平成11年度特別会計予算各省庁別所管使用調書(総務政務官答弁)                            参議院決算委員会-4号 2001年06月18日

2001年6月18日 21:47

平成11年度特別会計予算各省庁別所管使用調書(総務政務官答弁)
151-参-決算委員会-4号 2001年06月18日

 

○委員長(谷川秀善君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四日、広中和歌子君が委員を辞任され、その補欠として小林元君が選任されました。
 また、去る五日、有馬朗人君が委員を辞任され、その補欠として大野つや子君が選任されました。
 また、去る十五日、大野つや子君、清水嘉与子君、林芳正君、魚住裕一郎君、渕上貞雄君、小林元君及び朝日俊弘君が委員を辞任され、その補欠として岸宏一君、斉藤滋宣君、佐々木知子君、益田洋介君、福島瑞穂君、堀利和君及び櫻井充君が選任されました。
 また、本日、緒方靖夫君が委員を辞任され、その補欠として笠井亮君が選任されました。
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○委員長(谷川秀善君) 平成十年度決算外二件並びに平成十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成十年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成十年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書、平成十一年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成十一年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成十一年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書、平成十一年度一般会計公共事業等予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書を一括して議題といたします。
 まず、予備費関係七件の説明を聴取いたします。塩川財務大臣。

○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま議題となりました平成十年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書外二件並びに平成十一年度一般会計公共事業等予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書外三件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、平成十年度一般会計予備費予算額千五百億円のうち、平成十年六月九日から平成十一年三月十九日までの間において使用を決定いたしました金額は三十九億八千八百四十八万円余であり、その内訳は、災害対策費として、災害廃棄物処理事業に必要な経費等の二件、その他の経費として、矯正収容費の不足を補うために必要な経費等の九件であります。
 次に、平成十年度各特別会計予備費予算総額二兆二千四百五十三億六千四百万円のうち、平成十年十月十三日から平成十一年三月二十三日までの間において使用を決定いたしました金額は三十六兆九千三百七十九万円余であり、その内訳は、農業共済再保険特別会計果樹勘定における再保険金の不足を補うために必要な経費等二特別会計の三件であります。
 次に、平成十年度特別会計予算総則第十三条の規定により、平成十年十月十三日に経費の増額を決定いたしました金額は三百七十四億八百九十三万円余であり、その内訳は、道路整備特別会計における道路事業及び街路事業の進度調整、連携調整及び推進に必要な経費の増額等五特別会計の五件であります。
 次に、平成十一年度一般会計公共事業等予備費予算額五千億円のうち、使用残額八千円を除き、平成十一年九月二十九日にその使用を決定いたしました。
 これは、年度内に経費の不足が見込まれるもの、景気浮揚効果が大きいもの、即効性のあるものを対象としたものであり、経済波及効果の大きい国家的プロジェクトの推進、二十一世紀の国民生活の発展基盤整備、九州・沖縄サミット等の緊急課題対応及び災害復旧等に要する経費であります。
 また、事項別の内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の六件、その他の経費として、道路整備特別会計へ繰り入れに必要な経費等の七十二件となっております。
 次に、平成十一年度一般会計予備費予算額二千億円のうち、平成十一年四月六日より平成十二年三月二十一日までの間において使用を決定いたしました金額は百六億五百十三万円余であり、その内訳は、災害対策費として、災害廃棄物処理事業に必要な経費等の三件、その他の経費として、主要国首脳会議の開催準備に必要な経費等の十六件であります。
 次に、平成十一年度各特別会計予備費予算総額二兆二千二百八十一億六千四百万円のうち、平成十一年五月十八日から平成十二年三月三十一日までの間において使用を決定いたしました金額は十三億七千百十三万円余であり、その内訳は、食糧管理特別会計業務勘定における返還金の調整勘定へ繰り入れに必要な経費等二特別会計の三件であります。
 次に、平成十一年度特別会計予算総則第十三条の規定により、平成十一年五月十八日から平成十二年二月二十二日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は五千六百八十四億四千六十四万円余であり、その内訳は、道路整備特別会計における道路事業、街路事業、日本道路公団出資及び有料道路整備資金貸し付けに必要な経費の増額等八特別会計の三十件であります。
 以上が、予備費使用総調書等についての概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御承諾いただきますようお願い申し上げます。
 失礼いたしました。先ほど申し上げました平成十年度各特別会計予備費予算総額二兆二千四百五十三億六千四百万円のうち、平成十年十月十三日から平成十一年三月二十三日までの間において使用を決定いたしました金額は三十六億九千三百七十九万円余でございまして、先ほど三十六兆と申し上げましたのは億の間違いでございますので、訂正させていただきたいと存じます。

○委員長(谷川秀善君) 以上をもちまして説明の聴取は終わりました。
 それでは、これより平成十年度決算外二件の総括的質疑第一回及びただいま説明を聴取いたしました予備費関係七件の質疑を便宜一括して行います。
 質疑に先立ちまして、平成八年度決算及び平成九年度決算における警告決議に対し、その後内閣のとった措置につきまして、財務大臣から説明を聴取いたします。塩川財務大臣。

○国務大臣(塩川正十郎君) 平成八年度及び平成九年度決算に関する参議院の議決について講じました措置について御説明申し上げます。
 毎年度の税収見積もりにつきましては、その時点で判明している課税実績や政府経済見通しに係る諸指標等を基礎に、個別税目ごとに最大限の努力を傾注しているところであります。
 適切な税収見積もりに資するため、例えば法人税について、主要な大法人に対する聞き取り調査のさらなる充実、企業収益全体の見通しに関する資料の収集、民間調査機関からのヒアリングの実施など鋭意工夫を重ねてきているところであります。
 今後とも、さまざまな視点から創意工夫を加えていくほか、有効な資料の収集に努め、適切な税収見積もりを行うべく、より一層努力してまいる所存であります。
 国の財政情報につきましては、昨年十月に国の一般会計及び特別会計を対象とし、企業会計の手法を考慮した国の貸借対照表(試案)を公表するなど、その適切な開示に努めてきたところであります。
 警察の不祥事案の再発防止対策につきましては、平成十二年八月に取りまとめた警察改革要綱に基づき、警察における監察体制の整備、警察法の改正等による公安委員会の管理機能の強化、警察職員に対する教育の充実、懲戒事案の発表基準の策定等による透明性の確保等の施策を推進し、警察に対する国民の信頼の回復に努めているところであります。
 今後とも、新たな治安情勢に対応した警察改革に積極的に取り組んでまいる所存であります。
 防衛装備品に関する調達業務の透明性、公正性の確保につきましては、平成十一年四月に取りまとめた調達改革の具体的措置に基づき、競争原理の強化、原価計算に係る運用基準の明確化、企業側提出資料の信頼性確保、過払い事案処理に関する統一的かつ明確な基準の策定等の調達制度改革、職員教育の充実、調達実施本部の解体による原価計算部門と契約部門の組織的分離、防衛調達審議会の新設等の調達機構改革等及び自衛隊員の再就職手続の改正等、調達改革の推進に努めているところであります。
 今後とも、調達改革を推進し、調達業務の一層の透明性、公正性の向上を図ってまいる所存であります。
 核燃料物質加工施設の事故の原因究明につきましては、原子力安全委員会に設置されたウラン加工工場臨界事故調査委員会において検討を行い、臨界事故の原因を明らかにするとともに、再発防止のための提言を示した最終報告を取りまとめたところであります。
 さらに、核燃料物質加工施設の事故の再発防止と原子力防災対策の強化につきましては、施設の運転管理段階における安全規制の強化を図るため、加工事業者に対する施設定期検査の受検等の追加、保安規定の遵守状況に係る検査(保安検査)制度の創設、加工事業者による保安教育の義務の明確化、従業者による申告制度の創設、原子力保安検査官の設置等を内容とした核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部改正が行われたところであります。
 また、原子力防災対策の抜本的強化を図るため、原子力災害対策特別措置法が制定され、原子力事業者に対して原子力防災資機材を整備すること、異常事象が発生した際の国等への通報を義務づけること、さらに国においては、緊急時に国、自治体、事業者等が情報の共有や連携した防災対策を行う施設、オフサイトセンターの整備を推進すること、原子力事業所所在地域に原子力防災専門官を配置することなど、緊急事態に備え準備を進めているところであります。
 他方、核燃料物質加工施設の事故の被害者救済につきましては、臨界事故に係る損害の賠償責任を早期に全うするよう事業者に対し指導するとともに、原子力損害賠償紛争審査会を設置し、損害の賠償に関し、万が一紛争が生じた場合にも対応できる体制を整えているところであります。
 なお、周辺住民等の健康不安に適切に対応するため、関係地方団体と連携、協力して、周辺住民に対して健康管理を行ってきているところであります。
 今後とも、原子力行政に対する国民の信頼の早期回復を目指し、事故の再発防止等に努めてまいる所存であります。
 各都道府県教育委員会等に対する事業予算の適正な執行につきましては、委嘱等事業予算の不正経理の再発を防止するため、各都道府県教育委員会等に対し、予算の適正な執行について会議、文書を通じて指導を行うとともに、平成十一年度より適宜、事業の実施状況及び経理処理状況の実地調査を行い、さらに各都道府県教育委員会等から提出される報告書類について、経理の処理状況の内容がより的確に把握できるよう様式の変更を行ったところであります。
 また、指摘を受けた二十六府県教育委員会等につきましては、厳重に注意するとともに、目的外の用途に使用した金額について返還の措置を講じ、既に返還させているところであります。
 今後とも、このような事態が生じることのないよう各都道府県教育委員会等に対し十分指導を行うなどして予算の適正な執行に努めてまいる所存であります。
 山陽新幹線のトンネルコンクリート剥落事故につきましては、事故直後、全鉄道事業者に対しトンネルの安全点検を指示し、特にJR西日本に対しては山陽新幹線トンネルの従来にない徹底した安全総点検を指示し、安全の確保に努めたところであります。
 また、トンネル安全問題検討会を開催し、事故原因の究明と点検方法、補修方法等を含めた鉄道トンネルの保守管理のあり方を取りまとめるとともに、全鉄道事業者に対しこれに基づき鉄道トンネルの保守管理を実施すること等の指示を行ったところであります。
 今後とも、鉄道トンネルの安全確保が図られますよう、適切な指導を行ってまいる所存であります。
 以上が平成八年度及び平成九年度決算に関する参議院の議決について講じました措置であります。
 政府は、従来から、決算に関する国会の審議議決、会計検査院の指摘等にかんがみ、国費の効率的使用、事務事業の運営の適正化、不当経理の発生の防止等について特に留意してまいったところでありますが、今後とも一層の努力を続けてまいる所存であります。
 以上であります。

○委員長(谷川秀善君) それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○加納時男君 自由民主党の加納時男であります。
 三点伺いたいと思いますが、一点目はエネルギーの安全保障について、二点目は地球温暖化防止対策について、三点目が、今、塩川財務大臣から御報告いただきました予備費の使用状況についてであります。
 まず、エネルギーの安全保障でありますけれども、これは経済産業省並びに防衛庁に関するものでございます。
 ブッシュ大統領が、五月十七日の日に、アメリカの国家エネルギー政策というものを発表いたしました。この中で非常に印象深かったのは、アメリカはペルシャ湾岸への石油の依存を高めている、輸入石油もふえてきている、これはアメリカにとって非常に脅威である、エネルギーの安全保障は大事であるということを強く言っているかと思います。
 これに関連して、まずデータを確認したいと思いますが、次の項目について日米の数字を挙げていただきたいと思います。
 一つ目は、一次エネルギー全体に占める石油の比率、アメリカと日本。二つ目は、その石油に占める輸入石油の割合、俗に言う石油の輸入依存度。三点目は、その輸入している石油のうちどれだけを中東に依存しているかという輸入石油の中東依存度。以上、三つの項目について教えていただきたいと思います。

○副大臣(松田岩夫君) お答えいたします。
 一次エネルギー総供給量に占めます石油の比率は、日本が五二・〇%、米国が三九・八%となっております。
 なお、このデータ、米国のデータはIEA統計による一九九八年、これが最も最新のものでございます。我が国のデータは、総合エネルギー統計による一九九九年のものでございます。
 次に、石油消費量に占めます輸入の比率は、同じ統計データでございますが、日本が九九・七%、米国が五五・七%となっております。
 また、輸入石油に占めます中東分の比率は、これは二〇〇〇年の最近のデータでそれを申し上げますが、日本が八五・七%、米国が二五・一%となっております。

○加納時男君 ありがとうございました。
 今、副大臣から言われた数字を掛け算してみました。何が出てくるのかといいますと、一次エネルギーに占める石油の比率、その石油の中の輸入の比率、輸入の中の中東分、これを全部掛け算しますと、分母、分子が約分されまして、出てくるのは一次エネルギーに占める中東からの石油輸入という数字であります。つまり、国民の命をどれだけペルシャ湾岸にかけているかということであります。
 今いただいた数字をさっと計算しますと、アメリカは四%、日本が四四%。つまり、アメリカのブッシュ大統領は非常にアメリカのエネルギー脆弱性を強調して新しいエネルギー政策を立てようということを国民に訴えましたけれども、翻って日本を考えてみると、そのアメリカの十一倍、十倍以上も脆弱である。この指標を私はエネルギーの脆弱性指標と呼んでみたいと思うんですけれども、その脆弱性の指標は、日本の方はアメリカの十倍以上もあるということであります。
 だとすると、私の質問でありますが、これだけアメリカでもエネルギーの安全保障を重視していきたいと言っているときに、日本でのエネルギー政策の中で、エネルギーのセキュリティー、安全保障あるいはエネルギーの安定供給、こういったことはエネルギー政策の中でどのような意味合いを持つんでしょうか。そんなのはどうでもいいよ、ともかく規制緩和をやってどんどん値下げしていけばいいんだといったことなのか、セキュリティーこそ国民の命のかかっている最も大事なことと思うのかどうか、その辺をお答えいただきたいと思います。

○副大臣(松田岩夫君) 委員御指摘のとおりだと思います。
 今、簡潔に我が国の中東依存度の重みをお話しになりました。あえて繰り返しませんが、御指摘のとおりでございまして、そういう意味では我が国のエネルギーの供給構造はまことに脆弱であります。エネルギーの安定供給の確保は今後とも最も重要な政策課題だと考えております。

○加納時男君 ぜひともそのセキュリティーということを前面に置いた政策、具体的なことは、きょうは総括的な質問ですから細かいことは一切触れませんけれども、当然、副大臣御存じのとおり、エネルギーの伸びを経済成長から分離する、いわゆるエネルギー需要の効率化が第一であろうと思いますし、それでも必要なエネルギーを極力石油から石油以外にシフトする、あるいは石油でも輸入先を多角化していく、あるいは自主開発原油を努力していく、いろんな政策があるだろうと思いますので、よろしくお進めいただきたいと思っております。
 きょうは総括ですからこの辺にしますけれども、これに関連して防衛庁長官に伺いたいと思います。
 今申し上げました日本の石油脆弱性、エネルギーの脆弱性、特に中東に対する依存度が非常に高いということ、日本人の命の四四%がホルムズ海峡経由の石油にかかっているということで考えますと、ホルムズ、マラッカを経由してくる長いシーレーンの安全保障というのが非常に重要だと思っております。
 そこで、防衛庁長官に伺いたいと思うんですが、日本人の生命線とも言えますシーレーンの確保、危機管理について、防衛庁ではどのようなお考えで、どのような対策を講じておられるでしょうか。

○国務大臣(中谷元君) 日本は四面を海に囲まれておりますし、国民の生存にかかわる資源エネルギーをたくさん海外から依存しております。そういう観点で、シーレーンを防衛して海上交通の安全を確保するということは必要でございますが、具体的には、シーレーン防衛におきましては、我が国周辺数百海里、航路帯を設ける場合にはおおむね一千海里の海域において護衛艦、哨戒機等を用いて広域哨戒、船舶の護衛、港湾、海峡の防備等、各種作戦を組み合わせて行うことを考えております。
 防衛庁といたしましては、これらの作戦に必要な防衛力の整備に努力しておりまして、例えば昨年十二月に策定されました新中期防におきましても、飛行性能や捜索能力のすぐれたP3C、固定翼哨戒機の開発に着手するとか、洋上防空能力が格段にすぐれたイージス艦二そうを新たに整備すること等を盛り込んでおりまして、今後とも海上交通の安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。

○加納時男君 今の防衛庁長官のお答えは非常にわかりやすかったと思います。
 今のお話では、まずポイントが幾つかあったと思うんですが、一つは、一千海里という言葉が出てきました。要するに、日本の近海について、一千海里とちょっと頭の中で想像してみますと、台湾の東側ぐらいまでかなという気がします。とてもホルムズ海峡に届かないと思いますけれども、一千海里程度のところであると。それから、今のお言葉の中で掃海艇、これは恐らく機雷対策じゃないかと思いますが、機雷の除去であるとか、あるいはP3Cというので、恐らく潜水艦の動向をウオッチするのかなと。間違っていたら直していただきたいと思いますが、さまざまな警備をやっていく。これで日本の生命線が十分に図られるのかどうか、それが私の質問のポイントなんです。
 つまり、どこまで日本の生命線を確保するためにやっていくのか。それ以上のことはもう日本では手が出ないということなんでしょうか。

○国務大臣(中谷元君) 一般論といたしまして、一千海里を超える場合は日米安保体制によりまして米海軍に期待をするということとなりますが、実際には、我が国船舶の安全確保のために必要な場合には、事態に応じて最も適切な措置を講じまして海上交通の安全確保に万全を期してまいりたいと思います。
 なお、適切な措置と申しますと、米軍や国連の対応といった国際情勢、また我が国船舶への影響、さらに自衛隊の能力等を総合的に勘案しまして最も適切な措置が検討されると考えております。
 以上です。

○加納時男君 日米安全保障条約に基づく米軍の来援を待つ、あるいは米軍に対するいろんなさまざまな面での防衛協力をお願いするということになろうかと思っております。
 我が国でできる範囲のことはしっかりやっていただきたい。そのための必要な装備は近代化を図っていくということだろうと思います。
 そこで、もう一つ防衛庁長官に伺いたいと思うんですが、実際に日本の防衛力はどの程度の能力を持ったらいいのかということでございます。
 防衛大綱、関係のあるところをちょっと読んできたんですけれども、日本の防衛力の程度としては、「必要な機能の充実と防衛力の質的な向上を図ることにより、多様な事態に対して有効に対応し得る防衛力を整備し、同時に事態の推移にも円滑に対応できるように適切な弾力性を確保」することとしているわけであります。
 抽象的にはよくわかるんですけれども、具体的にちょっと伺ってみたいと思います。例えば、このような機能を果たしていく上で、実際に直接侵略が生じた場合にどの程度の継戦能力があるのか。俗に抗堪性と我々はよく言っておりますけれども、そういうものが十分なのかどうか。この辺はどうでしょうか。

○国務大臣(中谷元君) 継戦能力についてのお答えでございますけれども、これにつきましては、相手側の侵略の形態が千差万別で、さまざまでございますので一概にお答えするのは困難でございますけれども、防衛庁といたしましては、万が一侵略が行われた場合にも所要の運用が行われるように、装備、弾薬、燃料等の面でバランスがとれた防衛力の整備に努めているということが大事だというふうに考えておりまして、そのように整備をいたしております。

○加納時男君 バランスのとれた弾薬等の整備にも配慮しているということですけれども、ならば伺いたいんですけれども、例えば私も継戦能力の詳しいデータを一々挙げてください、弾は何日間もちますかなんてことはあえて聞きません。これはやはり相手のあることでありますし、それを明らかにすることが日本に対する脅威になる可能性もありますから、そういうことは聞こうとは思っておりません。
 公表しているデータで申し上げますと、平成十年度の調達本部の調達実績というのがあります。これを私は読んでみたんですけれども、弾火薬が八百四十四億円、平成十年度の決算でありますが、燃料が四百七十九億円とあります。防衛費というのは大体GDPの一%弱ぐらいで推移しておりまして、大体四兆一千億円ぐらいじゃないかと思います、防衛費全体で。割り算してみたんですけれども、そうすると弾火薬が大体一・七%、燃料が大体一・〇%なんです。
 これで十分なのかどうか。つまり、弾を撃ったらあとの弾がないといったようなことがあっては困りますし、それから例えば燃料でありますけれども、実際に作戦行動に入った場合には大量のエネルギー、特に石油系の燃料が要るわけであります。演習のときにいろいろ民間から借りているとか協力してもらっているという話も聞いたことがありますけれども、私が心配なのは、これで十分でしょうかということが質問であります。
 決算委員会ですから決算の状況についての質問でありますが、平成十年度の調達実績、今申し上げた弾火薬、燃料について、私の挙げた数字がもし合っているとすれば、違っていたら直していただきたいんですが、合っているとすると一・七%、一・〇%で、これは十分なものでありましょうか、いかがでしょうか。

○国務大臣(中谷元君) ただいま御発言の数字はそのとおりでございます。
 なお、防衛庁の燃料、弾薬の所要量ということでございますが、御指摘のとおり手のうちを明かすことになりますのでお答えは差し控える必要がございますけれども、基本的に、各年度で予算が編成されておりますが、当初年度の教育訓練、警戒監視を初めとして所要の任務の必要最小限を確保するほか、調達のリードタイムを考慮したランニングストックを保有いたしております。また、弾薬につきましても、年度の教育訓練に必要とする所要量のほかに、万が一侵略が行われた場合に所要の運用が行われる量の弾薬を保有いたしております。
 なお、これで十分かといいますと、緊急事態もございますが、継戦能力の観点からは、弾薬、燃料につきましては、飛行機をつくったり船をつくったりする多年度にわたることではございませんので、ある程度緊急輸入とか緊急増産、これの措置も可能なようにいたして考えております。
 今後とも、このような観点を考慮しつつ防衛力の整備を行いまして、国民の負託にこたえたいというふうに思っております。

○加納時男君 この問題はこの程度にしたいと思いますけれども、希望としては、装備ですとかあるいは新しい機材、こういったものにどうしても目が行きそうだと思いますけれども、防衛予算は正直に言って、見ていますと人件費のウエートが結構高いんです。高まっている人件費のウエートが妥当かどうか、そして何よりも私は抗堪性といいますか、一発弾を撃ったらあとがないとか、船を動かしたら次の石油がないとか、これが一番困るわけでありますから、石油は今増産とか緊急輸入とかおっしゃったんですけれども、石油の増産も緊急輸入もなかなかできないのが緊急事態だと思いますから、ぜひとも石油の備蓄も含めまして御検討をいただきたいということを希望申し上げて、この項は終わりたいと思います。
 続いて、二番目の問題の気候変動防止条約に関する問題について、これは環境省の川口大臣、それから経済産業省に関係して幾つか伺ってみたいと思っております。
 まず、京都議定書に対しまして世界でさまざまな意見が今出ておりますけれども、先週六月十一日にアメリカから新しい方針というのが打ち出されたわけでございます。これについてまた議論をしていますと何時間もかかることなので、きょうはその中で、日本のマスメディアではアメリカは考えを変えろ、ともかく早く批准に踏み切れという意見が多いんですけれども、私も京都議定書の批准というものは必要でありますし、ぜひとも進めていかなきゃいけないと思うんですが、アメリカが言っている論拠の中でこれは理ありと思われることもないではないわけであります。
 例えば、京都議定書をめぐる交渉の中で三つグループがあります。御存じのとおり、EUグループ、それからグループ77プラス・チャイナと言っていますが発展途上国グループ、それからアメリカ、日本といったようなアンブレラグループと三つあると言われております。この中で、発展途上国の方々が人口で現在世界の八割、間もなく九割に達しようと。この発展途上国の人たちが参加しない、何らのオブリゲーションもなしにアメリカが一方的に義務を負うのは困るという言い分は、私もこれはアメリカに何度も行って環境の関係者とも議論をしておりますけれども、川口大臣の訪米された後も私はワシントンに参りまして、川口大臣の御主張がアメリカの人たちも、賛成はしなかったけれども、よく話は理解したというところからまたスタートして議論しておりますが、これについて、発展途上国の参加問題については大臣はどうお考えでしょうか。

○国務大臣(川口順子君) ブッシュ大統領は、三月に発表いたしました京都議定書に対して支持をしないという手紙の中で、発展途上国が参加をしていないということを京都議定書を支持しないことの理由として挙げています。
 これは、京都議定書の母体となっております温暖化のための枠組み条約がございまして、その中には、共通であるが差異のある責任というふうに明記をされておりまして、まず先進国から取り組むべきであるというふうに書かれているわけでございます。
 それから、京都議定書のベースになりましたベルリン・マンデート、これは第一回の締約国会合でできたものでございますけれども、その中で、まず二酸化炭素排出量の多い先進国から取り組みを開始しまして、途上国には何らの新しい約束も導入しないというふうに明記されているわけでございます。
 ということで、日本といたしましては、まず京都議定書の運用ルールにつきまして国際合意を得るということとともに、途上国の模範となりますように温室効果ガスの六%削減、これが日本に課せられた義務でございますけれども、それを確実に達成するための国内的な諸制度の構築に全力で取り組んでいきたいというふうに考えております。
 それから将来的に、委員がおっしゃられましたように途上国の排出量が非常に大きくなっていくわけでございまして、二〇一〇年には先進国のそれを上回るであろうというふうに予測がされております。したがいまして、途上国を対象に対策を進めるということも大事なことだと考えております。
 これまでに我が国は、アジア太平洋地域を中心にいたしまして、人材育成ですとか政策対話、あるいは円借款等でさまざまな支援を実施してきております。今後とも、途上国の積極的な取り組みを支援してまいりたいと存じます。

