平成15年外務省一般会計予算について(外務政務官答弁)                              参議院財政金融委員会-5号 2003年03月26日 

2003年3月26日 21:30

平成15年外務省一般会計予算について(外務政務官答弁) 

156-衆-外務委員会-3号 平成15年03月19日


○池田委員長 これより会議を開きます。
 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省総合外交政策局長西田恒夫君、外務省条約局長林景一君、それぞれの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○池田委員長 御異議はないと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――

○池田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。水野賢一君。

○水野委員 自由民主党の水野賢一です。
 まず、イラク情勢を取り上げます。
 今、文字どおり開戦前夜ともいうべき状況になっておるわけでございます。戦争というのは数多くの悲劇を生みますし、だれしも好むものではございません。その意味で非常に残念だと言わざるを得ないわけですけれども、事ここに至った原因というのはどこにあるのか、そしてその責任はいずれにあるのか。
 それを考えるならば、ひとえに、たび重なる国連決議を無視してきた、そして査察に対して拒否し非協力的であったイラクとその独裁者サダム・フセインにあるということは言うまでもないと思うわけですけれども、この点に関しての外務大臣の御見解を伺いたいと思います。

○川口国務大臣 水野委員がおっしゃるとおりだと思います。
 だれしも戦いによって、武力行使によって問題を解決したくない、これはアメリカもイギリスも、そして多くの、全部と言ってもいいと思いますが、人がそう思っていると思います。ただ、今までたびたび機会を与えられながら、そのときに国際社会の要求にこたえて対応してこなかったサダム・フセインに全部の責任があると私は思っております。
 今、最後の機会が与えられているわけで、これを拒否したという報道がありますけれども、非常に残念に思っています。

○水野委員 大臣の御見解を強く支持したいと思います。
 ところが、いわゆる反戦運動というようなもの、世界じゅうに広がっているとされておりますけれども、その多くは、米国の武力行使に対しては絶対反対ということを唱えておりますけれども、この問題の根源であるイラクの大量破壊兵器の問題に対しては、目をつむっているのか見て見ぬふりをしているのか、余り大きい声で言っていないのじゃないかと思うわけでございます。そんなに戦争反対ということを言うのであれば、今唯一戦争を回避する道というのはフセインが追放される、亡命するということなわけでありますから、そういうことも強く言うべきではないかというふうにも思うわけです。
 つまり、いわゆる反戦運動というものが、だれもが反対しにくい戦争反対というこのスローガンのもとに、そういう欺瞞性があるのではないかというふうに思うわけですけれども、このいわゆる反戦運動というものに対しての御見解、感想があればお聞かせいただきたいと思います。

○茂木副大臣 私、先日総理の特使としてイラクに行ってきたとき、同時にヨルダンにも寄ってきたわけでありますけれども、ヨルダンの政府首脳も、この反戦運動について、決してイラクをサポートしているわけではない、イラク側がこれを、自分たちをサポートしている、こういうふうに見誤ることは大変危険である、こういう意見も聞いてまいりました。まさに水野委員御指摘のとおり、今世界じゅうで起こっております反戦運動、そこの中で、イラクが正しいとか大量破壊兵器の保持も容認されるべきだとか、こんなことを言っている運動というのは全くないわけでありますね。
 そういった中で、我が国としても、また国際社会も、物事を平和的に解決したい、当然であります。しかし、そのためには、まさにサダム・フセインが、イラク側が決断をする、こういうことが重要である、このように我々も考えております。
 そういった中で、しかし、大量破壊兵器の廃棄、これをどうしても行わなければならない、こういった外交努力を積み重ねる中でのブッシュ大統領の決断というものは苦渋に満ちた決断であっただろう、このような考えから日本政府としてもそれを支持している、こういう形でありまして、まさに反戦運動そのものをもって、すべてに対して反対である、こういうふうに考えるのはいかがなものか、私もそのように認識いたしております。

○水野委員 副大臣の御答弁に対しても、強く支持をいたしたいと思っております。
 さて、我々が今一番警戒をしなければいけないのは、国際社会の目がイラク情勢にくぎづけになっているその間隙を縫って、まさに日本にとって近隣の脅威ともいうべき北朝鮮がどのような動きをするかというのが我々にとっての大きい関心事であるべきだというふうに思うわけでございます。
 その北朝鮮の生命線になっているのは、人によれば、日本からの送金というもの、金の流れ、物の流れというのが彼らの生命線になっていると言う人もいるわけであります。そして、その不正な送金とかの温床になっているのが、万景峰号を初めとするような、日朝間を往来する船舶だというふうにも言われておるわけです。
 ところが、現行法では、安全とか保安とか、そういう面で問題があるというだけの理由で船舶の入港を拒否することはできないというふうにされておりますし、私もそう思いますが、これは、逆に言えば、法律さえ整備をしていけば、寄港制限というものは可能ではないかというふうに考えます。そうした立法を行うかどうかというのはあくまで各国の裁量の範囲内であって、仮にそういう立法を行っても、国際法、国際条約というものには違反しないというふうに考えますけれども、条約局長、いかがでしょうか。

○林政府参考人 国際法上の考え方ということでございますけれども、港につきましては、領海、公海等と異なりまして、いわゆる内水と考えられておるわけでございますけれども、各国は、不合理あるいは恣意的な差別などによりまして権利乱用とならない、また、自国の締結しました国際約束、例えば通商航海条約等で相互に寄港を認め合うとかいう義務を負っているとか、そういう国際約束に抵触するものでない限り、入港に関しまして一定の規制を行うことができるというふうに考えられております。
 ただ、実際上の問題としまして、自由貿易促進という観点から、一般には、外国船舶に対して、自国あるいは第三国の船舶と均等待遇を与えるということが広く行われているということは別途ございます。

○水野委員 今御答弁にあったように、領海とかの場合は、確かに、無害通航権というようなものが国際的にも確立されているから、なかなか通るなというわけにはいかないんでしょうけれども、内水、港に関しては、主権の範囲内で、例えば寄港制限、入港制限ということをやることは可能だということだと思います。また、安倍官房副長官の、おとといですか、参議院予算委員会での答弁でも、そういう前向きな御答弁があったと思うわけです。
 さて、安倍副長官に御質問をしたいと思います。
 北朝鮮に対しての、北朝鮮に対して、私は、基本的に、ああいう一筋縄ではいかない国ですから、硬軟織りまぜた対応というものが必要だと思っておりますけれども、その硬の部分、かたい部分でいうと、ある種の制裁措置というのがあり得るかと思うんですが、例えば、送金とか輸出を禁止するというようなことというのは、現行法では外為法によって発動をすることになっているわけでございます。
 ただ、現行外為法というのは、私は問題があると思うのは、発動できるんですけれども、現にした例もあるわけですが、発動を非常にしにくい仕組みになっている。例えば、国連決議などがあれば外為法によって経済制裁を発動するということは可能ですけれども、単独制裁というものは、日本独自の判断で経済制裁条項を発動するということがなかなかしにくいような仕組みになっておるわけですが、この点、外為法を改正する必要があるかどうか、その点についてはいかがお考えでいらっしゃいますでしょうか。

○安倍内閣官房副長官 現行の外為及び外国貿易法について、先生の論点、委員の論点について書かれたホームページ、私、拝見させていただきました。大変わかりやすく論点が整理されてあったというふうに思います。
 委員の御指摘のとおり、現在の外為及び外国貿易法上、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため必要があると認めるとき、または国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため特に必要があると認めたときには、海外への送金を停止する等の措置を講ずることができる、こういうことになってまいるわけであります。
 そこで、この法律を改正すべきかどうかということを今委員が御質問になったわけでありますが、我が国が単独で経済制裁が行えるよう外為法を改正することの是非については、送金停止や輸出禁止等の措置の実効性を確保するためには、一般的に言えば、主要国と協調することが重要であることにも配慮しつつ、政治的な観点を含めた総合的な判断が必要となるというふうに政府としては考えているわけであります。
 いずれにいたしましても、実際に我が国が送金停止や輸出禁止等の措置を講ずべきかどうかは、我が国の国際社会の一員としての責務を的確に果たすとの観点から、具体的状況に応じ、関係省庁と協議の上、国際社会の動向、我が国への影響等を総合的に勘案した上で判断したい、このように思っているところでございます。

○水野委員 時間が来ましたので終了いたしますけれども、最後に、川口大臣も、非常にイラク情勢、多難な折だと思いますけれども、その姿勢を強く支持したいと思いますので、お体に気をつけて頑張っていただきたいと思います。

○池田委員長 次に、丸谷佳織さん。

○丸谷委員 おはようございます。公明党の丸谷佳織でございます。
 イラク情勢について質問をさせていただきます。
 今回のイラクの諸問題に関しましては、原因というのは、当然、大量破壊兵器の保有というものを国際社会が理解できる形で破棄し得なかったフセイン政権にあるということを踏まえつつ、実際には、現在の状況を、安保理の決裂、また、新決議なしの武力行使についてブッシュ大統領が表明をしたという最悪の状況に陥ったのではないかと思っております。
 また、私、個人的な意見を申し上げさせていただくのであれば、安保理というところで妥協点を見出せなかった米及び仏の態度というのは一定の批判をされるべきだと思っておりますし、また、テロ対国際社会という構図を支持するという観点から申し上げれば、テロリストに新たなテロの因を与えかねない行動に陥るということに対しても、大変遺憾に思っております。実際には、九・一一テロの最大の被害国であるところのアメリカ、そして、独裁者に虐げられてきた経験を持つ各国、また、地理的な理由からくる危険度というものによって各国の意見が分かれている状況だからこそ、国連という場で一致を見ることが大切だったのではないかと思っております。
 現在の残された時間というのは非常にごくわずかになっておりますけれども、可能性がある限り、平和的な解決を我が国として模索し、努力していくべきと思いますが、この点について政府の御見解をお伺いします。

○川口国務大臣 日本としても、今委員がおっしゃられましたように、この問題を平和的に、そして国際協調のもとで解決をしたいと考えて、そのための努力をしてまいりましたので、国連で新しい決議が採択をされなかったということについては大変に残念に思っています。
 それで、残り少ない期間の中ではありますけれども、限られてはいますが、平和解決のための努力が日本としてもまだできるというふうに考えまして、きのう私は、在京のイラクの臨時代理大使と話をしました。そして、平和的解決のためにイラクとして適切な対応をとってほしいということを言いました。
 きょう、報道によりますと、イラクのサダム・フセイン大統領は、国を離れるということは拒否をしたという報道が流れておりますので、そういう意味では、大変に重ねて残念に思っております。

○丸谷委員 実際には、大臣がおっしゃいましたように、亡命という道筋がかなり閉ざされているのかなと思う反面、各国の動きの中では、亡命に関しても、水面下で模索しているという努力をしている国もあり、我が国も、その中で何をできるのか、この短い時間でありますけれども、また外交努力を重ねていただきたいとお願いします。
 次に、現在、この最悪の状況を迎えて、今後国際社会が抱えていくだろう問題というのをどのように考えていらっしゃるのか、お伺いします。
 例えば、ヨーロッパとアメリカの分裂であったりとか、あるいはアラブ、非アラブとの分裂、あるいはアラブ圏内でも分裂があるかもしれません。国連の機能低下等考えられますが、この諸問題をどのように御認識していらっしゃいますか。

○茂木副大臣 冒頭丸谷委員御指摘のとおり、二十一世紀の新しい脅威を考えたときに、大量破壊兵器の問題、そしてテロの問題、これはまさに国際社会が一致して対応しなければならない問題だと思っております。そして、その意味から、先ほど大臣が答弁をさせていただきましたように、国連の新決議、努力をしたわけでありますが一致を見なかった、このことは大変残念であると考えております。
 よく、欧州とアメリカの間の分裂、こういうことも言われるわけでありますが、欧州とアメリカの間でも、イラクの大量破壊兵器が問題である、廃棄をさせなければならない、こういう点につきましては私は完全な一致というのはあるんだと思います。
 それから、例えば今回のブッシュ大統領の決断にしましても、国連の枠を外れるのか、こういう一部の報道もあるようでありますけれども、米国も当然国連の決議に従って行動する、このように我々は理解しているわけであります。
 そういった中にあって、今後、イラク問題についても、混乱の早期の収拾、こういうことを考えると国連の役割は大変大きくなってくると思いますし、大量破壊兵器の問題等々につきましても、これで終わる問題ではない。こういうことを考えると、国連の機能、これがしっかりすることが重要であり、そのためにも、我が国としても国連がしっかりまとまれるような形をこれからもつくれるよう努力はしていきたいと思っております。

○丸谷委員 副大臣がおっしゃいますように、実際に我が国の今後の安全保障上、国連が形骸化するということは非常に大きな損失でありますし、今後、北朝鮮に対して国際社会が一致協力して取り組んでいくというためにも、国連また安保理の改革というのは必要だと思います。
 そのために今何が必要だと考え、そして、日本政府として努力されていくということなんですけれども、何をしていくべきとお考えになっているのか、この点についてお伺いできますか。

○川口国務大臣 今回の一連のことは、国連のあり方についてみんなに、世界全体に対して、考える一つのきっかけにはなったと思います。
 今まで日本としては、国連の改革ということをずっと強く言い続けてきて、これを推してまいりました。それで、例えば安保理のあり方というのが今の状況でいいのか、言ってみれば戦後、五十年前の力関係、世界のパワーストラクチャーが今引き続き反映されたまま残っているということでもありますし、全体として、現代の二十一世紀にふさわしい世界の機関、国連という機関のあり方というのを、やはり議論をさらに深めなければいけないと思っています。
 それで、国連の安保理の改革については、我が国はもう十年以上ずっとやってきているわけですけれども、今問題は、安保理の理事国の数と、だれがということになっていると思います。実際にこの問題についていろいろ話をしてみますと、だれがというところでなかなかそれぞれに主張があって難しい。例えば南米という地域をとったとしても、そこでだれが代表をすべきかという議論一つとってもなかなかまとまらないという状況であります。
 粘り強くと思っておりますが、これを契機として、さらにみんながそういう組織のあり方を考えることが始まるといいというふうに私は思っていますし、日本としてもさらに改革を進めていかなければいけないと思います。

○丸谷委員 不幸にして武力行使に至った場合、やはり難民に対する人道的な支援が速やかになされるべきだと思っております。
 現在、公明党の派遣団が、ジュネーブのUNHCRの事務所に参りまして、その後イランに行っております。UNHCR事務所ではルベルス難民高等弁務官と会談をし、またケレンベルガー赤十字国際委員会総裁とも会談をしました。ルベルス氏の方からは、今回の事態、六十万人の難民がイラン、ヨルダン、シリアなどに流れるであろう、また人道支援に関しては初期段階でも六千万ドルが必要と、こちら側にも支援を要請されています。
 現在、うちの公明党の派遣団、イランのソンゴル難民キャンプに参りまして、キャンプの様子を視察してまいりました。現在ではまだ百九十二家族七百六十八人の方がイラク難民として避難をされているんですけれども、今後速やかな人道的な支援というのは政府としても考えていかなければいけないと思います。
 また、アフガニスタンのときの緒方氏、またスリランカのときの明石氏のように、見識があり国際経験豊かな方をイラク問題に対する政府代表としてはいかがかという提案もさせていただきたいと思いますが、この点についていかがでしょうか。

○茂木副大臣 まさに今丸谷先生御指摘のさまざまな議員外交でありますが、御党の方は、神崎代表、今月の初めにわざわざ国連の方まで出向かれてアナン事務総長と直接お会いになられたり、今御指摘ありましたような、まさに人道主義、こういう立場からさまざまな外交活動を展開していただいておりますことを、政府としても大変高く評価をいたしております。その上で、恐らく今後、周辺国支援であったりとか難民支援、こういう問題が出てまいりまして、UNHCRそしてNGO等々と協力しながら、我が国としてもでき得る責任を果たしていきたい、こんなふうに考えております。
 実はおととい、今お名前の出ました明石さんと国連関係のシンポジウムで私も御一緒させていただきまして、緒方貞子さんであったりまた明石さんのような人材が日本にいる、このことは本当にアセットだと思っております。そして、今後さまざまな支援を日本が展開していく中でどういった体制が必要であるか、こういうことも検討していかなきゃなりませんので、丸谷委員御指摘の点も踏まえながら体制整備を図ってまいりたいと考えております。

○丸谷委員 以上で終わります。ありがとうございました。

○池田委員長 次に、伊藤英成君。

○伊藤(英)委員 まず最初にお伺いしますけれども、外務大臣も、もちろん日本政府も、今まで一貫して国際協調、国際協調、こういうふうに言って、そしてそれを重視して取り組んできた、こう思うんです。
 今回、アメリカが武力行使をということで、それを支持するということになった。これは、国際協調というふうに言ってきたわけでありますが、いわばこれは方向転換かもしれないですね。なぜ支持したんでしょうか。

○川口国務大臣 伊藤委員がおっしゃられましたように、日本政府は国際協調に基づく平和的な解決ということを言って、さまざまな働きかけをイラクに対しても、それからほかの国に対しても、ずっと行ってまいりました。イラクに対しては、茂木副大臣に総理特使ということで行っていただきましたし、私やそれから副大臣が大使に会ったりということもやっています。ほかの国に対しても、総理と私が今まで全体で何本の電話をかけたかというと、相当な電話をかけたと思います。
 そういった努力が実らなくてこういうことになったということは非常に残念ですけれども、それでは国際協調が今ないかというと、それはそうではなくて、このイラクの問題についていいますと、発端から、十二年前からずっと国際協調のもとで努力を積み重ねてきた。幾つもの決議がそれを物語っている、一四四一もそういうことであったわけです。
 それで、今米英とそれから独仏、その他の国もありますけれども、間で意見が違ったのは、大量破壊兵器の廃棄をめぐって、どういうやり方でやるのが一番効果的であるかということの見方が違ったということです。それの背景にあるのは、査察の有効性に対する認識の違いだと思います。それで、新しい決議についての採択を、ある国が何が何でも拒否権を行使するということを言って、それができないということがわかったということで、大量破壊兵器の廃棄をどうやってやるのが一番人類のためにいいかということを考えて、アメリカは、ブッシュ大統領は真に苦渋の選択を、されど正当な選択をしたということだと思います。
 それで、私どもも、日本としても基本的に同じ考えを持っているということです。それは、アメリカに追随したということではなくて、考え方が同じであるということです。その考え方は何かというと、大量破壊兵器の問題が二十一世紀の人類にとって非常に大きな脅威である。これは、サリン事件を経験しているわけですし、イラクがサリン事件二億人分を殺せるだけの例えばVXガスを持っているというようなことからいってもわかる。我が国としては、大量兵器の拡散やテロリストの手に渡るということによる将来の大きな災害、これから日本国民の安全を守る必要がある、これが我が国の考え方の基本にある、そういうことです。

○伊藤(英)委員 大量破壊兵器の問題についても、もちろん国際社会みんな一緒だと私は思っている。それに対する脅威といいましょうか、それに対する認識も同じだと思っている。そうなんですが、昨日のブッシュ大統領の演説を見れば、まさに、アメリカは自分の国の安全を確保するために武力行使をする権限を持っているんだよ、そういう考え方で、今回、最後通告をしているわけですよね。この部分でいえば、イラク対国際社会というよりはイラク対アメリカという構図でアメリカは考える、そこに日本が支持をするという意味じゃありませんか。

