合は幾らなのか、既に昨年度までに支出した額は各省幾らになるのか、これを伺っておきたいと思います。
○坪井政府参考人 第一段階の準天頂衛星、初号機のプロジェクト経費は約三百三十億円と見積もられております。このほか、平成十五年度からの研究開発費の累計が約四百二十億円と見積もられまして、第一段階は、これらを合計すると約七百五十億円と考えております。
第二段階、いわゆる準天頂衛星三機体制のプロジェクト経費の正確な見積もりを行うことは困難でございますが、昨年三月に試算、概算というものとしては、三機体制で約九百五十億円、これと研究開発費の累計五百億円を合計しますと、千四百五十億円という試算が一つあるということでございます。
なお、民間の割合というもの、先ほどはプロジェクト全体の経費を試算しているものでございまして、第二段階の民間の負担割合というものは現時点で決まっているものはありません。
各省の平成十八年度までの準天頂関係の予算ということでございますが、総務省が約八十億円、文部科学省が約百十七億円、経済産業省が約八十五億円、国土交通省が約二十一億円となっております。
○吉井委員 8の字形に上げてということなんですけれども、しかし、実際にそれはまだ実証できているものではなくて、これからの技術ということなんですね。幾らかかるかということについては、今のお話を聞いておっても青天井であって、ですから、「理系白書」の中では「「自前で衛星を」と始動した官民共同の国家プロジェクト「準天頂衛星」が今、七百五十億円の税金を投じて無用の長物になりかねない」という評価をされるぐらいのところに来ているわけであります。
私、次に政府参考人に伺っておきたいのは、日本が開発したH2Aロケット、これは国から三菱重工に移管されるということになっていますが、三菱重工が打ち上げサービスを事業として展開するということにこれからなっていくわけですね。これから、国、JAXAは、三菱重工に仕事を発注というか持たせる。安全性の確保など、そうしたことを含めた仕事、そっちの方は自分も持ったりして、国、JAXAが三菱重工から打ち上げサービスを購入するという形になってきます。
H2Aロケット開発は宇宙開発事業団設立以来、開発費総額は約八千億円ですね。開発費だけ国が約八千億円投じて、つくり上げた技術を三菱重工は国から丸ごと譲り受け、商業ベースでの打ち上げを行う。種子島にある打ち上げ射場の維持と打ち上げコストは国、JAXA持ち。だから、金のかかる打ち上げ部分の数十億は国に見てもらう、そうしておいて、さらに、打ち上げ一機当たりに要する百億円にかかってくる消費税分は非課税扱いにしてもらう、こういうことになっているようですが、これら、かなり次々と国の方にも財政負担がかかってくるわけです。
この取り決めというのは、いつ、だれの権限で行ってきたのか、政府参考人に伺います。
○板谷政府参考人 お答え申し上げます。
我が国の基幹ロケットでございますH2Aロケットの民間移管でございますけれども、平成十四年六月に、宇宙開発委員会などによりまして、民間の効率的かつ迅速な経営手法によりコスト低減そして信頼性向上を進めるとの方針に基づき実施しているところでございます。
具体的には、平成十四年十一月に当時の宇宙開発事業団、現在の宇宙航空研究開発機構でございますが、当時の宇宙開発事業団が、あらかじめ選定基準を定めて公開した上で、移管を希望する企業からの申請を募るなど、公開性、透明性を確保しつつ移管先を選定し、技術移転を進めてきているところでございます。
そして、衛星輸送サービス、打ち上げが衛星輸送サービスということになるのでございますが、これの消費税法における扱いでございますけれども、これにつきましては、国内以外の地域への......(吉井委員「宇宙」と呼ぶ)宇宙のことですが、への貨物の輸送ということでございまして、消費税が免税されることにされております。したがって、宇宙空間への衛星打ち上げも消費税法における輸出免税に該当すると承知いたしております。
このような民間移管を通じまして、我が国が開発した基幹ロケットが十分な国際競争力を持ち、経済社会の発展に資することを期待いたしております。
それから、委員御指摘のH2Aロケットの開発費総額八千億円ということでございますが、これはこれまでの、H1、それからN2、N1、こういったロケットの開発費も含んだ総額でございます。
○吉井委員 消費税に関しては、打ち上げたものが宇宙へ行くから消費税がかからないという、何ともおもしろい御説明なんですけれども、さっき言われた透明性の話にしても、実はその前段がありますね。
民間へ移すということで、ロケットシステムをつくったんですね。そのロケットシステムがJAXAなどからの発注を受けて、それはただ丸投げする丸投げ機関だったということを私は何度か国会でも取り上げましたけれども、ロケットシステムがいつの間にか消えてしまって、民間移転でつくったはずのロケットシステムが消えて、今度は三菱重工一社になってしまった、何か意味があるんですか。
○板谷政府参考人 三菱重工が責任を持って行うという、まさにプライム化ということに尽きると思います。