○加納時男君 ありがとうございました。大臣の所見に賛成でございます。
 私も、実は国連の会議を初めいろんな会議にこれまでも出てまいりましたし、京都のCOP3のときには会場に全期間中張りついてさまざまな会合にも出席させていただき、意見も述べてまいりました。その後、この政治の世界に入ったわけでございますが、一番悩み深いのは、私はブラジルのリオデジャネイロとか北京とかいろいろな会合で発展途上国の仲間の人たちと議論をしました。
 彼らが言うのは、まさに、自分たちはこれまで地球に対して負荷をかけていない。確かに人口は多いかもしれないけれども、圧倒的多数の温室効果ガスの排出者は一握りの先進国ではないか。だから先進国がまず率先してやってくれということであります。さっきおっしゃった、共通だが差異ある責任、コモン・バット・ディファレンシエーテッド・レスポンシビリティーズというような言葉で我々は言っておりましたけれども、それは確かにあります。
 だけれども、同時に発展途上国の人たちにこんなことを言ってきたわけです。確かにあなた方の言っていることはよく理解できます。これまで人口がわずか二割ぐらいの先進国が、世界の六割以上のエネルギーを使い温室効果ガスを出して地球に負荷をかけてきた。先進国がまずやるべきことは、自分たちの使い捨てのライフスタイル、過剰だらけのライフスタイルをもっとシンプルに、もっと循環型に変えていくことです。これを私たちはやっていきますということを言いました。
 その上であなた方にも考えてほしいことは、我々は同じ地球というボートに乗っている仲間ではないか。しかもその仲間、発展途上の仲間はこれからウエートが大きくなってくる。今まさに大臣がおっしゃったように、エネルギーの消費量でも温室効果ガスの排出量でも間もなく地球全体の五〇%以上はあなた方が出すことになるんだ。だとすれば、一緒に考えようじゃないか。決して義務づけようとは私どもは思わない。自主的に立ち上がってくれませんか。一緒に地球の温暖化防止を考え、行動しようじゃありませんか。私どもとしては、技術移転、テクノロジートランスファーでありますとか、あるいはCDM、クリーン・ディベロプメント・メカニズムとかいろんなスキームを通じて発展途上国の成長と地球の温暖化防止を同時に実現したい。こういうことを訴えてきたわけであります。それで、わかってくれたのかなと思うと、拍手はしてくれるんですけれども、どうですか、これで振り分けに参加してくれますかというと、ノーだと言うので非常につらいんです。
 ここで大臣のお答え、もう一度伺うまでもないと思いますけれども、そういうこともありますけれども、何か私の申し上げたことで御所感がありましたら伺いたいと思います。

○国務大臣(川口順子君) 委員が発展途上国の方々に対しまして今おっしゃられたような働きかけをやっていてくださるということは、私といたしましても大変にうれしく、また力強く考えて、感じております。
 発展途上国が、次の段階から何らかの責任を持ってこの国際的な枠組みに参加をしてくれるということが必要であるとほとんどの先進国は考えていると思います。具体的なその点についての話し合いはこれからということでございますけれども、発展途上国は今同時に、主たる大きなエネルギー使用国である中国ですとかインド等につきましてはみずから温暖化ガスの削減に取り組んでいる国もございますし、私といたしましては、そういう国がそういった取り組みをほかの国々に対して公表をしていくということもエンカレッジしたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、委員の働きかけ、あるいはほかの方々がそういった働きかけをしていただけることは、非常に心強く考えております。

○加納時男君 ありがとうございました。
 ちょっと話題が変わりますけれども、やはり環境問題でございます。
 旧総理府の世論調査結果が発表になったので、それを拝見しました。それを見ますと、国のエネルギー政策に望むものは何ですかというプライオリティーを九項目書きまして、国民に複数投票で世論調査をしたものであります。
 国民が望むエネルギー政策は何か。一番に挙がったのが環境に資するエネルギー政策、環境調和というのが一丁目一番地で非常に高い支持がございました。やや差が下がりましたけれども、第二位に入ったのが供給の安定性であります。それに続いて省エネルギー対策を進めること、これがくっついておりました。ずっと下がりまして、最後の方に出てきたのは、七番目ですけれども、規制緩和による料金値下げということであります。
 世論調査で政治をやれと私は決して言いませんけれども、世論調査というのも一つの重要な参考となる国民からの私はメッセージだと考えております。環境第一というこの総理府の世論調査、第二が供給の安定性、こういう世論調査結果が出たんですけれども、環境大臣、何かお感じになったことがあれば。

○国務大臣(川口順子君) エネルギーと環境というのは、非常に密接に関係があるというふうに私どもはかねがね思っているわけでございますけれども、国民の方がそういった環境の保全におけるエネルギー政策の重要性をきちんと認識していただいているということはとても適切なことであるというふうに考えております。
 省エネルギーも、そういう意味ではエネルギー政策の重要な柱で、あるいは環境保全という観点から重要なことでございますし、新エネルギー、再生エネルギーというのも重要であるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、そういった国民の皆様の認識、感覚は非常に重要なものだと思っております。

○加納時男君 ありがとうございます。
 なお、防衛庁長官、私の質問は終わりでございますので、どうぞ御退席くださって結構でございます。お疲れさまでした。
 川口大臣に、もう一つ伺いたいと思います。
 アメリカのブッシュの新政策の中で、供給の信頼性ということを、リライアビリティーが大事で供給力をふやしていこうということが一つと、同時に、環境についてブッシュは決してネガティブだけに言っているんじゃなくて、方法論について今議論しているだけでありまして、環境、特に温室効果ガスを発生しないエネルギーは重要である、その観点から原子力は欠かせないということをブッシュ大統領は言っておりますけれども、環境面から見た原子力について、大臣いかがですか。

○国務大臣(川口順子君) 委員が御指摘になられましたように、ことし、アメリカの国家エネルギー政策におきまして、原子力は温室効果ガスを排出せずに今後大きな役割を果たすことが可能であるというふうにされていることは私も存じております。
 日本の温暖化対策における原子力の位置づけでございますけれども、平成十一年に閣議決定をされました地球温暖化対策に関する基本方針というのがございまして、その中で原子力につきましては、原子力の開発利用については、原子力基本法等に基づき、放射性廃棄物の処理処分対策を充実させつつ、安全性の確保を前提として、国民的議論を行い、国民の理解を得つつ進めるというふうにされております。
 アメリカの今回のエネルギー政策に原子力を位置づけるという考え方も、これと同様の趣旨であろうかというふうに思います。

○加納時男君 この平成十一年度の閣議決定のいきさつも私も今思い出しつつ伺っておったんですけれども、いろんな条件がいっぱいついていますけれども、ともかく進めるというのが結論でありまして、当然のことが幾つも、廃棄物の処分に留意するとか、安全性を確保するとか、国民の理解は当然のことでありまして、結論は推進するというところが大事だというふうに私も今の大臣のお言葉を理解したところでございます。
 さて、経済産業省の方にきょう御出席いただいておりますので伺いたいと思いますけれども、アメリカの原子力というものは、このところ著しくパフォーマンスといいますか成績がよくなってきております。非常に稼働率が上がりまして、九〇%近い稼働率を示しております。その結果、この十年間で一基も原子力発電所はふえていないにもかかわらず、事実上二千万キロワットぐらいの発電所をつくったのと同じぐらいの発電電力量の増加が原子力で見られているわけであります。
 そこで、これは原子力安全・保安院長に対する質問になるんでしょうか。日本でも、例えば原子炉の熱出力一定運転をやるとか定期検査を一層合理化するとか、ただ単に短縮というだけじゃなくて、理に合わないものを理に合うようにする、技術進歩を反映する、そういった点で見直しを当然していらっしゃるかと思いますが、進行状況について伺いたいと思います。

○副大臣(松田岩夫君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、アメリカにおきましてはこの十年間で原子力発電所の平均設備利用率が六六%から八七%に向上しておりまして、単位時間当たりの発電量の伸びも百万キロワット級原子炉約二十基分に相当するという計算になります。御意見のとおりでございます。
 我が国におきましては、原子力発電所の平均設備利用率が一九九〇年度の七二・七%から二〇〇〇年度には八一・七%に向上しているところでございますけれども、事業者の計画では、今後も安全管理の徹底は当然のことでございますが、そういうことによりまして、トラブル停止の低減等いろいろ図りまして設備利用率の向上に取り組むこととしておりますことは御案内のとおりでございます。
 原子力につきましては、もちろんのこと安全確保が大前提であります。安全規制については、常に最新の知見やこれまでの経験を踏まえて見直しを加え、実効性を向上していくことが必要でございます。こういった観点から、今委員御指摘がございました熱出力一定運転につきましては、現在検討を進めております。
 また、もう一点御指摘がございましたが、定期検査の高度化につきましてもこれから検討を行っていきたいと考えておりまして、これらの検討結果を踏まえまして、さらに、安全確保はもちろんのことでございますけれども、規制の実効性、合理性を高めていくということにつきましても努力していくべきことであると考えております。

○加納時男君 私は必要な規制は必要だと思います、当たり前のことでありますけれども。一切の規制をやめちゃえとかそういうことではなくて、必要な定期検査、安全に重点を置いてやっていくことはもちろん大切でありますけれども、時代の進歩、特に技術の進歩を反映して、より高度化、より合理化をしていくということは当然必要だということで、ぜひこれは御検討を、検討だけじゃなくて実施もお願いしたいと思っているところであります。
 もう一つ伺いたいんですが、これまで経済産業省では電力市場の自由化ということを精力的に進めてこられました。私は市場の自由化、規制緩和には基本的に賛成の立場であります。その上での質問になりますけれども、これは環境大臣にも伺いたいと思うんですけれども、これまで自由化、IPPとかPPSとかという名前で、独立系の電気事業者だとかそれから発電並びに供給事業者というようなことに訳すんでしょうか、そういうのが、いわば新規参入者が市場に入ってきた。私はいいことだと思うんです。こういうもので切磋琢磨して値段が下がっていくというのはむしろ大歓迎だと思います。
 問題は、環境問題からこれについて質問したいんですけれども、出てきた新規参入者が石炭火力とかあるいは石油火力といった化石燃料ばかりなんです。CO2をもくもく出すわけであります。もくもくというのは変ですけれども、たくさん出すわけであります。こういうものはどんどん出していっていいよ、一方で環境は大事ですと。あっち向いてほいじゃないですが、こっち向いて何か自由化、こっち向いて温暖化防止、その間に全然連絡がないというのはいかがなものか。私が環境省にもし勤めているとすればもうたまらない話なんですけれども、環境大臣、これはいいんですか。

○国務大臣(川口順子君) 電力の自由化につきまして、環境大臣の立場から何か申し上げる立場には必ずしもございませんけれども、あえて申し上げれば、私も個人的には委員と同じように電力の自由化というのは大事なことだというふうに思っておりまして、基本的にはこれを進めるべきものだというふうに思っております。同時に、委員がおっしゃられましたように、自由化が環境保全ということにもたらす影響につきましては、今国際的にも有識者の間では問題意識に上ってきているというふうに思います。
 これをどう考えるかということでございますけれども、私は、自由化はそれはそれで非常に大事でございますので、自由化をとめるということではなくて、むしろその流れに合わせて、環境保全のために必要な政策、規制でありましたりあるいは経済的な措置であったりということでございますが、それを同時にとっていくということが大事なのではないかというふうに考えております。

○加納時男君 同じ質問を経済産業省にしたいと思います。これは松田副大臣ですか。よろしくお願いします。

○副大臣(松田岩夫君) 御指摘のように、平成七年の電気事業法改正で導入されました卸電力入札制度におきましては、火力電源を募集対象としている関係から、一部の例外を除きましてすべて化石燃料を使用してございます。
 まさに環境適合性の観点から自由一辺倒でよいのかというお尋ねでありますけれども、もう委員御案内のとおり、電気事業というのは、当然環境も大事でございますし、また先ほど来から委員御指摘のとおり、安定供給というものもこれまた極めて大事でありますし、また同時に、一般的に申しまして、なお日本の電力料金というのは我が国経済のある意味での高コスト構造の一つだという御指摘も一方であるわけでございます。そういう意味で、電力の効率性といいますか、産業としての効率性というものもこれまた考えていかなきゃならぬ重要なポイントであります。これらをいかに三方、三方三損といいますか、三方を立てていくということがエネルギー政策としても最も重要な視点だと、このように考えておるわけでございます。
 部分自由化を平成十二年三月からいたしておるわけでございます。先ほどもおっしゃいましたPPS等もそれで入ってくるわけでございますが、十二年三月から数えておおむね三年をめどに自由化にかかわる制度の検証を行うということになっておるわけでございます。
 今申されたような視点も含めまして、その検証の際には、当然こういった公益的な課題への悪影響といったものがどうなのかといったことも踏まえまして、自由化の制度はいかにあるべきかという検証をしていくことに当然なると考えております。

○加納時男君 ありがとうございました。
 供給の安定性と環境の適合性とそれから経営の効率化、三つが大事だというのはこれはもうだれでも異論はないわけです。
 私が一番気になっているのは、これらをそれぞれ総合勘案してやっていくんだというので総合勘案した結果、専ら規制緩和、値下げしかやってこなかったという批判もあるということも申し上げたいことでありますし、それから高コスト構造と盛んに言われましたけれども、ならば国民がその高コスト構造、日本はあらゆるものが高いわけです。あらゆるもの、多くのものが高いわけです、労働賃金にしましても土地代にしましても漁業補償にしても。こんな、やってない国もいっぱいありますけれども。
 いろんなものが高い中において、ではこういうエネルギー料金だけを下げろというのが国民の圧倒的な声かということで、世論調査が行われた結果、さっき申し上げたとおりです、繰り返しませんけれども。高いから早く下げろ、規制緩和をやって下げろというのはあるけれども、終わりから三番目。多かったのが環境と安定性だったということも再度申し上げておいて、さらに三年後の検証をしっかりやっていきたいということで終わりたいと思います。
 残った時間で、お待たせしました、財務大臣に予備費の件で若干伺いたいと思います。
 先ほど御説明を伺いました。その中で、平成十一年度公共事業等予備費の使用状況の主なものといいますか、どういうところに使ったのか。先ほど抽象的な御説明がありましたけれども、それによる景気の下支え効果はあったのか。この辺を伺いたいと思います。

○副大臣(若林正俊君) 平成十一年度の公共事業等予備費の使用状況、その使用による効果等について御質問がございました。
 平成十一年度の公共事業等予備費は、御承知のように五千億円計上したわけでございます。この五千億円につきましては、使途等についていろいろ検討いたしましたが、まずは年度内に経費の不足が見込まれているもの、景気浮揚効果が大きいもの、即効性があるものを対象として、経済波及効果の大きいプロジェクト、二十一世紀の国民生活の発展基盤、沖縄・九州のサミット等の緊急個別課題、さらに災害復旧に要する経費に使用したところでございます。
 これらは、民間需要の回復力が弱く、雇用情勢が厳しい状況にあるなど、予算編成時には予見しがたい状況にありました。これに機動的に対処するために、追加的な財政支出の必要が生じていたという十一年九月時点の景気動向を踏まえまして使用を決定したものでございまして、こうした公共事業等予備費の使用は、当時、景気の悪化を防ぎ、その下支えに大きく貢献したものと考えております。
 なお、使途別に言いますと、国家的プロジェクトの推進として千五百五十億、二十一世紀発展基盤整備として千四百六十七億、緊急課題対応として千三百六十二億、災害復旧等六百二十億でございます。

○加納時男君 副大臣、ありがとうございました。
 今お話を伺っていて、予備費というのは一体何なんだろうかということを伺いたいと思います。
 憲法の八十七条には、「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。 すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。」とあります。
 これをちょっと整理してみますと、予備費の目的というのは「予見し難い予算の不足に充てるため、」と明確になります。あとは手続が三つありまして、一つは事前に国会の議決で予備費を決めておくことだと、二つ目は支出は内閣の責任と、三つ目は事後に国会に報告、きょうでありますけれども、承認を求める、これは手続ですね。
 この目的でチェックしてみたいと思うんですけれども、財政法二十四条というのはこの手続を書いているだけでありまして、「予見し難い予算の不足に充てるため、内閣は、予備費として相当と認める金額を、歳入歳出予算に計上することができる。」、これは手続を言っているだけでありますから。絞っていきますと、こういうことになるんですね。
 今、若林副大臣からお話のあった支出というのは、「予見し難い予算の不足」に当たるのかどうかというのは、私はちょっとわからないところがあります。
 例えば予算書、私は予備費を読んできたんですが、例えば合同庁舎の整備百十億円、それから高規格幹線道路六百九十億円、関空二期工事百六十億円とあります。これが全部必要な工事だということは私はわかります。私の質問は、「予見し難い予算の不足」であったのかどうか、これはどうでしょうか。

○副大臣(若林正俊君) お答えいたします。
 今、委員御指摘の使用の事業そのものにつきましては、それぞれ継続的な事業もありますし、また次年度予定をしていた事業というものもあると思います。
 「予見し難い」とは何かと申しますと、やはり財政が景気調節のために有力な手段であるということで予算編成が行われるわけでありまして、この場合は、予見しがたい経済情勢の推移等に機動的に対処するための追加的な財政支出の必要が生じているということも「予見し難い予算の不足」に該当すると、このように考えているわけでありまして、平成十一年度の公共事業等予備費につきましては、先ほども申し上げましたけれども、民間需要の回復力が弱く、雇用情勢が厳しいという状況でございます。
 そのような事態は、予算作成時には予見しがたい状況にございます。それに機動的に対処するために、追加的な財政支出の必要が生じたという十一年九月当時の景気動向を踏まえて使用を決定いたしたものでございまして、その意味で憲法あるいは財政法に照らして、予見しがたい予算の不足に充てるものというものと考えているところでございます。

○加納時男君 時間の制約もありますので、細かく議論できないのが残念ではございますけれども、印象から申し上げますと、予見できない事態というのは、事態そのものが予見できないという事象が起きた、例えば災害対策と、これは非常にわかるんですけれども、今の副大臣のお話をもう少し拡大して考えますと、予見できたような景気の状況じゃなくて、予見できないような景気の落ち込みがあった、そういう事態が生じて何かやろうと思ったら予算が不足したと、こんなふうに理解したいと思います。
 これ以上この問題は私は結構だと思いますが、やっぱりどうしてももう一つ伺いたいのは、補正予算との関係です。
 予見できない事態が発生したときどうするのかというと、これは常識の話ですけれども、当然補正予算じゃないかと私は思います。
 では、補正予算を組まなくて予備費にするのはどういうケースかと、今までの例をいろいろ調べてみると、補正予算を組むほどの必要のないような規模であるというような、規模の問題が一つ。それからもう一つは時間的余裕、補正予算を組むための時間的な余裕がないと。規模と時間という二つの因子があったときに、補正予算じゃなくて予備費というふうに私は理解しているんですけれども、この理解は間違っていますか。今回の支出はそれで説明できるかどうか伺いたい。

○副大臣(若林正俊君) 委員御指摘のように、予見しがたい事態が発生して、当初予算で定められました予算では経費が不足する場合の対応としては補正予算がございます。
 予備費は、補正を必要としない程度のものだというお話ございましたけれども、こういう予見しない事態が年度途中に生じた場合の対応としては、補正予算と予備費が財政法上設けられるところでありますけれども、一般的に、補正予算によりますかあるいは予備費によりますかは、これは内閣にゆだねられているものと解されております。
 十一年度の公共事業等予備費につきましては、先ほど申しましたように、機動的な対処を図るために予備費を計上してありますその五千億の予備費を使うということに決めたわけでありまして、景気回復に万全を期する観点から適切な方法だったと思っております。
 なお、予算の国会審議権という問題があわせ出てまいります。五千億というと相当大きな予算でございます。この公共事業等予備費は、本来限定されていない予備費の使用を公共事業等に限定するということにつきまして国会の判断を求めているものでありまして、それだけ政府の予算執行についてみずから公共事業等に使用するというふうに制約を加えまして、これを執行するということで予算の承認をいただいたものでございまして、予算の国会審議権をそれなりに尊重していたものと考えております。

○加納時男君 もう一つだけ伺いたいと思いますが、予備費には使い道、使途を制限するケースがございます。かつて平成三年だったですか、給与改善等という予備費があったと思います。最近、例えば平成十一年度、十二年度、十三年度、いずれも公共事業等予備費ということで公共事業等に使途を限定した予備費になっていると思います。
 私の質問は、こういうことで一たん予備費が決まると、逆に言うと公共事業なら何をやってもいいんだということなんでしょうか。それとも、やはり予期しがたい、予見しがたいというのは景気のことだと言われちゃうと困るんですけれども、予見しがたい何か事情があった公共事業等なんでしょうか。この辺が一つわからないんですが、御説明いただきたいと思います。

○副大臣(若林正俊君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、この予見しがたいというのはいろいろなケースが、まさに予見しがたい場合に対応するわけでございますけれども、そういう事態が予見しがたいという場合にもこれは適用することが可能である。また、事業の中身も予見しがたいという場合もありますでしょう。ダブルでかかってくる場合もあると思います。
 この十一年度、十二年度、十三年度、これらの公共事業等予備費につきましては、いわゆる公共事業費であれば何でも使用できるというようなものではございませんが、予備費である以上、憲法、財政法の規定に従いましてそれが予見しがたい事態で予算不足が生じているということに、そういうふうに見込まれる場合に限られているものと、こう思っているところでございます。

○加納時男君 締めくくり総括的な質疑でございますので、余りディテールに入るのは本意ではございませんので、そういう議論があったことを踏まえまして、最後に大臣に一言伺いたいと思います。
 きょうの議論を通じましていろんな問題点が出てきたかと思います。あるいは問題点が解明されたかと思いますが、平成十四年度、来年度の予算以降も公共事業等予備費を計上されるお考えはおありでしょうか、伺いたいと思います。

○国務大臣(塩川正十郎君) 予備費並びに公共事業等予備費につきましては、それはもう加納さん御指摘のとおりでございまして、十分御承知の方でございますから、あながち議論はいたしとうございませんですが、やはり十四年度も私の感じとしては若干組んでおきたいなと思うたりもしております。
 ただ、それは先ほど御質問の中にもございましたように、公共事業の中で予備費として景気対策上の意味も多少は含んでおるんじゃないだろうかと、こういうお話がございました。私は、十四年度はそういうことではなくして、やはり純粋に予見しがたいことということを想定したものとして、少額であろうが組んでおきたいと思っておりまして、それはやっぱり一つは調整弁として必要だと思っておりますことと、これを組んでおることによって一定の予算執行上の安心感とアローアンスをちょっといただけることがあると思いますので、少しは組んでおきたいと思っております。

○加納時男君 大臣おっしゃったとおり、予算執行の段階では予見しがたいことが起こり得るということは十分わかります。そういう意味で、調整弁としての役割、あるいはことし組んだのは、多分に景気の動向を頭に置きながら予備費というものを今までも組んできたかと思います。
 そういうことを、またきょうの議論も踏まえ、いろいろ考えながら今後の予算編成をぜひ考えていただきたいということを希望いたしまして、私の質問を終わり、残った時間は保守党の委員に譲りたいと思います。よろしくお願いします。
 ありがとうございました。

○月原茂皓君 保守党の月原です。
 きょうは私は、大臣はお呼びしていなくて、財務大臣は担当として当然おられるわけですが、各事務当局の方を呼んだわけですが、これは決して事務当局の答弁だから政府が真剣に取り上げないというのであれば大臣を呼ぶつもりでありますが、しかしそれは代表して答えるということなので、あえて事務当局にお尋ねするということであります。
 これは、私がお尋ねすることは必ずしも決算に直接影響がないようにも思われるでしょうが、しかし決算というのは次の、来年度の予算編成というようなことに取り入れていくというようなことからいって、私は非常に大きな課題が今あるので、そのことについてお尋ねしたい、こういうふうに思っております。
 まず、不法残留者が二十三万二千人おる、そして不法入国者が約三万人おる、こういうふうに言われているわけであります。ところが、収容施設はどうかというと、今建設中の東京入国管理局の庁舎を入れても二千七百五十だ。しかも、摘発にかかる警備官は約千人だ。高村さんが法務大臣のときの答弁では、情報を得ても四分の一しか検挙することができないんだと、こういうような状態にあるわけでありますが、このことを今後どのようにとらえて対処しようとしておるのか、法務省にお尋ねしたいと思います。

○政府参考人(中尾巧君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のような状況でございます。不法滞在者につきましては約二十六万人と推定されておるわけでございますが、このような存在自体が我が国の治安に重大な影響を及ぼすものと認識しております。当局といたしましては、このような不法滞在者対策を喫緊の課題として位置づけまして、体制の整備に努めているところでございます。
 今後とも、不法滞在者対策の充実強化を図るため、私どもといたしましては最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

○月原茂皓君 これは新聞情報でありますが、入管強化、今度の北朝鮮の問題に絡んで総理大臣の命によりと、こんなことは総理大臣にお伺いを立てるまでもなく、役所同士でこんなものは話がつかなければ大日本国としては恥ずかしい話だ、私はこう思っているわけであります。
 ところで、こういうふうに入ってくるルート、これはいろいろなルートがあるようであります。朝鮮半島から来る場合もあるし、またヨーロッパから来る場合もある。東南アジアから来る場合もある。いろいろなルートがあるようでありますが、このことの警備については既にいろいろ議論されておるので抜きますが、旅券の不正取得や偽造旅券あるいは偽造ビザあるいは偽装結婚、こういうものが最近入ってくる方法としてクローズアップされてきているわけであります。
 そこで、偽造変造旅券については、日本政府発行のものは、さすが日本のものだけあってなかなかインチキ、偽造することはできない、日本のものについては。ところが、他の国々についてはまだ日本のレベルに達していないというようなものもあるようであります。
 そういうことについて、だから機械でそういうものをチェックすることはなかなか統一的に難しくなっている。ICAOがそういうものを取り上げているようですが、日本政府としてはこれはどのように働きかけておるのか、このことについても法務省にお尋ねしたいと思います。