○川口国務大臣 これは全くそうでないと思いますね。アメリカがずっとほかの国々と一緒になって国連の決議、これはイラクに対して大量破壊兵器を、それだけではありませんけれども、大量破壊兵器を廃棄させるということをやってきたわけです。そして、一四四一もそうですし、これも国際社会対イラクであるという考え方で、引き続き九・一一以降もやってきているわけですね。ここに至って、先ほど申しましたように、一部の国は新しい決議については拒否権を使うということを言っているわけで、その場合、やむを得ず本当に苦渋の決断をしたということであります。
 それの背景には、大量破壊兵器が人類にとって問題であるという問題意識があると思います。それから、今の査察を続けていってそれが有効であるかどうか。この査察は、ブリクスも言っているように、圧力があるという状況のもとで、そしてイラクが真に積極的にプロアクティブにこれに協力をするということが見える状態で、それであっても数カ月かかるということであるわけで、基本的に軍事力による圧力を背景にして行われているということで、その負担はアメリカがずっと負ってきている、そういうことであります。
 ですから、イラクの基本的な姿勢に、根本的に態度を変えて、査察に対してイラクから情報を提供しますという姿勢が見られない以上、これは日本も総理特使を送って同じ印象を持っていますけれども、アメリカとしてはそういうことに行かざるを得なかったということでして、決してアメリカの意見、アメリカとして自分の国民を守るためにということではなくて、ブッシュ大統領のスピーチでも言っていますけれども、大量破壊兵器の危険から人類を守るということを言っているわけです。

○伊藤(英)委員 その最後の部分は、私が先ほども申し上げたんですが、アメリカは自分の国の安全を確保するために武力を行使する権限を有しているんだよ、そしてその責務は最高指揮官としての私が有しておって、自分は宣誓を守るんだというふうにアメリカは明確に言っているんですよ。いいですか。
 それから、先ほど国際社会が、あるいは国連がという話をされたんですが、もちろん過去九一年から十二年間国連はということで何回も国連決議もする、この間も一四四一も決議もした、そして取り組んでいる。
 しかし、最近の状況を見れば、日本としては、例えば、フランスにしても、多分私は、アメリカを中心にした軍事力がイラクを動かしているということは僕は認めていると思うんですよ。そういう中で、例えば三十日間の査察の延長をしたらという提案もしたりしていますね。していますね。そしてそれは、UNMOVICの報告やらあるいはIAEAの報告やらそういうものも、最近はイラクも随分協力しつつある、そういうことについての評価もしたりしている、それについて他の国も評価もしたりしている。そのときに日本は、ではフランスとかそういうところにアプローチをしているかというよりは、映る構図は、ただただアメリカとという構図に映っているんじゃないんでしょうかね。
 だから、私が申し上げているのは、本当に国際社会が一致して取り組むために努力を、あるいは日本はそういう考え方でやっているというふうに思えないということを言っているんです。

○川口国務大臣 最初に今委員が言われたことに関してですけれども、ブッシュのスピーチですけれども、アメリカは、米国及び同盟国はイラクの大量破壊兵器の廃棄のために武力を行使することを容認されている、これはブッシュのスピーチの中にある言葉です。ということを先ほどは申し上げたということです。
 それから、日本が国際協調の動きを本当にバランスをとってやっているのかということですけれども、これは私はやったつもりでございます。私は、ドビルパン外務大臣とはごく最近の時点でも二回電話で話をしていますし、フランスの大使とも話をしています。そして、国際的な協調が大事であるということを言っています。
 それで、基本的にやはり重要なことは、先ほど言いましたことですけれども、日本にとって大量破壊兵器の拡散が脅威である、そういう認識であると思います。国際社会、特に安保理でそういう合意ができなかったときに、軍事的な圧力があってもなおイラクは小出しにしか協力をしない、このまま査察を続けていってもそれが有効であるという認識が持てないときに、アメリカが苦渋のそういう決断をしたということについては、我が国は理解をしますし、支持をしている、そういうことです。
 キーは、かぎは、一番の問題の本質は、大量破壊兵器の脅威からどうやって日本人の安全を確保するか、そういうことであると思います。

○伊藤(英)委員 先回の予算委員会のときも私は申し上げました。実際に日本が、例えば国連で原口大使が演説をしておる内容を見てもそうなんですね。そうなんです。いいですか。実際に効果が、少なくとも最近は、近い時点で考えれば、もちろんこれは、繰り返しますけれども、アメリカの軍事力等が非常に大きく影響しているんだと私は思うんです。そのときに実際に、イラクの査察に対する協力の度合いも随分よくなっている、評価もしている、それはブリクス委員長みずからも評価をしている。そうしたときに、日本は、先ほど大臣も言われましたけれども、査察の有効性についての疑問をすぐ日本は言うんですよね。有効性と言う。これは見ていて奇妙です、私からすれば。本当に日本ができるだけ平和的に、そして効果を上げようとしたときに、そういうことは非常に感じにくい。
 何で日本がそんなにブリクス委員長の発言等について過小評価をするんですか。大臣に聞きます。大臣は答えられないんですか。大臣に聞きます。

○川口国務大臣 また繰り返しになりますけれども、ブリクス委員長の言っていることは、査察を続けるときに前提が二つありますと言っているわけですね。一つは、圧力の存在、そしてもう一つは、イラクが大量破壊兵器の廃棄を、積極的にといいますかプロアクティブにみずから廃棄の証拠を見せるということですけれども、そういう態度で対応をしているかどうか、この二つが存在をして、それでもなおかつ査察を有効に続けていくには数カ月期間がかかる、これがブリクスの言っていることです。
 それで、では、その二つの前提が存在をしているかどうかということですけれども、日本としては、これは存在をしていないと考える。
 それは、茂木副大臣がイラクに行って、アジズ副首相と二時間、ひざを合わせてといいますかひざ詰めの話をした、それでもなおかつそういうことであった、アジズは非常な、最高権力者の次ぐらいの人ですから、ということです。
 それから、圧力を引き続き何カ月もでは置いておくことができるか。私はフランスに、これは余りこういうことをこういう公的な場では言ってはいけませんけれども、フランスはそれでは一緒に兵を出してイラクに圧力をかける用意がありますかということを聞きました。フランスは私に対して、圧力をかけ続けイラクの査察が有効に行われるということを、それを説明することができませんでした。
 日本としては、そういう圧力をかけ続ける、あるいはイラクが積極的な態度で査察に応ずる、その結果として査察が有効になるということを残念ながら判断することはできなかった、そういうことです。
 それから、イラクが少しずつ協力をしているではないかというお話がありました。手続面で、本来もっと前にやっていなければいけなかったことをずっとおくらせた。例えば、査察官のインタビューの話。これも、五百人近い、四、五百人のリストがあって、なおかつ、最近の時点でも十人を超えた程度のことです。国外で査察官がインタビューをするということは認められなかった、そういうことであります。
 それから、今まで表に出ていることのほかに、二十九項目のイラクに対して持たれている疑惑がある。イラクがこの大量破壊兵器の疑惑を晴らそうと思ったら、全く難しいことではないわけですね。非常に簡単にできることです。そのための機会を何回も国際社会は与えた。最後にイギリスの出したノンペーパー、これも決して難しい条件ではありません。それもイラクは拒否をした。もっとも、イラクが拒否する前にフランスも拒否をしたのは非常に残念だったと思いますけれども。
 そういうさまざまな努力を日本は後押しをし、それを引っ張っていく努力をし、その上でそういうことになった。日本としてはできる努力を全部し、それで非常に残念ながらこういうことにならざるを得なかった。これは日本としてもそう思っていますし、その結果としてアメリカがそういう判断をせざるを得なかったということは、真にやむにやまれない判断、やむを得ない判断であったということで、日本は支持をするわけです。
 本質は、大量破壊兵器の廃棄を、世界の人類を大量破壊兵器の危機から守るためにどうやったらそれができるかということであります。

○伊藤(英)委員 大量破壊兵器を人類のそれこそ平和のために廃棄させる、多分それは世界の多くの国がそう思っていると私は思うんです。
 IAEAやあるいはUNMOVICの最近の活動について、彼らは、最近はイラクが協力をしつつあるというような報告であったりいたしました。それに対して、フランスとかあるいは中国も評価をしたと私は思っているんです。中国は評価を間違っているんでしょうと大臣は思っていますか。

○川口国務大臣 どこの国の評価が間違っているということではありませんけれども、二つの前提、先ほど申し上げました前提、圧力が存在をするということとイラクが前向きにやっている、そういう点についての評価は中国はしていないと思います。
 実際に、例えばミサイルを若干廃棄をしたというようなこと、それは実はもうずっと昔にやっていなければいけなかったことであり、それからさらに、それ以外に、例えばスカッド用の弾頭ですとか、Rの400爆弾、化学兵器でいうと、タブン、それからサリン、マスタードガス、VX、そして炭疽菌一万リットル、ボツリヌス毒素、さまざまなことがあって、これらについては全くこれからという話であるわけです。
 ですから、イラクは日本よりも広い国土であるわけですから、そういうところで国連機関が査察を続け、アメリカ軍が二十何万の軍隊をその周りに置いて、それで何カ月も何年も査察を続けることができるかどうか。これをほかの国は何ら、それをやるべきであるとか、あるいはそのために自分はやるとか、そういったことは何も言っていない。単に、このままやっていって本当に有効に査察ができるかということについての見方が違う、判断が違う、そういうことであるし、我が国としては、我が国の判断が正しいと思っています。

○伊藤(英)委員 今まで十二年間たって、日本もある意味じゃ、ひょっとしたら同じ責任を感じなきゃいけないのかもしれないと私は思いますが、十二年間、今日まで来て、そして、本当に最近になって少なくともかなり協力しようということになってきた。そして、常任理事国のメンバーも、あと三十日延ばしたらどうだろう。十二年間ずっと来て、ひょっとしたら、三十日たったら、そのときにもできなかったら、それは武力行使という話が起こるかもしれません。しかし、例えば三十日、ひょっとしたら二十日かもしれない、あるいは四十日かもしれませんが、例えば三十日云々といったら、なぜそれができないんだろう。それを三十日延ばしたら、世界は大量兵器の被害をこうむるだろうと思われているんですか。

○川口国務大臣 私は、逆にフランスに聞きたいんですけれども、それであれば、なぜフランスがイギリスがまとめようとした修正決議案に対してノーと、これを見る前に、議論もしないで拒否をしたかということであります。
 これは、委員もよく御案内だと思いますけれども、イギリスの出した修正案というのは、これはイギリス自身が、修正案といいますかノンペーパーですけれども、これはイラクに対して、この問題を解決する、イラクのメンツを立てて解決をする非常にいい案であったと私は考えています。
 イラクに要求をしたことというのは非常に小さい楽なことでして、それは例えば、イラクが大量破壊兵器についてつくらないとか廃棄をしますということを、国内でアラビア語で話をするということが一つですね。それから、そのほかに、幾つかのことについて廃棄をし始める、これは英語を読んでいただきますと、イズ イールディングというふうになっていまして、そういう行動をとり始めればいい。これは、イラクがそれをやれば今までの決議を守ったということにしますということを書いた紙でございまして、これは非常にこの問題を解決するのに有用な紙であったと私は考えておりますけれども、これを見もしないで、イラクよりも先に拒否をしたというのはフランスであります。
 ということがいろいろあって、その結果としてこういうことになった。私は、アメリカもイギリスもやれる努力は全部したと思います。そういうことで、こういう結末になったというのは非常に残念ですけれども、もう少し査察を続けてみよう、イラクに対するそういう救済策、それもフランスによって拒否をされてしまったというのが国際社会、安保理での現実であった、そういうことです。

○伊藤(英)委員 フランスに言いたいことがあったら、電話でしょっちゅうされているでしょうから、そのときにフランスに言ってくださればいいんですよね。
 私は、例えば三十日案に、日本もあるいはイギリスも、ああ、ではそうしよう、しかしそのときは、それまでにできなかったら必ず、例えば武力行使もやるよという話をすればあっという間にまとまったかもしれないという気はするんです。
 そこで、私はちょっと聞くんですが、軍事的に見て、あそこにもし万一武力行使をすることを考えたときに、三十日延ばしたら、それはちょっと困る、春の砂あらしだとかあるいは気温だとか、そうした問題で制約があるとかいうようなことがあるんですか。延ばしたときのそういう軍事的な問題、オペレーション上の問題というのはあったんですか、ないんですか。

○茂木副大臣 伊藤委員の方から、軍事的な要請、こういう話があったわけですけれども、三十日というのは、結局、待てばどうなるという問題じゃないんだと思います。(伊藤(英)委員「僕は軍事的な話を聞いているの」と呼ぶ)待てばどうなるという......(伊藤(英)委員「あるのかないのか」と呼ぶ)
 ちょっと待ってくださいよ、答えているんですから。待てばどうなるという問題ではなくて、フランスが、では、例えば三十日後に武力行使を容認するような案というのを出しているかというと、そんなことはないわけです。まさにイラクが、今の時点でもう十二年間、さらに言いますと、一四四一がまとまってから四カ月たっても......

○伊藤(英)委員 何ということを言ったんですか、あなたは。僕の質問に対して答えてくださいよ。何で関係ないことをしゃべるの。この時間は重要ですよ。

○池田委員長 質問者に聞きますが、どなたに答弁を求めますか。

○伊藤(英)委員 大臣に聞きます。

○池田委員長 では、川口外務大臣。

○川口国務大臣 軍事的なオペレーションの問題について私が理解をしていますのは、気候、温度、そういったことにアメリカの軍隊は左右をされないでオペレーションをする能力を持っている、そういうことを聞いております。
 それから、先ほどの三十日延ばしたらということについては、今茂木副大臣がおっしゃったとおりであると私は思います。

○伊藤(英)委員 アナン事務総長が、十日だったと思うんですが、米国等が安保理の枠を外れて軍事行動をとるようなことがあればそれは国連憲章違反となる、安保理事国が共通の立場をとることができず、安保理の了解なしに行動をとられるとするならば、いかなる行動であってもその正当性は大いに傷つくだろうと言ったということなんですね。
 外務大臣は、この新たな国連決議なしの武力行使は国連憲章違反になるだろうとアナン事務総長が言われたことについて、どういう認識を持たれますか。

○川口国務大臣 まだ武力行使は行われていないわけですけれども、仮に行われたとしても、これは今までの決議にのっとって行われるわけですから、国連憲章に違反をするとか、あるいは国連の安保理の今までの考え方から外れたことをやっているわけではない、米国は国際法にのっとって行動をするというふうに思います。

○伊藤(英)委員 そうすると、外務大臣としては、アナン事務総長の認識は外務大臣とは違いますということですね。

○川口国務大臣 アナン事務総長は前提をつけておっしゃっていらっしゃるわけで、そういう前提が存在をしないということを私は申し上げているわけです。そういう前提が存在をしない、そこが意見が違うということですけれども、アメリカは、今までの決議があって、それにのっとって行動をする、要するに国連安保理の決議にのっとって行う、そういうことだと思います。

○伊藤(英)委員 アナン事務総長は、過去、十六、十七の国連決議もあってということは当然御存じだよね。それを忘れているんじゃないかと言われるんですか。

○川口国務大臣 私はアナン事務総長の御発言を直接聞いたわけでもございませんし、これを報道ベースで聞いただけでございますので、アナン事務総長が......(発言する者あり)

○池田委員長 御静粛に願います。

○川口国務大臣 過去の十六、十七の国連決議について、それを前提にしておっしゃったのか、前提にしないでおっしゃったのか。前提にしないという意味は、それがあってもだめだと考えているのかということについては、私は、アナン事務総長の考えを判断することはできません。
 我が国としては、国連の過去の決議によって、武力の行使というのは、万が一それが不可避となった場合にはそれは説明ができる、正当化できるというふうに考えています。

○伊藤(英)委員 実は私は、今外務大臣のお話を聞いてちょっと驚きましたね。アナン事務総長の言葉を自分は直接聞いていないからどうかわからない。もしもそうならば、確認すればいいですよね。大体、日本は本当に国連をどう思っているんだろうか。そして、アナン事務総長がこう言ったときに、過去の国連決議等を踏まえて言ったのかどうかよくわからぬなどと、私には信じられませんね。一体、日本はどんな外交をしようとするんだろうか。どんな外交をするんですか。
 では、今回のようなことで、もし万一武力行使という話になった場合に、国連の権威は傷つくことになると思いますか。外務大臣としてはどう思いますか。

○川口国務大臣 私としては、新しい決議を国連の安保理で採択できなかったということについては非常に残念に思っておりますけれども、例えば過去の例で、コソボのような例があったわけです。その後、では国連の権威が傷ついたかというと、それはそうでもない。国連が重要であるということは各国思っている。それは今も引き続き思っていると考えています。
 国連については、時代は変わっていくわけですし、国際的にいろいろな新しい動き、新しい考え方は出てくるわけでして、そういうことに対応して国連は常に今まで進化をしてきた、今後も改革等を通してしていくだろうと思いますし、日本としてもそのように国連については働きかけを引き続き行っていきたい、そう考えています。

○伊藤(英)委員 昨日のブッシュ大統領の演説がありました。そして、四十八時間以内にという話もあったりいたしました。これからどういうふうに展開していくかはもちろん予断は許されません。そうなんですが、私は、これから世界にいわゆる反米意識というものがどんどん広がっていくんではないかということを心配します。外務大臣、どう思いますか。

○川口国務大臣 難しい御質問ですけれども、世界のリーダーである大きな国に対しての反感というのは、いつの時代にも常にあったと思います。日本においても、嫌米、反米と言われた時期が一九八〇年代の終わりぐらいにかなりありました。一九六〇年代の安保闘争のころ、そのころにもありました。さまざまなほかの国においてもそういうことはあると思います。そこはある程度、リーダーの持つ不可避の役割といいますか、そういう形というのはあると思います。
 日本は米国に対しては国際協調ということがずっと大事であるということを言ってきています。イギリスもそういうことを言ってきています。各国、まさにそれが同盟国としての役割であって、米国が世界のリーダーとして引き続き、今の世界の情勢にあっては米国の力が超スーパーパワーになっているわけですから、米国に自国の責任を自覚して役割を果たしてもらうように働きかけるということは重要であると思います。ただ、同時に、もし米国がそういうような役割を放棄するような、そういう状況に米国を追い込んでしまうということは、世界の安定と秩序のために決して資さないというふうに考えています。
 ですから、米国としても、自分の役割についての自覚を持ちながら、それについてほかの国を引っ張りながら、そういう行動をとっていくことと私は思っていますし、また、そういうことを期待していますし、日本として、あるいはほかの国も米国のその役割を助けることをやっていくことが必要だと思います。

○伊藤(英)委員 私は、世界観をどうのこうのと言うほど今ここで申し上げるつもりはないんです。しかし、今のアメリカの、いわばネオコンサーバティブとかいうような動きなのかもしれません、あるいは単独主義と言われるものかもしれない、それは非常に心配ですよね。つい最近も、これはジョージ・ソロスです、彼が、アメリカの危険な優越感、危険な優越意識、株式市場のバブルだと。私は、非常に言い得て妙だという感じがします。
 先般、私はワシントンに行って多くのシンクタンクの方々にお会いしました。少なくとも、私が会った方々の多くの方はこれから先の将来についてどんなに心配しているか、私は、すごくまとも、まともだと言ったら失礼かもしれないんですが、私の目から見たらそうなんです。
 私は確信しているんですが、さっきアメリカがリーダーで云々という話をされました。しかし、本当に近いうちにそういう人に対する揺り戻しといいましょうか、アメリカの現在の状況について――私はアメリカが好きですよ。日本とアメリカとの関係がどんなに重要か、アメリカが世界でどんなに重要かということを十分に私も認識しているつもりなんです。だからこそ、アメリカはどういうふうに行動してほしいかと思うんですよ。
 今、物すごい猛省すべきだと私は思います。リーダーならリーダーこそ世界のために本当に真剣に、ある意味では謙虚にといいましょうか、考えなきゃいけませんよね。いかに国際的に協調を図ってやっていくかということをやらなきゃならない。そうでないように見えるときに、ああ、それがいいです、それがいいですと日本は言っておっていいんだろうかということなんですよ。日本の国民を本当に将来守っていくためにどうしたらいいか、アメリカとの関係をどうするのかといったときに、私は余りにもという感じがするんです。