○吉井委員 そうすると、国が旗を振ってつくったロケットシステムというのは、全く、安全、信頼等の保証できない妙なものをつくったということをみずからおっしゃったことになると思います。
次に、準天頂衛星計画は、あくまでアメリカのGPSの補完で、GPSを使わなければ、準天頂衛星を打ち上げてもそれだけでは十分機能しないというのはもう明白な話ですが、我が国は、自立した衛星測位システムを持つわけでもないわけですね。
アメリカのGPSを構成する人工衛星の名前は何というものなのか、何機で運用しているのか、これまで何機打ち上げが行われているのかを伺います。
○板谷政府参考人 御指摘の点でございますが、米国のGPSを構成いたします衛星の正式名称でございますが、ナブスターということでございます。ナビゲーション・システム・ウイズ・タイミング・アンド・レンジングでございまして、現在、三十機で運用されております。うち六機が予備機でございまして、二十四機ということになります。
米国政府からの通算の打ち上げ総数ということでございますけれども、これにつきましては、総数という形では公表はされておりませんが、私どもが公表されている情報、いろいろな種々の情報を累計いたしますと、一九七八年以来、現在までにナブスターとして打ち上げられた機数は通算五十五機でございます。
○吉井委員 次に、現状では、日本がアメリカの衛星測位システムから自立して独自のシステムを構築するということは非常に困難なことだと思うんですが、中国は独自のものをやりながらガリレオ計画に参画していくとか、ヨーロッパはガリレオ計画とか、各国いろいろな取り組みがあります。日本は、GPS利用促進のために米国とともに密接に活動すると記載された日米両国政府間のGPS利用に関する共同声明、それから、同日米協議、共同声明二〇〇六年では、GPSと準天頂衛星システムは完全に相互運用性及び共存性を持って設計されていると結論づけたと、一体性をまず確認しているわけですね。
このことは、準天頂衛星の情報をアメリカが軍事にも利用できるということにつながるものではないかと思うんですが、日本は非軍事なんですが、アメリカの軍事利用には使われないという保障はあるわけですか。
○坪井政府参考人 準天頂衛星から発信されます衛星測位信号、これはGPSの民生用の信号と同等の補完信号や補強信号でございまして、GPSの民生用信号が地上でだれでも受信することが可能であるのと同じように、準天頂衛星からの信号もだれでも地上で受信できるものでございます。
したがって、特定の利用者を排除するということは技術的にも困難なものでございます。
○吉井委員 つまり、軍事にも利用できるというお話なんですから、聞いたことに素直に答えてもらったらいいわけです。
ところで、少し話はかわりますが、ことし二月八日の共同通信の配信記事を見ておりまして、JAXAの立川敬二理事長が同日の記者会見で宇宙の軍事利用について、宇宙でできることの範囲を少し広げるということ、世界常識に合わせるのでいいのではないかと容認したとありました。この発言は、宇宙開発の平和利用を定めた国会決議に合わないものです。反するものであり、政府の宇宙政策の基本からも逸脱する重大な発言であると思うんです。
そこで、本来、ここへ理事長に来てもらって御本人から伺った方がいいんですが、何か理事長は来にくいらしいので、板谷審議官の方から、記者会見での発言は事実なのかどうかを確認しておきます。
○板谷政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の点につきまして、宇宙航空研究開発機構に確認をいたしましたところ、二月八日の理事長の記者会見において、議員立法である宇宙基本法について、記者から、宇宙の平和利用についてどのように考えるかとの質問があり、これに対して立川理事長から、宇宙でできることを少し広げようということ、世界標準にしたらどうかということだと聞いている旨答えた上で、個人の見解と断りつつ、世界常識でよいのではないかとお答えしたということでございました。
○吉井委員 私は、いろいろな人がいろいろなことをしゃべるのはあり得るわけなんです。しかし、JAXAの一番の責任者が、日本の宇宙の研究開発はどういうものであるかということについては、これは国会決議を踏まえてというのがこれまでから政府の明らかにしてきたところでありますし、そのことが、宇宙物理などを含めて日本の宇宙科学の発展をうんと促進して、国際的にも高い評価を受ける、これは技術的な面でもまた宇宙物理その他の科学の面でも、日本は大きく国際貢献をしてきたわけです。その責任者の方がそういうふうな御発言をされるということ自体が非常に驚きであるわけです。
そこで、官房副長官の方に改めて、先ほど来議論がありましたけれども、重ねて伺っておきたいのは、私は、やはり政府はきちんとして態度を貫く。政府は、国会決議に基づいてということを今までから繰り返し言っているわけですから、それをやらないと、JAXAの理事長発言のように、やはり国会決議からの逸脱も出てくるわけです。
ですから、政府として、平和目的に限るという宇宙研究開発の立場、国会決議の立場で臨むんだということを改めてやはりきちっと言っておくことが私は大事なことだと思いますので、伺います。