○政府参考人(中尾巧君) お答えいたします。
 偽変造旅券を使って我が国に不法入国する者の数については、最近とみに人数がふえてきているところでございます。この辺の対策につきましては、特に私どもといたしましては、航空機による不法入国者に対しまして、成田支局あるいは関西空港支局におきまして偽変造対策のための偽変造対策室というものを設けまして偽変造旅券の鑑識体制に努めているところでございます。
 諸外国との関係で種々の対策を進めなければならないということは、委員御指摘のとおりだろうと思います。私どもといたしましても、毎年、環太平洋諸国等から偽変造文書鑑識技術者を招聘いたしまして偽変造文書鑑識技術者セミナーというものを開催するなどいたしまして、最近の偽変造旅券等の具体的な手口とか、あるいは偽変造の鑑識対策とか、そういうようなものにつきまして積極的に情報交換を行っているところでございます。今後とも諸外国の出入国管理行政機関等々と協力関係を一層強化していきたいと考えておるところでございます。

○月原茂皓君 我が国のすぐれた技術というものを関係の国々にすることは我が国のためでもあるし、また世界全体についてこういう問題の解決に資するために我が国が貢献できることでありますから、さらに一層推進していただきたい、このように思うわけであります。
 さて、ビザの問題でありますが、外務省はことし開発の予算を得て査証WANというものを今進めておるようにお聞きするんですが、これは在外公館間の情報、国内とも情報を密にして照合に時間をかけないようにする、そういうふうなことでありますが、十四年度には三十五億円の予算を要求すると、こういうふうに言われているわけでありますが、これはそのとおりでありましょうか。

○政府参考人(小野正昭君) 委員御指摘のとおりでございます。

○月原茂皓君 これはなかなかいいところに目をつけて、最近巧妙になってきておるものを防ごうとする、私はその姿勢は大変大切だと思っております。
 ところが、これはもう一つ、入管というか法務省との関係というもの、これとも連携することが我が国の体制としては必要だと思います。その点についてはどういうふうにお考えでしょうか。

○政府参考人(小野正昭君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、査証WANというシステムでございますが、これは最新のIT技術を導入いたしまして査証審査の効率化を図るものでございます。これによりまして、善良な査証申請につきましてはより迅速に発給する。それからまた、悪質な査証申請もあるわけでございまして、こういう悪質な査証申請につきましてはより効果的に防止できる、そういうシステムでございます。
 委員御指摘のとおり、外務省といたしましては、法務省とも本システムを連携することによりまして悪質な査証申請を水際でさらに効果的に排除できるというふうに考えておりまして、その具体化のため、当省との間で検討を進めてきているところでございます。

○月原茂皓君 その点よろしくお願いしたいと思います。
 さて、来日外国人の犯罪は、前年に比べて総件数は減少しているものの、十年前と比べると約五倍という状況になっているわけであります。これは、よく考えてみれば、向こうの国においては、海外にさえ出れば、特に日本に出たら金持ちになるぞという華僑神話というんですか、そういうものと、それから中国国内における経済改革等による圧力というものとが原因だと思われるし、また我が方の国においても、そういう労働者を必要とするというような状況があってやはりこういうものが生まれてきておるんだと、こういうふうに思うわけでありますが、特に注目すべきは中国人の構成比の増加であります。
 これは、総件数については中国人の割合が五四・二%、刑法犯については六一・八%、凶悪犯においては四六・二%、殺人検挙人員では三五・二%、強盗等については五三%、窃盗では五三%と、こういうふうな統計を私は手にしているわけであります。これで中国人の占める割合が群を抜いておるわけであります。パチンコ犯罪関係からは多くを期待できなくなってきたというような傾向から、不法滞在者を食い物にする、要するに中国人同士でいろいろな事件が起きている、こういう方向があるようであります。
 しかし、その上に、我が国の方において、車の窃盗とかピッキングとか、さらには強盗事件、都心部から機動力をもって郊外や地方にまでその活動範囲が広がっておる、こういうふうな傾向が見られるわけであります。
 そこで、我々も記憶しているところですが、山形の主婦の殺人事件、この間一人検挙したわけですが、一人はまだ追っているわけでしょうが、八王子の駅員の殴打事件、あるいは葛飾区の歯医者さんのお宅に忍び込んで猟銃を強奪した事件、こういうようなものがあるわけであります。
 私は、真の日中友好関係というものはこういうことが起きないということ、そしてまた、考えてみたら在日中国人の方々も、こういうことの安全というものを守ってあげなければいけない、こういうことから。そういうような観点から私はお尋ねしているわけでありますが、まず外国人犯罪について警察庁の方では幾つかの柱を立てて今努力されているようでありますが、そのことについて御説明願いたい、こういうふうに思います。

○政府参考人(島田尚武君) 警察といたしましては、来日外国人犯罪に対しましては、いわゆる五本柱ということで、まず第一に組織実態解明と事件検挙の推進、第二に国内の関係行政機関との連携の強化、第三に外国の捜査機関との連携強化と国際組織犯罪対策における国際社会への貢献、第四に国内における通訳体制の強化の問題、そして第五に、ただいま委員からもお話がありましたように、善良な来日外国人を対象としたいわゆる地域安全活動等の推進という柱を掲げて推進しているところであります。

○月原茂皓君 そこで、今おっしゃったことについて、より詳細に、特に組織実態解明と事件検挙というようなことについて、どういうところがどういう現状であり、どういうところが問題だというふうに考えられておるのか、お尋ねしたいと思います。
 よく俗に言われているわけでありますが、組織化されておる、そしてヒット・アンド・アウエー方式だと。全国的な移動で犯罪ごとに分担、組み合わせが変わってきておる。そして、もう今や警察署とか県警とかそういう単位で対処できない。そして、しかも日本と違って複数犯で、先ほど申し上げたように組織的に行動しておるということをもう一回強調しておきますが、そういうこと。そしてまた、日本人による手引きとかあるいは我が国の暴力団との連携ということまで伝えられているわけであります。
 そういうことから、あえて私は、今、国際部長が五本の柱と言われましたが、その中で特に組織実態の解明と事件検挙というようなことについて御説明願いたい、こういうふうに思います。

○政府参考人(島田尚武君) 最近の状況でありますけれども、中国人犯罪グループと結託した日本人や、特に暴力団、この不法入国ビジネスで金もうけをたくらむ日本人や、暴力団が活動を活発化しておるというところに一つの特徴があります。
 二、三、例を申し上げますと、暴力団幹部と中国人が結託し、虚偽の申請書をつくって旅券を不正に取得した事件、これは千葉県警で検挙しております。暴力団幹部と中国人グループが共謀し、配下の組員を運転案内役として実行した広域窃盗事件、三重、栃木、茨城、山梨、静岡共同検挙。それからさらに、暴力団が路上生活者に生活費、報酬等を与えて組織的に行った中国人女性との偽装結婚事件、警視庁検挙というようなところも発生しているところであります。
 そういった中で、犯罪が多発する地区においては、来日外国人を含む住民の安全を図るためにさまざまなプロジェクトを編成するなど、限られた警察力を集中的に投入して、各種犯罪の予防及び発生時の迅速な取り締まりに努めているところでありますが、特に例えば新宿区歌舞伎町地区においては、警視庁において国際組織犯罪特別対策重点地区に指定するとともに、平成十年十二月、本地区における対策を集中的に推進する国際組織犯罪特別捜査隊をプロジェクト編成し、平成十二年には同隊を所属に格上げして運用するなど、総力を挙げた浄化に取り組んでいるほか、例えばロンドンにおける対策などを参考として、本年度中に頻発する街頭犯罪の予防等のため街頭防犯カメラを相当数設置する予定があるというふうに聞いているところであります。

○月原茂皓君 こういう犯罪というのは今までに想定されなかっただけに、警察もいろいろ人員とか機材、予算について、私はこれからもやっぱり堂々と要求して、これは国民の治安という観念から、特に外国との関係もありますので力を入れていただきたい、こういうふうに思います。
 そこで、今、部長がお話しの幾つかの柱の中で、あとお尋ねしたいのが中国当局とどういうふうなことで情報交換されておるのか。そして、その中で恐らくこういう資材が足らないと。ある本によると、高速モーターボートで向こうは逃げるんだけれどもエンジンつきの帆船で追いかけておると、向こうの国は。それから、片一方は高性能の携帯電話を持っておるんだけれども片一方はトランシーバーだけだと。こういうふうなことを聞くと、ODAなんかでやっぱりこんなことをちゃんと話をして、捜査当局はこういう機材はいいぞと言ったらそういうものを援助するというようなことも私は必要じゃないかと思うんです。
 そこで、今の問題を含めて、国際部長と外務省にそれぞれお尋ねしたいと思います。

○政府参考人(島田尚武君) 中国の治安当局との間では、従来からも協力強化を進めてきておりますが、特に平成十一年七月に小渕総理が訪中された際、日中治安当局間協議の開催が合意され、平成十一年八月には閣僚である中国公安部長一行が来日し、警察庁との間で日中両国警察の協力を発展させるための協議を行い、日中警察協力に関する討議記録に署名し文書を交換しました。
 その後、日中治安当局間協議は、これまで平成十一年十二月、平成十二年十二月、二回開催され、中国治安当局と密航、薬物、来日外国人犯罪等について意見交換を行い、協力関係を進展させているところであります。
 また、警察庁が主催する薬物、銃器、組織犯罪対策等に関する会議やセミナーに中国治安当局の職員を招聘することにより、中国に対しこれらの分野における技術協力を行っているところであります。
 中国との間では、今後、特にこの種の、御指摘ありました協力交流をあらゆる分野で一層積極的に繰り返していくことが最も大切であるということで、努力してまいりたいと考えております。

○政府参考人(西田恒夫君) お答えいたします。
 ODAを使ってどういう協力ができるかという御指摘でございますが、私たちも本件については、まず捜査当局間の話し合いというものが最も大事であろうと思っておりまして、そのような話し合いを通じまして具体的なニーズというものがおのずと浮き彫りになってくると思います。そのようなものを踏まえまして、研修員の派遣あるいは受け入れ等については積極的に考えてまいりたいと思っております。
 さらに、そのような話し合いを通じまして、仮に中国側より機材の供与ということについても具体的な要請等出てきました場合には、その機材の必要性あるいは妥当性を十分精査の上、供与の可能性を検討してまいりたいというふうに考えております。

○月原茂皓君 今、いろいろお伺いいたしましたが、財務大臣もよく聞いていただいたと、こういうふうに思います。
 私が思うのは、これは中国の友好のためである、先ほど申し上げた、それから国内に来ておる中国人そのものの安全のためでもある、そういうことで中国とまた協力を強くしていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
 そして、早急に取り組むべきものと思うものに、中国経済がこれから中でリストラがあるとかいろいろ経済の問題がある、だからやっぱり向こうの出す圧力が強い、こういうふうに思います。そういうこととともに、我が国においても今、失業率が四・八%、景気は悪化しておるという表示までしておる、そして今度構造改革するには痛みを伴うと、こう言っておる。こういうときこそ治安がしっかりしておかぬと私はいかぬと思う。だから、そういう点については、外国に対しては関係省庁が連携をとるとともに、国内においてもちゃんとした予算をとってこそ、国民が本当に不安な中でも経済の再建があってあしたがあるんだと思う。しかし、そこのときに治安ががたがたしたんじゃ困りますから、そういう点では力を尽くしていただきたい。財務大臣も予算の査定においてはよろしくお願いしたいと思います。
 以上をもって、大臣のお考えを聞いて終わります。

○国務大臣(塩川正十郎君) 私も治安には非常に関心を持っておりまして、先日も法務大臣から、過日の第三国からの何か途中尋問せずして国外追放した外国人がおりましたが、ああいう場合のパスポートの検索についての器具の不足を訴えておられましたので、もう早速その措置をいたしまして、現在、各空港とかあるいは港湾等にそれを設置しておりますので、もうああいう目こぼしのミスはないだろうと思っておりますが、必要があれば適切に措置していきたいと存じます。

○月原茂皓君 終わります。
 ありがとうございました。

○佐藤雄平君 佐藤雄平でございます。
 きょうは、農水省、文部科学省という順でそれぞれ御所見をお伺いさせていただきます。
 小泉内閣の中で、私は農林水産大臣が唯一の、武部さんが農村、農業、また地方の理解者であるかなと、そんな思いをしておりますし、またこの間農林水産委員会に代理で出させていただきましたが、本当に真摯な答弁に私は感激をしておりました。
 それはなぜかと申しますと、小泉内閣は、いわゆる今日までの均衡ある日本の発展というのがいつの間にか割愛されておりまして、それぞれ地方の特性を生かした日本の国土づくりということになっており、その中でまた特記すべき話が都市の再生ということになっております。その中で、この間経済財政諮問会議の中間報告をずっと見させていただきましたらば、ここにも農村とか農政という言葉が余り出てこないんです。私は、国土全体を考えると、日本全国の北海道から九州、沖縄までの小さな集落、これが何万もあると思うんですけれども、その集落があってこの日本の国土をつくっているんだ、こういうことはぜひ小泉総理にわかっていただきたいし、これを最大理解しているのが武部大臣だと思いますので、ここも十分御理解いただいて総理に御進言をしていただきたい。
 それと、日本のこの戦後五十七年間の中で都市が繁栄した、これは日本が繁栄した半分以上、私は農村社会の若い青年が東京に出てきてさまざまな分野で活躍して今日に至っている。今、投資効果とか費用対効果というさまざまな議論がありますけれども、ある意味で私は、農村社会が自分の息子、娘を一生懸命なけなしの金をつぎ込んで育てて、働けるようになってきて東京に来ているわけですから、これほど農村社会から見れば費用対効果のないこともないような気がするのであります。しかしながら私は、もう本当にそういう意味で、今、巷間それぞれ議論がされておりますけれども、都市の再生ももちろんでありますけれども、かといって、一方で地方、農業、農村、これを忘れてもらっては困るなと。必ず私は、一方的な都市の再生の論理というのは将来に禍根を残す結果になるのではないかなと、そんな思いをしながら、武部大臣の二十一世紀の農政に対しての御所見をお伺いできればと思います。

○国務大臣(武部勤君) 佐藤先生から極めて激励を込めての、また地方や農村を思うお気持ちの御披瀝がございました。全く同感でございます。
 とりわけ都市再生についても、私は都市だけで一から十まで完結して再生するなどということは不可能だと、こう思っております。また、都市住民の皆さん方の心の中には、やはり人間は自然界の一員でありますから、おいしい水、きれいな空気、安全な新鮮な食べ物、美しい自然というものが得られたらなという願望があると思うんですね。もう五十数年、戦後から今日までの歴史を経た日本ですから、この辺で問題解決型の視点で、対症療法的な対策に終始するんじゃなくて、やはり国民の願望実現型の視点で本格的な二十一世紀のビジョンというものをつくり上げていくべきだと、かように私は考えます。
 その意味で、やはり大事なのは人と自然の共生ということなんだろうと思うんです。これは、具体的に言いますと都市と農山漁村というものは対立する関係にあるのではなくて、共生、対流する、そういう間柄にあるんじゃないか、私はこのように思っているのでございます。
 農林水産省としては、産業政策として食料の自給率四五%に向けて、これに貢献してくれる方々にはどなたにも参入していただいて、ここでは市場原理、競争政策というものを思い切って取り入れていかなければならないと思います。経済政策、産業政策としてはそういう考え方に立たざるを得ないんだろうと思いますし、そうあるべきだと思いますが、しかし市場原理だけじゃなくて、やっぱり社会政策的に公共原理そして共生政策、ともに生きる政策という、そういう分野が私は必要だと、こう思うわけでございます。
 ですから、循環型社会の構築という意味でも、リデュース、リユース、リサイクルという、そういう狭い範疇の考え方じゃなくて、やはり都市と農山漁村の間柄が、お湯を沸かすと温まれば上に行きますし、冷たいのはおりてきます、こういうお湯を沸かすときの循環、そういう対流関係というものを築いていくべきじゃないのか。
 この間も農林水産委員会で、都市と農山漁村というのはある意味では別姓の夫婦だという御意見もございました。このことにつきましては、総理の所信表明演説の中でも、農山漁村の新しい可能性を切り開いてまいりますと、こういうふうに小泉総理は述べておりまして、経済財政諮問会議の骨太の方針の中にも、都市と農山漁村は共生、対流する間柄にあるということも明記しておりますし、また人間の安全保障、ヒューマンセキュリティーという考え方で防災とか水資源の涵養とか食料の確保とか環境とかということも位置づけられている、このように私は承知しておりまして、小泉総理も所信表明では短い二行でありましたけれども、先生御指摘のような問題意識もしっかり持っている、少なくとも昨今そういう気持ちを大きく持ち始めているというふうに私は思っておりまして、これからも農村振興ということについて、さらに閣内でも声を大にして財務大臣にも聞こえるようにしっかり頑張ってまいりたい、かように存じます。

○佐藤雄平君 国内的には、私は二十一世紀というのは都市と地方の本当に共生だと思うんです。後ほど遠山大臣にも質問をさせていただきたいと思っておりますけれども、体験学習なんというのは私は、農村と都市の学校が本当に姉妹都市のような関係になってみずからのふるさとをきちっとつくっていく、こんなことが大事であろうかなと思います。
 また、日本の文化は地域社会が崩壊したところには私はなくなっていると思いますし、礼儀作法なんかは水稲文化から出てくるものであろうし、また農村社会においてはまだ我が方でも地域社会とかいわゆる結いの社会というのがあって、これがやっぱり私はボランティアの先駆者であるかなと。お互いに困ったところは、田植えにしても、草取りにしても、収穫期にしても、その部落で手伝ってあげよう、こういうふうなものがうんと今の東京を中心とした都市部には欠如しているので、私はそういうふうなものをも含めて両省の連携というのが物すごく大事で、文部行政だけではできない、農林行政だけではできない、そういうふうな部分がたくさんあると思いますので、連携等をぜひとって都市と地方の交流をどんどんしていただきたいな、そんな思いをしております。
 次に、余り私はこういうふうな質問は好きじゃありませんけれども、あえて質問をさせていただきますが、最近も地元の新聞にかつてのパイロット事業の話がどんどん出て、私も塩川町というところに実は視察に行ってまいりました。昭和四十五年に雄国山麓パイロット事業ということで約二百三十億かけてやったところで、どうも最近そこが竣工した後で石が出て耕作ができなくて困っている。約二〇%の方なんです。しかし、ほとんどの方はめげずに一生懸命石を取りながら耕作をしている実態でありますけれども、そんな中で視察をさせていただきました。
 塩川の雄国山ろくのすそ野というのも富士山よりもある意味ではすばらしいすそ野でありまして、そこをずっと歩いたら、遠くに老夫婦が一生懸命農耕しているのかなと思って行きました。そうしたら、残念ながら農耕じゃなくて一生懸命石拾いを実はしておりまして、せっかくかつての農林省につくってもらったんだけれども、耕作ができなくて困っている。しかも、また償還期が、平成六年から償還が始まっておりまして、平均一軒の受益者当たり十四、五万でありますけれども、私は冷静に考えてみたら、耕作をして作物をつくって償還するというなら意味がわかりますけれども、耕作ができなくて荒れ地になってほうっておいた土地、そこの部分もやっぱり償還しなきゃいけないというのは何か複雑な心境になりました。
 かつてパイロット事業というのは、本当に日本の農業のモデルをつくろうということで、会津の皆さんは大変に期待してパイロット事業に多分に判こを押したと思うんですけれども、結果的にそのような状況になっているというようなことはまことに残念でなりませんけれども、そのパイロット事業の計画に至った一つの経緯をお聞かせ願えたらと思います。

○政府参考人(佐藤準君) お答えいたします。
 先生御存じのように、この国営総合農地開発事業、雄国山ろく地区は福島県の喜多方市、それから耶麻郡北塩原村、それから塩川町、この三市町村から成っております。今御紹介ありましたように、雄国山ろくの西側の斜面に広がる台地に位置しておるところ、いわゆる事業が始まる前は既耕地とそれから未墾地が非常に混在をしている地域でございました。したがいまして、水田にいたしましても非常に狭くて区画が小さく、また畑も散在しているという生産性の低い地域でございました。
 このため、こういうふうなものを解消するということで、経営規模の拡大、それから農業経営の合理化及び農業所得の向上、こういうようなものを図るということで、山林原野の開発と、これらに隣接、介在しております既にでき上がっていた既耕地の総合的な整備を目的といたしまして、昭和四十五年に事業着手いたしまして、そして平成四年度に完了したという地区でございます。
 なお、この事業の実施に当たりましては、昭和四十年に地元の市町村からの申請を受けております。その後、四十一年から三カ年間、農政局の国の直轄調査ということで調査を実施し、その後、受益農家の御同意をいただいた上で昭和四十五年から事業着手をしているという状況でございます。

○佐藤雄平君 昭和四十年に市町村から申請があったと、今、次長の話でありますけれども、たしかそのときは、やっぱり中心は開田、田んぼをつくりたいということでお願いを、判こを押したと思うんですけれども、それがちょうど昭和四十五年になってから、開田から開畑、全部が全部ではありませんけれども部分的になっておる。私は、農林省の将来を見据えた一つのパイロット計画であろうということで、農家の人はこれはもうみんな、農林省は神様ですからあの当時、今も神様ですけれども、本当に農林省の言うことはもう全部判こを押して、我が農業のために、ある意味では我が田んぼ、我が畑のためにやってくれるんだからと、みんなありがたがって判こを押したはずなんです。
 ところが、途中からやっぱり田んぼから畑に変わったということで、まず受益者の皆さんはちょっと疑問を抱いた。私は、あの当時のことを思い出すと、たしかまだ食管制度があって、農家の皆さんは米をつくれば全部買っていただけると。そうすれば、もう当然農業経営の将来計画ができるという前提の中で私は判こを押して雄国の開パを進めていただいたと思うんですけれども、この四十年からわずか五年の中で、しかも私は、四十五年の田んぼから畑に変わった当座、まだ米の状況も五百日ぐらいのたしか備蓄というような食糧行政、米の行政であったかなと思うんですけれども、そんな中でなぜ畑に変えなきゃいけなかったのか、この辺の事情について御説明いただけますか。

○政府参考人(佐藤準君) 先生、今お話しになられましたとおり、本地区は初め、いわゆる開田計画を含む総合開拓パイロット地区として調査を始めております。それに基づきまして、昭和四十四年に農地開発の基本計画、これは計画樹立の前に必要なのでございますが、こういうものを決定いたしました。しかし、一方、米の過剰米処理ということにちょうどこの四十五年から本格的に取り組むということになりまして、まさに米の生産過剰による開田抑制ということが打ち出されました。したがいまして、開田計画そのものを中止しなければいけないということで、この地区の場合まだ着工していなかったというようなこともございまして、開田から開畑へ計画を見直して、そして先ほど申しました農地開発の基本計画も再度つくり直しまして、その変更の基本計画に基づいて計画を樹立したところでございます。
 したがいまして、昭和四十五年、この地区が着工いたしますときにはこの開田をすべて中止して、畑の開発という農地造成という形で農家の受益の同意をいただいた上で四十五年から事業を着手したというような経緯でございます。

○佐藤雄平君 過剰による生産抑制というのは、その当時もう農林省、食糧庁の政策の中に入っておられましたですかね。

○政府参考人(佐藤準君) 非常に在庫米が多くなったという状況でございます。
 したがいまして、四十四年の二月ですか、「新規開田の抑制について」、これは事務次官の通達でございますけれども、こういうものを出しまして、当時開田を実施しているような地区についてはできるだけ縮小をする、それから今後計画として樹立しているようなものには極力開田計画から他の畑開発というような形に振り向けるというような方針を四十四年の二月に出しまして、それを受けまして四十五年から具体的な地区についての見直しを行ったというところでございます。

○佐藤雄平君 水稲ですと、反当たりあの辺ですから八俵ぐらいとれるんですね。今見てみますと、トマト、それからソバが多いんです。次長、ソバは反当たりどれぐらいとれると思いますか。五十キロしかとれないんです。五十キロで一俵四千円なんです。だからもう本当に、農家にすれば物すごいやっぱり狂ってしまったと言わざるを得なくて、とても償還金というのは返せるめどというのか、これは三十年間返さなきゃいけなくて、悲鳴を実は上げているというのが現状であります。
 次に行きますけれども、またその当時の話がいろいろ新聞、我が地元紙なんですけれども載っているんですね、「雄国山麓開パ 土壌不良知り開発」をしたと。要するに、石が出るというふうなことをわかっていながら開発をさせたという、これは旧農林省の職員の方がその新聞の記者会見でお話しになっていて、当時、喜多方市に約七人の現地の調査員が行ってつぶさに調査したはずです。そして、その現地の人が、この場所はやっぱり石が出て、れきが出てどうしようもありませんよと言って、そこはやっぱり削除するように何度もその上司の方にお話をしたんだけれども、しかしそれが受けてもらえなかった、この辺の事実。
 そして、せっかくそれは耕作をするためにパイロット事業をするわけですから、それができないところでパイロット事業をしても全く意味ないと思うんですけれども、それをどうして受け入れてしまったのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(佐藤準君) 今、先生御指摘の新聞報道については承知しておりますが、大分前の話だということでございまして、現在、東北農政局でわかります、当時調査にかかわっていた者に聞き取りをいたしたところでございます。しかし、このような記事にあるような事実といいますか、そういう意見を述べたというようなことは確認ができなかったというふうに報告を受けております。
 また、本地区、具体的にその調査段階より積れき、石があるということは、当然この地域全体が非常にそういう地域でございまして、いわゆる既耕地についても皆さん石を拾いながら自己開墾なんかされておられるというような状況でございまして、そういう意味で積れきの存在そのものは確認をいたしております。
 しかし、それをいわゆる除れきをする、れきを取り除くという行為などを含めまして、開拓適地の選定に係る各種調査結果、それからいわゆる周辺の既耕地におけるそういう営農状況、こういうようなものを総合的に勘案いたしまして、この積れきの除去を行うことでこの地域の農地開発、農地の造成というようなものは可能であるということで、関係者の意向を踏まえまして計画を策定したところでございます。