○川口国務大臣 あるフランス人がこういうことを言ったことがあります。アメリカはプロブレムであるけれども、アメリカしかソリューションはない、これは私は至言だと思います。
 世界は、アメリカがプロブレムであるということを言い続けることは簡単、そして多くの国が言っています。だけれども、それは、ソリューションであるということに自信を持っている、あるいは当然そうあり続けてくれるだろうと思っているから安心して、例えば今回のようにフランスは甘えているということも言えると思います。ほかの国々は、アメリカがソリューションであり続けるように働き続けるということは非常に大事なことであり、特に、それは委員も同じようなことをおっしゃったのではないかと思いますけれども、同盟国として、アメリカがソリューションであり続けるようにそういうことを一緒に働きかけていく、一緒にそれをやっていくという態度が重要なんだと私は考えています。

○伊藤(英)委員 プロブレムかもしれない。しかし、プロブレムならばそれを最小にしなければいけない。そして、ソリューション云々と言われました。それは、自分だけが神だよ、おれたちだけが決定するよというのでは本当のソリューションにならない。
 まさにこれから、テロの問題でもしかり、あるいはこれからいろいろなところで紛争も起こるかもしれない、どうやって解決していくんですか。モグラたたきみたいなことだったら、アメリカは、おれがたたくよ、そこから出たらおれがたたくよというふうにしていって、本当に世界は平和なものにつくり上げることができるんだろうか。本当にみんな、国際社会が力を合わせてやっていくんだというふうにしなければよくなりませんよね。だから僕は、日本はどんな外交をしようとするんですか、どういうふうにして世界を平和な地球としてつくり上げていこうとするんですか、それが見えませんねということを言っているんですよ。
 多分もうお答えにならないでしょうから――ありますか。

○川口国務大臣 基本的に同じことを言っているのではないかという気がいたしますけれども、アメリカに対してはっきり物を言えることができる、そしてアメリカにそれを聞いてもらうことができる、それがまさに同盟国の役割であり、そして同盟国のまたこれは利益であるわけです。イギリスもそして日本も、同盟国としてアメリカと同じ価値観を持てばこそアメリカに対して物を言うことができる、そして、現に今回の場合でも物を言ってきているということです。
 例えば、これはイラク対国際協調である、国際社会であるということを強くアメリカに日本は昨年から言ってきています。そして、それを受けてアメリカは、国連にこの話を、国連の場でこれをやっていこうという努力を重ねてきた。ブレア首相もアメリカと一緒にこういう努力をしている。まさに同盟国としての役割、委員が今おっしゃったような役割、それを我が国は立派に果たしているというふうに思います。
 それから、もう一つ申し上げれば、同盟国としてアメリカに対してそういうことを言うということは、決してこれは表で見せてアメリカとけんかをするという話ではないと私は考えています。同盟国の信頼関係があればこそ、アメリカに対してはっきり物を言い、そしてアメリカも素直にそれを聞いてくれる、そういう関係があるわけでして、そういう関係を日本は大事にしてきましたし、今後もしていきますし、それが日本の利益であると私は考えています。

○伊藤(英)委員 私は、最近、本当に日本は国連というのをどういうふうに考えているのかなということを一層思うんです。そして、そのときに思い出すのは、小泉内閣発足のとき、あるいは小泉総理が総理になる直前というか総理になる前、日本が安全保障常任理事国になることについて消極的といいましょうか、否定的といいましょうか、そういう発言もされたりしていた。ああ、そうなんだなと。そして、この間、ワシントンでいろいろ話してきました。ある人が言いました。今、日本は、あるいは国連大使も、かつてのように国連改革について熱心でないんじゃないでしょうかねという趣旨のことを私に言われました。私もそう思っていますと申し上げた。
 また別の機会に国連の問題についても議論したいと思っていますが、きょうはこれで終わりますが、済みません、安倍副長官に来ていただいて。
 ちょっとだけといいましょうか、少し具体的な話を伺うのですが、このイラクの問題で最近、イラク新法という話がされたりいたしますが、このイラクの問題に関連をして、あるいは復興のためということなのでしょうか、新法なるものを制定することを検討されているのでしょうか、どうなのか。もしも検討されているとすれば、何のために、何をしようとするものなんでしょうか。

○安倍内閣官房副長官 実際に軍事行動が行われることになった場合の我が国の対応のあり方についてでございますが、今委員は、戦後復興ということについての新法についてどう考えているんだという御指摘でございましたが、私どもといたしましては、あらゆる選択肢を検討いたしておりますが、現段階では確たることを申し上げるという状況ではないというふうに考えておりまして、今後の情勢を踏まえて、適切な時期に主体的に判断をしていきたいというふうに考えております。

○伊藤(英)委員 今、こういう時期ですね。そのときにはという話では、例えばそのうちに突如として出してきて、数日ですぐ上げようとか、そんな話は起こるんだと私は思わないんですね、今の話だと。もしもそれなりに考えているなら言われた方がいいと私は思うのですが、そうでないなら、いや、そういうのをやるつもりはありません、現行法の中でやりますということだと思うのですが、どうですか。

○安倍内閣官房副長官 この後、残念ながら武力行使ということになって、そしてまた、その後、戦後の復興ということになったときに、当然私どもは何ができるかということを考えなければいけないわけでありまして、そういうことをいろいろと当然考えながら、あらゆる選択肢を常に検討していくということは当然なんだろうと思っておりますし、あらゆる選択肢についての検討ということは今やっているということでございます。

○伊藤(英)委員 本当はもう少し議論したい点もありますが、時間がありませんので。政府もありがとうございました。
 済みません。防衛庁副長官にもおいでいただいたので、一点だけ伺います。
 今、北朝鮮がこういう状況にいろいろなったりしていますね。ちょっと時間がないので前書きは省略いたしますが、イージス艦、今、北朝鮮の脅威がこういう形になっているのですが、イージス艦を、今インド洋に一隻いるのですが、私は、何でこちらに持ってこないんだ。現在の日本の、四隻ある、そのうち一隻が使えない、あと二隻云々というときに、そういうことを私なんかは思うのですが、その辺についてはこれからどういうふうにされる予定ですか。

○赤城副長官 現在、我が国周辺の警戒監視につきましては、平素から海上自衛隊の哨戒機によって状況を監視する等々行っています。今後、必要があれば艦艇や航空機による警戒監視体制を強化していく、こういうことになりますが、一方で、お尋ねのイージス艦、これはもう御案内のところでありますけれども、テロ特措法に基づく協力支援活動として、ローテーションの緩和とか補給活動における快適性とか、そういうことを検討した結果、派遣しております。
 そこで、このテロ特措法に定める活動は、自衛隊法附則十七及び十八において、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において行う、こういうふうに規定されておりまして、このイージス艦を派遣するに当たっても、我が国周辺の警戒監視を含め、我が国の防衛上支障を生じない範囲で実施しております。特に、このイージス艦は決して無理して派遣しているということではございませんで、一定の練度を保った艦を最低一隻国内に配置する、こういう体制を維持しておりまして、我が国の防衛上支障が生じないように配慮しております。
 今後とも、我が国防衛については遺漏なきように配慮していきたいと思います。

○伊藤(英)委員 遺漏なきように例えばどうするんですか。状況次第によっては、中期防ではあと二隻ふやすどうのこうの言っていますよね。もうふやさない方がいいかもしれないね。ということを申し上げながら、もう一回聞きます。遺漏なきようにどうしようとするんですか。

○赤城副長官 今お答え申し上げましたように、決して無理して派遣しておるわけでもありませんし、かといって、ゆとりがあって余っているとかそういうことでもありませんで、我が国の防衛のために必要最小限度の基盤的な防衛力を整備する。その中で今、自衛隊は、海外でのPKO活動とか災害派遣とか訓練とか、また今回のテロ特措法に基づく活動もその一環、さまざまな活動の一環でありますが、そういうふうな活動をしておる。
 こういうことでありまして、現在、国内には最低一隻配置する、こういうことはきちっと守られている。そういう我が国の安全保障をきちっと確保した上で必要なさまざまな活動を行っている、こういうことでございますので、御理解をいただきたいと思います。

○伊藤(英)委員 続きは、首藤さんか、またいつかの時間にやります。ありがとうございました。

○池田委員長 次に、首藤信彦君。

○首藤委員 民主党の首藤信彦です。
 川口大臣、我が党は、川口大臣の言葉、例えば国民や国会に向けては、まだ何も決まっていない、何も決まっていない、そして一方では、例えば原口国連大使が、アメリカの新決議案、武力行使を認めるような新決議案に堂々と早目に賛成の演説をしている、こういうのを我々は、二枚舌だ、こういうふうに批判してきました。それは川口大臣だけじゃなくて、小泉総理も含めて、日本政府全体が二枚舌であった、こういうふうに批判していました。最近、ブッシュ発言、ブッシュ演説を終わって、アメリカへの支持ということを明確にされた。まず、二枚舌が一枚舌になった。大変な進歩です、大変お喜び申し上げます。
 さて、最近、党首会談が開かれて、我が党の菅直人代表が、アメリカが提出した武力容認の国連新決議が成立せずにアメリカが独自に軍事行動をとった場合、それを支持するのかどうか、そういうふうに聞いたわけですが、そのとき総理は、いや、それは状況によって答える、状況を見て答える、あるいはまた別の方には、雰囲気で答えるというふうにおっしゃったわけですが、きのうの総理の会見を見れば、アメリカの軍事行動を支持するというふうになっていますけれども、どうですか、日本政府は最初から、国民向けにはまだだまだだまだだと言いながら、最初からアメリカの軍事行動を容認していたんじゃないですか。外務大臣、いかがですか。

○川口国務大臣 そういうことはございません。

○首藤委員 そうしたら、今まで、急に状況を見て判断されたということですか。何の状況、どういう状況の変化を見て判断されたんですか。外務大臣、いかがですか。

○川口国務大臣 我が国としてはずっと、幾つかの基準に基づいて判断をしますということを申し上げてきました。
 その一番重要なことが、大量破壊兵器の問題のもたらす本質は何かということです。日本にとってその問題が重要である、これをどう考えるか。それから二番目に、この問題を平和的に国際協調のもとで解決をしたい、そのためにイラクがどれぐらい前向きの態度を見せるか。この状況で、これは先ほど別な委員の方とお話をさせていただいたことですけれども、査察がうまくいくかどうかということ。それから三番目に、国際社会の大きな経済国、大きな日本として、どのような役割が適切な役割であるか。そういったことを踏まえて考えるということをずっと言ってきたわけです。
 そして、ずっと物事の推移を見、そして我が国みずからも働きかけを行って、そういったいろいろな状況を全部手元に置いて判断をした、そういうことです。

○首藤委員 いや、外務大臣、全然質問に答えていただいてないですよ。質問は、今までそういういろいろなことはみんな考えているわけですよ。しかし、それはまだ決まっていない、決まっていない、決まっていないと言って、状況を見て判断すると。最後にどれを見てその判断をされたのかということですよ。そこだけきちっと答えてください。外務大臣、いかがですか。
 いや、そこのところをきちっと答えていただかないで、今までの話をずるずる聞かされたら、それはフセインの時間稼ぎと同じで、限られた時間、決まっているわけですから、フセインの時間稼ぎを批判するのだったら、川口外務大臣の時間稼ぎも私は批判したいと思うんですよね。ですから、そこのことだけきちっと答えていただきたいと思うんですよ、そうしないと先に進みませんので。

○川口国務大臣 これは、国際社会として一致して行動することができない状況のもとで、イラクが大量破壊兵器の廃棄のために必要な行動をとらないということについての判断をした。その中で、米国が、国際協調といいますか、新しい決議についての採択ができない、それで苦渋の決断をしたという状況があったということです。それを我が国としては支持する、そういうことです。

○首藤委員 これは、外務大臣、大変なことですよ。全然違うじゃないですか。もう、イラクは最後の、圧力に屈して最後まで一生懸命、死に物狂いで、言われていることは全部オーケーする。要するに、もう査察が進まないからそれではしようがないからといって決断するのじゃなくて、イラクは必死で、何でも言うことを聞いてしまおうと。
 例えば、言うことが理不尽であっても、アルサムード2に関しても、だれが考えても防衛的な兵器である、通常兵器の範疇である、しかし、それでもともかく廃棄してしまおうと。インタビューに関しても、わざわざ自分の国民を外へ出してしまう、それだって、ある意味で強制的に出すわけですよ。ですから、非常におかしなことなんです。それでもやろうと言っているんですよね。ですから、そんなことは違うわけですよ。だから、それを見て判断されたというのは全くのうそ偽りだと思うんです。
 では、そのうそ偽りを、百歩譲って、イラクに非があるとしましょう。しかし、イラクの非に対する罰則として、これは全面的な攻撃をする、攻撃をすれば、国連のいろいろなレポートで明らかになるように、何万人の死者が出るかわかりませんが、数十万人の死傷者が出るだろう、それから百万を超える難民が出るだろう、その過程で、難民となっている方を入れて、たくさんの子供たちや病人やお年寄りが死んでいくだろう。
 要するに、確かにイラクにそういう非があるということは百歩譲って認めても、その結果として、てんびんがあって、片方にはイラクの非があります、私がこういうふうに説明したとおりです。しかし、それに対して、未曾有の被害を生み出す攻撃をどうして認められるのか。その根拠、その正当性と正義はどこにあるんですか。外務大臣、いかがですか。

○川口国務大臣 やれる努力を全部やった後での苦渋の選択を、我が国としては、我が国のこの問題の重要性にかんがみ、日本人の安全を考え、支持をしたということです。

○首藤委員 何も答えていないじゃないですか。私は、どこに正義があるのか、てんびんの片方には百万を超える人の死傷者がある、片方にはイラクがやっている行為が遅いと。そのてんびんにはかって、そのどこに正義があるんですか。正義の女神のように目隠しして、片方には百数十万人の死傷者、片方にはイラクがやっている時間の引き延ばし作戦がある、これがバランスするのか、どこに正義があるのかということをお聞きしているんです。――外務大臣。

○池田委員長 川口外務大臣。

○川口国務大臣 副大臣は答弁するためにいるんじゃないですか。

○首藤委員 いや、外務大臣、一番重要なことなんだ。

○池田委員長 委員長の指名に従わないんですか、外務大臣、今の発言、取り消してください、今の発言。

○川口国務大臣 委員長に申し上げたわけじゃないんですが、副大臣が私の方に手を挙げていらっしゃったから。

○池田委員長 こっち、言わなかったんですから。
 委員長が指名します。川口外務大臣、お願いします。

○川口国務大臣 委員は、正義か正義でないかということで御判断をなさろうとしていらっしゃるというふうに私には聞こえましたけれども、本当の正義は何か。これは、私どもの考えているのは、大量破壊兵器を拡散させない、そして、これをテロリスト、あるいは法律に従って行動しない国家の手に渡さない、そういったことが我が国にとって非常に重要な問題であるということで判断をしているわけです。大量破壊兵器が脅威である、そこから日本人を守らなければいけないというのが我が国の判断であるわけであります。
 だれも戦争をしたくない、これは当たり前です。血を流したくないということは当然です。片方で、今、そういったことをやらなくて済む、やらなくて済むことをやらざるを得なくしかけているというのは、まさにサダム・フセインが問題である。サダム・フセインが何年も前にこういうことを守っていたら、国連の決議を守っていたら、こういうことにはなっていない。サダム・フセインに全面的に責任があるわけで、委員はそういう責任がサダム・フセインにないというふうにお考えのように聞こえますけれども、そういうことでは全くない。
 戦争をするかしないかということがイシューではなくて、本質的な問題というのは、大量破壊兵器の廃棄をどうやって国際社会全体としてやっていくことができるかどうか、これがイシューであるわけです。戦争はだれもしたくないというのは当たり前です。

○首藤委員 大臣、もう全く答えられていないですよ。正義があるのかということを聞いているんですよ。正義が重要でない、とんでもないことですよ。一九九〇年代からずっと、いろいろな地域紛争に対して国際社会は、これが正義の戦争であるかどうかということが一番問題になってきたんですよ。コソボ紛争においても、人道的介入も、これは正義であるかどうかで決めたんですよ。マイケル・ウォルツァーの「正しい戦争と正しくない戦争」、この教科書が言うとおりですよ。今一番問題なのは、正義はこれにあるのかどうかということなんですよ。
 確かにフセインが悪いかもしれない。私は、フセインが悪いと思いますよ、それは。しかし、そのために、百数十万人の人間が死傷することを認めるのか。てんびんの片方にフセインの行為がある、片方に百二十万人の死傷者があり、それからもっと広がるというものを果たしててんびんにかけてバランスがとれるんですかということを聞いているんですよ。
 今大事なのは、日本で問われているのは、日本の正義なんですよ。日本の同盟でもなく、協力関係でもなく、電話をかけることでもなく、日本の正義はどこにあるんだと。なぜ今まで平和外交と言ってきた日本がこういうことに支持できるんだ、それを、正義を世界じゅうに示さなかったら、中東の人たち、死んでいく人たちに対しても、日本はなぜこういう行動をとるか、なぜアメリカを支持したかが説明できないじゃないですか。なぜ正義が重要でないんですか。冗談ではないですよ。
 では、ここでお聞きしましょう。攻撃となれば、最初は三千発を超えると言われる精密誘導弾がイラクに投下されるといいます。一体、何を攻撃するんですか。例えば、そこには上水道や発電所のような民生施設も当然入ってくるわけですね。それは、近代戦ですから、軍事施設だけをやるのではない。さらに、大量破壊兵器といったって、大量破壊兵器がどこにあるか見つかっていない。だから、結局は民生施設、大きなビルといったら、イラクで残っているのは民生施設なんですよ、橋とか発電所とか、浄水場とか。だから、人間の盾もそこに配置しようなんて言っているわけでしょう。そうした民生施設しかない、そういうところを、民生施設を攻撃することに日本は支持されるわけですね。外務大臣、どうですか。

○茂木副大臣 もちろん、民生施設を攻撃することそのもの自体を支持するわけでありません。今、目的なのは、強制力によってしかイラクの大量破壊兵器の廃棄が不可能だ、こういう決断に至り、それがやむを得ないであろう、こういう形でありまして、強制力を使って大量破壊兵器を廃棄を進める、その段階でそれに抵抗するような勢力があったらそれを排除していく、こういうことになるんだと思います。
 ちなみに......(首藤委員「もういいです。いいです」と呼ぶ)ちょっと、正義の話で......(首藤委員「もういいです。聞いていません。あなたに聞いていません」と呼ぶ)

○池田委員長 どうぞ、もうちょっと、では......(首藤委員「言っていないです」と呼ぶ)では、首藤君。

○首藤委員 私は、問題になっているのは、そういうことを、副次的な損害、副次的な被害というのじゃなくて、これは要するに、軍事攻撃というのはパッケージなんですよ。軍事攻撃を認めるということは、これだけの被害が出るということなんですよ。ですから、それを支持するということは、民生施設を攻撃し、そしてたくさんの被害が出るということを認めるということなんですよ。それは、その覚悟を持っていただかないと、アメリカは支持したけれども、こんなことまでは支持しなかった、そんなことは通用しないということを主張したいんですね。それはおわかりだと思うんですよ。
 さて、問題なのは先制攻撃なんですけれども、この根拠というのは国際法上どこにあるのかということですね。
 例えば、国連憲章第二条を見ると、すべての加盟国は国際紛争を、これは二条の三ですけれども、平和的に解決しよう。それから、武力による威嚇または武力の行使を使っちゃいけないと。こういう国は、ある意味では第六条に見られるように、この機構から、国際連合から排除してやらなきゃいけない。そもそも先制攻撃というものは、国際法上認められるかということですね。
 御存じのとおり、第一次大戦までは、戦争は国家の主権行為の一つの手段として認められていた。しかし、第一次大戦後は、一九二九年のパリ不戦条約、それから第二次大戦後は、すべての戦争は非合法化されているわけですね。まして、先制攻撃や政権崩壊の目的の行動というのは論外となるわけです。例外として国際法、国連憲章で認められているのは、自衛権に基づく防衛なわけですね。そして、それも完全に認められているんじゃなくて一時的に認められている、そういうようなものなんですね。これが戦争ですよ。国際社会で認められている、また国連憲章で認められている法律なんですよ。
 では、アメリカ、イギリスのこの行動というのは、例えば国連憲章第七章にのっとって認められるのかどうか、あるいは、この行為は国連憲章第七章以外で行われるのか。いかがですか、外務大臣。