○下村内閣官房副長官 お答えいたします。
先ほども答弁させていただきましたが、宇宙に関する現在の施策は、御指摘の国会決議の趣旨を尊重して行われているところでございます。この決議につきましては、これまで、その解釈につき御議論なされてきたものと承知しておりますが、まずもって国会において御議論いただくべき事柄と認識しております。
○吉井委員 最後に、この発言というのは、決議ですから、討論じゃなくて意見は最後に表明をするようにというお話ですから、簡潔に申し上げておきます。
やはりこの法案については、一つは、地理情報システム整備に名をかりた宇宙ビジネス優先の準天頂衛星システム計画を継続的に推進するために法的根拠を与えようとするという内容のものであるという点、準天頂衛星システム計画の推進に係る基本方針は、国民にリスクと財源を負担させ、民間企業にはリスクを負わずに事業化のめどが立ったら参加し、利益だけは得ていこうとするものであり、しかも、事業費の総額もわからず、官民の負担割合もわからないもので、そういうやり方に巨額の税金を投入するという計画を実行に移そうとしているというものでありますから、日本共産党はこれを認めることはできないという考えであります。
それから、現状では日本がアメリカの衛星システムから自立した独自システムを構築することは困難でありますが、これは先ほど述べたことですが、アメリカがGPS利用を停止したときには、日本の通信が不能になるとか、そういった問題があり、では、ガリレオ計画等に参加して共同した道を進んでいくのかということについては、日米間の協定の問題等もあり、非常に難しいという問題を抱えているということがありますから、いずれにしても、私は、アメリカのGPSはもともと軍事から始まっておりますから、そういうものにはよらない、国際的にも共同した、自立した形での科学技術の構築というものを進めていくべきである、このことを申し上げまして、したがってこの決議には反対だということを表明して、意見表明を終わります。
○河本委員長 これにて発言は終わりました。
お諮りいたします。
本起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○河本委員長 起立多数。よって、そのように決しました。
なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○河本委員長 この際、西村康稔君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の共同提案による地理空間情報の活用の推進に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を求めます。泉健太君。
○泉委員 ただいま議題となりました地理空間情報の活用の推進に関する件につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明いたします。
その趣旨は案文に尽きておりますので、案文を朗読いたします。
地理空間情報の活用の推進に関する件(案)
政府は、地理空間情報活用推進基本法の施行に当たり、次の事項に十分配慮すべきである。
一 地理空間情報の活用の推進に当たっては、産学官一体となった取組や民間活力の積極的導入により、民間の産業育成を旨として関係する施策を推進すること。
二 関係閣僚会議の早期設置等により関係省庁間での十分な連携を図るとともに、国、地方公共団体、関係事業者間の適切な役割分担により地理空間情報の活用の推進のための効果的な施策を講じること。
三 インターネット等による地理空間情報の流通の拡大に伴い、国の安全を害することのないよう措置するとともに、国民の人権が侵されることのないよう個人情報保護などの観点から十分に配慮すること。
四 国が保有する地理空間情報の提供に当たっては、国民に対して、可能な限り、無償又は低廉な価格で提供されるよう配慮すること。
五 地理空間情報の活用の推進に当たっては、我が国独自の衛星測位に係る技術基盤の確立を目指すこと。
六 本法の施行後五年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○河本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○河本委員長 起立総員。よって、本件は委員会の決議とすることに決しました。
この際、本決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。下村内閣官房副長官。
○下村内閣官房副長官 ただいまの御決議につきまして、その御趣旨を十分尊重させていただき、地理空間情報の活用の推進に努力してまいる所存であります。
○河本委員長 お諮りいたします。
本決議の議長に対する報告及び関係政府当局への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後五時八分散会

