○佐藤雄平君 次長の話はなかなか理解できません。同胞の方が言っているわけですからね、農林省の現地の職員の人がこれは無理だよと。これは確認できないといっても確認できているんですよ。新聞を読んで、地元紙でちゃんとインタビューしているわけですから。
 だから、私はやっぱりこういうのが、今、石原大臣とかそれから総理が言っているむだな公共事業という話なのかなと思いますけれども、むだのほかに、さらにまた受益者に負担をかけているから、さらにこれは行政としての、何というかな、欠陥と言ったら申しわけないですけれども、やっぱりそこは本当に農家の側に立った農林行政だったのかな、何か農林行政が優先しちゃって農家が後で使われているような、本当に私はかわいそうでしようがないです。
 田んぼをつくって畑をつくって返せというのならわかるけれども、田んぼをつくって畑をつくれないんだもの。それで三十年間、金は大したことないでしょうけれども、皆さんの予算の規模からすれば、平均十二万円、年間。だけれども、収入がない人が返すわけですから。
 私はこの悲鳴を聞くと、六十七歳のおじいちゃんはこんなことを言っていました。私は今、国民年金で十二万ずつ返していると、だけれども、おれ、もう死んだらばこれは息子に返させたくないなと言っている。もう一つは、できるのであればこれは農林省で買ってもらえないか、償還金を返さなくていいというふうなことで農林省にただでも差し上げてもいいななんという、そんな話もしているし、また今、後継者不足というのも、私はこんなこともある意味では後継者不足の逆に原因になっているんじゃないかなと思いますし、この間、農林年金の審議を大臣は一生懸命なさっておりましたけれども、農林年金、やっぱり一〇%減らさなきゃいけない原因なんというのも、こんなところにも私はその原因があるのかなと思うと本当にもう悲しくてたまらない状況であります。償還金は平成六年から返すということになって、けなげに今、町の工場に出たりしていろいろ返している人がおりますけれども、現実問題としては、これはもう次長、無理でしょうね。
 そういう意味で、農林省に買ってもらいたいとか農林省に差し上げますと、だけれども償還金は何か減免措置とか、そんなふうなことを行政的に、例外的な措置としてないだろうかと。ただ、この間話を聞いたら、この雄国だけじゃなくてほかのパイロット事業でも同じような事情があるというから、雄国だけ例外的に扱えというのは無理だと思いますけれども、この辺、何かお知恵がないかどうか。ありましたら御答弁を。

○政府参考人(佐藤準君) 本地区の償還でございますけれども、まず事業の実施の各段階におきましていわゆる農家の意向を踏まえつつ適切に対応しておるということで、換地処分についても、実際、配分をしたとき、平成四年度の事業を完了し、そのときに農地配分、これについても皆さんの御同意を得た上で異議なく一応配分をし、それぞれの農家の方の所有地になっているというような状況でございます。
 実際、この雄国山ろくの地域では、先生おっしゃるように確かに一部、不作付がございますが、全体として約八五%ぐらいについては非常にしっかりした営農を展開しております。例えば、グリーンアスパラですとか加工用のトマトですとか、それから野菜、葉たばこ、それから果樹関係では西洋ナシとかリンゴ、こういうようなものとか、またさらには山菜系統のウドですとかタラノメとか、そんなようなものもいろいろと工夫をして作付されておられまして、地区全体としましてはいわゆる作付ができないというような状況ではないだろうというふうに判断をしております。
 一方、しかしながら、先ほどからお話のありますように、高齢化によります労働力不足ですとか、それから担い手不足、こういうようなことで一部、作付されていない農地が荒廃をしているというようなところが見受けられるところでございます。これらの農地に対しましては、関係機関で構成します営農推進協議会というのを現地に設置しておりまして、そういう中でいろいろと相談なり技術指導なり、そういうものを含めながら未利用地の解消に努めているところでございます。
 また、償還の話でございますけれども、この地区で農地を所有する農家全体で十アール当たりの年平均償還額、これにつきましては、いわゆる単純に規定償還というような形にいたしますと、反当たり約五万五千円、年間というような形になっております。
 しかしながら、市町村の助成ですとか、それから負担金の支払い期間を長くするとか、それから負担軽減をあわせて行います計画償還制度、それから平準化事業、さらには負担金の償還利息の軽減、こういうような手当てを行っております。これは担い手育成支援事業というような形で行っておりますが、こういうような各種の対策を講じました結果、現在では十アール当たり、反当たりが年間の償還として一万四千円というような形になっております。これまでも負担の軽減というようなことにつきましては、県それから国を挙げましていろいろ工夫をしながら対応してきております。
 さらに、例えば繰り上げ償還みたいな形をとりますと、利息分だけもうかるというようなことがございますけれども、もし地元の方でそういうような御要望でもあれば、また対応は可能だろうというふうに思っております。

○佐藤雄平君 繰り上げ償還ができれば、それが一番いいんですけれども、それこそ申しわけないけれども余り将来性のないパイロット事業の組合に貸してくれるところなんて現実問題としてどこもありませんよね。貸してくれる人がいて、百億貸しますよと言って、一気にそれで繰り上げ償還しちゃえばそれはもう楽な話でしょうけれども。それは、繰り上げ償還をするというふうなことであれば対応しますよと言うけれども、貸してくれる人がいるはずないでしょう。まあいいです。
 あと、その八二%は営農していると言うけれども、これは本当に一回行ってみてください、石を取りながらやっているんだから。畑と田んぼのあぜに肥やしの入った空き袋の中に入れて、あぜにずっと置きながら一生懸命、営農というか畑を耕しているんです。
 それで、さっき言ったように、何ぼ一生懸命やったって、ソバは五千円か四千円にしかならないんだ、一反。たばこだってこれは知れたものです、十万円になりません。それで、ずっと三十年間の償還を考えたら、これは本当に逃げ出すと思いますけれども。とはいっても、未来志向で一生懸命市町村長は頑張ると。特に、農林省出身の喜多方の市長さんがおりますから、当時の局長さんが。
 そんな中で、それぞれ三町村が頑張ると思うんですけれども、大臣、本当に一番直接的にいろんな苦情が来るのは市町村長なんです。市町村長も自分たちのところで今度、例えば塩川町は八・二%を町が負担している、そうすると町の財政が逼迫している中で、また町が陳情に来るというのか、特交で何とかお願いしますよと。原因者をつくって、またその町村長さんが霞が関に頭を下げに来なきゃいけないというのは何かやっぱり私もちょっと理解できないところがあって、そういうのが今までの行政の一端かなというと、本当に悲しい限りでもあります。
 しかし、三市町村は一生懸命になって今いろんな意味で頑張ろうと、そういうふうな条件のもとでも頑張ろうというふうなことで、いろんな試案を寄せながら頑張っておりますので、できる限り私は、一番不満を言っている市町村のこれから雄国開パについていろんな、ただ期限というのはあるからなかなか途中で地目変更というのはできないかと思いますけれども、しかしながらあの原野なんて見るとあのままほうっておいちゃいけないなというところもあるものですから、この辺は地元の要望というのをそれぞれ今お出しになっていると思うんです。ですから、その辺についても本当にお話を大臣に聞いていただいて、できる限界というのはあると思いますけれども、できる限り町村が、その町村の農業の後継者が夢を持ってできるような、それを町村が指導してできるような、そんな対応をしていただきたいと思いますけれども、最後にひとつ大臣からの御所見をお願いします。

○国務大臣(武部勤君) 今、先生御指摘のような、しっかりした耕作可能な農地として受け渡すということがなぜできなかったのかなという感じが率直に言ってあります。実際に、完成した時点では恐らくきっと畑になったんだろうと思います。
 しかし、計画当初は農業者としてやろうとしていた方々も諸般の事情から離農せざるを得ないとか、あるいはほかの理由でやめたとかということで、そういうことになって放置されたような状態になっていたんだろうと思うんですね。それが、嵐が来たり、いろいろなことから表土が流れて石が表面に出てきたというような、そういうことではないのかなと、私は行って見ておりませんが、私もいろんなところのそういう農地造成の結果を見ています。だんだん農地造成も表土のないところ、無理なところを開畑していったと、そういう歴史でありますので、私どもも、そういうところについては表土埋め戻し工法からしっかりした表土を手当てするというふうなこともしていかなきゃならないということを主張したことがあります。
 今、先生から、地元がいろいろな意向を考えて、どういう新たな方向に導いていったらいいかということで検討しているんだろうと思いますので、意向を踏まえて関係市町村とよく相談して対応すべきと、このように思います。
 例えば、私は、こういうもう償還期に入った畑でも、これにプラスして緑肥を入れるとか、新たな事業をそこに起こして完全なものにする。そういう緑肥などを入れるとか表土をきちっと手当てするとかということについては、市町村が中心にならなくちゃいけないでしょうけれども、そういうことについては、きちっと助成策を講じた方が資源を守っていくといいますか、いい資源をつくり上げていくということでは一つの方策でないかと、このように思います。
 今後、環境重視型の農業に変えていかなきゃなりません。結果的には金肥や農薬を余り使わない農業ということで、緑肥作物の導入などにフランスやドイツはいわゆるフランス・ドイツ型のデカップリングとしてやっているわけですね。今後、農林水産省としても、そういったことも検討してまいりたいと、このように思っておりますので、地元の意向プラス、また農林水産省としても、そういった農地をよみがえらせて有効に利用して生産に結びつけるという、そういう考え方というものを検討させたいと思います。

○佐藤雄平君 本当によろしくお願いします。
 農産物の場合というのは、市場原理のものと、それからやっぱりどうしたって日本でいわゆる多面的なというふうなことを含んでいるわけですから、そういう中で保護しなきゃいけない作物も当然私は出てくると思うんです。ぜひ大臣、農業の事情が十分わかる大臣だと思いますので、よく将来的な農業の構想もそんなことも含めておつくりいただきたい、頑張っていただきたいと思います。
 農水省、ありがとうございました。
 次に、文部省、遠山大臣、本当に御苦労さまでございます。
 通告していないんですけれども、例の大阪教育大学のまさに凄惨な、あれほど凄惨な事件はなかったと思うんです。その後それぞれ文部科学省としては対応しておりますが、この対応もうんと大事なんですけれども、あれが起こった病巣というのは何だろう。社会構造とかいろいろ私はあると思うんです。しかし、起こしてしまったあいつは、もう本当にけしからぬやろうでありますけれども、しかしながら、それがああいうふうな精神病者になってしまっているかどうかですけれども、精神的におかしい異常者じゃないかと思います。
 最近の、この間の世田谷の事件にしても何でもそうですけれども、本当に残虐な事件が起きている。それは警察、検察当局はきちっと取り締まりが必要でしょうけれども、私はその原因というか病巣というのは何だろうなと、それを考えるとやっぱり一部教育もその原因があるのかなと。戦後五十七年間のその半分は、私は生産社会の中のある意味では教育の部分というのは多かったのかなと。
 我々学生のときというのは、産学協同路線粉砕と言ってかつて騒いだことがあるんですけれども、これもやっぱりおかしいけれども、余り産業と学問が一致し過ぎても何かおかしなようなことになってしまう。生産社会に寄与するというのは当たり前だけれども、しかしながら生産社会の中の一つの、何か教育という色彩が強いような気がして、それが日本の経済をつくったことは間違いないんですけれども、そういうふうなものの弊害というのが多少なりとも今の残虐な社会のいろんな事件の原因をなしているんじゃないだろうか、そんな思いがしてなりません。
 この間、あれは国立大学協の皆さんの話の中で、もっと学問というものを確立した方がいいんじゃないかなという話も出たように聞いておりますけれども、やっぱり産業社会の中の学問という位置づけ、これはある意味ではうんと次の時代に大事であろうと、生産に結びつかない部分も。
 この辺について、何か御所見があったら。

○国務大臣(遠山敦子君) 佐藤委員御指摘のあの残虐な事件は、本当に許すことができません。
 しかし、あの問題だけではなくて、実に残酷な事件が次々に起こっておりまして、私は日本の社会が何か非常に大事なものを忘れ去っているのではないかとつくづく最近感じさせられております。これは社会風潮、もちろんいろんな原因がございますけれども、急速な都市化でありますとか、少子化でありますとか、核家族化とか、社会のいろんな有害情報等々ございますが、原因を洗うことはもちろんでございますが、最終的には私も教育ということの大事さというのは確かにあろうかと思います。
 特に、人を傷つけてはならないとか、善悪の価値判断をきちんと持つとか、それはまさに人間としての基本でございまして、そこのところの教育が、私はこれは学校教育というよりはむしろ家庭教育の話だと思いますけれども、それがきちんとなされず、また学校教育においてもそれがきちんと教えられずというようなことがありまして、二十一世紀の教育の中には、一人一人の能力をきちんと発揮するのと同時に、心の教育といいますか人間性豊かな人間に育つような、そういう教育を展開していかなくてはならないと思っております。
 と同時に、もちろんのこと人間の英知の部分といいますか知の部分といいますか、特に日本の場合は人しか資源がないわけでございまして、その人が創造的な研究をしたりあるいは科学技術を発達させたりということも大事でございまして、人間の知の構造に何らか寄与できるような、それには学問の大事さ、しかもその学問が単なる知識の部分をふやすということではなくて、本当に英知といいますか、そこのところをふやしていくような、そういうふうな学術研究、しかもそれが社会に役立つような学術研究ということも大事だと考えております。大学の本来の使命は、学術研究をしっかりし、そして教養豊かな市民、そして専門的な技術を持った卒業生を育てていくという、その基本に立ち返ってもらいたいと思っております。
 そのようなことで、ただ、日本の将来の経済力などを考えますと大学の役割も極めて大きいので、その点での競争的な、特に国際的な競争力を持つような大学のあり方といいますか、そういう大学の重要性についてこの前も指摘したわけでございます。
 やるべきことがいろいろございますけれども、私はその意味で委員の御指摘になった心の問題、本当の意味での学問の大事さというような点については大変賛成でございます。

○佐藤雄平君 大臣、ちょっと質問を飛ばします。
 今の附属小学校の事件についての関連というか、私はそういう意味で情操教育というのはうんと大事であるかなと。特に今の子供たちは顔に表情がない、喜怒哀楽がないと言われています。やっぱりあの辺の原因というのは、ゲーム機とか携帯電話かなと思うんです。
 ですから、一生懸命文部大臣が個性ある心豊かな子供をつくりましょうと行政の中で大臣として頑張っても、また一方ではゲーム機のマーケット、三年前、たまたまゲーム機をつくっている会社でありますけれども、この不景気のとき一番いい成績を上げていた。それはもうほとんどが子供を完璧にマーケットにして、コンシューマーにしているんですね、子供を。子供と思っていない、市場だと思っている。この辺をしていること自体も問題だし、あえて携帯電話も、もうほとんどが用事のない電話で、これもやっぱり私は孤立化する原因になっている。
 かつて、電話なんて部落に一軒しかない時代があった。それぞれみんな部落の持っている家に借りに行った。そのうち一家に一台電話がある。そうすると、その電話というのをみんな、お父さんもお母さんも、娘も息子も、おじいちゃんもおばあちゃんも使う。そうすると、公的な場だから、息子、娘が何を話しているというのをみんな親がわかるわけだ。ですから、話していいこと、話して悪いこと、自分の心にやましいことがなければ大声で話すけれども、やましいと何となく後で電話するわよというような話になって、それから今度、科学技術の進歩、いわゆる携帯電話になって、個別的にみんな一人一人持つようになって、これはもうテレビなんかもまさにそうなんです。
 そういうふうなことが反作用しているようなことも考えると、私はやっぱり今、教育の大事さ、教育が大事だというときには、ある意味では文部大臣が、通産省にも国土交通省にも、これが今大事なんだから、場合によっては郵政省にも、こういうものが大事なんだから弊害も考えてつくってくださいよと言うぐらいの連携というのが、今本当に子供たちをよく育てるのであれば、そういうふうな役所間をまたがってもしなきゃいけないと思います。
 ちょうどこれもおととし、天皇陛下の十周年をやって、去年、私は決算委員会で歌を歌ったんですけれども、おととしの国立劇場で陛下の在位十周年をやったとき、東京放送児童合唱団が陛下の前で歌を四曲歌ったんです。「みかんの花咲く丘」、「夏の思い出」、「小さい秋見つけた」、そして「かあさんの歌」、これはいずれも日本の四季折々の情緒を歌っている歌なんです。
 私は、歌というのは、小泉さんも大好きみたいですけれども、童謡、唱歌の中で、歌というのは自己表現、自分を表現するから、単に学校の机の上で教えられているものと違うんですね。やっぱり自分の気持ちをどうやって伝えるか、「みかんの花咲く丘」でも、「母さんが夜なべをして」でも、詞をちゃんと理解して、それを自分でどうやって表現するか、これが私はうんと今の教育の中で大事なことであろうと思う。
 それが残念ながら、教科書の今度のゆとり教育、それぞれ各カリキュラム、その時間が少なくなっているんですけれども、例えば音楽とか図画工作とか体育とか、まさに情操の一番根幹となるところが何か少なくなって、私なんかはもう一番残念なのは、「荒城の月」がなくなったなんて残念でたまらないんですけれども、そんなことを思うと、やっぱり情操というのが、ある科学技術の中でも、だからこそ今うんと必要だと思いますので、童謡、唱歌。
 それから、地方には語り部、地方の文化というのはこのままおくと私はなくなっちゃうと思うんです。いろんな語り部の人がいっぱい我が福島県になんかもいるんですけれども、残念ながら過疎化になって、そういうおじいちゃん、おばあちゃん、昔話を知っている人が毎年毎年他界してしまって亡くなって、それを継承する人がいないので、そんなことも含めて大臣に頑張っていただきたいと思いますし、当座の話としては、学校教育の中の情操教育、それから社会教育にも広めなきゃいけないんでしょうけれども、そのことについての御所見をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(遠山敦子君) 情操教育の重要性についての御指摘は、まことにそのとおりだと思っております。
 委員も何か合唱がお好きのようでございますが、私もどちらかというと合唱が好きでございますけれども、特に日本の童歌とか小学唱歌、心を打たれるものがございます。
 トルコに大使でおりましたときにも合唱団をつくりまして、そこでいろんな歌を歌ったんですけれども、最後に「ふるさと」を歌うと涙が込み上げてくるというような、そういう体験もしているわけでございますが、そのような情操教育を通じての、ある意味での自己表現であり、また美しいものに感動する心なり、そして一緒に歌を歌ったりして感動し合う、心を共感し合う、そういうことが非常に人間形成にとって大事だと思っております。
 その意味では、私は、日本では音楽教育はすぐれていると思いますけれども、学校教育の中の音楽教育は各国に比べて非常にすぐれているとは思いますが、なおそういう御指摘のような本物に触れる、自分で何か参加する、あるいは特に美しい美術を見るとかいろんな芸術に触れる、あるいは自分でそういうものを表現して制作する、そのようなことについて重要視したような教育というのがさらに重要になってきていると思います。
 一方で、コンピューターとか携帯とか、機械が子供たちの心といいますか時間の多くを使うようになっている時代に、さらにそういうことが大事だと思っておりまして、そのようなことから今回の新しい学習指導要領、来年度からそれが使われるようになりますし、それから今御審議をお願いしております教育改革三法において体験活動の重要性というのをお願いいたしております。
 そんな中で、もちろん地域の伝承的な伝統芸能を学ぶ芸術文化体験活動などというのもございまして、福島県を調べてみましたら、地域で子供たちを育てる受け皿づくりということで、三春町でございますけれども、盆太鼓による地域の文化継承を図る事業を実施したり、農業、木工、遊びなどを体験させる事業を実施したりというようなことで、いろいろ今取り組みが始まっております。
 あるいは、陶芸が発達しているような地域ではそういう教室、それから紙すきがその村の御自慢であるところはそういうところを体験させたり、いろんな取り組みが今始まろうといたしておりまして、私は、そういうことが子供にとって自分で何かつくることの喜びでありますとか、何か人間が物をつくり出す喜びでありますとか、そういう情緒につながっていくようなすばらしい体験になっていこうかと考えるところでございます。
 情報化の影の部分への対応につきましても、社会教育の分野でもいろいろ今考えておりますし、特に家庭教育の中での子育て学習でありますとか、地域ふれあい交流事業なども進めようとしておりますし、学校教育におきましても、「心のノート」を配付するスクールカウンセラーの配置をやっていくというような心の教育を通じながら、特に機械が発達し過ぎることによるマイナス面に対して、中学校技術・家庭科では「情報とコンピュータ」、あるいは高等学校の新教科「情報」において、情報化の及ぼす影響でありますとか情報モラルの育成について指導するというようなことで、コンピューターなり携帯なり、ああいうものが余りにも多く使われ始めていることについてのマイナス面を、かなりマイナス面に着目した教育についても心がけているわけでございます。
 なお、十分でない点もあろうかと思いますけれども、御指摘の面につきましては今後ともきちんと対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。

○佐藤雄平君 ありがとうございました。
 その三春町の実は隣に常葉町というのがあるんです。この常葉町というのが東京の中野区と十五年ぐらい前から姉妹都市になっておりまして、林間学校をやっています。そして、もう本当に中野区の子供たちが、自分のふるさとができたといって、夏になるとみんなそこへ行っているんです。そして、これがまた村おこしにつながっておりまして、東京の子供が常葉町に行って、先生がこれがカブトムシだぞと見せたら、先生、このカブトムシ、何でぜんまいがついていないんですかといって、カブトムシというのは何かデパートでしか売っていないと思ったみたいなんですけれども、それで初めてカブトムシを見て、それでその村では、ああ、これは村おこしに使えるなということで、郵政省、郵便局と森林組合と農協と町が一緒になって、カブトムシの原虫を木くずに入れて、それで中野区に送るともうカブトムシになっていて、それでたしか四、五千万の売り上げをしています。
 ですから私は、今、都市と地方が対立する構図みたいなのが何か出ているんですけれども、私はこれはある意味では理解できるんですが、できるというのは、いわゆる財政の問題でも、税収の三分の二は都市部で上がって三分の二は地方に使っちゃっている。
 その昔、おじいちゃんとおばあちゃんが田舎にいるころは、孫を連れてお盆と正月に行ったんです。そうすると、おじいちゃんとおばあちゃんから小遣いをもらうとおやじは喜んじゃって、いやあ、ふるさとがよくなってよかったなと思う。そういうふうな妥協点、ふるさと郷愁の思いと同時に、ふるさとがよくなる気持ちに対しての、東京にいながらも喜んでいたんですけれども、それがもうおじいちゃん、おばあちゃんが三世の時代になっちゃっていなくなっちゃったから、盆と正月に田舎に行かなくなっちゃったんです。そういうふうなものがやっぱり何か、いつの間にか都市部の皆さんは、我が都市部では税収をいっぱい集めているのに逆に地方に使っている、けしからぬということで、交付税の話は大臣おられますけれども、そんなことも一つの原因になっているのかなと思います。
 しかしながら私は、次の時代というのは、その均衡でやっぱりどうしたって日本の発展というふうなことだと思う。それを思うと、都市と地方の交流というのは物すごく大事だと思うので、その体験学習の中で、私は中途半端な体験学習だったらやめた方がいいと思うんです。どうせやるんだったら、やっぱり農家に行って、東京の学校が会津の、それこそ福島県の学校と姉妹校になって、さっきも農林大臣と話をしましたけれども、田んぼが休耕しているところはいっぱいあるんですから、そこで田植えをさせる、田の草取りをさせる、そしてまた収穫をさせる。昔、大臣、たまごっちというのがあったでしょう。たまごっちを子供が喜んだというのは、子供を産んで育て上げていく喜びをあれに感じたんです。
 ですから私は、中途半端な体験学習というのは余り意味がないと思うので、どうせならもう本当に子供に百姓をさせて、田の草取りをさせて収穫させるまでの体験学習ぐらいのことを考えていただきたいし、それと同時に、都市と地方の、本当に都市の子供たちがおらがふるさとをつくってみたいなと、自分の第二のふるさとをつくれるような地域間の交流を、文部省が中心となってある意味では各省庁に声をかけて担っていただければ、私は二十一世紀の日本の将来というのはまだまだ未来ある将来があるであろうと、そんな思いをしますので、ぜひその件も含めてお願いして、質問を終わります。

○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。
 まず最初に、官房機密費の件についてお伺いさせていただきたいと思います。
 三月の予算委員会でも私は指摘させていただいたんですが、官房機密費五千四百万円のうち、平成十年度に四千二百五十万円不正に支出されているわけです。本来であれば、決算書が書きかえられていなければいけないんじゃないかというふうに私は思います。
 というのは、いろんなものを調べてみましたが、少なくとも仮払金か仮勘定か、そういう形で書きかえられるのが当然ではないかと思いますけれども、改めて官房長官でしょうか、それとも所管の財務大臣にお伺いしたらいいのかわかりませんけれども、御答弁願いたいと思います。

○国務大臣(福田康夫君) 明らかになった被害額について内閣官房として損害賠償を求めていくのでありますけれども、金銭が返還された際に所要の会計手続を行って決算書に反映させると、こういうことになっております。