○川口国務大臣 万が一戦争という事態になることがあったとしたら、我が国としては、米国は国際法にのっとって行動をするというふうに考えております。

○首藤委員 委員長、おわかりのように、私の質問に答えていただいていないですよ。
 これは、アメリカ軍が攻撃するときには、国連憲章第七章にのっとって行動しているのか、あるいは国連憲章の七章の外で行動されるのか、そのことを聞いているんです。外務大臣、そこが一番重要なことで、回答をお願いします。

○川口国務大臣 国連憲章にのっとってと言うときに、当然これは国連憲章の七章であります。

○首藤委員 国連憲章七章第五十一条をよくごらんになってください。アメリカの行為が、一切そういうのは認められていないでしょう。国連憲章第七章のどこに認められているんですか。いかがですか。

○川口国務大臣 六七八、六八七という御説明を今までしていますけれども、これは国連憲章の第七章にのっとった決議であるわけです。

○首藤委員 よくおっしゃいました。国連憲章第七章にのっとっているんですよ。六七八は国連憲章第七章にのっとっているんです。そして、アメリカが今回、一四四一の後に出そうとした新決議案、これも国連憲章七章にのっとって行動すると言っているんですよ。
 では、その国連憲章七章のどこに先制攻撃という言葉がありますか。外務大臣、いかがですか。

○川口国務大臣 米国は、国家安全保障戦略で先制的行動という言葉は使っています。この先制的行動ということの説明として、米国が脅威に対して先制的に対処するために必ず武力を行使するとしているわけではない、また、先制を侵略のための口実としてはならないということが明記をされているということでございます。
 先制的行動の御説明はそういうことですけれども、米国がもし武力行使を行うということがあったとしたら、これは、当然のことながら国連憲章の七章にのっとって、基づいて行う、そういう国際法上の権利と義務に合致をする形で行う、そういうことです。

○首藤委員 外務大臣、国連憲章七章五十一条、どこに先制攻撃と書いてありますか。そういうものを禁止するために国際連合ができ、そういうものができるために国連憲章の五十一条はできているんですよ。
 では、その根拠、アメリカが先制攻撃するのはイラクのどこが悪いわけですか。いかがですか。

○川口国務大臣 委員の御質問の前提は、米国が先制攻撃をするということがあるわけでございまして、米国は、先ほど御説明しましたように、国家安全保障戦略で、先制的行動というのは先ほど私が御説明したようなものであるということを言っていますけれども、それでイラクを攻撃するということを言っているわけではない。イラクは、この六七八、六八七、一四四一、そういったことに基づいて武力行使をするとしたらば、武力行使はそういった国連憲章による決議に基づいて行う、そういうことでございます。
 先制的な攻撃、イラクに対して武力行使をするとしたら、国家安全保障戦略に基づいてやっているということを委員は前提にしていらっしゃいますけれども、そういうことではない、前提が違うということを申し上げております。

○首藤委員 もう何度も言っているのに、全く答えになっていないですよ。それは、アメリカの国家の単独主義で、アメリカの国内法に基づいて、アメリカの憲法に基づいてやっているんじゃなくてと。実際にそれに基づいてやっているわけでしょう。
 私は、その六七八、六八七を見ましたけれども、全部第七章に典拠があるわけですよ。それから一四四一もそうなんですよ。第七章に基づいているんですよ。しかし、その第七章にはアメリカ軍のこうした行動は一切認められていない。明らかな国際法違反なんですよ。それがどうしてできるわけですか。外務大臣、いかがですか。

○茂木副大臣 若干議論に混乱があるかなとお聞きしていて思ったわけなんですけれども、要するに、自衛権に基づいて発動される武力行使であれば、それが先制攻撃かどうかが当然議論をされなきゃならない。
 しかし、国連決議に基づいて行われる場合、それが先制攻撃であるかどうか、そういう議論は必要なくて、どういう根拠の国連決議に基づいて行われるかということでありまして、自衛権に基づいて発動される武力行使と国連決議に基づいて発動される武力行使の間で混乱があるんではないかなと申し上げたわけです。

○首藤委員 今の副大臣、聞くと、結局これは、アメリカは自衛権に基づいてやったということになるわけだと思うんですけれどもね。それでなかったら根拠がないでしょう。
 では、結局どこにあるんですか。この第七章に基づいてはないわけですよ。どうなんですか。第七章で、どうしてアメリカのこうした先制攻撃が認められるのか。外務大臣、いかがですか。

○池田委員長 では、今の議論はいいですか。外務大臣ですか。

○首藤委員 外務大臣、外務大臣。

○池田委員長 川口外務大臣。

○川口国務大臣 茂木副大臣は、今委員がそう理解なさったようなことはちっとも言っていませんで、万が一アメリカが武力行使をやるとしたらば、これは自衛権に基づいた攻撃ではなくて、国連憲章の七章に基づいた一四四一、六七八、六八七、そういった決議に基づいて行うということを今副大臣は明確に言ったわけです。

○首藤委員 外務大臣、だから何度も言っているように、そのチャプターセブンですよ。これは、六七八、六八七を見ればわかるように、アクティングと書いてあるんですよ。要するに、第七章に準じて行動をとると書いてあるわけですよ。しかし、この第七章にはそういうことは一切書いていないわけです。そういうことを禁止しているのが第七章なんです。ですから、法律的な根拠は何もないじゃないかということですよね。
 それから、決議違反だ、決議違反だと言われるけれども、では外務大臣にお聞きしますけれども、イラクに攻撃が行われるかもしれない。要するに、そういうことで国際的な注目が集まっています。その一方で、恐らくイラク問題の根幹をなしているところのパレスチナ問題というのがどんどんどんどん深刻化をしているわけですね。しかし、このパレスチナ問題に関しては、例えば一九六七年の決議二四二、占領された領土からのイスラエル軍の撤退、交戦状態の終結、難民問題の公正な解決。一九七三年の決議三三八、すべての軍事行動の停止、決議二四二の即時完全履行ということが定義されているわけですよね。これに対してはほとんど何も行動はとられていないわけですよ。
 ですから、これは国際的な公平性から考えて、極めておかしな状況だと思いませんか。外務大臣、いかがですか。

○川口国務大臣 この前にブッシュ大統領もおっしゃいましたけれども、この中東和平についてはきちんと取り組んでいく、もしアブ・マーゼンが首相にちゃんとなって実権を持ってやっていくというような状況のもとで、ロードマップを発表してそれを進めていくということを言っているわけです。
 それから、先ほど委員がおっしゃった決議、これは、決議があって、それを実施すべく各国が努力をしている、イスラエルだけではなくてパレスチナもこれに沿って努力をする必要がある、両方にかかわっている決議であるというふうに考えています。これについて、国際社会は、両方がこれを守るように、今共同して動いている、そういうことです。

○首藤委員 今、アメリカはどうの、ロードマップを出しているとか。私が聞いているのは日本のことなんですよ。日本の中東政策というのは、日本に必ずしも好意的でない国はたくさんありますよ。しかし、中東という、際立って日本にとって好意的で、また産油国で、九九・九%を輸入している日本のエネルギー政策にとって極めて重要なところで、アメリカがどうのこうのじゃなくて、日本はどうとるかということを聞いているわけですよね。
 そこで、ここでお聞きしたいわけですが、日本がアメリカの攻撃を支持できる根拠というものを、さっきから正義の問題として聞いているわけですが、やはり国連中心主義であるとか、積極的平和外交であり、それで武器の輸出も禁止している。それから、もちろん、平和憲法の九条の精神に反している。それから、平成十二年では、この衆議院で戦争決別宣言もされていますね。そんな政治家の宣言なんというのは重要でない、そういう考えなのかもしれませんけれども、それは、中東政策も含め今までの政策をもう百八十度変えるような、一体何の根拠に基づいて、そしてそれを行い、どういうメリットがあるからそういう路線に乗りかえたんですか。外務大臣、いかがですか。外務大臣ですよ。これは国家の外交政策のことを聞いているんです。

○川口国務大臣 この問題については、我が国としては、再三再四言っていますように、大量破壊兵器の問題が本質にあると思います。
 確かに、今、血を流すということは、これはだれもやりたくないことであります。例えば何十万の人が大量破壊兵器の拡散によって死ぬことになったら、サリン事件二億人分の分量を持っていると懸念があるわけで、その証拠を、廃棄の証拠を出していないわけですから、その結果としてそういうことが二十一世紀に起こったら、その責任はだれがとるんでしょうか。
 これが大量破壊兵器を廃棄することが必要であるという問題の本質であって、まさに日本は、核の被爆国である、あるいは生物兵器、化学兵器についてほかの国よりもはるかに厳しいスタンスを持っている、そういうことの前提になっていることは、大量破壊兵器ということが問題であって、廃棄をされなければいけないという強い意思であるわけでございます。それを日本としては考えて、それをやっていくということが大事であるということです。
 国連中心主義、あるいは武力行使を禁じている憲法、あるいは委員がおっしゃった戦争決別宣言決議でございましょうか、そういったことは依然として日本は大事だと思っている。まさに日本のよって立つところによって、大量破壊兵器というのが問題であると考えているということです。

○首藤委員 今、やはり、血を流すからだれも戦争は行いたくないという話がございましたけれども、これはなぜ血を流すかというと、そういうことまでやるのは大量破壊兵器の破壊なんですね。
 では、実際にイラクへ侵攻してみて、イラクの言うことが真実で、大量破壊兵器がなかったら、ではこの戦争で流された血をだれが補償しますか。だれが責任をとられるんですか。そして、たくさん殺していった無辜の中東の人々、死んでいった人々に対して、日本が支持しますと言ったことに、どういうふうに日本は責任をとられるんですか。外務大臣、いかがですか。外務大臣。

○川口国務大臣 副大臣が直接にイラクに行って話をなさっていらっしゃいますので、私、ちょっと簡単にだけ申し上げて、副大臣に補足をしていただきたいと思います。
 我が国として、だれがその責任をとるかということですけれども、それでは、イラクは、なぜそんなに簡単なことを、過去において持っていたということが言われているわけですから、それを廃棄した証拠を見せるぐらいのことは簡単なわけですね。イラクは、過去において、クルド人に対して使い、イラン人に対して使って、三万人を死傷し、もっと多くの人をイランでも死傷させているということですけれども、そういうものをどうやって廃棄をした、それを見せるぐらいのことは簡単なはずであります。
 もし、イラクが自分の国民を戦争で死傷させたくないならば、証拠を見せるぐらい簡単なことじゃないですか。それをやらないということに、イラクにこれは問題があるわけです。ですから、イラクが、仮に国民が死傷することになったとしたら、これは非常に残念なことですし、それから総理もおっしゃっているように、我々としてはそういうことがないようにということはアメリカにも言っていますけれども、それはイラクの責任であると言わざるを得ないと思います。

○首藤委員 もう時間がほとんどなくなりましたけれども、だから、そのことはもう既に一九九〇年代の、九七年、八年でスコット・リッターが、もうほとんど廃絶した、廃棄したということは言っているわけでしょう。そういう、いろいろ国際社会でちゃんと証明されていることを一切採用されないで、そういうことをやることがおかしいんですが。
 最後に、一番大きなことだけ、一つだけお聞きします。
 こうしたアメリカの単独行動主義をやると、世の中、日本の中には、これは、アメリカへ協力せざるを得ないのは北朝鮮の問題があるからだ、北朝鮮をアメリカに解決してもらいたいために、何とかしなきゃいけないという考え方もあるんですよ。
 しかし、それはとんでもないことで、本当に国際社会の枠組みをきっちり組んで、ちょうどフランス案が言うように、国際社会で、北朝鮮に対しても、きちっとした圧力を東西南北からやらないとこれはできないわけですよ。そうでなければ、言うこと聞かないから、独裁者だからといってやれば、今度は、もう稼働中の黒鉛原子炉でも破壊されたら、それはチェルノブイリなんかでは済まないわけですよ。
 ですから、そういうことに関して、この単独行動主義の枠組みが今度の北朝鮮に使われることを是認されるんですか。外務大臣、私は最後の質問をもって、それで終わります。いかがですか。

○川口国務大臣 この枠組みを北朝鮮に対して是認をするかということをお尋ねですが、この枠組みということが何であるかよくわかりませんけれども、北朝鮮の問題については、我が国としては重大な懸念を持っていて、日本みずからも働きかけていますし、日米韓、そして中国やロシアの関係国も交えた取り組みも、連携も重要だと考えておりますし、それからIAEAあるいは国連での働きかけ、議論ということもそれぞれ大事であるというふうに考えております。

○首藤委員 その枠組みというのは、単独行動主義を認めるのかどうかということなんですよ。要するに、国際社会が、国際的な、安保理での合意なしに、特定の国だけがそうした軍事行動に踏み切る、そういうことを是認されるんですかということを外務大臣に聞いているわけです。

○川口国務大臣 そのような、高度に仮定を含んだ問いに今お答えするということは適切ではないと考えます。

○首藤委員 終わります。

○池田委員長 次に、藤島正之君。

○藤島委員 自由党の藤島正之でございます。
 まず、川口大臣は非常に頭がよろしいんですが、今の外交、まさに日本の外交、岐路に立っているわけですけれども、こういうときに、余り、頭のよさで、前後の理屈、つじつま、そういうことを合わせていく、こういうことにだけ腐心している、こういうのは非常にいかがか、こう思うわけでありまして、私は、川口大臣は、この際、お疲れでもございましょうし、そろそろかわっていただくのが日本の国益にかなうということを考えておりまして、総理の任命責任というのも大変重大なものであるということをまず最初に申し上げておきたい、こう思います。
 次に、内容に入りますけれども、これまで、多極から二極に進んできて、今まさに米国の一極体制とも言える状態になってきているわけですけれども、国連の絡みもかなり変わってきていると私は思っているんですが、米国の一極体制と国連との関係について、川口大臣はどのように考えておいでになりますか。

○川口国務大臣 国連というのは、世界のさまざまな国の意思をできるだけ一つに集めて議論をする場、総会と安保理というのは役割が相当に違うと思います。平和と安全に関すること、これは安保理が議論をする場ということであります。
 そして、世界はさまざまな時代、例えばパクス・ブリタニカとかパクス・アメリカーナとか、そういった時代を経てきているわけです。すべて、いろいろな国の力関係ということは今まで変わってきていて、現在は、冷戦の時代終了後は、そういう意味でいえばパクス・アメリカーナの、非常に今までよりももっとアメリカに力がある状態であると思います。
 そういった状態で国連が機能しないかということが委員の問題意識であるとすれば、それはそういうことではなくて、まさに国連という世界の意思が集まる場所、これをアメリカはずっと今までも大事にしてきていますし、それを今後とも大事にしていくと私は考えています。
    〔委員長退席、土肥委員長代理着席〕

○藤島委員 まさに、超大国アメリカが国連をどのように考えていくかということになるんだろうと思うんですね。その際、我が国の常任理事国入りの話が過去かなり強くあったわけですけれども、今のところ、ちょっと立ち消えになっているようです。もし日本が入った場合に、これはやゆされているわけですけれども、アメリカが二票握るようなものだというような話があるわけですけれども、今のような対米追随一辺倒の日本の外交であれば、まさにそういうことになりかねない。
 私は、今のようなアメリカの、何でもついていくということで、本当に日本の外交、国益は守られるのかという感じがしてならないわけですが、特に、アメリカという国は、私も再々申し上げているように、やはりアメリカに対してそれぞれの国がはっきり物を言うということが大事なことであって、アメリカとしても、かえってそういうことをはっきり言う国の方を大事にしてきているということだと私は思うんですね。
 今回の件に関しても、我が国はイラクにいろいろ働きかけばかりやっておるようでありまして、米国に対して、どのような働きかけをやり、どのようなことを言ったのかということについて、先ほども一部御答弁ありましたけれども、もうちょっと明確にお答えいただきたいと思います。

○川口国務大臣 日本は、いろいろな折に米国とは緊密に、密接に議論をしてきています。その中でどういう働きかけをしたかということでいえば、我が国としては、このイラクの問題に対応していくための考え方としては、これはイラク対国際社会、あるいは大量破壊兵器を持つイラク対国際社会であるということをきちんと世界に示していくことが重要である。これは、現実問題として、実際にそういうスキームであるわけですけれども、世間ではしばしば、これはアメリカ対イラクだとか、アメリカ対イスラム社会だとか、アメリカ対フランスだ、そういうようなプレゼンテーションをする。
 実際そうでないのにそういうふうに思われるのは損であり、国際社会全体として有効に機能しない。だから、国際社会対大量破壊兵器を持つイラクであるというプレゼンテーションをきちんと浸透させることが大事である、そういうことを例えば言いました。

○藤島委員 私には非常に目に見えないんですね。理解できない。これは私だけじゃなくて、国民も全般にそういうふうに考えているんじゃないでしょうか。本当に我が国は、アメリカに我が国の立場を明確に言っているのかどうか。今の答弁ではとても納得はできません。ただ、時間がありませんので、次に進みます。
 先ほど伊藤委員の方からも質問にありましたように、アナンさんが、米国等が安保理の枠を外れて軍事行動をとるようなことがあれば、それは国連憲章違反となる、こう明確に言っておるわけですね。これについて、先ほど外務大臣は、直接聞いていないと。そんなむちゃくちゃな答弁は私はないと思うんですけれども......(川口国務大臣「いや、前提が違うと」と呼ぶ)前提が違うと言っていますけれども、明確にこういうふうに言っておるわけですよ。まあ、ロシアについてもそうですけれども。
 それは、一四四一と六七八と六八七はあるわけですけれども、それでは、米国や我が国が、特に、外務大臣が前回の質問でも、新たな決議が望ましい、望ましいということを再三再四言っていたわけですね。これは、やはりこれまでの決議ではその正当性に非常に疑問が多いと。大体、学者は皆、これだけでは正当性がないと。時間も随分経過していますし、十何年もたっているわけでありますし、それを抜きにして、一四四一だけで武力行使を認めたとはだれも考えていないわけですね。したがって、新たな決議を求めてきたわけですけれども、今になって、新たな決議がなくてもできるというような話がどんどん進んできているということなんです。
 その中で、外務省の一部の幹部らしいんですけれども、新決議なしの武力行使を、日米同盟だけがむき出しとなる最悪のシナリオだと言って、国連決議に、新しい決議に、はめ込むために新決議にこだわったと言っているわけです。あるいは、新決議が不可能なら、自衛権だけでなく、国連決議違反も根拠にすべきだというふうに水面下で求めるようになっていったと。それで、十八日のブッシュ演説、きのうのは要請どおり言ってくれたということで、国連決議違反も入ったということで喜んでいるというようなことを、まさに外務省の役人的な発想になるわけですけれども。
 先ほどの質問にもう一回戻りますけれども、この正当性、これについて、本当はだれが判断するのか。国連の責任者である事務総長の判断が間違っているのか、あるいは、じゃ、だれが違法か違法でないか判断するのか。先ほども首藤委員の方からもありましたけれども、これは、自衛権の行使でないことはもう間違いないということですね。もしこういうのを認めていくと、それこそ国連の決議は余り関係なく、アメリカがやると言えばもう何でも正当化されていくということになる危険性が非常に大きいと私は思うわけなんですね。この点についてどういうふうに考えておりますか。
    〔土肥委員長代理退席、委員長着席〕

