第24号 彩の国まごころ国体、始まる!-みんなで国体を盛り上げよう


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月10日から14日まで「彩の国まごころ国体」の夏季大会が開催されています。水泳やサッカーなど6競技が行われ、特に水泳はわが街・川口がメイン会場に
なりました。そこで今週は、埼玉県と川口市、そして民間のボランティアが総力をあげて取り組んだ「彩の国まごころ国体」を取り上げます。

新装なった飛び込み用プール。青く澄んだ水面が静かに選手たちを待っていました。

埼玉県開催の2004年(平成16年)国民体育大会(国体)は、今回で第59回を迎えます。埼玉県としては、1967年(昭和42年)に上尾運動公園をメイン会場として実施された第22回大会以来、実に37年ぶりの開催となります。

愛称は「彩の国まごころ国体」、スローガンは「とどけ この夢 この歓声」で、二つとも県民からの一般公募によって決められました。

夏季、秋季の両大会を合わせて39競技・15行事が実施され、このたびの夏季大会では、「水泳」、「サッカー」、「ボート」、「カヌー」、「ボウリング」、「ゴルフ」の計6競技が行われます。

わが街・川口では、9月10日(金)に「川口総合文化センター・リリア」のメインホールで、秋篠宮文仁親王同妃両殿下をお迎えして、明るく、力強さに満ち
た開会式が行われました。競技の始まる前日に開会式が行われたのは、国体史上初めて。また、プール場ではなく文化ホールを会場にするのも初めての試みであ
りました。

そして、競技では水泳の全種目(競泳、飛び込み、シンクロナイズドスイミング、水球)が、青木町公園総合運動場プールと川口総合高校プール(水球のみ)で、11日より熱戦の火蓋が切られました。

特に注目すべきは、今夏、日本中を熱く盛り上げたアテネ・オリンピックで、2個の銅メダルを獲得した競泳(背泳ぎ)の森田智己選手(宮城県)や、同じく競
泳(背泳ぎ)で銅メダルを獲得した中村礼子選手(神奈川県)など、メダリスト3名を含むアテネ・オリンピック参加者13名が、水泳の各種目に参加すること
です。

また、シンクロ少年女子には、7月のジュニア世界選手権にも出場した山本麻以(武南高)と添谷はる香(川口県陽校)が埼玉を代表して出場し、優勝をねらっています。

まさに、復活した水泳ニッポンの世界トップレベルの力と技を見る絶好のチャンス。私もぜひ競技場に足を運び、この目にしっかりと焼き付けたいと思っています。

さて、今回の「彩の国まごころ国体」の最大の特色を皆さまはご存知ですか? それは、市町村の連携のみならず、県民の協力やボランティアなどによる県民総参加の「日本一簡素で心のこもった国体」をめざしていることです。

その一つの取り組みが、前述したように開会式を「リリア」で行ったことです。「リリア」を使うことによって、従来のプールサイド等に仮設していた諸施設の
設置が不要となり、大幅な経費削減が実現しました。と同時に、選手や来場者への利便性が高まり、さらには音響、照明等の諸設備が完備した「リリア」で行う
ことで、簡素な中にもより印象に残る開会式となったのです。

また、全国からの参加選手の宿泊施設として、特に川口市では地域の公民館を活用しました。市内の31の公民館に、約1,150人の競泳少年男女の選手およ
び監督が宿泊しています。さらに、身の回りのお世話係として約4,000名の市民がボランティアとして参加し、調理班や宿泊班を組織して、炊き出しなど真
心のこもった受け入れを行っているのです。公民館に宿泊することによって大幅な費用の簡素化がはかられるのはもちろんのこと、今までの国体ではけっして見
ることのできなかった、全国の代表選手と市民ひとり一人との、より深い心の交流が実現しているのです。

夏季大会は、14日(火)まで。みんなで会場へ応援に行き、国内最大のスポーツイベント=国体を大いに盛り上げようではありませんか!

【 コラム ? 東京オリンピックの聖火台レプリカ 】
今から40年前、国民に深い感動を与えてくれた東京オリンピック。あの日本中が沸いた祭典で使われた聖火台が川口でつくられたものだということを、皆さんはご存知でしょうか。
高さと直径が2.1メートル、重さが2.6トン。川口の鋳物産業の代表作といえるこの聖火台は、「武州鋳物の名工」と称された鈴木万之助さんと2代目の文
吾さん(川口市赤山在住、現在82歳)が制作したもの。初代の万之助さんは聖火台制作の途中でこの世を去ってしまい、その遺志を受け継いだ文吾さんが完成
させたものです。国立競技場に備えられたこの聖火台は、1958年のアジア競技大会に使われた後、1964年の東京オリンピック、1998年の長野冬季オ
リンピックでも使われました。
夏期国体会場となる川口市の青木町公園には、この聖火台と同寸・同型のレプリカが設置されており、このたび市民の皆さまから寄附を募り改修工事が完成しました。

新 藤 義 孝