○櫻井充君 つまりは、そうしますと今損害賠償請求をしている、その損害賠償請求でお金が戻ってくれば決算書は書きかえる、もしくは、お金が戻ってこない場合には決算書は書きかえないということですか。

○国務大臣(福田康夫君) 不正使用された金銭が返還されたときに、当該金額をその返還された年度の歳入として整理して決算に計上する、こういうことになっております。

○櫻井充君 しかし、そうすると、もし返還されない場合には決算書は書きかえないということになるんでしょうか。

○国務大臣(福田康夫君) そういうことだと思います。

○櫻井充君 そこは違うんじゃないですか。だって、不正に支出されているわけですよね。お金が戻ってきたときとお金が戻ってこないときと支出の内容が変わるということは、これは明らかにおかしなことじゃないですか。つまり、四千二百五十万円が不正に支出されたということがわかれば、これは当然書きかえるべきものであって、お金が戻ってきたから変えるというのはちょっと筋が違うんじゃないかと思いますけれども。

○国務大臣(福田康夫君) これは、官房長官が支出を一回しているわけです。支出した後に起こったことでありますので、御質問のようなことにはならないと思っております。

○櫻井充君 それでは、その支出されたものがある人によって不正に使用されたとしても何ら問題ないと。つまりは、その人の手に渡った、あの場合には松尾さんですけれども、松尾さんの手に渡った時点で会計はもう終わったから、決算書は書きかえなくていいという理論ですね。

○国務大臣(福田康夫君) 別に問題がないというわけじゃないんで、それは官房長官に支出されたときに、その年の、そのときの支出行為というのは行われたわけでございますから、後のことについては、今申し上げましたように賠償金額として返還されたときにその年の歳入に計上する、こういうことになるということです。

○櫻井充君 私はそこのところを聞いているわけじゃなくて、支出が不正に行われているわけですよ、もう。つまりは、本人までは、松尾さんのところまでは確かに官房機密費で出されたかもしれないけれども、本人が、これは窃盗になるんでしょうか、それとも詐欺になるのかちょっとわかりませんが、違う形で支出されているわけです。
 では、会計検査院にお伺いしたいんですけれども、会計検査院としては今の時点で、これは正規に支出されたとお考えですか。

○説明員(石野秀世君) 本件自体は検査中ということでございますが、一般的に会計機関であります支出官が報償費として支出したということでございまして、この個々の支出という数値が積み上がりまして決算書という形で作成されまして、これで確定しておるということでございますので、自後、その個々の支出の中に不当なものがあるというふうにいたしましても、そのことをもって決算書の計数を動かすというか、影響するものではないというふうに考えております。

○櫻井充君 外務省は、このお金が正規に使われていないからこそ訴えていらっしゃるんじゃないんですか。そして、そのうちの、十年度が四千二百五十万円は不正に使用されているからこそ、今、松尾さんを訴えられているわけです。
 そういう報告があったとすれば、本来、会計検査院は、会計検査院法の二十九条の三項のところに、「予算に違反し又は不当と認めた事項」があるかないかというのをチェックすることになっています。では、これはちゃんとチェックされていますか。

○説明員(石野秀世君) 報償費がその本来の目的に沿って使われているかどうかということにつきましては、検査を行っておるところでございます。

○櫻井充君 検査を行っているところのものが、なぜ決算書として上がってくるんですか。検査が済んでから上がってくるのが普通じゃないですか。

○説明員(石野秀世君) 検査院の検査は確定した決算の検査を行うということでございますので、決算として確定した数値に基づいて、その中身がいいのか悪いのか、不当なものがないのかというふうなことを検査するということになってございます。

○櫻井充君 要するに、ではこれは会計検査院としてはもう終了した決算書ということですか。

○説明員(石野秀世君) 決算の数値としては確定しておるというふうに認識しております。

○櫻井充君 数値として確定して、では確定していないのは何ですか。

○説明員(石野秀世君) その個々の会計経理の当不当といいますか、違法不当なものがないかということは検査の中で明らかにしていくということでございますので、その点はまさに検査しておるということでございます。

○櫻井充君 決算書というのは、所轄は最終的には財務省でしょうか。
 財務大臣にお伺いしたいんですが、会計検査院がきちんと終わっていないものを、今、決算で審議できるんですか。本来、決算書というのは、まず憲法の何条でしたか、九十条ぐらいかと思いましたが、そこにあるのは、きちんとした形でまず会計検査院が検査を終えて、それの上で決算書というのはでき上がって我々が審議するということになるんじゃないんですか。

○副大臣(若林正俊君) 決算の進め方でございます。
 決算書の歳出予算の執行は、御承知のように、財政法に規定されていますように各省各庁の長が配賦を受けた予算について責任を負うわけでございます。その執行の結果である歳入歳出の決算報告書を作成して財務大臣に送付しなければならないと、こうなって決算書が出てきます。財務大臣は、この各省各庁の歳入決算報告書、歳出決算報告書に基づいて歳入歳出の決算を作成して、そして憲法の規定に基づきまして内閣が国会に提出すると、こういう手順になるわけでございます。
 そういう意味では、歳入歳出の決算は最終的には内閣の責任で国会に提出している、こういうことになっております。
 そこで、今お話しになりました今度の報償費についての支出は、支出官が支出した時点で報償費としては支出した。その支出が目的どおりに使われているかどうか、これが不正に使用された、あるいは詐取されたといったような場合につきましては、これはそれを指摘し摘発をして、入ってきましたら新たな歳入として弁償金または違約金として歳入計上する。決算書としては、支出官が支出した時点で支出の関係は完結している、こういう整理になっております。

○櫻井充君 そうしますと、だれが何を使おうが全く問題ない。つまりは、そのことに関して、例えばこれから決算書というのは、どういう形であれとにかく一時的に支出してしまえば、極端な言い方をすれば、例えばこれは道路をつくるためにお金を使ってくださいということだったんだけれども、それで何か箱物をつくったとか、そういう場合には基本的に決算書は書きかわるはずですね。しかしながら、書きかわらないんでしょうか。これは道路のためにお金を出しましたと、しかし道路のためにお金を出したけれどもほかのものに使ったら、結果的にこれは道路をつくったためなんだということになるんですか。

○副大臣(若林正俊君) 当該予算歳出の目的に使うべきものとして支出をしたが、それを、その予算を実際の実行に当たって他の目的に使用する、あるいは不正に着服するといったようなことがありますと、それはその問題として、決して問題がないわけじゃありませんが、決算書の上では支出が終わって決算が行われています。しかし、目的どおり使われないという意味で、別途その問題は不正を正しながら、正した後入ってきますものは違約金なり弁償金なり、そういうものとして歳入計上すると、こういう仕組みになっております。

○櫻井充君 そうしますと、不正に使われているのかどうか、つまりは、ここにありますけれども、予算に違反してまたは不当なのかどうかということをまさしくチェックするのが会計検査院の役割だと、それはまずよろしゅうございますか。

○説明員(石野秀世君) 今お話しのとおり、決算の検査を行ってございますので、その決算の中身に違法なものあるいは不当なものはないかということで検査をするというのが検査院の立場でございます。

○櫻井充君 そうしますと、現時点での会計検査院の立場といたしましては、その四千二百五十万円の報償費というのはきちんとした形で使われたというふうに判断されていますか。

○説明員(石野秀世君) 本件の事態につきましては、先日来出ておりますように検査院が十分検査をしております。その中でどれだけのお金が、報償費が松尾元室長に渡されたのか、それからその経緯でありますとか、あるいは本来目的にその中から使われたものがどれだけあるのかというふうなことの事実確認を今鋭意行っておるところでございます。

○櫻井充君 しかし、まだ合点がいかないのは、つまりは、もうとにかく支出してしまったら、ではもう一つお伺いしたいのは、国の場合には使途不明金というそういう項目は一切つかない、もしくは仮払いなり仮勘定なり、そういうシステムは一般の企業にはあるわけですけれども、そういうシステムというのは全くないということなんですか。

○副大臣(若林正俊君) 各年度年度の予算につきまして、その執行として支出が行われるわけでございます。その限りにおいて、仮の支払いとかそういうことは出てまいりません。そして、その結果として不当な支出、おっしゃるようないろいろなケースがございます。そのような不当事項につきましては、同時に会計検査院の検査報告が国会に提出される。その使途についてそれが適正であったかどうかということは会計検査院側が、決算は締めていますけれども、使途が不適当であるといったようなことは会計検査の国会に対する検査報告で明らかにされる、こういうことでございます。

○櫻井充君 おっしゃっていることがわからないわけではないんですが、やはりちょっとおかしいと思うのは、では新たなる歳入としてお認めになると。これは、四千二百五十万が損害賠償請求でもし返ってきた場合には、これはどういう歳入項目になるんですか。

○副大臣(若林正俊君) お答えいたします。
 この歳入の受け入れ科目としましては雑収入でございまして、その中の諸収入の款で、目としては弁償または違約金の目でこれを受け入れるということでございます。

○櫻井充君 違約金。

○副大臣(若林正俊君) 違約金または弁償金。この場合は、返還を請求して入ってきましたら弁償金として受け入れるということでございます。

○櫻井充君 つまり、そこで違約金という言葉が出ましたけれども、何に対しての違約金ということになるんですか。本来であれば支出されないものがあるから、本来であれば正当に使われないものがあるから違約金という形になるはずですね。
 ですから、その時点で、その前の決算書が、違う形で支出されているか何かということがやはり本来であれば明記されるべきじゃないですか。そして、その上で違約金が戻ってきたというふうになるのであれば、これは決算上もその年の予算というのも整合性がとれるんだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○副大臣(若林正俊君) 一般論として申し上げるわけでございますけれども、決算書は先ほどから申し上げているように、支出が行われたことによって完結しているわけでございます。その後、その支出が不正不当な支出である、いろんな返し方がございますが、返ってきた場合は、その返ってきたことに伴う歳入の受け皿としてこれを計上している。
 では、どのような形でこれが不当であるかということは、会計検査院の国会に対する報告書でその点を報告して議論する。受け入れの方は歳入として、先ほど言ったような性格別に弁償金または違約金という形で受け入れる目がある、受け皿がつくられているということでございます。

○櫻井充君 改めてお伺いしたいのは、そうすると会計検査院がこれは不当だということを認めたとしても、決算書は全く変わらないということになりますか。この決算書ができ上がる前としても、何らかの会計検査院が問題を見つけたとしても、決算書は全く変わらないんだということでしょうか。

○副大臣(若林正俊君) おっしゃるとおりでございます。

○櫻井充君 官房長官にお伺いさせていただきますが、それで国民の皆さん、納得されるでしょうか。つまりは、一般の企業会計とこれは全然システムとして違うと思っています。ですから、一般の企業会計の分、私は調べましたけれども、普通であれば先ほど申しました仮払金とかそれから仮勘定という形になるんだと思うんです。それが普通だと思うんですよ、本来支出されているべきものに支出されていないということですから。
 ですから、今の国の制度ということが、もし今の国の制度はこれならこれでも仕方がありませんけれども、今後見直さなきゃいけないんじゃないかと思いますが、その点についていかがですか。

○国務大臣(福田康夫君) この事件そのものは極めて問題のあることであります。したがいまして、こういうことのないように努めなければいけない、これはもう当然のことでございますけれども、起こった結果、この後どういう処理をするか、その処理の仕方は、これはやはり今行われているそのやり方に従って行い、そしてそれをよく説明する、もし理解していただけないならば理解していただくよう努力するということに尽きるのではないかと思います。決算のシステムの問題でございますので、私から答弁するのはどうかなと思いますけれども。

○櫻井充君 この件に関してもう一点お伺いさせていただきたいのは、これは、このことによって──官房長官、あとは結構でございます。このことによって国に対してかなりの損害を、重大な過失によって著しく国に損害を与えたと認められるというふうに私は判断いたします。
 今回の件で、ちょっとこれは私、事実確認なんですけれども、会計検査院、特に会計事務職員の方というのは、これで何か責任を問われたんでしょうか。

○説明員(石野秀世君) 報償費を取り扱っております会計機関、支出官等でございますけれども、それがその支出に当たりましてどういう状態での支出であったのかということで、その責任の程度というものをやはり検査の中で判断していくということになろうかと思っております。
 今のところは、まだ特にこれによってどうこうということの段階には至っていないということでございます。

○櫻井充君 私はおかしいと思います。きちんと検査されていないから、こういう平成十年度の決算書が上がってきて、たまたまああいう形で見つかったと。しかも、いつもちゃんと検査しているとおっしゃっていますが、きちんと検査しているとは私には思えないわけです。
 そうすると、当然のことながら、これは会計検査院側の責任というのも私は非常に大きなことなんだろうと思いますが、この方々が処分されていないというのは、何のために会計検査院があるのかわからないんじゃないでしょうか。これでは職務怠慢というんでしょうか、何か国家公務員法にもあるようでございますが、それにも該当するんではないかというふうに思いますが、いかがでございますか。

○説明員(石野秀世君) 本件につきましては、今まさに検査中ということで先ほど申し上げたところでございますが、検査の結果によりまして、会計機関の責めを問うべきであるということになれば、当然会計機関のその責任を検査院としてとっていくということになると思います。

○櫻井充君 何回も言うようですけれども、本来は会計検査院のチェックを受けてから出てくるものであって、順番が逆じゃないかと思います。
 こればかりやっていても仕方がないので、済みませんが、次に、ちょっと原子力政策についてお伺いさせていただきたいと思います。
 先日、プルサーマルの件で住民投票が行われまして、平沼大臣が、エネルギー政策という国全体の問題に住民投票はなじまないというふうな発言をされております。確かにその部分も私はないわけじゃないと思っています。
 その意味で、国としてエネルギー政策をどうするのかということをきちんとしなければ、これからまたこういうことが起こってくるんじゃないだろうか。私は、その住民投票という決着を、結果を出さざるを得ない住民の方の方がむしろ気の毒なんではないかと思っておりますけれども、大臣としていかがお考えでございましょうか。

○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたします。
 五月二十七日に新潟県の刈羽村で住民投票が行われました。その結果、先生御承知のように反対派が過半数を占める、こういうふうな結果になりました。その中で私どもは、やはり議会があって議会制民主主義、こういう建前をとっておりますから、必ずしも国の国策、そういうものに関してすべて住民投票がオールマイティーだと、こういうふうには私は思っていないわけであります。
 しかし、実際に原子力政策に協力してくださっている地域の方々に、やはりその必要性でありますとかその安全性というものについて、やはり国それから事業者がもっと説明責任を果たす、そのことが私は必要だと、そういうことを痛感させていただきました。
 したがいまして、この刈羽村の住民投票の結果を受けまして、私は六月一日に、事業者の方々にも来てもらって、やはり国のエネルギー政策にとってはどうしても必要なことであるので、事業者の皆様方も、そういった協力してくださっている地域の住民の方々、国民に向かってやはりしっかりとしたそういう説明責任を果たしていただきたい、こうお願いをいたしました。
 同時に、国も、国策でございますので、私どもといたしましては、ひとり経済産業省だけではなくて、国の中にやはりそういうしっかりした連絡協議会というのを設けて、特にプルサーマルに関しては内閣官房副長官が主宰者として、関係省庁集まって、この六月五日にそういう会合を第一回させていただきました。
 そういう中で、こういう基本的な政策に関しては、やはり我々国としては、地域住民の皆様方あるいは国民の皆様方に向かってしっかりとした説明責任を果たしていく、そして御理解をいただく、このことが何よりも重要だと、こういう形で一生懸命やらせていただきたいと思っています。

○櫻井充君 その住民投票の結果を受けて、石原都知事が地域のエゴなんだと、そういうことは国策の中で許されることではないという趣旨の発言をされているかと思いますが、果たして本当にこれは地域のエゴでしょうか。この石原発言に関してどうお考えでございますか。

○国務大臣(平沼赳夫君) 私も、石原都知事がその種の発言をされた、こういうことは承知をいたしております。ただ、石原知事の発言というのは、例えば東京ということを例にとりますと、やはり東京の場合には東京で必要とする電力の六%しか東京の中では生産していません。そういう意味で、九割を超えるものを、やはりそうやって協力をしてくださっている立地の方々、その方々の御協力でいただいているわけであります。
 したがいまして、石原都知事の発言の中には、そういう意味では東京でやってもいいんじゃないかというようなこともその発言の中に含まれていたと私は承知しておりますけれども、石原都知事が地域のエゴと、こういうふうに言われたのは、そういうものは総合的に消費地の方々も、やはりそういう地域の方々、そういった方々の御協力ということもよく勘案をしながら判断していく。したがって、そういう刈羽なら刈羽の方々のエゴということよりも、むしろ私はあれを読んで、やっぱり消費地の皆様方も、いわゆる首都圏に住んでいる人たちのそういう便益性、そしてその便益性を享受しているということも総合的に勘案して判断すべき問題じゃないかという趣旨の発言ではなかったかなと、そのように私は読ませていただいたんです。
 私は、刈羽の皆さん方のあの結果というのは必ずしも地域のエゴとは思っておりませんで、やはり安全性だとかそういうことに対して大変心配をされている、そういう結果の投票結果だと、私はそういうふうに受けとめています。

○櫻井充君 大臣のお話のとおりなのかもしれませんけれども、しかしそうだとすれば、大臣、ぜひ東京にそういう施設をつくっていただきたいと思います。そういう提案を石原知事にまずしていただきたいと思います。そして、石原知事がそれを受けてくださるのかどうかということを私は確認したいと思っています。
 これは、村の住民の方々は物すごく怒っていらっしゃいまして、東京にそういう施設をまず一回つくってみれば地域の人たちの気持ちもわかるんだとおっしゃっていますけれども、そのような提言を、提案をぜひ石原知事にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(平沼赳夫君) 私も石原知事とは知らない仲ではございませんので、機会があったら石原知事にその真意をよくお伺いしてみたいし、またそういうことに対してどの程度、どういうお気持ちで言っているかということも私は問いただしたいと思っています。
 ただ、現実論として言いますと、これはもう櫻井先生御承知のように、やはりしっかりとした岩盤があるとか相当な面積が要るとか、そういったやはり立地をする場合には必要条件というものはかなり厳しいものがあります。
 そういうふうな観点から、私は担当大臣として、必ずしも東京がそういう意味では、関東ローム層とかそういう部分がありますから、必ずしもそれが向いているかどうかということに関しては、私も専門家ではないですけれども、向いているのかどうかという疑問があります。しかし、石原知事がそういうことを言われたのであれば、私も石原さんにはそういうことは聞いてみたい、このように思っています。

○櫻井充君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 ちょっと奇抜と言われるかもしれませんが、私は、やはり住民投票で決めていくというのはこれから先余りふさわしくないんだろうと、こういう問題に関しては。むしろ、国民投票を一回やってみるべきじゃないかと思っています。
 というのは、沖縄の基地の問題もそうなんです。沖縄の方々が苦労されていて、ここに基地があった方がいいのかどうかということを住民投票で問われていますけれども、国策ですから、その国策が果たしてこのまま進んでいっていいのかどうかということを、本来であればそれは負託されている我々がやるべきなんだという意見ももちろんあるでしょう。それは議会制民主主義の中で当然のことなのかもしれません。しかしながら、我々国会議員が、では選択されるときにその問題だけで選択されているかというと、必ずしもそういうわけではありません。
 ですから、僕は、間接民主主義を否定するものでも何でもなくて、ぜひ補完する意味で国民投票というのを考えるべきことだと思っております。ジェー・シー・オーの事故が起こるまでは基本的に原子力政策に賛成されている方の方が多かったかと思います。しかし、あの事故以後、実は原子力政策に反対される立場の方の方が多くなっている、これは世論調査の結果だけです。そういう意味で、私はきちんとした形で、何らかの形で問うていくことが非常に大事なことなんじゃないか。
 現憲法下では、憲法四十一条に国会が唯一の立法機関であるということもありまして、もちろん法的拘束力を持つわけではないということも重々承知しております。しかしながら、諮問型という点で国民投票が実施できるわけですから、むしろこういうことは各地各地で住民投票がこれから繰り広げられるということのないように、国策として今後、これまでどおり原子力発電所を建設していくのか、それとも現状のままにするのか、減らしていこうとするのか、まずそういう民意を問うべきではないかと思っておりますけれども、その点に関していかがでございましょうか。

○国務大臣(平沼赳夫君) 憲法上、国民投票というのは、例えば憲法改正というような問題に関して認められている一つの手続だと思っています。こういう国の基幹的な施策に関して国民の意を問う、こういうことも私は必要なときが来る場合もあると思っています。
 しかし、現時点の中で、先ほども私が申し上げましたように、この例えば原子力政策に関しまして、今御指摘のジェー・シー・オーの事故でありますとかあるいは「もんじゅ」の事故でございますとか、あるいは今やっておりますプルサーマル計画の中のMOX燃料のデータの改ざん、こういうことが非常に悪くやって、それをまた、ある意味では当然ですけれども、マスコミの方々がセンセーショナルな形で報道する、そういう中で国民が非常に不安に思っているわけであります。
 そこで、我々といたしましては、もちろん原子力というのは安全というものを第一に考えて、そしてその安定供給というのを図ることが大事ですから、そういう意味で、そういう過去のいろいろな問題に立脚して、やはり国としてもうでき得る限りの説明責任を果たさせていただいて、そしてその説明責任を果たさせていただいた上の中で、私は将来的な考えの中で先生がおっしゃることも一つの方法だと思っておりますけれども、現時点では、私の考えとしては、やはり今そういう中で、本当に我々としては安全性でありますとか必要性であるとかということをもう一段深く国民の皆様方によく説明責任を果たすことが第一に必要なことじゃないかと、私はこのように考えております。

○櫻井充君 そのとおりだとは思いますけれども、ある意味でいうと、スイスなんかは国民投票のたびにこのぐらい分厚い、電話帳ぐらいの資料が来て、そして賛成派も反対派も議論するわけです。やはりそういうこれから議論をしていかないと、国民の皆さんも政治に対しての興味とかいうことも出てきますし、そういう意味では国民投票を実施していくような形のことも考えていいんじゃないかというふうに思っています。
 あと、最後にちょっとだけ中小企業のことに関してお伺いさせていただきたいんですけれども、現時点において貸し渋り、貸しはがしの現状というのは一体どうお考えなのか。済みません、端的にお願いしたいんですが、この間、金融庁はないというふうにおっしゃっていますが、果たしていかがでしょう。

○国務大臣(平沼赳夫君) 貸し渋りというのが一番顕著になりましたのは、バブルが崩壊して、平成十年のことでありました。そこで、これはもう委員よく御承知のように、極度の貸し渋りに対して特別保証制度というのをつくって運営させていただきました。それを実施するに当たって、中小企業の皆様方に意識調査をしてみますと、貸し渋りが当初は非常に高い比率で三五%であったのが、一九%台までだんだん下がってきました。しかし、最近、この景気を反映いたしまして、一・四ポイントでございますけれども、やはり先行きこの資金の貸し渋りというのは厳しいと、こういうことが出てきておりますから、中小零細企業の皆様にとってはやはり現実に貸し渋りというのはある意味では厳しさを増している、このことは我々としてはしっかりと把握をして対策を講じなければならない、このように思っています。

○櫻井充君 金融庁の見解と若干違うように思いました。
 それで、もう一つその中でやはり大事な位置づけになるのは、これは公的金融機関なんだろうと思います。しかし、今、公的金融機関は、貸し出すときに政府の信用保証をとってこいと言うんです。同じ政府の機関が政府の信用保証をとってこいと言うのはまずいかがなものかということと、済みません、もう一つだけ。
 今、信用保証の枠が五年で五千万でございます。しかし、五年で五千万ということは、利益率二〇%以上じゃなければ、運転資金として提供されたものの二〇%以上じゃなければ返還できないわけであって、制度融資としての問題があると思うんですけれども、この点について御答弁願いまして、質問を終わります。

○国務大臣(平沼赳夫君) 中小公庫でございますとか国民公庫といった政府系中小企業金融機関、これは債権保全の必要からやはり担保や保証人の徴求、これが行われている、これが現実であります。信用保証協会の保証を利用せずに、みずからの責任において融資を行うことが一応大原則でございます。
 しかし、創業者向けの融資とかセーフティーネット対策の一環として、業況悪化企業の運転資金を担保不足で貸す場合など、融資を極力迅速かつ円滑に行う政策的必要性が高いわけでございまして、中小公庫や国民公庫の通常の融資制度では対応しがたい場合に限って例外的に御承知のように信用保証を付す、こういうことになっているわけでございまして、我々としましては、同じ政府系金融機関だからと、こういう御指摘がございますけれども、このような特別なケースを除いては、やはり政府系中小企業金融機関はみずからの責任で事業内容の審査を行い中小企業者の資金ニーズにこたえていくべきである、私どもはこのように思っております。
 それから、中小企業の返済能力を十分考慮したものか、こういうことでございますけれども、政府系中小企業金融機関及び信用保証協会における審査においては、借り手企業の返済負担が過度に大きくならないように、個々の中小企業者の実情に応じた金額融資を保証しております。
 一つだけ例を申し上げますと、例えば本年三月末で終了した特別保証制度においては、無担保保証制度を利用する場合には、運転資金は五年以内、設備資金は七年以内で、保証限度額が五千万となっておりますけれども、あくまで返済期間や保証限度の条件を定めているにすぎなくて、ケースによってちゃんと御相談に応じて、それより過重になる場合は少なく設定して、そしてそういう負担が過度にかからないような、そういうきめ細かいこともやらせていただいているわけでございます。そういう中で御指摘の点は、我々としてはなるべく過度な形で負担が長い間残らないような、そういう御相談にも応じながら弾力的にやっていく、また非常に厳しい状況に置かれた場合には、返済期間というものは定められていますけれども、それもまた我々としては猶予を少し持って弾力的に対応させていただく。
 今の中小企業の厳しい現状を踏まえて弾力的な対応を我々はやっていっておりますし、これからもそういう形でやらせていただきたいと思っております。