○川口国務大臣 先ほどの繰り返しに、別な委員に対して申し上げたことの繰り返しになりますけれども、米国は、ブッシュの演説でもございますように、もし武力行使をするということがあるとしたら、これは一連の、例えば一四四一とか六七八とか六八七とか、そういった決議に基づいて行われる、それはまだ有効であるということを言っているわけですね。
 それで、アナン事務総長がおっしゃったことというのは、米国やその他の国が安保理の枠外で武力行使をするということであれば、もしそういうことであれば、それは国連の憲章と整合的ではないということを言っているわけで、これは先ほども申しましたように、私どもは、アナン事務総長の置いている前提、これは米国の場合には、先ほど言いましたように、関連の安保理決議に基づいて行うというふうに考えておりますので、事務総長の発言と米国の武力行使と、何ら矛盾するものはないというふうに考えます。

○藤島委員 アナンさんの発言をそういうふうに、私は曲解じゃないかと思うんですけれども、その後に、安保理事国が共通の立場となることができないということと、安保理の了解なしに行動がとられるとすれば、いかなる行動であっても正当性がない、こう言っておるわけですよね。いいですか、安保理の了解がなしにと言っている。
 これは、今までのこれだけでは安保理の了解だというふうに認識していないからですよ、アナンさんが。もし認識しているのであれば、こんなことを言う必要はないわけですよ。現に、この決議をトータル的に言えば、安保理が了解したというふうな認識であれば、こんなことを言う必要はない。したがって、外務省が、あるいはアメリカがこじつけ的な解釈を今外務大臣がやったようにやるから、正当性を無理して持ってきているとしか読めないわけですよね。私はそう思うんですよ、まず。
 いずれにしても、私は、そういう意味で正当性がないと思います。なぜかというと、外務大臣の行動においても、だからこそ新しい決議をあれだけ求めてきたし、米側にも要求してきたわけで、その背景は、もともと今までの決議だけでは正当性がないというふうに判断したからじゃないんですか。

○川口国務大臣 そういうことではありませんで、衆議院あるいは参議院でも、両方で私は申しましたけれども、過去において国連の、例えば九八年に国連決議の六七八、六八七に基づいて武力行使が行われたということもあったわけですし、そのように読むことができるということは申し上げているわけです。我が国として新しい決議があった方がいいというふうに考えて、そのようにしようと動いてきたという経緯はもちろんあります。それは、そうならなかったことは残念ですけれども。
 その新しい決議の意味というのは、武力行使を容認するということではなくて、イラクが今までの決議違反、それを引き続き行っているということを、これは一四四一で確認されているわけですけれども、それをさらに念押しをする、そういう意味がある、そういう位置づけで我が国は動いてきたということでございます。

○藤島委員 何か今の位置づけも非常に無理な説明だと私は思うんですよ。本当に当時外務大臣が発言していたときは、そういう位置づけじゃなかったと思うんですよね。それが結局通らないということがわかったものだから、今度はこういう位置づけにしないとつじつまが合わないという外務官僚的な発想でやっているというふうに私は思います。
 時間の都合で次に進みますけれども、いわゆる説明責任を果たしていない、まさに国民はそこを感じていると思うんですね。今回の件に関する説明責任というものは、外務大臣はどういうものだとお考えですか。昨日、総理はほんの少しだけ記者に説明をしたようですけれども、これはきちっとした記者会見で、わかりやすく、国民に対して現在の政府の立場を明確に説明する責任があったんじゃないかと思うんですね。あの程度でごまかすというのは、本当に言語道断だと思うんですよ。日本の今の重大事態をどういうふうに考えているのか非常に疑わしい。
 ということで、外務大臣はその説明責任というものをどのように考えて、どうあるべきだったのか、伺います。

○川口国務大臣 政府としては、国民の方にこの問題を説明するということは非常に大事なことだと考えていますし、そのための努力を重ねてきたつもりです。
 どういうことを説明することが必要であったかということですけれども、それは、例えばこの問題の、一番問題の本質といいますか、それは大量破壊兵器の問題であって、これが問題になっているのは、イラクが今まで数々の決議を守ってこなかったということが問題であるというようなことが一つです。これは、ある世論調査を見ますと、イラクに問題があるということを理解している国民は七割います。これはまさに政府が説明責任をきちんとしてきて、そういう説明を理解してもらうように努力をしたということの成果にほかならない。
 例えばどういうことをやったかといいますと、私はテレビに出たり、あるいは新聞に投稿をしたり、それから、冊子を外務省でつくったり、そして、マスコミ関係の方や有識者と言われる方々に説明をしたり、あるいはタウンミーティングを開いてこの問題について一般の方にも御説明をしたり、時間の限りこの努力をしてきています。
 よく説明責任を果たしていないということを言われるときにおっしゃっていらっしゃることはただ一つでありまして、それは、日本が武力行使に賛成をするか賛成をしないか、その態度を明確にしていないではないか、その一点のみについておっしゃっていると思います。
 これについては、再三再四申し上げてきていますように、その時点で、それぞれの時点で、そういう武力行使をするということがいいことであるということは、まさに平和裏に、日本も含めてですが、みんなが解決をしようと努力をしているときに、武力行使をすべきであるということを言うことは適切ではない。また、武力行使はしないと言うことも、イラクへの圧力の最終的な根源というのは軍事力にあるわけですから、そのイラクに対して間違ったメッセージを送るということになるので適切ではないということで、日本としてはそれはずっと言ってこなかったということでありまして、なぜそうかということもちゃんと説明をしています。説明責任は、最大限の努力をしていると思います。

○藤島委員 外務大臣は説明責任というのを誤解しているんじゃないですかね。タウンミーティングでやったとか、資料をどれだけ配ったとか、そんな問題じゃないんですよ。これは総理がきちっと我が国の立場を説明する、そこが大事なんですよ。ほかの諸外国は皆やっているじゃないですか、総理がきちっと何回も出て。官邸でちょろっと過ぎるときに、記者のぶら下がりで一言ちょろっと言葉を発してくる、そんなものじゃないんですよ。きちっと丁寧に説明する必要がある。そういう意味で、外務大臣は、完全に説明責任を果たした、こう言っているわけですけれども、私は全く果たしていないと。
 いわば、政府の立場になって説明責任を果たすとすれば、私は、我が国はフランスやドイツと違う。フランスやドイツは、今はワルシャワというああいう相手がいなくなって、軍事的にはアメリカに余り頼る必要がないんです。我が国は、まさに北朝鮮という問題が横に控えているから、フランスやドイツとちょっと違う事情があるんだとか、あるいは、我が国の日米安保の生い立ちからいっても、あるいは経済的な結びつきからいっても、それはフランスやドイツとアメリカの関係とは全く違うんだとか、そういう説明をするのが本当の国民に対する説明責任で、国民に対して、イラクが、フセインが言うことを聞かないんだ、だから攻撃もしようがないんだと、これを何回言っても、そんなものは説明責任を果たしたことにはならない。
 もう一回、外務省、外務大臣、あるいは総理は、説明責任というのを国民にきちっと果たすべきだと私は強くそのことを申し上げておきたいと思います。本当に今のままで説明責任を果たしているとは絶対に言えない、これだけははっきり言えると思います。
 それと、時間がないのでもう一、二あれですけれども、攻撃されましたら、もう九九・九%攻撃開始されるわけですけれども、その際に我が国は、総理は初め、支持をすると。理解がいいのか支持がいいのかというので、また支持に戻ったようですけれども、支持する。それは政府はそういう決断を、それはそれとしまして、では、我が国は、支持するとは言ったけれども、具体的に何をするんですか。ただ精神的に説明するだけなんですか。これは大臣に伺います。

○川口国務大臣 総理もきのうはっきりおっしゃっていらっしゃるように、我が国が戦闘に直接関与する、これはあり得ないわけです。我が国としては、当然に憲法の枠内で行動をするということでございます。
 具体的に何をするかということについては、今まで幾つかの頭の体操をしてきております。例えば、難民の支援あるいは周辺国の支援。難民も六十万人ぐらい出る、きのう国連が言っていることですけれども。そういうことについて、国際社会の期待が大きいというふうに思います。今の時点で具体的に何をするかということが言える段階ではないと思いますけれども、そういうことについて議論は重ねてきている。
 それからもう一つ、復興支援というのがございます。これも、戦争が始まっていない、始まらなければこんなことは必要ないわけですから、頭の体操的にいろいろ、我が国として主体的にやる、何ができるかということは考えてきているということですけれども、具体的に何かが今の時点ではっきり決まったということにはまだなっていないということです。

○藤島委員 要するに、精神的な支援だけということになりますね。あとは復興支援とか何か、それはまたあれですけれども。
 ただ、現段階でもいろいろもう既に考えておく必要があると思うんですね、復興支援とかその他については。その前提になるのが、今回の戦闘についてのシナリオといいますか、どんなふうになっていくと、今回の戦争は。湾岸戦争のときのような形になるのか、あるいはどうなるのか。
 どんなことを外務大臣は頭の中で想定されていますか。全くそんなことは想定していないという答弁であれば、それはそれで結構ですけれども、お伺いします。

○川口国務大臣 私は、藤島委員と違って防衛問題は専門家ではございませんので、通常世の中で言われていることが、そのような展開をするであろうというふうに考えているということです。それは、私の理解をしていますところでは、これは基本的に短い時間で戦争が終わるであろう。そして、恐らく最初は空爆で始まるだろうとか、よくいろいろ言われていることがありますが、そういう展開になるのかなと思っております。

○藤島委員 要するに、今ちまたに言われているような、そういうのが大体考える想定であろう、こういうふうなことですね。
 最後に、現在、PKO法だとかテロ対策法とか周辺事態法とかあるわけですけれども、私はこれができるとき、それぞれ別々にしないで恒久的な法律にすべきだ、そうしないと、今度また事態が起こってからまた泥縄的につくらなくちゃいけないことになるので、私は、ぜひその対策として恒久法をつくるべきであるということを申し上げて、質問を終わります。

○池田委員長 次に、松本善明君。

○松本(善)委員 外務大臣に伺います。
 きょうの質問は、何も言わないときはすべて外務大臣に聞く質問であります。
 といいますのは、あしたの、明日の十時にも戦争が始まるかもしれない。それは、先ほども言われましたけれども、死傷者十万人、数百万の人たちに被害の及び得る、そういう瞬間であります。非常に厳粛な質問です。私は、茂木副大臣の能力を疑うわけではありません。しかし、立場が違います。内閣が国会に対して責任を負っている。内閣の構成員は閣僚であります。ですから、同じことを言っても、大臣が言うのと副大臣が言うのとは違うんです。私は、すべて外務大臣にお聞きをするということで、茂木副大臣も御了解をいただきたいと思います。
 それで、アメリカが、国連安保理事会に提案をしていた新たな決議案の採決を求めずに撤回をいたしました。そして、ブッシュ大統領が十八日の午前中に演説をした。御存じと思いますが、その中心部分は、フセイン大統領及びその息子たちは四十八時間以内に国外に退去しなければなりません、それを拒めば軍事行動が我々の選択する時間に開始されることになりますというものであります。
 外務大臣は、昨日、本会議の答弁で、平和への道はまだ開かれている、イラクの対応を望むという趣旨の答弁をされました。それは、フセイン大統領に亡命を求めるということですね。

○川口国務大臣 それは一つの手段であると思っています。

○松本(善)委員 一つの手段というのはどういう意味ですか。アメリカが武力攻撃をやめるということも望むということですか。

○川口国務大臣 客観的に言えば、イラクが例えば今全部出してしまう、大量破壊兵器の証拠なりなんなりを出してしまうということもあり得ると思います。

○松本(善)委員 あなたはその後、イラクの代理大使を呼ばれて、フセイン大統領の亡命を求めて拒否されたということが報道されていますが、そのとおりですね。

○川口国務大臣 我が国としては、この問題を平和的に解決するということが非常に重要であるということは、ずっと前からイラクには伝えてきているわけです。これは茂木副大臣もイラクに行っておっしゃっていただいている。そういった平和的な解決への願い、これを大使に伝えたということでございます。イラクとして適切な判断をしてほしいということを言いました。

○松本(善)委員 私は、昨日あなたがイラク代理大使に話をしたときに同席をした人から事情を聞いております。亡命を求めたんでしょう。国外退去を求めたんでしょう。そして、向こうから拒否されたんでしょう。簡単に言えばそういうことだと言っていましたよ。はっきりその点を御答弁いただきたい。

○川口国務大臣 向こうが拒否をしたということは事実です。そういうことは考えていないということを言いました。そして、私としては、平和的に解決をするための観点からお話をするということを言って、イラクとしてこの問題について適切に判断をしてほしい、そういうことを言ったわけです。

○松本(善)委員 平和的に解決するというのは、ブッシュ大統領の言っている、フセイン大統領と息子たちが四十八時間以内に国外に退去する、それがその道だと言ったんでしょう。ちゃんとそういうふうに言ったと言っていますよ、あなたと同席した人が。

○川口国務大臣 平和的に解決をするようにイラクとして適切に判断をしてほしいということの中には、当然それも含まれているわけです。

○松本(善)委員 それ以外は、ブッシュ大統領もそれを言い、あなたもそれを言った。あなたは先ほど来、大量破壊兵器の問題はもうできないんだ、イラクには、ということを盛んに言っています。とすると、亡命以外にないじゃないですか、あなたの言うのは。戦争を回避するためには、フセイン大統領の国外退去以外にないじゃないですか。それがわずかに開かれている平和への道だということを言ったんでしょう、はっきり。こういうことははっきりしなくちゃだめなんですよ。

○川口国務大臣 私は、自分で英語で話をしていましたので、具体的な、どういう言葉を使ったかということは、今の時点で、ちょっと紙がありませんので覚えていませんけれども、亡命という言葉を使ったという記憶はありませんが、平和的に解決をするために適切に対応してほしいということを言い、先ほど言いましたように、当然、それは国外に退去をするということも含むということです。

○松本(善)委員 何といいますか、その場逃れといいますか、私は、そういうことを言っている場合じゃない。国外退去という言葉を使ったでしょう、亡命という言葉は使わないかもしれないが。これは、使ったでしょう。それで、ブッシュ大統領の演説を紹介して、そして、やったでしょう。違いますか。(発言する者あり)

○池田委員長 川口外務大臣。
 御静粛に願います。

○川口国務大臣 私は、話をするときにメモを見てメモを読むわけではございませんので、今の時点で、はっきりどういう言葉を使ったかということが全部頭の中にあるわけではありませんけれども、亡命という言葉を使ったということは記憶しておりません。亡命という言葉は、はっきり言えば、私は英語で何というかよく知らないので、それは使えないというふうに思っています。
 ただ、言っていることはそれを当然に含んでいる、先方も、そういう理解をしたからこそ、それを拒否した、そういうことです。

○松本(善)委員 この問題は、あなたは、国外退去というブッシュ大統領の演説の言葉の内容を引用してやられたようです。あなたは覚えておられるかどうか。私は、これは大事なことだから、ちゃんとどういうことをやったかというメモをよこせと言ったら、ないと。そんなばかなことはないと思いますよ。そして、直接同席した人に聞いたんです。そういう国外退去を求める、これが、ブッシュ大統領の演説の中心である、あなたが今、平和への道が開かれているということで、イラクに求めている中心問題です。
 大量破壊兵器の問題については、先ほど来いろいろ議論がありましたけれども、これは、査察を強化するということが世界の世論です。
 この亡命ということに、あるいは国外退去ということについて聞きますが、これは、これを求めるということは、国連憲章の基本原則、内政不干渉ということに触れると考えませんか。

○川口国務大臣 言うまでもなく、国連の、あるいは日本がイラクに求めていること、これは、大量破壊兵器の廃棄ということであるわけです。これは、決議にも書いてあるし、これが目的であります。
 そして、そのための手段は何かということで、これは、イラクが、積極的に見せるとか証拠をみずから出すとか、あるいはインタビューに応ずるとか、そういういろいろな手段があるわけですね。そういう手段がうまく機能してこなかった。そういう時点において、今現実的に、平和的に解決をするための現実的な手段、これとしては、フセイン大統領が国外に退去をするということが一つあるということは、現実的な問題として、そのようにつながってくるというふうに考えます。
 本来的にそれが目的であるということではありません。これは、大量破壊兵器の排除です、廃棄です。それを、そのほかの手段がなくなって、なおかつ平和的に解決をしたいというふうに考えたときに、現実的な手段としては、それはつながってくるということだと思っています。

○松本(善)委員 今、世界で議論になっていますのは、思想や党派のすべてを超えて、査察で大量破壊兵器の廃棄を求めるか、それとも、武力行使をするか、あるいは、あなたが言うようにフセイン大統領の国外退去を求めるかということが議論になっているんです。査察の問題については、後から言いましょう。
 あなたに聞いたのは、大統領に国外退去を求めるというのは、国連憲章で言っている内政不干渉の原則に反するのではないかということを聞いているんです。フセイン大統領を更迭するというのは、あくまでイラクの国民の権利であります。私は、それを外国から武力を背景にして求めるということは、国連憲章の原則に反すると思いますけれども、そのことを聞いているんです。一国の元首の国外退去を求める、そして、それをしなければ武力行使をするということは、内政不干渉の原則に反するのか反しないのか、それを聞いている。

○川口国務大臣 国のリーダーとして、あるいは首相として、大統領として、その国民が自分の選ぶ人を選ぶというのは、これは当然の権利でありまして、イラクについてもそういうことであります。それは前提だと思います。
 その上で、あまたの国連決議があって、この大量破壊兵器を廃棄するということをイラクにしなさいと言い、それをイラクがずっと、幾つもの、十七の決議を守ってこないで、現実問題として手段が全部なくなってしまった。そういう前提の上で、大量破壊兵器を、平和裏にこの問題を解決するために、現実的な選択としてそういうことがある、そういうことにつながってくるでしょう、そういう意味でございます。
 それから、先ほどの、私が何を言ったかということについて記録を今確認しましたら、私は、国外退去を通じて平和的解決が可能となるような手段をとることを求めると言ったようでございまして、そういう意味では、先ほど、記憶をしていない、亡命という言葉は使っていないということでしたけれども、私の言ったことはそういうことであったということで、訂正をさせていただきます。

○松本(善)委員 記録があれば出せばいいじゃないですか。それは、きのう求めたんですけれども、出さなかった。
 それから、私が言っているのは、ブッシュ大統領の演説を引用してあなたは言われた。ブッシュ大統領の演説は、はっきりここで国外退去を求めているんですよ。これ以上言っても恐らくあなたは同じことの繰り返しでしょうから、私は、次へ行きたいと思います。
 国際法違反の問題ですね、武力行使の。
 今、査察で大量破壊兵器の廃棄をしよう、これは、UNMOVICのブリクス委員長も、実質的な進展があった、それで、イラクの協力が積極的、自発的なものに変化をして、歓迎すべきことだ、数カ月の査察の継続が必要だということを訴えているわけです。そして、もしここで武力の行使が行われるならば、世界じゅうでこれから行われる査察活動への信頼を著しく損なうと。
 これからもういろいろな問題が起きたときに、査察活動が必要になるんですよ。それは、初めから査察はだめだと。思いどおりにいかないから査察が要るんですよ。何でもかんでもどんどんどんどんアメリカの思うとおりになっていれば、それは査察というのは要らないんです。査察は強制的なものです。それで大量破壊兵器の廃棄を行うんです。だから、フランスもドイツも、それからロシアも、私どもと立場の違う人、例えば宗教者も、みんなそれを求めているんですよ。それが世界の世論なんですよ。それに反して武力の行使をしようとしている、そこが問題なんです。
 武力の行使についての根拠、あなた方は、あなた方というよりも川口さんにしましょう。川口外務大臣ははっきり、私の質問に対しても、安保理決議の一四四一は武力行使の自動性を排除している、これは安保理事会でも確認をされている、アメリカのネグロポンテ国連大使自身が、隠された引き金も自動性も含まれていないということを述べて、これは排除されているんだとここで答弁をした。それは、福田官房長官も同様であります。
 これで新たな決議なしに武力行使をするということになれば、一四四一に自動性があるということじゃないですか。あなたの答弁と違うということじゃないですか。どうです。

