第129号 投票へ行こう!~統一地方選挙にあたり~



◆ 人口動態から見るわが街の変貌

 私たちの街、川口・鳩ヶ谷は、荒川を渡ると東京都に入るという埼玉県南に位置し、住宅都市化が進みマンション等の建設が続いています。
 
昨年10月に50万人を超えた川口市の人口は、今年
平成19年1月1日現在501,101人をかぞえ、4年前の平成15年に比べ20,305人増加しています。下記の表をご覧いただければお分かりのよう
に、この4年間で、出生が約2万人、転入が約12万人で、合計14万人の新市民が生まれたことになります。
 同様に4年前との比較において、鳩ヶ谷市の場合、人口は3,313人の増加ですが、出生と転入をあわせた新市民は約17,000人にのぼります。川口市も鳩ヶ谷市もともに約28%、およそ4人に1人が新市民だということになるのです。
 マンションの林立ばかりでなく、埼玉高速鉄道開通による都心へのアクセスの利便化、映像・情報産業を核とした次世代産業を集積した複合施設スキップシ
ティの誕生、大型ショッピングモールと居住区画が融合したリボンシティの建設、行政・商業複合施設きゅぽ・らを始めとするJR川口駅前大規模再開発も完了
し、大きく変貌する街並みとともに、市民も多数入れ替わり、市民意識も大きく変化しています。
 今月末からいよいよ始まる統一地方選挙においては、そうした市民ニーズの変化や多様性をどれだけ満たすことができるのかが、大きな争点のひとつになると思います。


◆ 国・県・市のパートナーシップ

 たとえば、私たちの街の安全ということを考えてみましょう。安全で安心できる暮らしを確保するため、増大する治安活動の需要に対し警察官を増員すること
を決めるのは、国会議員の役割です。そして、増員された警察官をどの所轄に配属するかを決めるのは、県会議員の仕事です。さらに配属された警察官が、街の
治安を維持するためにきちんと働いているかどうかを見守るのが、その街の市町村会議員の役目です。
 同様に、教育についても、学校の教職員数を決めるのは国会議員です。そして、教員を採用し、どこに赴任させるかを決めるのが県会議員であり、市町村会議員はその教員を街に受け入れ、教員の仕事を見据えます。
 このように、法律をつくるのが国会議員、環境を整えるのが県会議員、実践するのが市町村会議員の役割なのです。私たちの暮らしをより良くするためには、国政と県政、市政がひとつの流れのように連携することが重要だと私は考えています。


◆ 分権改革による地方自治の重要性

 小泉内閣から安倍内閣へと一貫して継続しているのは、「小さな政府」と「地方分権」というわが国の構造を改革する大きな仕事です。国と地方の税・財源・
権限を見直す三位一体の改革は、地方自治に大きな変化をもたらしました。平成18年度の税制改正においては、国から地方へ3兆円の税源が移譲されたことは
皆様ご存知のことと思います。
 今年6月以降、皆様に納めていただく税金についてご説明します。年収500万円で、専業主婦の妻と子ども2人という4人家族の会社員の場合、国税である所得税は月々2,800円、地方税の住民税が11,300円となり、従来とは逆転し、国に納める税よりも地方への税の方が多くなります。これこそが三位一体改革の姿なのです。
 そして、増えた地方税の使途を決め、使い道をチェックするのが県会議員・市会議員の役割です。このことにより、今まで以上にその地域にあわせた政策が遂
行されることになります。地域住民の代表である地方議員の重要性が、これまでよりも更に高まっていることがお分かりいただけると思います。


◆ 投票に行こう!

 選挙の際の低い投票率は大きな問題となっています。
 有権者の半数以上が棄権をしている選挙は、その街の声を反映したものだとは言い難いでしょう。政治に携わる者として、投票率の低下は非常に残念なことで
あり、しかも由々しき問題であると言わざるを得ません。投票率は、その選挙区(地域)にどのような影響を与えるのでしょうか。行政側から見ると、投票率の
高い地域から選出された議員の意見や要望は、数多くの住民の声として、より説得力の強いものとして受け取られます。ですから投票率の低い地域の場合は、そ
の逆になってしまうのです。自分の住む地域の向上にとって、投票率というものが大きな影響を与えているということを、私たちひとり一人がはっきりと認識す
ることが大事なのです。
 私たちが住むこの街の舵取りをするのは私たち自身であって、政治や行政はその実行者にすぎません。そして、その民主政治の根拠となるのが選挙であるはずです。選挙によって示された市民の意志こそが、この街の将来を決めるのです。
 投票という行為は私たちの意志を政治に反映させる最も大切で直接的な手段です。しっかりと各候補の公約、政策に耳を傾け、見極めていただき、皆さんの声をより強いものとして政治に反映させるためにも、ぜひとも皆さんで投票に行こうではありませんか。

新 藤 義 孝