○海野義孝君 公明党の海野でございます。
 まず最初に、第三セクターの問題につきまして御質問したいと思います。
 現在、我が国の新生、そうした中で産業の再生と不良債権の処理といった問題が大きくクローズアップされているわけでございますけれども、民間の企業につきましてはいろいろな面で大変厳しい環境下にあるということは報道されておりますけれども、この第三セクターの問題につきましては、たしかことしの二月ごろでしたか、宮崎の例のフェニックスリゾートが経営しておりますシーガイア、これが実質的に倒産したというような報道がなされまして、改めて第三セクターもかというような話が出てきているわけでございます。
 第三セクターは、たしか一九八〇年代半ば以降からこういった経営体が出てきまして、そして一九九〇年代真ん中あたりぐらいがピークで、その後は後退していると思いますけれども、これは、例の八六年の民活法、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法、それから八七年のリゾート法、総合保養地域整備法の成立を契機として、特にレジャーとか観光型の第三セクターが多数設立されたということでございます。
 昨年の暮れに、第三セクターの状況に関する調査結果についてという報告が旧自治省から発表されましたけれども、それによりますと、現在、約六千七百九十四法人あるわけでございますけれども、そうした中で、特に商法法人関係、営利を目的とする商法法人について見ますと、約四〇%近い法人が赤字を計上しているというようなことが明らかになっております。また、黒字の場合でありましても、自治体からの無利子の借り入れ、補助金の交付を受けている場合もありまして、第三セクターの経営状況について見ますと、やはり全般的に見て大変厳しい状況にある、このように私は認識するわけでございます。
 第三セクターという制度そのものについても見直し等を含めた議論をしていく必要があるんじゃないか、こう思うわけでございますけれども、今後の第三セクターの経営の健全化について、所管の省とされましてはどのように対処していくおつもりか、総務省の方からまずお聞きしたいと思います。

○大臣政務官(山名靖英君) 今、海野委員から御指摘がありましたように、第三セクターにつきましては、特にバブル崩壊後、大変な経営困難と、こういう状況が多々見られていることは極めて遺憾なことでございます。
 今御指摘ありましたように、大体二五%を出捐、出資している、こういう法人はおよそ六千八百ございまして、そのうちいわゆる赤字を出している商法法人がおよそ約四〇%、民法法人になりますと大体三割ということで、いずれにしても大変厳しい状況であることには間違いございません。
 御指摘ありましたように、民活法なりリゾート法等が原因でこういうことになったわけではありませんで、少なくともバブル崩壊後の経済状況が極めて悪化してきた、こういうところに大きな要因があるわけでございまして、特に観光・リゾート関係の第三セクター等が厳しい現状にございます。
 実は、旧自治省といたしまして、今は総務省でございますが、もう二年前からある面では警告を発しておるわけでございまして、平成十一年の五月にも第三セクターに関する指針というものを提示いたしまして、しっかりと特に経営状況の定期的な診断、こういうものをやってくださいよ、あるいはそういう第三セクターの状況について地方議会にきちっと報告をし、そして住民への情報開示というもの、こういったものもきちっとやってくださいよ、あるいは第三セクターの経営改善といいますか、組織の体制のあり方あるいは役職員の数、給与の見直し、そういった経営の改善にしっかり取り組んでくださいよ、あるいはいわゆる問題というものが明確になっているわけでありまして、そういったことを先送りしないで、事業の存廃を含めてその辺は早急に地方自治体として対応してくださいよ等々、現状のそういう問題に対しての指針というものをお出しいたしまして、各地方自治体のそういった明確なチェックと奮起を促しているというところでございます。
 各地方公共団体にありましても、この指針のもとに適切な対処が今後行われる、こういうふうに私ども思っておりまして、特にこういった第三セクターの問題が各公共団体のみずからの財政に対して大きな影響を与える、こういった事態にならないように私どもも今後ともしっかりと公共団体への支援をしてまいりたい、このように考えているところでございます。
 以上です。

○海野義孝君 次に、きょうは日本政策投資銀行の小村総裁に御多忙のところおいでいただいておりますので、今後の御方針等につきまして少しお聞きしたいと思います。
 毎年のようにこういった立派な資料をお送りいただいておりまして、私もつぶさに拝見をしているわけでございますけれども、この政策投資銀行、かつての開発銀行と北海道東北開発公庫等の業務を継承して一昨年の十月に発足された。小村総裁もことしの一月に御就任になったということでございまして、いろいろと御抱負もお持ちだと、こう思いまして、きょうはいろいろと拝聴しよう、こういうことでお呼びいただいたわけでございます。
 それで、この政策投資銀行、今いろいろ特殊法人あるいは認可法人の見直しの問題等が大変紙上をにぎわしているわけでございますけれども、そうした中で政府系の金融機関としてこれまで大変我が国の経済産業の発展に多大な貢献をされてきたということについては、その労苦に対しては大変感謝申し上げる次第でございますけれども、総合政策金融機関ということで我が国の経済社会政策上望ましいプロジェクトを支援している、こういうことでして、長期資金の供給あるいはプロジェクトの支援、情報の発信、こういうような多角的な業務をされていますけれども、そうした中で、業務運営上の特色として、中期政策方針に基づく投融資指針の作成、公表ということで、これは主務大臣が作成された三年間の中期政策方針に従って業務を推進されている。この各業務年度ごとに投融資指針を作成して公表される。
 それからもう一つは、民間の金融機関の補完、奨励、こういった面は銀行法においてそのことはうたわれており、民間の金融機関との競争禁止を規定されている。補完、奨励することになっている。それからまた、財務の健全性の確保と償還の確実性、収支相償の原則を踏まえた政策金融機関として健全かつ効率的な業務運営に努めている、こういったことがこの資料の中にもうたわれておりまして、あと財務データ等についても詳しく出ているわけでございます。
 総裁として新しく就任なさってまだ日が浅いわけですけれども、今いろいろな面で、現下の我が国の経済産業の状況、あるいはまたこれまでのそうしたいわゆる政府系金融機関のあり方、あるいはこれからの方向といったことについては、これまでとは我が国自体が、日本新生、産業再生といったそういった中において、おのずからその業務等についても従来とまた変わった方向に進んでいかれるという面があろうかと思いますけれども、そういった点につきまして、ひとつ総裁の御所見を伺いたいと思います。

○参考人(小村武君) 先生御指摘のように、一昨年の十月に新しい政策金融機関として、北東公庫、開発銀行を廃止し統合した結果、生まれました。
 私どもの旧開発銀行は、かつて戦後の復興時期には産業金融を通じて寄与してきたわけでございますが、そのときには重厚長大を中心とした産業金融でございました。今日、私どもは財務大臣から中期政策方針をいただき、そのもとで運営をしているわけでございますが、最も力を入れておりますのは地域の自立支援、豊かな国民生活の実現、経済の活性化、特に地域の自立支援について私どもは今、知恵と情報をもって貢献をする銀行ということで、各地域の地方公共団体の長の方あるいは経済界の方等々を通じましていろんな情報を発信し、新しいニーズがそこから生まれ、地元の金融機関の方々と共同してプロジェクトを立てていくという状況でございます。
 今日、企業に対する信用よりも新しいプロジェクト、プロジェクトファイナンスとかPFIとか、そういう新しい金融手法が中心になってきております。そういう際に、私どもはナレッジバンクと呼んでおりますが、地元の経済界、金融機関の方々と御相談をして新しいプロジェクトを創出し、都市の活性化といいますか都市のルネッサンスという、そういういろんな観点から私どもは支援をしてまいりたいと思っております。
 もちろん、先生御指摘のように、私どもは民間を補完する金融機関であります。私どもができる範囲のものを通じて貢献をするわけでございますが、その際、私どもは民間金融機関が供給できない長期の資金を供給する、特に設備資金でございます。運転資金は民間金融機関の方々が企業あるいはいろんなプロジェクトについて面倒を見ていただくということですみ分けをいたしておりますし、また各種の機関の方々からも御理解を得ているところであります。
 もう一つの大きな柱は、先生御指摘のように収支相償でございます。私どもは、やはり政策金融機関としての役割を果たすと同時に、収支差額を税金で補てんしていただくということはない、これは法律にも明示されておりまして、この原則をきちっと守って、大体毎年四百億から五百億円の純益を上げ、これが法定準備金に積み上げられ、仮に不良債権の償却が必要な場合には準備金を取り崩して償却をしていく、決して税金のお世話にならないようにということで、ただいま九千億円超の準備金も積み上げてまいっております。
 市場経済が原則の我が国におきまして、あくまでも民間金融が中心でありますが、その間にあって、私どもの果たすべき役割、政策というものがある限り、私どもはいろんな知恵を出し、情報を発信して貢献いたしたい、こう考えております。

○海野義孝君 どうも大変ありがとうございました。総裁、もう結構でございます。ありがとうございました。
 次に、石原大臣に一問お聞きしたいと思います。
 いよいよ今週二十二日には特殊法人等改革推進本部がスタートされる。首相が本部長で出発されるということでございますけれども、巷間いろいろとにぎわしているわけでございまして、中間取りまとめの原案、そういったものがだんだんはっきりしてきている状況でございますけれども、いずれにしましても、これから我が国の経済あるいは産業が二十一世紀初頭に当たってまさに失われた十年と言われる空白を取り戻して、そして国民にもやはり希望と勇気を与えるようなそういった方向に持っていかなくてはならない。
 そういう中で、民間におきましてもまさにいろいろな痛みを伴うようなそういったことをこれからも続けていかなくてはならないということでございますけれども、そうした中におきまして、行革大綱に沿いましたこうした特殊法人あるいは認可法人等についての思い切った見直しと、廃止あるいは民営化、または独立行政法人化等々のそういった方向というものがこれから一年ぐらいの間に次第にはっきりしてくるのではないか、こう思うわけでございます。総論的に言うと、これはだれもがやるべしと、賛成ということでありますけれども、なかなか今後これを具体的に進めていく上に当たりましては、関係官庁等においてもいろいろなやっぱり抵抗も考えられるわけでございまして、個別的な特殊法人をどうするかということの検討に当たっては大変厳しいものがある、こういうふうに思うわけでございますけれども、行革担当大臣としてどのような御決意で臨まれるか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(石原伸晃君) 海野議員の御質問にお答え申し上げたいと思います。
 もう既に委員が中間取りまとめに当たりましての方向性については御言及されましたので重複を避けさせていただきたいと思いますが、小泉総理の民間に任せるものは民間に任せる、地方に任せるものは地方に任せるという大方針のもと、また強いリーダーシップのもと、私の方でも委員御指摘のとおり論点整理の問題をさらに深掘りさせていただきまして、公共事業系、あるいは今、小村総裁がお話しになっておりました政策金融系、あるいは施設系、研究型といったような十八の類型ごとの事業見直しを今後さらに検討する際の方向性をお示しする中間取りまとめを今週末を目途にお示しできるよう準備を進めているところでございます。
 もう委員御指摘のとおり、総論は賛成でございますけれども、各論部分になってきますと政策的に意味があるから法人が存在しているんだといったような反対論がもう既に出てきておりますけれども、今後、出資会社などいわゆる特殊法人の子会社も視野に入れて、各法人の事務事業について、総理の所信表明の中にもございましたようにゼロベースから見直して、年度内を目途にその組織形態、海野委員がもう既に御指摘されましたけれども、廃止すべきものは廃止する、民営化できるものは民営化する、独法に行くものは独法に行く等、特殊法人改革にもう最後のチャンスだと、そのぐらいの気持ちを持ちまして内閣を挙げまして取り組ませていただきたい、こんなふうに考えております。

○海野義孝君 石原大臣のますますの御健闘を期待申し上げる次第でございます。
 次に、十年度の決算についての評価という問題につきまして、塩川大臣にお出ましをいただきたいと思います。
 当時、私も大蔵委員会に所属しておりまして、たしかあの年はちょうど橋本大臣から小渕大臣に、総理に交代するというような大変厳しい状況下でありましたけれども、たしか三回にわたって補正予算を編成するとか、そういうようなことでございまして、私も当時のことが鮮明によみがえります。大体、予算編成に当たってその前年の暮れあたりに政府の経済見通しを発表するわけでございますけれども、これが大変大外れに外れまして、今ちょっと数字を見ましたら、平成十年度は当初政府経済見通しが一・九%と、これは前の年の当初見通しと全く同じものを出しました。前の年の実績はわずか〇・二%の実質成長。この年は途中で実績見直しをしましてマイナスの二・二になり、それが最終締めてみたらマイナスの〇・六というような負の成長率であったということでございます。
 当然のことながら、この年は財政的な措置を目まぐるしく講じたということでございまして、当初は公債発行十五兆五千五百七十億円であったものが最終的には三十四兆円。当然、これは税収が大変なそごを来したわけで、当初予算の中の歳入の部の税収としては五十八兆五千億強、これが締めてみたら四十九兆四千億円強ということで約九兆円の見込み違いということでございまして、大変な年になったということでございまして、これは強いて言えば、その後のいわば財政構造改革法が凍結され、そして再び景気対策ということに喫緊の課題として取り組んで今日に至った。
 今、再び構造改革かあるいは景気対策かというところに差しかかっているわけでございますけれども、そうした意味で今この決算委員会で平成十年度の決算についての総括をするに当たって、所管大臣として振り返っていただいて、これをどのように評価され、今後にどのように生かされるかという点についての御所見をお聞きしたい、こう思います。

○国務大臣(塩川正十郎君) 平成十年、振り返ってみますと、何でもありの哲学なしでした。ですから、もうどんどんと補正予算を組んでしまって、それで結局、公債依存度が四三%、四四%になったんじゃなかったですかね。それでも景気がとまらなかった。やっぱり私は根本の経済の仕組みを変えていかなかったことにあるんじゃないかと思っております。今、その反省に立って、公債をこれ以上発行しないようにするという一つのけじめをつけることと、そしてまた構造改革をやっぱり真剣に考えていかなきゃならぬと思っております。
 ですから、平成十年、あの当時はやっぱり不景気が進行しておるときでございましたので仕方がなかったかなと思っておるんですけれども、政府の方も政治家の方ももう少し何かやり方があったんじゃないかなと思ったりもいたしますけれども、これはもう一つの非常に貴重な参考として、勉強材料として私たちはこれからの対策を考えていきたいと思っております。

○海野義孝君 ひとつ塩川大臣、重大な御決意に立って、まさにこの大変狭い通路を何とか英知をもって切り抜けて、そしてやはりこの数年の間に日本の確たる進路が盤石なものになるような方向にひとつ御努力いただきたいと思います。
 次に、特別会計の借入金の問題について、いわゆる歯どめ論の問題でございますけれども、これについてお聞きしたいと思います。
 特別会計、たしか今、三十七特会あるわけでございますけれども、この財源というのは一般会計からの繰り入れとかあるいは目的税であるとか借入金等に依存しているわけでございますけれども、三十七特会中、現在借り入れを認められているのはたしか三十会計だと思うのでございますけれども、実際には平成十一年度におきましては十二特会において借り入れを行っている、こういう状況だったと思います。
 こういった特別会計の借り入れ等につきましては、いわゆる財政融資資金からの借り入れが中心になっていることは言うまでもないんですけれども、近年の状況を見ますと、特会全体としましての収納済みの歳入額と年度末の借入金残高を見ますと、大変収納ベースに比べて借り入れの方が急激である。
 例えば、収納済みの歳入額は平成元年百七十五兆円余、平成十一年度三百十兆円余、一・八倍、これに対して借入残の方は十七兆四千億円から九十七兆六千億円余と五倍以上にふえておりまして、このような借入金残高の収納済み歳入額に占める割合について見ましても、九・九%から三一・五%というように近年大変な勢いで借り入れがふえている。その大宗は交付税特会の借入金であるわけでございますけれども、いずれにしましても、この特別会計の借入金に歯どめをかけるということが私は喫緊の重要課題であると思います。
 将来、こういう状況が続きますれば、借入金の返済のために再び借り入れをするというような今の国の一般会計のような状況でございまして、国の一般会計でも五年ぐらいを目途にプライマリー均衡ということが言われているわけでございますけれども、いずれにしても自転車操業的な財政運営に陥る危険性が多分にある。どこかでこの特会につきましても歯どめをかけることが必要ではないかと思いますけれども、この点、財務省、どなたかひとつよろしくお願いします。

○副大臣(若林正俊君) 委員御指摘のように、各特別会計の借入金残高、それぞれ特別会計の性格によって違いますけれども、全体とすれば元年から十一年の十年間の間に非常に大きく膨らんでおりまして、御指摘がありましたように、収納済み歳入額との比率で見ますと三〇%を超えるというような状況になっています。その大宗を占めておりますのが御指摘がありました交付税及び譲与税配付金の特別会計でございます。
 近年の地方財政の拡大と、税収が国と同じように低迷をいたしております。そのために、交付税特別会計における借り入れによって交付税を増額する措置を継続してまいりました。その結果、交付税特別会計の借り入れは、御指摘がございました十三年度末で四十二兆五千億、これは国負担の借入分が十四兆、地方負担分として将来の交付税収で返済をする建前になっておりますが、これが二十八兆五千億という数字になっております。
 これに対しまして、平成十三年度の地方財政対策におきまして、交付税特別会計における借り入れの方式、今までの方式にかえまして、従来の国負担に相当する分については交付税特会への一般会計繰入額を増額するという措置をとります一方、地方負担に相当する分につきましても、個別の地方公共団体が特例地方債を発行するということによりまして、それによって借り入れる方式に改めまして、こういう制度改正を講じましたこともこれからの特別会計借入金の増加に歯どめをかけることとなると、そのような意図を持っていたしたわけでございます。
 以上、歯どめの措置につきましては、十三年度予算編成から今申し上げましたような措置を講じたということでございます。

○海野義孝君 福田官房長官、わざわざお戻りいただいてありがとうございます。時間がなくならない先に、ちょっと長官の方に二つほどお聞きします。
 一つは、先般、私は新聞で拝見しましたけれども、官房長官は、いわゆる内閣官房報償費、外務省報償費につきまして他の予算項目に振りかえるという趣旨の御発言をされたかに拝見いたしましたけれども、内閣官房報償費に関しまして他の予算科目へ振りかえを行うことについて、長官は現段階で具体的にどういった項目に振りかえられるのか、何かそういったお考え、確たるものをお持ちか。

○国務大臣(福田康夫君) 私は、内閣官房の報償費ということでお答えさせていただきますけれども、総理外国訪問に伴う内閣官房職員の宿泊費、これは問題になった項目でございますけれども、それから内閣総理大臣及び内閣官房副長官の宿泊費、この問題になりました二件につきまして、これはもう既に実費支給するというように項目を変えております。これはもう既に実施をいたしておるわけでございます。
 また、これ以外のものにつきましても、今回の不祥事を契機に点検いたしまして、その結果を踏まえ、平成十三年度予算の基本的な執行方針というものを考えておりまして、具体的に一つ一つ吟味をいたしまして、厳正かつ効率的な執行の徹底を図っているということでございます。
 その結果を見ながら、今後、一つ一つについて適切な対応をしてまいりたいと思っております。

○海野義孝君 長官、もう一点お願いします。
 これまた新聞報道ですから私も確認できていることじゃありませんけれども、情報公開法に基づいて請求されていた内閣官房報償費に関する行政文書をすべて不開示とするということを決定されたというような報道を読んだのですが、報償費は、国が国の事務または事業を円滑かつ効果的に遂行するためにその状況に応じて最も適当と考えられる方法によって機動的に使用する経費であるわけでして、具体的な使途については情報開示に適さないということについては十分理解できるわけであります。承知しておりますけれども、今回のような不祥事の再発防止のためにも、情報公開が可能なものについてはその使途などの公開を検討すべきではないか。
 こうした内閣官房報償費に関する情報公開のあり方について長官の御見解をお聞きしたい、こう思います。

○国務大臣(福田康夫君) 先生のおっしゃられるとおりでございまして、報償費の具体的な使途を明らかにするということは、報償費という経費の性格から適当ではないということでございます。したがいまして、今回の情報公開請求に対しても、この考え方から不開示にするということを決定いたしているところでございます。
 情報公開を進めていくことはもちろん重要でございます。しかし一方では、国家機関がその任務を遂行していくという上において公の利益の保護の観点からある事柄を公表しないということは、これは情報公開法上も認められているというところでございますので、報償費の具体的な使途などにつきましてはこれに該当する、こういうふうに考えておるところでございます。

○海野義孝君 ちょっと前後しましたけれども、外務省にお聞きしたいと思いますが、同様の質問でございますけれども、報償費の他予算への振りかえ問題につきまして、今回の事件を受けまして、外務省機能改革会議等の場におきまして外務省改革について種々議論がされてきたわけでございますけれども、それを踏まえて去る六日に外務省から外務省改革要綱が発表されたわけでございます。
 これによりますれば、外務省報償費について、「平成十四年度予算については、使用の実績を踏まえながら、他の予算科目への振替えも視野に入れつつ、極力減額に努める。」とありますけれども、具体的にどのような予算科目について他の予算科目への振りかえを検討されていかれるのか、外務省の方からひとつお願いします。

○副大臣(植竹繁雄君) 委員お尋ねの件でございますが、これまでその都度の判断で機動的に報償費によって処理されてきたものがありますが、その中には時間的経過によりまして恒常化いたしまして、例えば省費等他の科目によって支弁することにつきましてもほとんど問題が生じないというようなものがあるのではないかと思っております。ただし、具体的にいかなる予算項目への振りかえとするかにつきましては、今後、来年度の概算要求に向け検討をしていく予定でありまして、現時点では固まっておりません。
 しかし、天皇誕生日のレセプションにつきましては一部報償費を使用している場合がありまして、このようなものにつきましては国民の皆様も非常に了解され得ることでございますので、これは検討可能なものであると考えております。

○海野義孝君 次に、予備費につきまして一、二お聞きしたいと思います。
 先ほどもどなたか委員の方からも御質問がありましたけれども、平成十一年度におきましては公共事業等予備費、五千億円が計上されました。ほとんど使い切ったわけですけれども、この公共事業等予備費は昭和五十四年度以来実に二十年ぶりで計上されたということですし、実際に使用されたという点では昭和五十一年度以来二十三年ぶりということでございました。大変な経済の状況下にありまして、なかなか民によるそういった需要の創出が厳しいという中でこうした支えをしたわけでございます。
 その主な内訳、国家的プロジェクトの推進とか二十一世紀発展基盤整備、緊急課題対応、災害復旧等に大別されていますけれども、これら予備費の景気浮揚等の効果、こういった財政的な措置を打ち消すような民間の冷え込みということでなかなか判定は難しいかと思いますけれども、私はそれなりのやっぱり効果があったと、こういうように確信しておりますが、財務省とされてはどのようにこれを把握され、検証されたか、御説明いただきたいと思います。

○国務大臣(塩川正十郎君) 原則として、公共事業予備費というものは余りこれを組み込むということはよくないと思ったりいたしますけれども、しかし、公共事業といいましても、未執行の部分を急に執行するようなこともあるし、あるいはまた予定しておりますものが若干おくれたりいたしますので、その間に、一年間の間に調整する必要があると思っておりますので、やはりこれの予備費を計上しておかなきゃならぬと思っております。
 お尋ねの五千億円の件につきましては、予見せざる事案であったかどうかということは、これはいろいろ議論のあるところでございますけれども、しかし、予算編成当時においては実際にいかなる金額でどのように執行するかということが定かでなかったことは事実であろうと思っておりますので、したがって、これは不測の事態に備えているということと、それから調整機能を持ったものとしての予備費として計上させていただいた次第でございます。

○海野義孝君 では、もう一問だけで終わりたいと思います。
 九州・沖縄サミット関連経費につきましてでございますけれども、公共事業等予備費の中にはこの九州・沖縄サミット関連事業として約二百八億円が使用されております。サミット関連経費は約八百億円と新聞等々でも報道をされておりましたが、省庁別内訳はどうであったか、公共事業等の予備費を含め御説明いただきたいと思います。
 これらサミット関連経費については高額過ぎるとの批判が新聞等ではなされておりましたけれども、この点についても御所見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(高田稔久君) お答えいたします。
 平成十一年度の予備費のうち、公共事業等予備費の各省庁別の内訳でございますが、これは警察庁約十四億円、当時の沖縄開発庁約八十八億円、運輸省約四億円、海上保安庁約二十一億円、建設省約八十億円となってございます。
 それから、サミットの全体の経費八百億円ほどでございますけれども、昨年の九州・沖縄サミットは我が国にとって初めての地方開催でございました。また、首脳会合、外相会合、蔵相会合、それぞれ別の場所で行われまして、通信インフラあるいは道路等の関連施設の整備費、警備費用、準備段階を含めました移動の費用等が必要となったこともございまして、このような予算額となったものでございます。
 また、特に首脳会合の行われました沖縄につきましては、サミット開催に伴うインフラの整備、あるいはサミット自体を開催したということで沖縄が大変内外にアピールされたということは、沖縄の産業経済界にはかり知れないプラスの影響を与えたものと考えております。
 一般に、過去のサミットと比較いたしましての経費の多寡ということにございましては、それぞれ比較の対象にどういう経費が入っておるかということ、それから既存のインフラの整備状況ということも異なりますので、単純に比較することは適当ではないのではないかと考えております。