○川口国務大臣 その問題にお答えする前に、記録というもので私が申し上げたのは、それは、記者会見で、どういう話が行われたかということを言ったときの記録のことでございます。
 それから、今の御質問でございますけれども、一四四一それ自体に武力行使を容認するものはない、これは前に申し上げたとおりです。
 それで、一四四一において、イラクが決議の六八七に違反をしているということを決定しているわけですね。停戦の条件を定めた決議六八七に違反をしているということを既に一四四一の段階で言われているということです。それからさらに、六八七に書かれていることは、イラクが、例えば報告について省略があったり、あるいは間違った情報を提供したり、あるいは査察に協力をしなかったり、そういうことがあった場合には、それはさらなる重大なる違反であるということが書かれている。そして、イラクとしてはその場合に重大なる結果に直面をするということが書いてある。それが一四四一に書いてあることです。おっしゃるように、それ自体で武力行使が可能になるというものではありません。
 ただ、一四四一で言っていることというのは、停戦の前提となる条件、六八七の条件、これは大量破壊兵器を廃棄すべきであるということや査察をやっていくとか、いろいろなことが書いてありますけれども、その前提が崩れたということでありまして、その前提が崩れた場合に、停戦前の状況、必要なありとあらゆる、ちょっとどういう表現だったか今はっきり覚えていませんが、行使をすることが必要なことを行使することができるということが六七八に書いてあって、そこに戻る。
 それは何のためにかというと、決してクウェートを解放するためにということだけではなくて、もう一つ、それと並んで、中東の、ちょっと今言葉が、目の前に文書がないのではっきり覚えていませんが、平和と安全、これを達成するためにと、湾岸地域における国際の平和及び安全を回復するためにということがその目的であるということであります。
 六八七の停戦の条件の一つとして、イラクが大量破壊兵器を廃棄し、現地査察を受け入れるということがきちんと書いてあるということです。一四四一はイラクが六八七に違反をしたということを全会一致で決定している、そういうことであります。

○松本(善)委員 六七八と六八七のことは理屈でいえばそういうことになりますけれども、それは簡単に国民にわかるように言えば、イラクがクウェートに侵略をしているもとの戦争に戻る、十二年前の状態に戻ると。これは国民に説明しても、だれもそんなことが正当だと思わないですよ。理屈の上で六八七とか六七八とかいうことはいっても、それは国民からいえばへ理屈です。しかも、六八七や六七八、戻るというのは安保理事会で決めたことではないんですよ。アメリカの勝手な解釈なんですよ。そのことだけ指摘をしておきましょう。
 それで、私は西田総合政策局長に聞きたい。
 今、外務大臣が重大な結果ということを言いました。私は、一四四一のこの問題について、十三項の問題についてあなたに聞いた。それは、もう事前に十分に詰めた上であなたは答弁をされたものであります。
 決議一四四一の十三項に、イラクに対して、義務違反が続けば同国は重大な結果に直面するであろうと、再三警告したことを想起するということが述べられておりますが、これは、もちろん自動的な武力の行使を認めるということではないと思いますが、どうでしょう。
 この重大な結果というのは、ブッシュ大統領の演説にも引用をされているものであります。西田総合政策局長はそのときに、「ただいまの文章をもって直ちに自動的な武力行使を認めたというふうには解せない」、はっきりそう言った。もちろん、この一四四一に自動性がないということは川口外務大臣も福田官房長官も言っているときでありますから当然といえば当然ですけれども、これは外交の専門家として答えられたということで、私は重視をしています。その考え方に今も変わりありませんね。

○西田政府参考人 お答えをいたします。
 先ほど委員から御指摘のございました当時の私の答弁について、今でも私はそれが正しいというふうに考えております。したがいまして、今ほど大臣から御答弁がありましたように、一四四一そのものには自動的に武力行使を容認するという規定はないということでございます。

○松本(善)委員 こういうことで、私は、今武力行使をする国際法的な論拠は全くないと思います。このことはもう明白なんですよ。それをアメリカがやるというのに、それに対してそのまま追従していくという日本の外交姿勢というものは、国連憲章と同じ精神でできている憲法に重大な違反ですよ。もし戦争があした起これば、国会もそれから世界じゅうも大変な事態になりますよ。国会も重大事態ですよ。そういう問題に直面をしているんだ。
 最後に質問をしていこうと思いますのは、戦争が起こった場合の被害です。
 九月十一日のニューヨーク市の貿易センタービル同時多発テロの標的となって、約二千八百人の犠牲者が出る大惨事がありました。これは私どもは許すべからざる行為だと考えています。ところが、アメリカが進めようとしているイラクへの武力攻撃では、国連の報告書、起こり得る人道上のシナリオという報告書によれば、戦闘による直接の死傷者十万人、約四十万人がトラウマや食糧不足などで治療を必要とする、五歳未満の子供約四百二十万人と妊娠、授乳中の女性約百万人が紛争後の医療手当ての欠如により極めて危険な状態に置かれる、さらに約三百万人が栄養失調に陥る、約二百万人が砲撃から避難するためなどの施設を必要とするようになると。
 国連の報告で、数百万の人たちが犠牲になるんですよ。そういう重大なことを、まだまだ査察ができると公式にブリクス委員長も言っている、それから独仏ロもそれに基づいて覚書を出している、その時点で差し迫った脅威なんかないですよ。アメリカの武力行使こそが差し迫った脅威なんですよ。これを日本がノーと言えば私はとまると思いますよ。日本がかぎを握っていると言ってもいいんです。
 今、アメリカでも外交官がいろいろ辞任をしています。抗議のための辞任。それから、イギリスでも高官が辞任をしています。そういう気迫を持った者がやはり日本では出てこない。何という情けないことだ。あなたが戦争をとめようと思ったら、辞表を懐にしてやめなさいと言うべきなんです。今からでも遅くはないんです。そういう決意があるかということだけ聞いて、終わります。

○川口国務大臣 私は、もちろん、戦争は避けられるなら避けた方がいいと思います。いいと思いますが、戦争はほかの策が尽きた場合には万やむを得ない場合があると同時に思っております。この件については、私は日本政府の決定が正しいと思っております。
 それから、もう一つ追加させていただきますと、委員は、六八七、これは既に古証文であるということを、古い、役に立っていない、あるいはその存在、有効でないというふうにおっしゃいました。六八七が有効であるということは決議一四四一にきちんと書いてある。それからさらに、現在何で査察が行われているかということをいえば、これは六八七に査察をやると書いてあるからでございます。

○松本(善)委員 終わりますが、六八七が有効とか無効とか、そんな議論をした覚えはないですよ。国民が、世界の人たちがそんなことでは納得しないということを言っているんです。そう言って終わります。

○池田委員長 次に、東門美津子さん。

○東門委員 社会民主党の東門でございます。
 テーマが決まっていまして、それで、一番最後のバッターになりますと、ほとんど何か質問が出尽くしたなという感じがしないでもないんですが、重複することもあろうかと思いますが、やはりしっかりと質問をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、最初にお伺いいたします。
 昨日のブッシュ大統領の演説、大臣はどのようにお感じになりましたでしょうか。大臣の感想というのか、御意見の方から伺いたいと思います。

○川口国務大臣 個人的な感想という御質問だと思いますので。
 私はずっと、もう昨年から、サダム・フセイン大統領が正しい決断をして、大量破壊兵器について全部出して、査察官に全部そういう証拠を見せて、一日、朝、目が覚めて新聞を見たら、そういうことを決定したという報道がないものだろうかと毎日毎日思い続けてまいりました。
 この問題を、そういうことで解決できなかったということは、私にとっては本当に残念であります。ブッシュ大統領の演説を聞きながら、国際社会として万策を尽きてしまったということになったということが非常に残念であるというふうに思いました。

○東門委員 個人的な御意見として伺いましたけれども、大統領の演説、これは北米局からいただいたものなんですが、私も読ませていただきました。直接テレビで聞くチャンスがなかったものですから読ませていただいたんですが、それを読んで、私は、本当にこれでいいのかなという思いがまずしたということを、私の気持ちを伝えておきたいんです。
 その中で、大統領は、国連安保理にもう完全に決別をして宣言をしたというふうに私は受けとめました。だから武力攻撃に踏み切るんだというふうに受けとめたんですが、やはり安保理が機能していない、責任を果たしていない、だから我々がするんだ、我々、要するにアメリカがそのかわりにやるんだということに聞こえたわけですね。本当にそれでいいんだろうか。
 国際社会と先ほどもおっしゃいましたけれども、これまでもずっと、国際社会、国際協調、先ほどからもう何百回と出ている言葉ですが、そういうことで大臣も小泉さんもおっしゃってきました。本当に、今の川口大臣の御感想もそうなんですが、国連に対する日本の姿勢というのはどうなのかということを私はまず考えたんですね。確かに、国連も改革しなければならない幾つかの問題もあるでしょうけれども、それでも、現時点で国連にかわり得る国際組織は存在しない、それはもうだれもが知っていることです。米国などが安保理決議なしに武力攻撃を行うことは、国連の権威を傷つけて、国連体制による国際秩序の崩壊につながるおそれが大であるということです。
 政府は、国際社会における国連の価値、存在意義をどのように認識しておられるのか、また、アメリカが安保理決議なしに武力行使を行うこと、それは国連の存在意義を失わせることにつながらないかということで、まずその点から大臣の見解をお伺いいたします。
 一言申し上げておきます。
 国連の安保理決議なしにと、今までのその議論は、大臣はあるとおっしゃっている。ないと言う人の方が多いかと思いますが、新たな安保理決議はなかったわけです。大臣も一生懸命努力されたけれども、それはされなかった。それなしにスタートするということに対して、そこからスタートしていただきたいと思います。

○川口国務大臣 国連の新しい決議、これは日本としては、あった方が望ましいというふうに考えて、ずっと努力をしました。そして、それが合意されなかったというか、できなかったということについては、私としては非常に残念に思っています。
 それが、米国のあり得る武力行使を正当化するかどうかとの関係でどういう意味を持つかということについては、今の委員の直接の御質問ではないと思いますので、もし必要であれば、それはまた別途のお答えをさせていただきますけれども、それと、国連が二十一世紀の世界において果たすべき役割との関係は何かという御質問だと思います。
 国連というのは、世界に起こっているさまざまな問題、これは麻薬の問題であれ、アフガニスタンの復興の問題であれ、あるいは京都議定書のような気候温暖化の問題であれ、さまざまな問題について、これを包括的に国の意見を集める場として機能をしてきていると思います。
 その中で、安全保障、平和と安全に関する問題というのは、これは安保理の仕事というふうになっているわけですけれども、今回、その決議が、新しい決議ができなかったということは、こうした国連の持っている現代の世界における機能、これをおとしめるものではないというふうに思います。
 世界の各国は、国連を維持し、機能させるということに大きな利益を見出しているわけでして、これは国際連盟から国際連合になった後、何十年か、六十年間これがずっと大事にされ、その中で国連が変革を遂げつつあるということは、世界の人類がそういうことをしたいと思っているということであると思います。引き続き、国連の果たす役割ということは、イラクの問題についてでも私はまだあると思いますし、ほかの問題については、ましてやもっとたくさんあるわけです。
 ですから、このことが国連の権威をなくさせ、求心力をなくさせ、世界のさまざまな問題についての処理能力をなくさせるかというと、そういうことではない、またそういうふうにしてはいけないと考えています。

○東門委員 大臣の見解を承りました。
 本当は、それに関連してもう一つ質問しようかと思ったんですが、次に移りたいと思います。
 今回のイラクの問題の発端は、テロ防止ですよね。すなわち、大量破壊兵器がテロリストの手に渡ることを未然に防ぐことが目的だったはずです。
 テロ撲滅のためには、それこそ国際社会全体が、それぞれの国の政権だけではなくて、民衆レベルの意識においても、テロは悪であり、国際平和のためテロを撲滅しなければならないという共通認識を持つことが絶対に必要であり、そうでなければ、民衆の中に潜むテロリストを根絶することは不可能であると思います。しかし、現在の米国の姿勢を見ていると、テロ撲滅よりも、フセイン政権の転覆が究極の目的のようになってしまっていると感じているのは私だけではないと思います。これでは、国際社会、特にイスラム世界の理解は得られません。
 米国が武力行使を行った場合、テロ撲滅という本来の目的にとってプラスとなるのか、むしろ、民衆の反米感情を招いて、テロ撲滅にはかえってマイナスの効果になるのではないかと懸念している声もたくさんあることは御存じだと思いますが、いかがでしょうか。

○川口国務大臣 今回のイラクの件がテロの撲滅であるというふうに言われましたけれども、それだけではないと私は思うんですね。
 まさに我が国は、被爆国家でもありますし、化学兵器、生物兵器、それに対して非常に厳しい対応をしている国であります。それは、単にテロということだけではなくて、大量破壊兵器自体、それを人類が持ってはならない、持ってはいけないということに発想の根源があると思います。テロリストの手に渡ってももちろん怖いという意味では、委員がおっしゃるようにテロと関係がありますけれども、それだけではなくて、他の国に拡散をしていくという危機ということももちろんあるわけです。イラクみずからが使うおそれ、イラク、実際に使ったわけですから、ということもあって、もっとその問題の根源というのは私は広くとらえております。
 それで、フセイン政権の転覆をねらっているんじゃないかということですけれども、これは、先ほど別な委員の御質問に対してお答えをいたしましたけれども、一国の政府というのはその国の国民が選ぶべきものであるというのは当然であります。それは我が国としては大事なことだと考えています。
 ただ、イラクの場合には、イラクに対して大量破壊兵器の問題に対して対応させるための努力を国際社会として十二年間行った。これをイラクは全く聞く耳を持たず、査察も九八年以降はとまってしまったという状況の中で、国際社会として、昨年の十一月以降いろいろなことを考えてきて、イラクに迫った。それでもなおかつ、二十数万の大軍の圧力があっても、あるいは、あればこそ初めて小出しに出し始めたと言った方がいいのかもしれませんけれども、そういう状況でこのまま、査察の有効性には疑念を持つ、有効性はないというふうに我が国としても考えるということでございます。
 フセイン政権の転覆というのは、むしろ、目的ではなくて、今やほかの手段がなくなった後でフセイン大統領が平和的に解決をするためには、平和的な解決のための適切な判断をイラクがするということが必要なんではないかということが国際社会の理解だと思います。これは、アメリカだけではなくて、近隣のアラブ諸国もそういうことで働きかけているというふうに私は承知をしています。
 それから、テロリストがかえってふえるのではないか、これは難しい問題だと思います。イラクとの関係で国際社会が明確にしていることは、これは国際社会対大量破壊兵器の問題ではあるけれども、国際社会対イスラムの世界ということでは全くないということです。日本もこれは明確にしてきているわけで、であればこそ、日本も言っていますし、それからアメリカも言っていますけれども、食糧援助や医薬品の援助や、そういうことはどんどんやるということをブッシュ大統領もみずから言っているわけです。
 テロリストというのはいろいろな不満あるいは考え方で行動をとる個人のグループであるわけですから、この人たちが生まれ、そして集団をつくり、力を持つということがないように、国際社会としてさまざまな努力を既にやってきている。送金の問題もそうですし、その他いろいろありますけれども、やってきているということで、国際社会として、テロリストが今度の結果ふえることが仮にあったとしたら、あるかどうかよくわかりませんが、あったとしたら、それはそれできちんと対応していかなければいけないと思います。

○東門委員 私の持ち時間が短いので、答弁も短くしていただきたいと思うんです。
 国際社会、国際社会と何度も使われますが、私は、今はそれは国際社会対イラクではない、政府の姿勢はしっかりアメリカ対イラクととらえていると思います。日本のアメリカに対する支持の仕方、アメリカが右と言えば、はい、私たちも右です、左と言えば、私たちも左ですというふうに、ずっとこれまで見ていて、だれもそう思っていると思うんですね。大臣がどんなにおっしゃっても、国際社会というものは完全に無視されているなと。何しろ大多数が、安保理もそうでした、大多数は米英に反対だったんですよ。また、態度を表明していなかった国もあるんですが、それを絶対に国際社会だと決めつけている大臣には、私は同意できないということは申し上げておきたいと思います。
 今の御答弁の中で、大量破壊兵器を人類が持ってはいけないということをはっきりおっしゃっておられました。でも、大量破壊兵器を一番多く持っている、一番大きな大量破壊兵器を持っているのはアメリカですよね。アメリカに大量破壊兵器を持ってはいけないとおっしゃったことはありますか。

○川口国務大臣 核を持っている国は実際にあるわけです。それは、NPTという枠組みで今規律を持っているということだと思います。先ほど私が言いましたのは、究極的になくしていくことは重要であるということを考えて、我が国は、毎年国連の総会の場で、そういう決議はずっと出してきております。

○東門委員 その決議の問題、徐々に後退しているのはわかっているんですが、この議論は後に回していきます。
 次に進みます。
 日本国憲法第九条は「戦争の放棄」を定め、また憲法前文は、「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」と規定しています。この憲法の精神からすれば、現在の日本がとっている対応は、非常に疑問があると言えます。
 世界各国で武力行使に反対する大規模なデモがあり、アメリカなど三カ国が提出した修正決議案をめぐって三月十一日に行われた安保理の公開討論会では、大半の国が査察継続を求め、武力行使には反対の態度を示しました。先ほども申し上げましたけれども、国際社会の大勢は、武力行使ではなく、平和解決を望んでいるわけです。そして、その国際社会の姿勢こそ憲法が求めているものと同じものであるはずです。
 しかるに、我が国は、国際世論に背を向けて安保理決議なしに武力行使へと突き進む米国に対し、その行動を全面的に支持する数少ない国の一つとなっています。日本国憲法の精神にのっとれば、我が国は、平和的解決の道が残されている限り、それを追求する姿勢を示すべきではないのか。みずから武力行使さえしなければ、他国が武力行使をしようとするのをどんなに応援しても構わないという現在の政府の姿勢は、憲法の精神から大きく外れているのではないかと思いますが、大臣の認識をお伺いいたします。

○川口国務大臣 我が国として、この問題を平和的に解決することができたらどんなに望ましかったことかというふうに思います。それが可能でないような状況になったと残念ながら考えざるを得ない、そういうことだと思います。
 査察を続けることによって一体大量破壊兵器の廃棄ができるのかどうか。イラクの態度がそのような状況のときにそれが可能であるということはだれも言っていないわけです。圧力がこれだけあって、軍事力の圧力があって、それでもイラクはなお査察に対して積極的に対応する姿勢を見せない。大量破壊兵器がイラクの手にあり、ほかの国に拡散をし、テロリストの手に拡散をし、その結果として、将来何百万、何十万の人間が死に直面をするということがあったら、その責任をだれがとるのでしょうか。
 我が国として、二十一世紀における脅威は何かということを考え、これは追随をするための行動ではなくて、我が国としてそれが問題の本質であって、日本人の、国民の安全のためにそれが必要であるからという上に立っての判断をしたわけです。

○東門委員 大臣の御答弁を聞いていますと、何かちょっと悲しくなっちゃうようなところもあるんですが、仕方ありませんけれども。
 昨年の査察開始から昨日のブッシュ大統領による最後通告に至るまでの政府の対応を見ていますと、米国の武力行使を正当化しようとする動きばかりが目立つんです。それは間違いない。私たちの目に映っているのはそれなんです。最初からその動きでした。それには、人の命の大切さを思う心、言葉ではどんなに今大臣がおっしゃっているようにいいことを言っても、動きがそうなんですよ。人の命の大切さを思う心、戦争を避けようとする意思が全然伝わってきません。戦争がまるで他人事――いや、笑い事じゃないですよ、大臣。そうなんですから。ゲームか何かのように思っているのではないかと感じられることがあります。悲惨な沖縄戦の経験が今も語り継がれている沖縄県民の一人として、その点が受け入れがたいということを強く申し上げておきたいと思います。
 政治家が武力行使もやむを得ないと言うことは、即人の命が失われることにつながるのですよ。為政者にとっては政治的決断の一つであるとしても、その現場にいる人間にとっては、その一言が自分の命に直結するということです。軽々しく言ってほしくないんですよ。外務大臣は、自分の一言の重さについて本当に自覚しておられるのか、御自分の言葉によって人の命を奪うことになるかもしれないということをどのように認識しておられるか、お伺いいたします。

○川口国務大臣 平和的に解決をするための努力が見えない、見ようと思わなければ見えないかもしれませんけれども、委員に、私は、茂木副大臣がバグダッドに行って、二時間、ひざ詰め談判で副首相にお話をした、その副大臣の御苦労をお知りいただきたいと思います。その他のさまざまな努力をしています。
 そういうことをぜひ見ていただいて、その上で、我が国としては、イラクが、査察を有効にさせるために必要な前提たるこれへの積極的な協力をする態度がないというふうに判断せざるを得なかった、これは、我が国としても本当に残念な、苦渋の選択でありますということを、ぜひ委員にもおわかりいただきたいと私は思います。

○東門委員 茂木副大臣がイラクに行かれて、アジズ副首相にお会いになったことは、新聞等で読みましたし、テレビでも伺いました。では、アメリカに対して、国際世論が、圧倒的に多くの国際世論です、それが査察を継続するべきだということを、我が政府から、どなたかがアメリカに行かれて、二時間、三時間、ひざ詰め談判で交渉されたということはありますか。

○茂木副大臣 まず、東門先生の御意見を伺っていますと、例えば、フランスとかドイツの査察継続、これについて、国際世論が大半の支持だということなんですが、私なりに注意深く安保理での議論を聞いておりまして、では、フランスなり、それからまたドイツ等々の考え方に対して、中間派の六カ国であったりとか、賛意を示した、こういうことは一度も聞いていない。新しい決議をめぐって、またイラクに対してさらなる圧力をかけていく、こういう意味で国際世論が一致できなかった、このことは大変に残念だと思っております。
 その上で、イラクについてでありますけれども、私が申し上げたのは、平和的に解決するためには、本当にイラクの決断にかかっているんだ、平和的に解決できるんですよ、こういうことを何度も何度も申し上げても、イラクの側がそういう姿勢を全く示してくれない、ここにやはり大きな問題があったんだと私は思っています。
 もちろん、アメリカに対しても、国際協調の枠組みの中で問題を解決しよう、そういうことは累次働きかけているのはもちろんのことであります。

○東門委員 私の質問にお答えにはならなかったんですが、どなたかが、政府の方が実際に行かれて、茂木副大臣がイラクになさったように、やはり査察の継続あるいは平和的解決、私は、政府の言う平和的解決には武力行使も入っているんじゃないかというふうな質問を小泉さんにもしたことがあるんですが、そういうような姿勢さえうかがえる。
 よく見てほしいと言うんですが、大臣や小泉総理のお話を聞いていると、政府はスタートからアメリカ支持で走っているということは、国民の目に明らかなんですよ。ですから、よく見ているつもりです。国会でも何度も質問をしているつもりです。いろいろな方の質問もお伺いしているつもりです。そういう中で、茂木副大臣がイラクになされたと同じように、アメリカに対して、査察継続をと、あるいは平和的解決をと、アメリカの言いなりではなくて、日本としてしっかりと意思表示をなさいましたかと、何時間かけても結構です、二時間、三時間、十時間でも結構です、そういうことはなさったのでしょうかと伺ったんです。

○池田委員長 川口外務大臣、答弁は簡潔に願います。

○川口国務大臣 小泉総理も、そして私も、そういうことは直接にお話をしています。

○東門委員 よく、お話をしていますとは伺うんですが、先ほど、大臣、力を込めておっしゃったじゃないですか、二時間もひざ詰め談判したんですよ、その苦労をわかってほしいと、それをアメリカに対してなさいましたかということを私は伺っているんです。お話ししましたかとは聞いていません。

○川口国務大臣 査察の有効性、それを可能にするための前提の欠如、それについては、我が国は、アメリカの考え方と全く同じことを考えています。今、査察を続けることが有効にこの問題の解決に資するというふうに私どもは思っていない、そういうことです。

○東門委員 きのうの午前十時の大統領の演説でした、四十八時間という時間を限って。どうしてこういうことができるんだろうと思いながら、私は、この演説、後で読ませていただいたんです。
 それを、悩むこともなかった、最初から支持しているんだというような発言をされた大臣、その中で外務大臣としてこれまで来られた川口大臣ですが、先ほど松本委員から、どなたかからありました、英国では、閣僚がブレア首相に対して、これではついていけない、その方針にはついていけないということで辞表を出したとか、アメリカの外交官でもそういうのがあったとかという中で、やはり外務大臣として、終始一貫、これまで、終始一致して、小泉総理と同じようなスタンスで同じような方向を見てこられたのでしょうか。
 それとも、小泉総理大臣に対して、外務大臣の立場から、外交の責任者として、何か、いや、総理、これではまずいですよとか、これでは国民が納得しませんよとか、そういうような御発言、そういうこともあったのでしょうか。それを伺って、私の......

○川口国務大臣 私は、この問題の本質は、再三再四言っていますように、大量破壊兵器の脅威からどうやって我が国民を守るかということであると思っています。小泉総理も全く同じことを思っていらっしゃると思います。
 そういう観点から、私は小泉総理と、その内心まで伺ったことはありませんけれども、小泉総理がこの件についてとられている政策面での考え方、これは私と全く同じであると私は考えております。

○東門委員 時間ですから、終わります。
 ただし、一言だけ、武力行使が行われたら何が起こるか、その結果は、だれの目にも明らかだと思います。そのとき、日本政府は、本当に国際社会から、それこそ国際社会から責任を問われるということにもなりかねませんということを申し上げて、終わります。
 ありがとうございました。
     ――――◇―――――

○池田委員長 次に、内閣提出、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房長北島信一君、同じく総合外交政策局軍備管理・科学審議官天野之弥君、それぞれの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○池田委員長 御異議はないと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――

○池田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
 この際、議員松浪健四郎君より委員外の発言を求められておりますが、これを許可することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○池田委員長 御異議はないと認めます。よって、そのように決定いたしました。
 松浪健四郎君。

○松浪(健四郎)議員 保守新党の松浪健四郎でございます。
 冒頭、委員長に心から御礼を申し上げたいと思います。委員外議員発言をお認めいただいたことに御礼を申し上げます。
 それでは、在外公館名称位置給与法改正案について質問させていただきたいと思います。
 保守新党としては、我が国が国際的にどれだけ貢献しなければならないかということは、国際的にいろいろな情報を収集していかなければならない、そしてまた、民間外交を初めとして、人的交流をも、また文化的交流をも盛んにしていかなければならない、こういうふうに考えておるわけであります。
 いつも外務省は、予算の関係で、予算の関係でとお答えになられるんですけれども、領事館やあるいは総領事館、これらを新しくつくるということになりますと、一カ所をつぶして、そして新設する、つまり、スクラップ・アンド・ビルド方式でやられているわけなんですね。せっかくなじみができた、だけれども、だんだんだんだんその存在意義が薄らいできた、こちらの方があるんだというようなことで移られるわけなんですね。しかし、私は、そこを全くなくしてしまうんではなくて、事務所であるとかあるいは出張所であるとか、何らかの形で残して、そしてより多くの交流と情報収集、これらに努めていくべきだ、こういうふうに考えております。
 今までのやり方、今回もそうなんですけれども、私の考え方に対して外務省はどのようにお考えであるか、お尋ねしたいと思います。

○新藤大臣政務官 松浪議員は私の前任政務官でございますから、まず敬意を表したいというふうに思います。そして、御心配いただきましたことをまず御礼申し上げたいと存じます。
 この在外公館の新設・統廃合におきましては、これは、昨年八月に発表いたしました行動計画において、今後三年間で、設置時の状況の変化を受け、七公館を目途に廃止する、また、新たな外交上の必要が生じている箇所については新設を検討する、御案内のとおりでございます。
 一方で、平成六年に、内閣委員会におきまして名称位置給与法改正がございました。そのときの附帯決議において「スクラップ・アンド・ビルドを機械的に適用することなく検討すること。」このように御指摘をいただいているわけでございます。
 ですから、外務省としても、これは適宜、行政需要の変化に応じて、適切な役割を果たし得るようにやりたいと思いますし、今御質問いただきました、今回でいいますと二つ廃止して一つを新設するんですが、一方では、ラス・パルマス総領事館は現地の駐在員事務所として機能は残させていただきたいというような工夫はいろいろさせていただいているところでございますから、御理解を賜りたいと思います。

○松浪(健四郎)議員 次にお尋ねしたいのは、今回の名称位置給与法の改正によりまして、同法上の外国の国名、地名の表記が大幅に変更をされることになりますけれども、他の国内法令及び国際約束の和文に使用される外国の国名、地名はたくさんあるんですけれども、これはどのような扱いを外務省はされるのか、お尋ねしたいと思います。

○新藤大臣政務官 国名、地名表記は、それこそ五十年ぶりに思い切って全面改定をしよう、こういうことでございまして、そのキーワードは、わかりやすくするということです。そして、インターネット時代で、例えばジョルダンなんて、ジョルダンと引きますとインターネットでヒットいたしませんので、ですから、こういうことを、辞書ですとか教科書表記だとか、一般的に使われているものに整えようという精神でございます。
 そういった意味で、お尋ねの問題は、まず、他の国内法令、これにつきましても、改正が決まっているものについては即時やっていただく。それから、今後改正の機会があればそのときに手当てしていただきたいということをお願いしております。
 まず、既存の法律です。これは、私が考えているところでは、今七本ございます。それから、政令につきましては大体二十八本が今のところわかっているんですが、今年度内の改正の機会があるものは盛り込んでいただくように調整済みでございます。それから、今後、整備政令というものをつくりまして、一括して作業をさせていただこう、こういうものもございます。
 それから、あとは、既存の国際約束というものがございます。これも国際約束を改定するときに順次直してまいりますが、ただ、これは、相手国においてもその地名を使っている場合がありますので、相手国との協議が成り立たなければいけないので、法律、政令に比べるともう少し段取りが必要になってくる。
 いずれにしても、しかし、適宜、順次、今回のこの名称位置給与法に定めた国名、地名に統一をしていただきたい、こういうことをやっていくことでございます。

○松浪(健四郎)議員 外務省には、混乱を来さないようによろしくお願いしておきたい、こういうふうに思います。
 そこで次に、昨日、ブッシュ大統領の演説をお聞きしたわけでありますけれども、その中で、大統領はこうおっしゃっております。我が国と他の国が収集した情報によると、イラクは間違いなく最も殺人的な兵器の幾つかを引き続き保有し、隠ぺいし続けている。
 私は、二月の末に、海部元総理の同行者としてアーミテージ国務副長官とお話をさせていただきました。副長官はこのことについて、我々は詳しい資料、データを持っておるけれども、これは公表できない、その理由はニュースソースが明確になるからだと。加えて、アルカイダとイラク政府との関係についても、詳細を述べることはできるけれども、これもニュースソースの問題があって具体的に公表できないというお話を聞きました。
 このことは公表すべきではない、私はこういうふうに思っておったわけでありますけれども、今回のアメリカの決断の背景には、やはりこういった大量破壊兵器、とりわけ生物兵器と化学兵器の恐怖、これが大きいんだなという印象を受けておりますと同時に、私たちとアメリカ国民との危機意識が水と油以上に開いておるという認識を私は持っております。思い起こせば、あの九・一一は、アメリカ国民からすれば夢以上の出来事であったということを我々はどこまで理解しているだろうか、そのことを、アメリカに少し滞在させていただいただけでもわかるわけであります。
 そこで、質問をさせていただきますけれども、イラクが今まで説明していない大量破壊兵器関連の疑惑というのはたくさんありますけれども、私はVXガスに限ってちょっとお尋ねしたいんです。
 VXガスというのはサリンに比べて約三百倍強力な化学兵器だ、こういうふうに言われておりますけれども、イラクはVXガスをおおむね二・四トン保有している、あるいはそれ以上持っておる疑惑がある、こういうふうに言われております。
 そして致死量は、二億人を殺傷することができる量になる、こういうふうに言われておるわけでありまして、この話を聞いただけで、イラクは大変恐ろしい大量破壊兵器を持っておるんだ、こういうふうに思うわけでありますけれども、このことについて外務省はどのような認識を持っているのか、お尋ねしたいと思います。

○茂木副大臣 御指摘のVXガスでありますけれども、今のUNMOVICの前身のUNSCOMによりまして、御指摘のとおり、二・四トン保有していた、この疑惑が晴れていないというのは事実であります。
 二億人という話があったわけでありますが、VXガスの場合、いわゆる皮膚吸収の半数致死量、二人に一人が亡くなる危険性がある、この半数致死量が六ミリグラムでありまして、それは、単純に計算上並べていきますと、四億人に被害を及ぼし、そして二億人を死に至らしめる危険性がある、こういうことであります。
 このVXガスもそうでありますし、ボツリヌス菌であったり炭疽菌であったり、炭疽菌一万リットル、ボツリヌス毒素が二万リットル等々につきまして、まだイラクが、廃棄したなり、持っているんだったらそれを差し出す、こういうことは行われていないというのは厳然たる事実だと思っております。

○松浪(健四郎)議員 時間が参りましたので、これで終わります。どうもありがとうございました。

○池田委員長 次に、木下厚君。

○木下委員 民主党の木下厚でございます。
 今議題になっております在勤手当の一部改正案、これについて質問をさせていただきます。
 さて、先ほど来、イラク問題について激しい議論がございました。日本がアメリカのイラク攻撃に対して支持をする、この背景には、恐らく外務省の甘い見通しがあったんだろう。いわば、フランスあるいはドイツあるいはロシア、中国を含めて、現地大使館がどういう情報を集めていたか、本当にきちんとした情報を集めていたかどうか、これに対して、国民の間からも外務省は何をやっているんだという批判が出ているのは御承知のとおりだと思います。
 さらにもう一つ、外務省をめぐりましては、一昨年来、相次ぐ不祥事、続いておりました。それに対する国民からの厳しい批判、とりわけ、我が国の国内経済が引き続いて低迷を続けている、そうした中で、在外職員のみが国民の税金により従来と変わらない手厚い手当を受けている、そのことについて国民の理解を得るのは非常に難しい。こうした国民に誠実にこたえていくことが、外交機密費等を初め一連の外務省疑惑、不祥事、これに対する、外務省に対する国民の信頼回復の第一歩ではないか、そんな気がします。
 そこで、お伺いします。
 いかなる理由により、現在受けているいわば国内における本給、これ以外にいわゆる在勤手当というものが支給されているのか、その根拠をまずお示しいただきたい。

○新藤大臣政務官 俸給は、国家公務員としての勤務に対する報酬であることは御存じのとおりです。これに加えて在勤基本手当、こういうことがあるわけでございますが、これは、在外職員が在外公館に勤務する際に、国内で勤務する場合よりも追加的にさまざまな経費が必要となる、ですから、この勤務のための経費を充当するために支給されるということです。
 これはまず、海外での勤務、生活を始めるに当たり必要となる費用、これは車ですとか家具だとか、そういったものをやはり向こうで調えなきゃなりませんので、こういったもの、耐久消費財ですね。それから、外交活動に要する経費ということで、これは卑近なところからいえば洋服等のことも必要になると思いますが、やはり何といいましてもパーティー、外交活動ですね、パーティーに参加をしたり、それから自宅に人を招いてのそういったようなもの、こういったものを見てあげなきゃいけない。あと通信費ですとか、こういったものも見るんだということでございます。それから、その他海外生活に伴う経費、こういったものが追加的経費に該当しておりまして、これは例えば、海外に行って入る保険ですとか、それからやはり警備の契約をしなきゃいかぬとか、こういうようなことになっているということです。
 そして、この基本手当の額を設定するときには、任地ごとに物価それから為替相場の変動、そういったことを一つ一つ把握しております。またさらに、その在外職員が必要とする物資・サービス、この調達先が、この調達を任地でやるのか、それとも第三国もしくは日本から持っていくものなのか、こういうものも全部きちんと勘案をして、それからさらに、勤務、生活環境が厳しい任地についてはそれに対する緩和のための追加的経費だとか、こういったものをいろいろ考えながら厳正に算出をしているというところでございまして、これは俸給の額とは別個に算出された、きちんとした算定のもとで決められたものであると御理解をいただきたいと思います。

○木下委員 しかし、例えば、大使などの本給とそれから手当を合わせると、やはり多い人では二千四百万円を超えるというような額が出されているわけですね。そうした額が果たして本当に妥当なものかどうか、これはもう一度やはり再考する必要があるだろうと思います。
 とりわけ今回の名称位置給与法第五条には、「在勤手当は、在外職員が在外公館において勤務するのに必要な衣食住等の経費に充当するために支給されるものとし、その額は、在外職員がその体面を維持し、」と規定しています。この規定を読むたびに、いわば、その額は、在外職員が「その体面を維持し、」この文面、文言、これが非常に理解に苦しみます。
 我が国がまだ戦後の復興期にあった時代ならいざ知らず、今や世界第二位の経済大国である現在、規定上とはいえ、余りにも時代錯誤的な表現である。手当や支給方法等の実質的な見直しも必要に応じて実施するべきであるが、時代の変化に伴い在勤手当の性格も変化しており、適宜適切にその定義の見直しも行っていくべきであると考えます。
 第五条に規定されている「その額は、在外職員がその体面を維持し、」の部分に関する外務大臣の見解とあわせ、在勤手当の定義の見直しの必要性について外務大臣の御見解を伺いたいと思います。外務大臣、お願いします。

○川口国務大臣 外交官というのはさまざまな場面でさまざまな仕事をするわけですけれども、「体面を維持し、」という言葉は、何も非常に派手にやるとかぜいたくにやるとか、そういうことではないと思うんですね。外交官としての行動にふさわしい、そういう意味であると私は考えております。
 それから、現に私自身、個人の経験に照らしても、それから今の仕事で各国を訪問して、そこで見る外交活動の実態に照らしても、今私が申し上げた意味以上にこの体面を保つということがなされている、「維持し、」という言葉が使われているというふうには全く思っておりません。

○木下委員 私も、かつてジャーナリストとして世界各国を回りました。大使館にも行きましたけれども、多くはむしろ、いろいろな形でのパーティー、これが中心になっているわけですね。そして、先ほど言いましたように、国益を考えた情報収集、そういったものに対して、むしろ体面を言うんだったら、そうしたきちんとした情報をきちんと上げる、これこそ名誉ある体面である。形ばかりの体面のために国民の皆さんの税金を使うことはいかがなものか。
 私は、ここの文言を含めて、やはりきちんと現代風に、時代に合わせて見直すべきであると思いますが、もう一度。