○海野義孝君 終わります。

○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 まず最初に、藤前干潟の保全の問題について環境大臣に伺いたいというふうに思います。
 藤前干潟は、伊勢湾、その中でも一番奥まった名古屋港に残された数少ない干潟でありまして、六十種程度の水鳥が毎年飛来をし、渡り鳥の渡来地としては日本有数の貴重な干潟で、とりわけシギ、チドリについては全国でトップレベルの渡来数と聞いております。
 この干潟のラムサール条約への登録についてきょう伺うんですけれども、九九年三月の予算委員会で当時の真鍋環境庁長官が、藤前はちゃんと地元の協力を得て、そしてラムサール条約に加入することにもなっている、こういうふうに私に答弁もしていただきました。
 私自身も、藤前干潟を守ってほしいという声をいただいて国会へ送っていただいたわけなんですが、九八年九月、名古屋の市議会では、藤前干潟をごみの埋め立てでつぶそうという、こういう案件が私ども日本共産党以外のオール与党の皆さんで実は可決をされました。しかし一方では、藤前干潟の埋め立てをやめて全面保全をしてほしい、そういう住民投票をしてほしいという署名も十万人を超えると。こういう大きな運動の中、環境庁も大きなお力をいただいて、また粘り強く頑張ってこられた市民団体や自然保護団体の皆さんの取り組みもあって、名古屋市は埋め立てを断念しました。
 それから二年実はたっているんですが、現在、この藤前干潟のラムサール条約への登録と、その前提になるとお答えいただいております国設鳥獣保護区の設定、これがどのように進展しているのか、お示しください。

○政府参考人(西尾哲茂君) 御説明申し上げます。
 まず、藤前干潟を含みます庄内川、新川、日光川河口部は、先生御指摘のように我が国でも最大のシギ、チドリ類の渡来地でございます。今ございましたラムサール条約の前提となる国設鳥獣保護区の問題でございますけれども、環境省といたしましても、平成八年から国設鳥獣保護区として設定すべき候補の地域として位置づけておるわけでございまして、昨年三月に藤前干潟の埋め立て計画が正式に港湾計画から外れましたということを受けまして、環境省として国設鳥獣保護区の設定に向けた具体的な検討を進めているところでございます。
 本年度の予算におきましても、この国設鳥獣保護区を設定いたしました場合には、そこをどのように保全をしていくか、あるいはそれを環境教育の場などとしてどのように活用していくかというようなことも構想をつくらなきゃいけませんので、そういうための予算、調査費として一千六百万円を計上しておるところでございます。
 いずれにしても、この問題につきましては、愛知県や名古屋市等の地元の理解を得て進めるということが大事でございますので、今後、その関係自治体やあるいは国土交通省等の関係機関との連絡を密にいたしまして、まずはできるだけ早く国設鳥獣保護区の設定及び特別保護地区の指定を実現させるということで、鋭意地元自治体等と連絡をいたしておるところでございます。

○八田ひろ子君 次のラムサール締約国会議というのが二〇〇二年で来年なんですね。今まで保護運動をなさってこられた方やたくさんの市民の方が、ぜひ二十一世紀最初のこの国際会議で登録できないだろうか、こういうことで今国会もいろいろな会派から紹介議員になって請願も国会に上がっておりまして、私もその請願署名をいただいておりますけれども、環境大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(川口順子君) ただいま自然環境局長からお答えをいたしましたように、また委員がおっしゃられましたように、藤前干潟というのは六十種類ぐらいの鳥の渡来がございまして、本当に全国有数の干潟でございます。ということでございますので、ラムサール条約の登録湿地としてはふさわしい地域であるというふうに認識をいたしております。
 また、ただいま自然環境局長が申し上げましたように、そのためには国設鳥獣保護区の中で特別保護地区に指定をする必要がございまして、将来にわたって自然環境の保全が図られるということが必要でございまして、愛知県や地元の名古屋市のあるいはその地元の方の理解が必要でございます。
 環境省といたしましては、地元の愛知県、名古屋市といった自治体、関係行政機関と連絡を密にいたしまして、まずはできるだけ早く国設鳥獣保護区の設定を行い、また特別保護地区の指定というのが大事でございますので、それを実現させたいと考えております。

○八田ひろ子君 ありがとうございます。
 私は、ぜひ二〇〇二年に登録をする姿勢という形で頑張っていただきたいなというふうに思うんですけれども、この名古屋市の場合、ごみ減量とか市民的な大きな運動に支えられて何とか守ってほしいという機運が盛り上がっておりますし、また名古屋に残された数少ない水辺で市民が親しむことができるという地域になっておりますので、ぜひしっかりとした保全ができるようなそういう担保として、この国設鳥獣保護区もそうですが、ラムサール条約に登録していただきたい、これを強くお願いしたいと思います。
 次に移りますが、次も環境問題からまず環境大臣に伺いたいというふうに思います。
 川口大臣は、環境大臣として、二〇〇五年国際博覧会の会場、海上の森やあるいは青少年公園を御視察いただいたということで、その感想を伺いたいんですが、自然環境の破壊で二十世紀型の開発至上主義の計画だという批判が高まって海上の森の利用計画が大幅に縮小をされる一方で、実際には事前の調査検討がなし崩し的になって青少年公園に拡大をしてきたんです。その青少年公園は、伊勢湾を囲むこの地域特有の動植物のあるところで、海上の森にまさるとも劣らない豊かな自然がありまして、とりわけ起伏が多くて池がたくさんございますので、そういったところからもハッチョウトンボとかホトケドジョウとか、いろんな植生があるんですね。
 だから、そういうものなんかをごらんになって、環境を大事にする博覧会という会場なわけなんですけれども、どのような御感想を持たれたのか、まず伺いたいと思います。

○国務大臣(川口順子君) 私は、万博の会場をことしの一月に伺わせていただきまして、海上の森、それから青少年公園を見せていただきました。
 海上の森はすばらしい里山でございまして、それがその地元の方の話し合いであのような形で会場の決定がなされたということは非常によかったと思っております。「自然の叡智」というのが今度の万博のテーマでございますけれども、まさにそういったテーマで万博をやるのにふさわしい会場であるという印象を持って帰ってまいりました。

○八田ひろ子君 まさにそういった環境をしっかりと守ることが大事ということで、アセス法を先取りしてこの事業をするんだという閣議決定もあるんですけれども、私は昨年の決算委員会でも大臣に、博覧会の会場計画が大幅に変わったにもかかわらずここのアセスのやり直しをしない問題だとか、あるいは青少年公園の問題では、発見されたオオタカの営巣がありますね、環境庁のガイドラインでは二営巣期をしっかりと調べなくちゃいけないんですけれども、そういったオオタカ保護も確立していない問題を指摘してこういう計画の抜本見直しを求めました。
 政府としては、こういう環境問題あるいは財政負担とか市民合意がないという大変な問題をそのままにして、タイムリミットがあるということで十二月にBIEへ登録をされたんですが、私どもは青少年公園はきちんと再アセスをやるべきだというふうに申し上げたんですが、大臣は、これは追跡調査と修正評価書で対応するとおっしゃいました。しかし、六カ月もたっているんですけれども、修正評価書がまだ出ていないのはなぜなんでしょうか。それから、いつこういう修正評価書が公表されるのか、お示しください。

○政府参考人(杉山秀二君) 御説明申し上げます。
 御指摘のございました愛知万博の環境影響評価でございますが、これは平成十年の四月に協会が実施計画書の手続を始めまして、平成十一年の十月に環境影響評価書が通産大臣に提出されております。これを受けまして、環境庁長官の意見をいただいた上で、平成十二年の一月に通産大臣意見を申し述べまして、現在、環境影響評価の手続の次のステップといたしまして、協会が評価書の見直しを行っているという段階でございます。
 それで、昨年の十二月のBIEの登録を受けまして、現在、協会が会場計画の具体化を進めているところでございます。当初、この計画の熟度を高めながらなるべく早くこの修正評価書の提出をという期待がございましたが、現在もなおこの計画の具体化作業が進んでおりますので、まだこの修正評価書が策定をされていないという状況にあるわけでございます。
 今後、会場計画の具体化作業を進めることによりまして、その進捗に対応しながら協会の方で修正評価書の策定を進めるというふうになるものと考えております。

○八田ひろ子君 BIEの登録時で修正評価書が出てくるならまだ議論ができるんですけれども、登録するときはタイムリミットで今登録しないともう後がないんだというふうに、これで二回目なんですけれどもおっしゃって、半年たっても修正評価書も出ないというのは大変おかしいんですね。その理由は、まだ会場計画そのものがきちんとできていない、後で質問しますが、非常に混乱をしているという中身なんです。
 私、ここでちょっと大臣に確認をしたいんですが、先ほども川口大臣からお示しをいただいたこの環境万博のテーマなんですけれども、自然環境をしっかり守る、ネーチャーズ・ウイズダムというのがテーマだそうですけれども、閣議決定でも、「自然環境保全の重要性にかんがみ、」として、環境影響評価を適切に行う、環境を守るということが明確に言われているんですが、こういう環境万博の看板というのは変わらないんでしょうか。

○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。
 環境大臣も言われましたとおり、愛知万博というのは「自然の叡智」というのがテーマでありまして、サブテーマが宇宙と生命と情報通信というような形になっています。国際的にもそういう意味では高い評価をいただいておりまして、そこでBIEにも登録ができたわけでございます。
 当然ながら、その推進に当たっては、今委員御指摘のように、自然の保全に十分に配慮していくことが肝要と考えております。平成七年の開催申請の閣議了解におきましても、御指摘のとおり自然環境の保全への十分な配慮、これが明記されておりまして、それにのっとって環境影響評価も行ってきているところでございます。引き続きこの基本的な考え方は、私どもとしては維持をしていくつもりでございます。
 さらに、本博覧会では、やはり廃棄物の発生量を抑えるために再利用、リサイクルを進めることなど、将来の循環型社会のモデルとなるようなゼロエミッションの取り組みを行うことも検討していきたいと考えておりまして、今後とも「自然の叡智」というテーマにふさわしく、また後世からも高く評価されるような博覧会を開催するために関係者一丸となってさらに努力をしていかなければならない、このように思っております。

○八田ひろ子君 環境万博の看板は変わらない。今、駅などに、東京駅とかいろいろ、この二〇〇五年国際博覧会のポスターがありますが、緑の色と、あと森らしい写真で中身がなかなかわからない。さっき中身はまだ決まらないというふうにおっしゃったんですが、その中身について今大臣が御説明をいただいたのとはどうも違う方向で、混乱をしていると私は思うわけです。
 これは会場地なんですけれども、最初はこれだけあったわけですね。(図表掲示)今、こことここが少しなんですよね。こういうふうになっているんですけれども、堺屋さんが最高顧問になられて、通産大臣というか平沼さんと豊田さんに送り込まれたと御自分でおっしゃっていますけれども、今この計画で大混乱が起きているのは、まさにこの前、去年、BIEが二十世紀型の開発優先だというふうに言ったものの繰り返しだから混乱が起きているわけなんです。
 どうしてかといいますと、ここのところで環境に影響をなるべく与えないようにということで計画を立てられようとしていたんですけれども、ここから鉄道を引いてこようということで、ダイレクトインというふうに言いますけれども、公園の中まで鉄道を引いてここに駅をつくるというのとか、あるいはここだけでは狭いからここに地場産業であります珪砂とか陶土をとる採取場があって、こっちにもあるんですけれども、ここを使ってやろうとか、あるいは十階建てのビルを建てて、そしてそこに一ヘクタールの壁面を画面にしてやろうとか、まるで先ほどから言われているネーチャーズ・ウイズダムとは対極の計画が突然出てきました。
 大臣は、堺屋構想による修正を尊重すると記者会見でもおっしゃっているようなんですけれども、そうしますと、堺屋さんは今までの計画、いろいろ紆余曲折はありましたけれども、皆さんで議論をして、私どもも問題はあるけれどもいろいろと御意見も言ってきたという計画なんですけれども、これでは規模が小さ過ぎる、環境博というテーマは変えにゃいかぬ、場所が悪い、広さが足りない、このままだと失敗するというのが言われているんです。
 大臣は、去年までいろいろ議論をしてきた中身を、これでは失敗をすると、こういうふうに思っておいでになるんでしょうか。また、さっき環境を大事にするとおっしゃった御説明と、この大混乱になっている環境を破壊するというのとは一体どういうふうに説明をおつけになるんでしょうか。お願いします。

○国務大臣(平沼赳夫君) あくまでも基本のコンセプトは「自然の叡智」でございますから、それにのっとって私どもは展開をしていく、このような決意でございます。
 今御指摘の、堺屋先生に最高顧問に就任をしていただきまして、堺屋先生は大阪万博を初め幾つかの万博を手がけられた、そういうエキスパートでいらっしゃいます。そういう中で、今御指摘のアイデアもアイデアの一つとして出てきているわけでございまして、これが最終決定をしたということではございません。
 そういう中で、我々は愛知万博を、国際博覧会として世界じゅうの方々に来ていただき、また国民の皆様方が参加をしていただいて、そして盛大な形で行われる。そのためにいろいろなアイデアをいただきながら、その中で整合性を求めて、そして地域の方々の御理解もいただかなければやってはならない。こういうふうに思っておりまして、そういう中で、あくまでもそのコンセプトを守り、堺屋先生の案は案の一つとして、その中で私どもは地元の皆様方との意見もすり合わせながら整合性があるような形でこれを取りまとめていかなければならない。
 まさにそういう形で、先ほどいろいろ希少な動植物もある、そういう御指摘もありましたけれども、そういうことにも配慮しながらなるべくアトラクティブな万国博覧会にしていこう、こういう形で案の一つとして出て、それがマスコミを通じてあたかもそれが最終案のようになっていますけれども、過程の中での一つの案だと、こういう理解で私どもはこれから整合性を求めていい案を最終的にまとめていきたい、このように思っています。

○八田ひろ子君 今、過程の中で、それが決まった案ではないとおっしゃったんですが、もう今までこれで五種類ぐらいの過程の案で議論をしてきたわけですよね。曲がりなりにも、曲がりなりにもというかBIEに登録したんです、日本国として。
 それで、それが堺屋さんは失敗をするから変えなくてはいけないということで今混乱が起こっているんですが、大臣は、今までのいろいろな住民の人とか専門家の方とかいろんな意見を、それを集大成というんですか、みんな意見を持っているんだけれども一応登録したんですよね。その案では失敗すると、堺屋さんと同じように思っておいでになるんですか。

○国務大臣(平沼赳夫君) 私は失敗するとは思っておりません。
 ただ、幅広くアトラクティブなものにするためには、いろんな知恵をいただいて、そして「自然の叡智」という基本的なコンセプトの中でよりよいものをつくっていくという努力は担当大臣としてしていかなければならない、そういうふうに思っておりますので、必ずしも基本的に今までいろいろと出てきた案というものが、それはすべて......

○八田ひろ子君 登録したんです。

○国務大臣(平沼赳夫君) それはBIEに登録をして、海上の森の一部と青少年の自然公園の中でやっていくと。こういうことを基本としてやっていけば、私は何もそれは破綻するとは思っておりませんし、やはりやる以上はいろんな知恵を加えてよりよいものにしていく、こういう基本的な考え方で決して破綻するとは思っておりません。

○八田ひろ子君 私が伺ったのは、BIEに登録した計画を、堺屋さんはこれは失敗するんだ、だから全面的に見直さないといけないというふうに明確におっしゃっているんです。大臣も同じ意見ですかと聞いているものですから、明確に一言答えてください。それで次の質問に移ります。

○国務大臣(平沼赳夫君) 堺屋先生の案は一つの御提案だと思っています。しかし、それは採石場だとかそういう形で新しい御提案がありますから、そういう中では、やはりこれからそういったところに手をつけるということになれば当然環境アセスをしなきゃなりませんし、大変そういう意味では難しい御提言だなと、そういうふうに私は理解しています。
 ですから、堺屋提案は、やっぱり大阪万博だとかその他の万博を手がけられて、さすがにプロフェッショナルな非常にいいところも私はあると思っていますから、その中で......

○八田ひろ子君 従来の計画は失敗すると。

○国務大臣(平沼赳夫君) いや、それは私は、ちゃんといいコンセプトを盛り上げていけば失敗するとは思っておりません。それはさっきお答えをさせていただきました。

○八田ひろ子君 私は、どうしてこういうことをきちんと聞いているかといいますと、堺屋さんもさっきお示しになった登録のときの閣僚なんです。あの方も経済企画庁長官という大臣をやっていらしたんです。そのときにこういう計画を出して、それで御自分が大臣をおやめになったら、これは失敗すると、どこかの大臣みたいですけれども、違うことをおっしゃる。
 これは、今いろいろな意見をと、いろいろな意見を今まで言っていて、もうタイムリミットで聞けないよといって線を引いて登録したんです。だから、私は、前の案は大臣は失敗するんですかというふうに聞いたんです。
 この堺屋さんの混乱で、中央自然保護三団体というのは、昨年の愛知万博検討会議の結論を無視するものであり、昨年の合意は白紙に戻されたと考えざるを得ない、これでは万博を応援することをゼロにすることもあり得るということで、総入場者数の増加と先ほどの土砂取り場の拡大には反対だという表明があるんです。
 ダイレクトイン、全く環境アセスもやっていないところに突然、山に鉄道を引いて、青少年公園の全く違うところに駅をつくるなんというのは今までに議論もされてこなかった中身なんです。十階建てのビルをつくるというのも全く議論をされていない。それと反対のことを議論してきたのになぜこうなるのか、私は非常におかしいと思うんです。
 ここの万博検討会が、実は登録会場の規模と入場者数によって万博の成功がはかられる、そういう時代は終わったんだと、これからはみんなで話し合って、知恵を出し合ってやっていこうというふうに合意しているんです。だから、谷岡委員長は、このいろいろな案に対して、堺屋氏の提案は時代錯誤が甚だしい、だれもやる気が起きない、こういうふうに批判をされているわけなんです。
 こんなふうに大混乱を今引き起こして、そして今までいろんな意見が出ていたのに、もう時間だからと言って線を切っちゃって、それで堺屋さんがまるで昔のような大型開発をやって、お金をたくさん使う、もっと大規模にと、そうなったら、それを聞くというのは私は逆戻りなように思うんですけれども、大臣はそれは逆戻りだとは思われないんですか。

○国務大臣(平沼赳夫君) 私は、堺屋最高顧問というのはやはりいろいろな御経験に基づいて、そして世界的な博覧会、こういうお考えでそういう案を出されたと思っています。
 したがって、そういう中でいろいろ難しいこともありますから、担当大臣としては、コンセプトに基づいて、そして今、谷岡先生のお話もなさいましたけれども、そういった方々の意見も踏まえながら、いかにいいものをつくっていくかということで一生懸命に今検討をしている最中でございますので、そういう意味では、こういう大きな博覧会をやるに当たってはいろんなアイデアが出てきて、そしてそれをどういうふうにして整合性をあらしめるかというのは作業の過程で出てくることは当然でありますから、私は、これからやはり皆さん方が納得できる形にするために、二〇〇五年に開催でございますけれども時間も限られておりますので、しっかりと調整をとっていかなければいけないと思っています。

○八田ひろ子君 これは愛知県が特別委員会に出した提案なんですけれども、ここのオレンジにありますのはダイレクトインで、これが土砂取り場なんですけれども、こういった今までになかったことをやる前提、こちらかこちらに先ほどの百メートルのビルというので大営造をやると。このピンクのところが実はBIEに登録したときの平場利用のところで、これは登録された中身なんですけれども、これをもっとふやさなくてはいけないということで、先ほどちょっと環境大臣にも伺ったんですけれども、貴重な水生物もある池なんかをつぶすという計画になるわけなんです。そうしますと、全く違うものになってくる。環境を守ると言いながら、まずつぶしておいてどういうふうに守るとおっしゃっているのか、私は本当に怒りを禁じ得ないんです。
 先ほどみんなの意見を聞くというふうにおっしゃいまして、確かに万博はそうしようということで進みつつあったんです。しかし、この事業そのものは、実は会場となる地域の住民の方とか関連事業の、先ほどの鉄道を引くのですと、だれが持つかまだ決まっていませんが、百億から百五十億、六カ月のためだけに鉄道を引くということになるんです。
 いろんな道路や関連事業がありますが、その財政負担を最終的にすることになる県民の意思というのは一度も聞かれていない。県民投票をしようということで二度署名運動が起こったんですけれども、これは県議会で話をするからとか、あるいは先ほどからお話ししている検討会議をやるからと、こういうことで退けられています。しかし、検討会議は海上の森を中心にということで、青少年公園の論議には入れないでいるんです。それで、時間がないからということで登録のときに解散をしているんです。BIE調査団との協議でも、市民合意形成については引き続き努力をしろとか、今大臣がおっしゃったように言われているんですが、実際にここへ来てトップダウン方式になってきているわけです。
 だから、市民との対話でつくり上げるという従来の姿勢というのがどこかへ行っちゃっているわけで、これは県の計画ですから県議会で公表されていますけれども、実際に海上地区をどうするかというのは密室で行われているんです。だから、対話をきちんとするという、こういうものは一体どこへ行ったんでしょうか。

○国務大臣(平沼赳夫君) 海上の森で、当初は委員も御指摘のとおり跡地利用というような問題で、BIEがそういう跡地利用というのは好ましくないというようなことで、当初の跡地利用の計画というのは大幅に変更せざるを得ないというような状況の中で、また、地域の皆様方にいろいろ御意見を聞いてまとめていただくということで検討会議というのが累次にわたって開かれて、そして最終的にそういう形にまとまってきたわけであります。
 したがいまして、我々は決して閉ざされたとは思っておりませんし、今後もいろいろな形で住民の方々の意見を尊重して聞かなきゃいかぬと思いますし、また、博覧会協会自体も定期的に会合を開きながらそういう形で検討を進めておりますので、決して閉ざされた、そういう形で我々は運用しようとは思っておりません。

○八田ひろ子君 環境万博の看板は変えないとか市民対話はするんだとおっしゃっているんですけれども、結局のところは市民合意を投げ捨てて環境破壊の方へ進んでいくという、こういうやり方。しかも、先ほどの鉄道といえば、六カ月のためにだれが持つにしても百五十億というのは大変なお金です。もう完全なむだ遣いなんですけれども、そういうのが突如出てくるとか、こういうやり方で、最初にお示しいただいたんですが、あと四年で開くというのに実際にははっきりした目的だとか構想、何をするのかというのが全くわからないで混乱しているという、こういうような万博計画というのは、もう本当に私は中止して開催を返上していただきたい、そういう思いでいっぱいでございます。
 時間がありませんので、次に中部新空港の問題で、大変時間になって申しわけございませんが、まず最初に、伊勢湾の豊かな海ということで、きょう私は扇大臣に見ていただきたいと思いまして、ちょっと小さい写真ですが、持ってまいりました。(資料を示す)
 これはスナメリというので、日本全国いろんなところで浅い海には昔はたくさんいたお魚だそうで、鯨の仲間で、私よりちょっと大柄ぐらいの小さい鯨なんですけれども、このスナメリがすんでおりまして、これは中部国際空港の航空写真で、愛知県が四月に撮ったものなんです。
 環境大臣、せっかくまだおいでいただいておりますので、この豊かな伊勢湾は、認識としてはどのように持たれるのか。この辺が藤前干潟で、この辺が海上の森なんです。

○国務大臣(川口順子君) 伊勢湾を初めといたしました内湾につきましては、富栄養化の防止ですとか、あるいは生物にとって良好な生息環境であるということを維持するための環境の保全が非常に重要だというふうに考えております。
 このようなことから、環境省といたしましては、中部国際空港の建設事業についての公有水面埋め立てについて、環境保全上万全の対応を事業者がとる必要があると考えまして、昨年の六月に水質保全あるいは自然環境の保全の対策について御意見を申し上げたところでございます。

○八田ひろ子君 地元の漁師さんたちは、この常滑沖というのはお魚がわいてくる、浅くて下が砂地だものですから、光が、太陽がよく中まで入って魚の子供が育つのに大変いいところだそうなんです。
 今、環境大臣もおっしゃったように、いろいろ御意見をいただいているんですが、この環境影響評価は九九年六月一日から評価書の縦覧が行われました。これは、新法、環境影響評価法が九九年六月十二日施行だものですから、まさに駆け込み的だというふうに当時言われたんですが、この埋立免許の認可に当たって求められていたレビューの結果はどうなのか、また公表されているのかどうかを手短にお示しください。

○政府参考人(川島毅君) 御指摘のレビューにつきまして、平成十二年六月の埋立免許の認可の時点で、工事途中の早期段階のうちに環境影響等の検討結果についてレビューを行うことを求めております。この結果について報告を受けております。
 本年三月に、埋立事業者である愛知県と中部国際空港株式会社が、平成十二年十二月までの環境監視データをもとに環境監視検討委員会の意見を聞いて取りまとめ、その報告を免許権者である愛知県から受けたところでございます。
 報告の主な内容でございますが、着工後の水質、底質、汀線、その監視結果について着工前の調査データとの比較及び予測結果との比較を行った結果、ほとんど変化は見られないことから、総合的に判断すると現在までのところ海域環境への影響はほとんどないと考えられる、こういうふうに伺っております。
 また、これの公表、環境関係の情報の公開でございます。事業主体であります愛知県と中部国際空港株式会社が毎月の環境監視結果、これを公表されております。さらに今後、年度ごとに環境監視結果に基づく環境影響等の検討結果を環境監視委員会の意見を聞いた上で公表していく予定と伺っております。
 なお、今回、愛知県から御報告を受けましたレビュー結果につきまして免許権者であります愛知県に問い合わせたところ、お求めがあれば提示をいたしますということでございますが、事業主体が年度ごとにまとめて公表しているということもあり、特段の公表は予定していないというふうに聞いております。