○新藤大臣政務官 それは私たちも同じ趣旨だと思っております。
 そして、今回、昭和二十七年にこの在外職員給与制度ができましたが、抜本的にやったという意味では、これは私どもはかなり、八種目のうち六種目を見直したわけでございまして、これは非常に、今回はそういった先生の今の趣旨も踏まえた意味での数となっていると思っております。
 一方で、実態として、一等書記官クラスとしてワシントン勤務の外務省の人間が年収で千二百四十万、しかし、同じ日本人の総合商社の人間が、駐在している方で千六百四十万、バンコクでも、外務省で一千百万の収入になるのでございますが、総合商社の場合は千三百六十万、こういうことになっているんです。
 それから、ではよその国の外交官との比較にいたしましても、月収ベースですが、例えばワシントンで、外務省で九十万収入になっておりますが、アメリカ、ドイツ、フランス、国連、大体九十万ぐらいから百四十万まで、バンコクにおいても、日本が八十万に対して、米独仏でそれよりもいずれも高い、上限百三十万までというようなことで、結果としては、日本の方が今非常にここは切り詰めて、しかも今回は全面的に見直しを行って、減額できるところは減額したということになっているということでございます。

○木下委員 一応の目安として、ワシントン在職の在外職員、これをベースにしているということですが、ただ、私もいわゆる途上国を随分回りました。物価その他、衣食含めて、それはワシントンに比べたら、恐らく二十分の一あるいはそれ以上、物価その他が安いわけですね。なぜワシントンを基準にして、全部途上国まで基準にしなきゃいけないのか、その理由を説明してください。

○新藤大臣政務官 これは、なぜワシントンなのかというのは、では別の都市だったらば、なぜパリなのか、なぜロンドンなのか、なぜナイロビなのかと、いずれも同じ状態になるわけでございます。
 ですから、便宜上として、まず我が国在外公館中の最も規模の大きな米国大使館に勤務する一等書記官が必要とする経費、これをまず一定の基準点にしてあるんです。この基準に関して、それに対する、今度はそれぞれのほかの国の、各地における物価だとか為替相場、それから生活水準、こういったものを勘案してやっている。
 それから一方で、物価は低いけれども非常に勤務条件が厳しい、こういうようなものについては、通常の経費の算定に加えて、気候ですとか医療事情、治安、生活インフラ、物資入手などの厳しさ、こういったことを勘案して加算を行っているということでございまして、ワシントンで、高いところでもって合わせているということではない、こういうことでございます。

○木下委員 時間がありませんので先へ進ませていただきますが、一つは外務省改革について質問させていただきます。
 川口外務大臣は、就任直後の平成十四年二月十二日、開かれた外務省の十の改革と題された新方針、さらに八月二十一日には外務省改革「行動計画」を発表され、その中で、大使の任用について幾つか、適材適所の原則のもと最適の人材を大使に任用とか、大使の任期を三年目途にとか発表されていますが、しかし、本当に適材適所の大使の任用が行われているかどうか。
 例えば、大使の任期についても、私の聞いたところによると、五カ月あるいは一年で交代された大使もおられる。せっかくその地になじもうと思っている、少なくともよその国においては五年、あるいは他省庁から出向されている人たちについては三年、しかし外務省の人たちだけ半年であったりあるいは二年であったり。少なくとも最低三年以上は厳格に守って、現地の人と実情を、あるいは言語も含めて十分把握できるような、そういう体制をぜひつくってもらいたいと思うのですが、大臣、その辺はどうお考えでございますか。きちんとやられていますか。

○川口国務大臣 大使の任用について、行動計画や、その他いろいろな方から御意見をいただいたものを踏まえた改革を行っております。
 そして、三年ということは、私はできるだけそういうことでやりたいと思っていますけれども、このところ若干問題があったのは、幾つかの過去においてあった事件との関係で、人の異動がほかのときよりも、要するに通常状態でない状況で人の異動をする必要があった、これはここ一、二年ぐらい前の外務省を見ていただければ御理解いただけると思います。本省だけでそういうことがあってそれが周りに及ばないということがなかったものですから、その関係ではいつもよりも違った状況が生じざるを得なかったということはあると思います。
 ただ、そういうことは今後はないということで考えておりますので、できるだけ行動計画に定める形で大使の任用については進めていきたいと思っています。

○木下委員 時間でございますので、最後に簡単に質問させていただきます。
 先月二十七日、外務省職員の服務規程や服務倫理や国会を担当する官房長の職にあった小町現内閣府国際平和協力本部事務局長が二〇〇一年三月まで出向していたJICAのタクシー券を、出向から外務省に戻った後、私的に使用していたことが判明をいたしました。これについてどういう処分をされたのか、あるいは、これについてどう大臣は思っておられるのか、さらに、意識改革を盛んに大臣は言っておられますが、依然として外務省職員の意識改革は進んでいないのではないか、こういう疑問がありますが、これについて最後に大臣の答弁を求めます。

○川口国務大臣 これは私は非常に問題であると思っておりまして、事実をきちんと確認の上、厳正な処分をしたいと思っています。
 これは、事実の確認というのは実は簡単ではございませんで、その点については、必要でしたら官房長から補足をさせますけれども、倫理規程との関係で、相当に細かい、外務省の中だけでは形が、整理がつかない問題があるということでございまして、今その手続を進めている、そういうことでございます。

○木下委員 では、明らかになれば処分をするということですね。

○川口国務大臣 事実に照らして厳正な処分をしたいと思っています。

○木下委員 ありがとうございました。

○池田委員長 次に、藤島正之君。

○藤島委員 自由党の藤島正之でございます。
 持ち時間五分でありますので、一、二点質問したいと思います。
 まず、給与の方でありますけれども、昔は、防衛庁、自衛隊はよく税金泥棒と言われたのですけれども、その後一生懸命頑張って努力して、今や全くそういうことはないのでありまして、最近はかわって外務省の役人が税金泥棒と言われているわけでありますから、ちゃんと答えてくださいね。
 在勤手当が本俸と同じぐらいかそれ以上だというような実態があるわけですね。先ほどいろいろ説明はあったんですけれども、具体的に、基本的な考え方、政務官の方でいいですけれども、ごく簡単に。

○新藤大臣政務官 先ほどもお答えいたしましたから、もうお聞き及びと思います。そういう基準でやったわけでございますが、今回は、とにかく昭和二十七年以来に、これだけ全面的にこの基準の見直しを行ったのは初めてなんです。私はそう自負しております。
 そういう中で、やはり現下の厳しい国内の財政事情、それから賃金、雇用、こういった情勢を重く受けとめなきゃいけない。それから在外職員に対して、そういった意味からの一層の経費の節減、できるところは切り詰めようと。しかし一方で、やはりきちんとした外交活動をさせるためにはそれなりのきちんとしたものを見なければ、これは士気に影響する、こういうことなのでございます。
 ですが、とにかく全部見直した結果として、平均で対前年度比おおむね一割の削減を行った。それから、在勤基本手当以外に住居手当、館長代理手当及び兼勤手当についても支給額の削減を行ったということで、踏み込んだ形でやりたい、こういうことでございます。

○藤島委員 じゃ、外務大臣に伺いますけれども、今、外務人事審議会という制度でやっていますね。それで、内容的に見ると、若干透明性といいますか、あるいは客観性に欠ける部分があるんじゃないかなという感じはするのですけれども、このあり方について外務大臣はどういうふうに考えていますか。

○川口国務大臣 どういう点で客観性に欠けるとおっしゃっていらっしゃるのかよく理解できないのですが、私としては、これはメンバーについても少しずつ入れかえるということでやっておりますし、また、これは政令を今議論をしていますが、政令が変わった後では、ここに対して、外部から大使の方を登用するときにその方が大使にふさわしいかどうかということを子細に議論をしてもらう、そういう場所としても考えております。
 そういう意味で、この外人審自体は、時代の流れに応じて考え方を変え、人もそれにふさわしい人になっていただくということでやっているつもりでございます。

○藤島委員 今まで幾ら幾らだったのを全般的に減らすとかそういう意味じゃなくて、やはり個別の公館ごとに個別に全部細かくやっていく、そういったのが必要なんじゃないかなと思うのですね。それぞれの国によってどんどん事情も変わってくるわけですからね。今のような包括、一括的な勧告を受けてやるというのではない、そういった方式も考えた方がいいのではないかなという意味で申し上げたわけであります。
 もう一つ、昨年十一月二十九日に会計検査院が在外公館についてのむだ遣いを指摘しているわけですね。不適切なのが三百十二件、二百四十億円に上っているということなんですが、これについて外務大臣の見解を伺って、終わります。

○川口国務大臣 私もその話を聞いて、中で聞いてみました。
 それで、これについてはきちんと対応するということで今整理をいたしておりまして、そのうち三件については、これについて施設の建設を行う。これは今までもやりたかったんですけれども、予算がついてこなかったという事情があると思います。それから、三件については売却をする。そして、残りの六件については来年度中に方針を決定するということで考えています。

○藤島委員 前向きに進めていただきたいと思います。終わります。

○池田委員長 次に、松本善明君。

○松本(善)委員 在勤手当の問題でお聞きをします。
 これは今までも何人かの委員から質問がございましたけれども、在勤手当そのものが必要だということは私どももわかりますけれども、この中身がよくわかっていない。そのわかるために、平均して給与の何倍ぐらいになるのかということ、それから、一番高い場合は何倍になるのか、一番低い場合は何倍ぐらいになるのか、それをちょっと明らかにしてもらいたい。

○北島政府参考人 在勤俸と本俸の関係でございますけれども、例えば一等書記官クラス、これは入省十五年の第1種の職員でございますけれども、それを例とすれば、俸給月額が約三十四万円、それから在外公館で支給される在勤基本手当三号の平均額が約四十七万四千円ということでございまして、在勤基本手当の額が本俸の約一・四倍ということでございます。
 一等書記官クラスの場合で最高支給額をちょっと申し上げますと、セルビア・モンテネグロに勤務した場合に支給される額が六十三万三千四百円。それから、反対に最低支給額でございますが、アルゼンチンに勤務した場合に支給される三十万七千四百円ということ......(松本(善)委員「どこですか」と呼ぶ)アルゼンチンでございます。

○松本(善)委員 それから、やはり勤務地によって違うというのは当然だと思います。これは、一番高く出ているのは例えばどこで、一番低く出ているのがどこなんでしょうかということを答弁してほしい。

○北島政府参考人 ですから、先ほど申し上げたとおりでございまして、一番高く出てきているのがセルビア・モンテネグロでございまして、逆に、一番低く出ているのがアルゼンチンということでございます。

○松本(善)委員 そうすると、その基準がどうなんでしょうか。どういうわけでそういうふうになるのか。
 あるいは、一般的に言うと、ワシントンと、アメリカとアフリカと比べますと、私は、在勤手当の性質も随分違ってくるんじゃないかと思うんです。そうすると、セルビアとアルゼンチンで大きな違いが出るというのは何でなんだろうかと。

○北島政府参考人 先ほど政務官から御説明しましたが、ワシントンを基準点ということで考えているわけですけれども、同時に、その上で、例えばアフリカとか、勤務・生活条件が厳しい任地に勤務する在外職員に対しては、こうした厳しさを緩和するために追加的な経費が必要となるということでプラスアルファになるわけですけれども、同時に為替の問題等もありまして、アルゼンチンの場合は、この為替の問題が非常に大きかったということでございます。

○松本(善)委員 外務大臣に伺いますが、今のような状況で、在勤手当そのものは必要だと思うんですが、それがどういう形で、どういうわけでそういうふうに支給されているかということの、いわば透明性といいますか、国民に理解をされるような基準その他が明らかになるということがやはり必要なのではないか、これが一つ。
 それからもう一つ、一昨年、デンバー総領事による流用が問題になりました。在外公館の機密費の透明化ということですね。そういう、外務省全体について経費の削減ということが必要な場合のいわば方向といいますか、私は、デンバーのようなことについてはもっと厳しくやることが、在勤手当よりもっと重要なのではないかというふうに思いますが、そういうような基本的な考え方について外務大臣のお考えを伺って、終わりたいと思います。

○川口国務大臣 在勤手当については、その国々の事情が時代の流れとともに変わっていくわけですから、これは適時適切な見直しをしていくということが大事であると思います。
 それから、デンバーのような事件、そういった事件というのはあってはいけないことでございまして、現在は、問題があった場合に、場合によっては厳しく、告発をするということも含めて対応をしております。この方針は、引き続きそういうことで考えています。

○松本(善)委員 終わります。

○池田委員長 次に、東門美津子さん。

○東門委員 私の方は、まず住居、住宅手当の支給額の改正についてお伺いいたします。
 これまで、在外職員に対する住居手当は、各公館ごとに定められた限度額の範囲であれば全額負担されるという、国内では見られない特殊な制度であったようです。今回その制度が見直されて、在外職員が居住する住宅の家賃の一部、それは平均で約二万四千円ということのようですが、それを自己負担する制度が導入されることになりますね。
 外務省は改正の理由として、現在の厳しい国内経済財政状況及び国内公務員との均衡等を勘案しということを挙げておられますが、我が国における経済状態の悪化は、きのうきょうに始まったものではありません。このような理由であれば既に行われていて当然の改正ではないか、そういう印象を受けます。
 今回、家賃の一部自己負担という制度が導入されるに至った経緯についてお伺いいたします。

○北島政府参考人 委員が今言われたことが私どもの基本的な考え方でございました。住居手当を含む在勤諸手当については、これまでも必要に応じて随時見直しを行ってきたわけですけれども、現下の我が国の厳しい経済財政事情等を踏まえ、国内の公務員が国内の宿舎を利用するに際して宿舎使用料を負担していることとの均衡等を勘案して、自己負担制度を導入するということにしたわけでございます。
 具体的には、国内で外務省員が宿舎使用料として負担している程度の額、これは平均二万四千円程度でございますけれども、家賃の額が手当限度額の範囲内であっても自己負担するというふうに制度改正を行うことにしたわけでございます。

○東門委員 いや、これが私の質問の中身だったんですが、なぜこれまでそういうのが見直されなかったのかなというのが私の疑問だったんですよ。それについてのお答えというのはありますか。ないのかな。

○北島政府参考人 今までも在勤諸手当の見直しは随分やってきたわけでございますけれども、住宅手当の問題については、在外職員がそれぞれの任地で適当な住居を確保して、職責を十分に果たせるように、現地の住宅事情や家賃水準等を勘案した上で上限額を設定するということでやってきたわけですけれども、今般それをさらに見直しするということにしたわけです。

○東門委員 今回、兼勤手当が廃止されるということですね。平成十四年度予算における兼勤手当の予算額を見てみますと、五十四万九千円と、在勤手当の中でも際立って低いというのがわかります。
 予算額から見ても余り需要のない手当だったのではないかなとは思いますが、実際には年間どのくらいの職員に対してこの兼勤手当が支給されてきたのでしょうか。過去の実績についてまずお聞かせいただきたい。そしてまた、廃止の理由の一つに時代の変化というのが挙げられていますが、これは具体的にどのようなことを意味しているのか、あわせて御説明をお願いしたいと思います。

○北島政府参考人 兼勤手当でございますけれども、在外におります職員が本来の任地とは異なる兼任地に赴いて職務に従事する場合に、本来の在勤地で必要となる経費に加えて、兼任地における通信、移動等、外交活動に伴い諸般の経費支出が大きくなることから、このような経費増に充当するために支給されてきたということでございます。
 実績についてのお尋ねでございますけれども、例えば平成十三年度一年間では、延べ約二百九十人の職員に対して合計約二百八十万円が支給されております。
 今般、兼勤手当を廃止することにした理由でございますけれども、この手当の創設時に比べまして、兼任地における活動のための交通手段や通信事情が発展、進歩して、そのための経費が低減してきたということ、そういったことから兼勤手当を支給する必要性が少なくなってきたというふうに考えまして、さらに我が国の厳しい経済財政事情等も踏まえ、本件手当の廃止に踏み切ることにしたということでございます。

○東門委員 平成十三年度の兼勤手当ですが、二百九十人に対して二百八十万円という御答弁だったかと思いますが、なぜそれが十四年度では五十四万九千円と、ぐっと額が落ちたのでしょうか。十五年度は廃止というのはわかるんですが、十三年度の実績に対して十四年度のあの額の差というのはなぜだったのか、それもお聞かせください。

○北島政府参考人 申しわけありません。平成十四年度の実績について、委員はお持ちで私はないものですから、どうも失礼申し上げます。

○東門委員 後で教えてください。終わります。

○池田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――

○池田委員長 討論の申し出がございませんので、直ちに採決に入ります。
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○池田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――

○池田委員長 この際、本案に対し、蓮実進君外五名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。藤島正之君。

○藤島委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表しまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。
    在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  我が国を取り巻く国際環境が大きく変動する中、外交を担う外務省の真価が今問われている。昨年五月に発生した在瀋陽日本国総領事館事件は、在外公館及び外務本省における緊急事態への適切かつ迅速な対応能力や職員の危機意識の欠如を白日の下にさらした。いわゆる脱北者問題、テロ問題等様々な問題が現実の危機となった今日、外務省における危機管理体制の強化は喫緊の課題であり、そのためにも機構改革を含む外務省改革の早期実現が必要不可欠である。また、長引くデフレ不況の下、多くの国民が失業に苦しみ、構造改革の痛みにさらされる中で、外務省においても手当や休暇の見直しにおいて引き続きこうした事実を重く受け止めていく必要がある。これらを踏まえ、政府は本法の施行に当たり、次の事項について検討の上、適切な措置を講ずるべきである。
 一、外務省においては、外交機能強化のための抜本的な組織・制度の改革の早期実現に向け全力で取り組むこと。
 二、在外職員の在勤基本手当をはじめとする在勤手当については、国内の財政状況や外交活動を推進する上での必要性を踏まえ、定期的に在勤手当全般にわたる内容の見直しを行うこと。
 三、在勤諸手当についてはその算出根拠を明確にするとともに、手当の改正に際しては各任地における諸外国外交官及び日本企業駐在員の給与制度及び水準を参考としつつ、勤務条件・現地の生活環境や物価水準等に配慮した適切な水準・内容となるよう努めること。
 四、現下の国際情勢に鑑み、在外公館においては、緊急事態における邦人の救援保護を含む在外邦人安全対策についてより一層の機能強化を図ること。
 五、在瀋陽日本国総領事館事件を踏まえ、在外公館における「脱北者」の受入れに関する対応措置についての明確な方針を定め、関係国との調整を図りつつ人権に配慮した適切な対応に努めること。
 六、以上の項目に関する具体的な実施内容・状況・結果などについて、当委員会において、定期的並びに当委員会の要請に応じて報告を行うこと。
  右決議する。
以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

○池田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○池田委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決定いたしました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。外務大臣川口順子君。

○川口国務大臣 ただいま在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を可決いただきまして、まことにありがとうございました。
 法律案と同時に可決されました附帯決議は、これを厳粛に受けとめます。
 在外公館に勤務する外務公務員の給与については、今般、在勤諸手当全般にわたる集中的な見直しを行った次第ですが、今後とも、在勤諸手当の内容及び水準が適切なものとなるよう努めてまいる所存です。
 外務省の組織・機構改革については、新たな時代に対応し、我が国が国際社会でリーダーシップを発揮し得る戦略的かつ機動的な体制を構築する必要があるとの観点からさまざまな議論を行っており、今月末を目途に最終報告を発表する考えです。
 外務省としては、附帯決議の御趣旨をも踏まえて、今後とも全力で取り組んでまいります。
 まことにありがとうございました。
    ―――――――――――――

○池田委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○池田委員長 御異議はないと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――

○池田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時散会