○八田ひろ子君 公表をしてもいいというふうに今の御答弁では受け取れました。
 影響評価で余りないというふうに言われて、今ここ、色が違うのはここが浅いんですね。こっちが深いんです。この辺は苦潮とか赤潮が非常に起こるところなんですが、今ここで潜って調査をした結果が、まだ数字が出ておりませんが、二枚貝がヘドロで全滅をして、潮流はもう大分変わっているというのが実際には言われておりまして、私が聞いてきた中身なんです。
 時間がございませんので最後に大臣にお伺いしたいんですが、この中部国際空港というのは新しい空港をつくるということで、パンフレットなんかでは二本の滑走路が書いてあります。しかし、国土交通省としては一本の滑走路の計画なんだというふうに言われているんですけれども、それならなぜ今あるこの名古屋空港をやめてしまってこちらへ来るのか、そういう必要性があるのかどうかというのを私は大変疑問に思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(扇千景君) 今、八田先生からお話ございましたように、中部国際空港は御存じのとおり、現在の名古屋空港が離着陸の回数、平成十二年で十一万九千回、そしてこの空港の処理能力の限界が十二万回と決められております。それがもうほとんど十二万回に達成する寸前まで来ているんですね。そしてまた、航空機が二重駐機せざるを得ないという空港の狭さ、それから空港内の円滑な運用にも支障が生じているというのは、先生、名古屋でいらっしゃいますからよく御存じのはずでございます。
 しかしながら、周辺の地域の状況から今の空港を拡張するということは余地がないわけですね。ですから、航空機騒音の問題からも運航時間にも制約があるために、このままでは航空の需要に重大な影響を及ぼしてしまうということで、したがって現在進めております中部国際空港の整備事業は増大する中部圏の航空需要に適切に対応していくためには必要不可欠なものであると皆さん方からも陳情を受け、皆さん方の総意として、中部圏及び我が国の発展のためにも二〇〇五年、少なくとも平成十七年の三月の開港を目指して着実に準備を進めているというのが現状でございますから、その必要性は特に先生も地元でおわかりいただいているものと思っております。

○委員長(谷川秀善君) 八田ひろ子君、時間が来ましたから。

○八田ひろ子君 はい。
 需要がふえるとおっしゃいますけれども、世界でも日本でも、年間一千万人が使っているような空港をまだ使えるのにやめちゃって、それで今言われた名古屋空港ではエプロンや国際線のターミナルビルというのは五百二十五億円かけて九九年にオープンしたばかりなんですね。

○委員長(谷川秀善君) 時間です。

○八田ひろ子君 そういう面でもやはり私はおかしいということを申し上げて、終わらせていただきます。

○福島瑞穂君 社会民主党の福島瑞穂です。
 政官業の癒着について、まずお聞きをしたいと思います。
 例えば神奈川県では、神奈川県医師会、神奈川県医師連盟、自由民主党神奈川県医療会支部が代表、会長が全部同じ田中忠一さん、住所は横浜市中区富士見町三の一と全く同じです。また、例えば相模原市の医師連盟は相模原の医師会の中にあります。
 厚生労働大臣、このように全く同じ事務所にあることは妥当なのでしょうか。

○政府参考人(伊藤雅治君) 神奈川県それから相模原市等の事例でございますが、これは住所が同じことをもって直ちに問題であるというふうには考えておりませんが、公益法人として所有している建物の中に政治連盟の事務所があるといった場合に、その場合に私どもといたしましては、経理の区分でございますとか、賃貸料をきちっと支払っているか、そういう実態を見て判断していきたいと考えているところでございます。

○福島瑞穂君 医師会の中に医師連盟が入っているのはいかがですか。

○政府参考人(伊藤雅治君) 医師会館の中に医師連盟が入っていると、そのこと自体が直ちに問題であるというふうには考えておりません。

○福島瑞穂君 不動産政治連盟と宅建協会のことを聞きましたところ、一緒なのは不適切なので分離をするというのが国土交通省の回答だったんですが、厚生労働省は、医師会の中に医師連盟があり、中に自由民主党の支部もある。場合によっては住所も一緒、医師連盟が医師会の中に入っている。公益法人、社団法人の中に政治団体が入っていることを妥当だと考えるのでしょうか。

○政府参考人(伊藤雅治君) 神奈川県の場合で申し上げますと、神奈川県医師会が所有しているフロアに、神奈川県医師連盟と自由民主党神奈川県医療会支部の事務所が設けられているわけでございます。
 この場合、同一の事務所にあること自体をもって直ちに問題であるということではございませんで、その場合に、例えばきちっと政治団体と公益法人の活動が峻別されているか、それからさらに政治団体から公益法人に対する賃料等がきちっと支払われているか、そういう実態を見て判断すべきであるというふうに考えております。

○福島瑞穂君 私は、政治連盟はがんがん政治活動をすればいい、もちろんそういうところだと思いますが、一方で社団法人が同じ場所にある、代表も一緒というのでは三位一体というふうに思われるので、今後、厚生労働省は厳しく指導していただきたいと考えます。
 ところで、これは質問通告をしておりますが、相模原の場合、神奈川県の医師会の場合、賃料を払っているのでしょうか。

○政府参考人(伊藤雅治君) 相模原の医師会と医師連盟でございますが、本年三月まで、相模原市医師連盟の事務所は、相模原市医師会が相模原市から賃借している相模原市総合保健医療センター内にあったわけでございます。
 三月十六日に医師連盟の事務所を変更しておりまして、現在は住所につきましては別々になっておりますが、住所変更以前には、相模原市医師連盟は相模原市医師会に賃料を払っていなかったということでございます。

○福島瑞穂君 実は、同じ場所にあるというものがたくさんあります。例えば、看護連盟やさまざまなものも、歯科医師会も全く一緒なんですが、厚生労働省は、政治連盟とその団体、社団法人が同じ場所にあるのか、代表はどうか、賃料の支払いはどうなっているかについて今後きちっと調査をされますか。

○政府参考人(伊藤雅治君) 私どもといたしましては、日本医師会につきましては厚生労働省として指導監督する立場にございますが、都道府県医師会なり都道府県看護協会、都道府県歯科医師会等の法人の所管につきましてはそれぞれ都道府県の自治事務でございまして、基本的には都道府県がまず指導監督の責任があると考えておりますが、私どもといたしましても、日本医師会なり日本看護協会、日本歯科医師会を通じて各県支部の公益法人と政治連盟の活動の峻別、またそれぞれ都道府県に対しまして、傘下の公益法人と政治連盟の活動の峻別等につきまして適正に指導するよう指示をいたしたいと思っております。

○福島瑞穂君 きちっと調査をして出していただけますか。

○政府参考人(伊藤雅治君) それぞれ都道府県段階の公益法人と政治連盟の実態の調査につきましては、各都道府県によって行われるのが適切であると考えております。

○福島瑞穂君 各都道府県に厚生労働省の方からきちっと指示をしていただけますか。

○政府参考人(伊藤雅治君) 各都道府県に対しまして指示をいたしたいと思います。

○福島瑞穂君 一つは、ある公益法人、例えば医師会とそれから政治連盟と自民党の支部が同じところにある、代表が一緒という、それもあります。
 先ほど御答弁なさったように、実は調べますと、県の公共施設に政治連盟が入っているというケースが非常に多いです。公共施設に政治連盟があるという、このことについては、数などどう把握していらっしゃるでしょうか。

○政府参考人(伊藤雅治君) 現時点におきましては、その実態については把握しておりません。
 しかしながら、今御指摘の神奈川県のような事例につきましては、それぞれ神奈川県を通じまして、適切に指導が行われるよう県に対して指示をいたしたいと思います。

○福島瑞穂君 これは神奈川県だから問題なのではなくて、全国的にある問題です。
 厚生労働省は、全国の都道府県を通じて、公益施設に政治連盟が入っているかどうかについて、きちっと調査するよう指示をしていただけますか。

○政府参考人(伊藤雅治君) 各都道府県に対しまして、今御指摘のような点につきまして適切に調査等を行うよう指示いたしたいと思います。

○福島瑞穂君 もう一つ、医師会におきましては選挙資金の天引きが大変問題になっております。この点について徹底して調査し、こういうことが今後どこの医師会においても行われないよう調査をされますか。

○政府参考人(伊藤雅治君) 日本医師政治連盟の選挙資金の問題につきましては、厚生労働省といたしましては指導監督する立場にはございませんので、その点については私どもとしてはする立場にございませんが、日本医師会に対しまして、公益法人たる日本医師会と政治連盟の活動をきちっと峻別するように指導してまいりたいと思います。

○福島瑞穂君 大臣、いかがですか。

○国務大臣(坂口力君) 今、局長の方からも答弁しましたとおり、やはり公益法人としての医師会の活動、それは設立目的がきちっとあるわけでございますし、それに沿ってやはり活動をしていただかなければなりません。そして、政治活動とはまた別の問題でございますから、そのいわゆる医師会の活動と、そして政治連盟の活動とは、やはりそこは明確にしていただくように私たちも指導をきちっとしていきたいと思っております。

○福島瑞穂君 今後よろしくお願い申し上げます。医師会だけでなく、他のところも問題であるので、その点もよろしくお願いします。
 不動産政治連盟と宅建業界、保証協会との関係について聞きました。
 国土交通省にお聞きします。
 この調査はどうなっておりますでしょうか。

○政府参考人(風岡典之君) 宅建業界と政治連盟の関係につきましては、私どもが所管しております全宅連を通じまして、各県の宅建協会の定款とか施行規則、さらには入会の案内書とかパンフレットとか、そういったものを今全体を取り寄せまして、政治連盟への入会を義務づけているようなものがあるかどうかを現在チェックしております。
 これまでのところ、正直言いまして若干不適切な事例というのも見られておりますので、この点につきましてさらに全宅連の方からのヒアリングも行いました。私どもで整理をしましたものを現在都道府県、これは直接的には都道府県が所管部局になりますから、そこにチェック及び確認を依頼しているところであります。
 まだ作業中でございますので結論が出ておりませんけれども、できるだけ早目に調査結果をまとめたい、このように考えております。

○福島瑞穂君 では、総務大臣にお聞きをいたします。
 政治連盟の立場からいたしますと、総務大臣、いらっしゃらない。

○委員長(谷川秀善君) 政務官。

○福島瑞穂君 失礼しました。
 政治連盟の大枠の監督官庁は総務省ですので、所在がどこか、公共施設にいるかどうか、賃料の点がどうなっているかなど、きちっと調査をし改善命令を出すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○大臣政務官(新藤義孝君) 政治連盟の実態については私どもが把握しなくてはいけない、このように思っておりますので、その業務に、業務というか運営に問題があるかどうか、これは調査をしていかなければならない、このように思います。

○福島瑞穂君 調査をしていただくということで、所在、公共施設かどうか、賃料等調査をきちっとしていただくということをお約束していただいたと考えてもよろしいですか。

○大臣政務官(新藤義孝君) これは、先生、今急な御質問でございましたので、いろいろな問題が出ておるわけでございますからよく十分に研究をしてまいりたい、このように思います。

○福島瑞穂君 総務省の方からきちっと調査研究していただくということをいただいたので、期待をしております。
 では次に、高速増殖炉「もんじゅ」の件についてお聞きをいたします。
 九五年十二月の事故を起こして以来停止している高速増殖炉「もんじゅ」について、改修のための変更許可の申請が去る六月六日に経済産業大臣に提出をされました。今回の変更許可申請には、補修費用百六十七億円と記載されていますが、これは福井県にことし一月提出された事前了解願に添付した工事計画の全体に必要な費用でしょうか。

○政府参考人(今村努君) お答え申し上げます。
 今お話しになりました百六十七億円の経費は、「もんじゅ」の改造工事に要する経費でございますが、直接的には、「もんじゅ」の開発主体でございますサイクル機構から経済産業省、原子力安全・保安院への申請書が提出されたところでございますが、この申請書において、ナトリウム漏えい対策工事に要する経費として百六十七億円と記載されているところでございます。
 実際の工事は、詳細な改造工事全体にかかる経費につきましてはこれ以外に細かい点もあろうかと思いますので、現在見積もることは困難でございますが、百六十七億円の経費の性格は今申し上げたとおりでございます。

○福島瑞穂君 工事計画に含まれていた蒸気発生器の改修費用は百六十七億円に含まれていますか。

○政府参考人(今村努君) 蒸気発生器の改造につきましては、私どもは、これは基本的な「もんじゅ」の基本設計の変更ということではないというふうに理解いたしております。したがいまして、先ほど申しました百六十七億円の中にはこれは含まれていないというふうに理解いたしております。

○福島瑞穂君 蒸気発生器の改修に関することが変更許可申請に含まれていないということで、蒸気発生器の改修の安全性については原子力安全委員会のダブルチェックは受けないということですか。

○政府参考人(佐々木宜彦君) 御指摘の蒸気発生器の基本的な設計方針の審査におきまして重要なことは、蒸気発生器中を通過する伝熱管から水が漏出しまして、蒸気発生器内のナトリウムと反応して内部圧力が高まり、機器が損傷するような事態を回避する対策が講じられているかどうかでございます。
 今後、私ども、この蒸気発生器の改造につきましては、旧科技庁時代に安全総点検でも指摘されたところでございます。
 今後、設置許可の変更申請あるいは設工認の認可あるいは自主保安についていろんな確認を行ってまいります。結論的には、私どもの全体の安全を確認したものについては安全委員会にも御報告させていただき、御了解を得るようにしたいと考えております。

○福島瑞穂君 文部科学大臣にお聞きをします。
 文部科学大臣は、去る五月十九日に福井県を訪問されたと聞きますが、栗田知事から大臣に対して、安全審査の際に改造工事の対象部分だけでなく、「もんじゅ」全体の安全を確認するよう要望されたと報道されていますが、そのように伺ってよろしいですか。

○国務大臣(遠山敦子君) 「もんじゅ」の安全審査に当たって、単に事故の起きた部分だけではなくて全体についても十分安全審査するようにということは、あれは後に福井県の方から安全審査入りの了解をいただいたときに、そういう要望をきっちり伺ったというふうに覚えております。

○福島瑞穂君 安全審査の権限は経済産業省にあるわけですが、私が今回問題だと思いますのは、今回の変更許可は改造工事の対象部分すら網羅されていない。細管の検査について内部告発もありその安全性に重大な疑問が提起されている蒸気発生器や、相次ぐ重大地震から懸念が高まり指針の見直し作業も開始されようとしている耐震設計について、原子力安全委員会の安全審査をしない結果となるのではないか。安全許可申請の中には現在入っていないわけですね。
 そうしますと、安全審査はもっと広範囲にきちっと全部やってほしいというふうに福井県民や福井県知事は思っている。しかし、今回、経済産業省の方に許可申請がされていることは非常に限られた範囲であるというところが非常に問題だと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(佐々木宜彦君) 今後、「もんじゅ」のいろいろな改善・改造工事につきましては、基本設計段階のものや、あるいは設工認の段階のものや自主保安の段階のものがあると今申し上げたとおりでございます。
 今、蒸気発生器の件について申しますと、そもそも基本設計上、水・ナトリウム反応が起こった場合に、反応が進展した場合でも蒸気発生器の圧力解放板が作動するということで、系統内の過度の圧力上昇を防止して蒸気発生器等の損傷を回避する対策が当初から採用されております。これは基本設計の範囲でございます。これをさらに改善するということも安全総点検の結果、指摘もされておりますので、私ども確認いたします。
 先生、また今御指摘の耐震の問題、これにつきましても、今回、私どもは「もんじゅ」の安全審査やいろんな安全確認については、全体を確認する中に耐震の問題も含めて考えております。

○福島瑞穂君 もう一回確認しますが、今回の変更許可の中に耐震構造、そして非常に問題とされている蒸気発生器は入っていないんですね。

○政府参考人(佐々木宜彦君) 先生の御指摘のとおりでございます。
 ただ、私どもは安全の確認のためにいろんなチェックをやらせていただくことにしております。

○福島瑞穂君 それが問題だと思うんです。つまり、裁判の中でも、あるいは福井県民も福井県知事も問題と思っている蒸気発生器の問題、それから耐震構造の問題がみんなから懸念が表明されていたわけです。先ほど文部科学大臣もおっしゃったように、きちっと「もんじゅ」全体の安全を確認するようにということで福井県知事はゴーサインを出したと言われています。
 ところが、今回、変更許可申請の中に見事にその蒸気発生器、耐震構造が入っておりません。大臣、どうですか、これは差し戻しをすべきである。経済産業大臣としては、安全性の問題が網羅されていない、明らかに重大な点が落ちているわけですから、これは差し戻しをなされるべきだと思いますが、いかがですか。いや、結構です、大臣に聞きます。

○国務大臣(平沼赳夫君) 今、耐震構造だとか蒸気発生器のこういうことが漏れているから差し戻しすべきではないか、こういう御指摘がございましたけれども、これは先ほど御答弁いたしましたように、そういう意味ではいろいろな形でその安全性をチェックする、こういうシステムをとっておりますので、私どもとしてはあえて差し戻しをする必要はない、さらにこれはその安全性を徹底するための作業をしっかりとやっていけばいい、このように思っております。

○福島瑞穂君 重大な問題......

○委員長(谷川秀善君) 時間ですから。

○福島瑞穂君 はい、わかっています。
 重大な問題点が指摘されていることが今回の変更申請の中から見事に落ちている。それが入っていないのに、まだ審査もしていないのに、問題ないと経済産業大臣が答えられることは大変問題だと思います。
 以上で私の質問を終わります。

○委員長(谷川秀善君) ちょっと今、答弁の補足があるようでございますので、認めます。

○大臣政務官(新藤義孝君) 済みません。ちょっと漏れというか、補足をさせていただきたいと存じますが、先ほどの先生の御質問の中で、公益法人の政治活動についてと、またそれに公益法人がつくる政治連盟の実態を調査把握しろと、こういうもし御趣旨であったとするならば、これはもう先生御案内のように、公益法人自体はそれぞれの府省が監督をして、その全体の把握をするのが総務省でございます。それから、その政治連盟については、これは政治連盟の実態の届け出はいただいておりますが、それの調査権限というのはこれは自治省の政治資金課の方では今持っていないわけなのでございます。
 ただ、全体の公益法人とそれからもし一体化したような政治連盟があって、それに対する活動にもし支障が出ているのであれば、それについてはこれは私どもも研究をする必要がある、こういう趣旨でございますので、直接、総務省が公益法人の中に行政監察を行うとか、例えば調査をするとか、それはあくまで各府省がやっていただかなくてはならないことなのでございまして、ただ先生の問題意識は私どもも共有したい、こういう意味でお答えをいたしましたので御理解いただきたいと存じます。

○福島瑞穂君 頑張ってください。

○岩本荘太君 無所属の会の岩本荘太でございます。大分時間も過ぎてまいっておりますが、ひとつよろしくお願いいたします。
 塩川大臣に、私は初めて質問させていただくんですが、御答弁を明確にいただければ簡潔に私も済ませたい、こういう思いでおりますので、ひとつよろしくお願いをいたします。
 私は、三年前に国会議員になったんですけれども、そのときからいわゆる赤字国債がどんどん発行されていく、赤字はずっと累積されていくと、これは将来どうなるのかなという心配をずっとしてきたわけですが、私の記憶といいますか、それに対する御説明は、国内総生産といいますか、景気を上げて国内総生産を上げてそれで税収をふやすというような御答弁がずっと続いてきたように思うんですけれども、実は私自身の問題意識として、これから人口がふえない、人口がむしろ減っていくときに、本当に経済が成長するかというような疑問を持っておりまして、これは経済担当の大臣、前の堺屋大臣にもお聞きしましたし、実は先々週の決算委員会で竹中大臣にそれをお聞きいたしました。
 それのお答えとして堺屋大臣の御答弁は、端的に言えば、そういう難しい状況だけれども努力をしなきゃいかぬというような感じであったと思うんですが、昔は人口がどんどんふえていますからそういう努力をしなくても済んだけれども、これからはそういう意味ではかなり大変な時代かなというような認識を私は持ちました。
 竹中大臣は、私なりの解釈では、グローバルな経済活動といいますか、そういうものの中で解決していくべき問題だというような御認識のお話がございまして、それも一つのお考えかもしれませんけれども、そういうものは、何か考えますと、昔の植民地時代と言ってはおかしいですけれども、先進国、発展途上国との関係で、搾取と言っては言葉は悪いんですけれども、そんな関係がまたよみがえってくるのかな、ましてや世界の人口が、これからも世界の人口としてもそんなにふえる時代じゃないというような気持ちを持ったんですが、それはそれでこの件についてまた時間がありましたら、最後にちょっと大臣のお考えもお聞きしたいんですけれども、先々週の竹中大臣の御答弁の中で、ちょっとこれは私の質問の本質じゃなかったものですからそのままにしたんですけれども、こういう御答弁をされているんですね。
 ちょっと読み上げさせていただきますが、
 あえて言えば、国債を返した国なんてほとんどないと思います。国債なんか返せないんです。国債を返そうと思ったら、巨額の黒字を何十年も出し続けなきゃ返せないですから、そんなことは普通の国ではできないわけですね。ただ、何をやるかというと、財政再建というのは、国債を返すことではなくて国債がせいぜいふえないようにする、それがまさにプライマリーバランスを回復させるということになるわけですけれども、そういう目標で考えなければいけないのだと思います。
 私は、実は初めてこういうお話を聞きましてちょっと愕然としたんですが、本当にこれでいいんならいいと思うんですけれども、その辺を財政担当の大臣としてどうお考えか、まずお答えをお願いいたします。

○国務大臣(塩川正十郎君) 岩本さんも政治、行政を担当しておられましたから、予算というものとそれから団体の借金との関係はおおよそ御存じだと思うのでございますが、しかし、私たちは思いますのに、今GDPが約五百兆円、それに対しまして六百六十六兆円という国債というか長期の借入金がございますね、国と地方の。これは異常だということは御存じだと思うんです。それを返す努力はやっぱりしなきゃならぬと思うんです。しかし、いわゆる国の借入金というものがゼロになるとはこれはちょっと難しいだろうと思いますが、そうであるとするならば、GDPに対し、あるいは人口に対してどの程度の国債であれば正常であるかという、このことはおおよそ見当がつくだろうと思っております。
 私は、自分個人の問題でございますから政府の発言としてとっていただいたら困るのでございますが、今、国民の公的負担が表面上は三八%でございます。ところが、六百六十兆円という長期借入金を入れて勘定しましたら、国民の負担というものは四五%近くになっております。大体もう我々が長年にわたりまして言っておりますことは、公的負担が五〇%を超えてはいかぬということを一つのスローガンにしておりました。そうしますと、そういうところまでに行かないうちにやっぱり国債を抑えなきゃいかぬ、これは私たちは絶対的な命題だと思っております。ですから、そのためには、今から自然増というものが起こってまいりますので、そのことを考えましてことしは三〇%に補助を抑えようということをしております。
 竹中大臣の言っていたのは、国債なんかは返せませんよということはそれはちょっと暴論でございまして、大臣の言っている趣旨はここ二、三年は返せないということで、私もそう思うんです。ですから、この数年の間は国債の減額はちょっと難しいと思います。しかし、私は三年後ぐらいからプライマリーバランスに入れるのではないかと思うておるんです。
 それはいろんな条件はございましょう。一つは政府が節約するということもございますし、また今まで余りにも投資的経費が多過ぎたので、投資的経費を削減していくということ。これはもう我々も約束しておりますように、十年後には公共投資はヨーロッパ並みということを言っておりますが、それを縮減することができるだろうということ。それから、いろんな規制緩和をいたしまして経済が活性化してくる、またIT産業、あるいは情報機器産業が復興してくれば経済成長もある程度見込まれるであろう。そうすれば、それに対する多少の弾性値はついてくると思いまして、税収の面でも改善されるのではないか。
 そういうことをいろいろ考えますと、三年後においてはプライマリーバランスに入って、それが何年でできるかわかりません。わかりませんけれども、私は五、六年でバランスの状態にとれるのではないか。それはもう専ら我々は苦労して忍耐の一字で辛抱しなきゃなりませんけれども、そこへ行きました場合に、そこから長期計画で少しは国債の返済ができるんではないかなと思ったりしておるんですが、なかなか現在たまっております国債を、やっぱりこれを解消していくということは非常に難しいことだと思います。しかし、将来を思います場合は現在の国債残高を減らしていかなきゃならぬ、これはもう当然でございますからその努力はいたしますけれども、一挙に解決できないという、こういうことでございます。

○岩本荘太君 私は、同じような質問をもう前から、小渕総理にもしましたし、宮澤大蔵大臣にもさせてもらいました。正直言って今も非常に抽象的な面もございますけれども、今までの答弁の中では一番、ちょっと何か思いが入ったかな、入れていただけたかなという思いがするんですが、その点は大変ありがたいと思っております。きょうは竹中大臣を呼んでおりませんので、二、三年かどうかはわかりませんし、そんなことは議論するつもりはございません。
 要するに、この累積赤字に対する国民の最大の関心は、これはどう処理されていくのかなという思いだと思うんです。それによって一千何百兆という貯蓄なんかも動き出すかもしれませんし、その辺を見せることが、国民にどういうあれかという、すぐには具体的なものはないかもしれませんけれども、要するに前向きな何かを示さないと、国民のサイドにすれば、これだけの赤字が将来、増税で何かされるのかもしらぬ、あるいは福祉が切り捨てられるのかもしらぬ、あるいはインフレでやられるのかもしらぬ、そういう不安を持っているから僕はなかなか景気が回復しないと思っているんです。
 今の大臣のお話で、三年後にプライマリーバランスになる、それで公的負担が五〇%ですか。しかし、今のお話では、まだとめるというだけな感じがしますね。
 それで、よく議論されているのは、大体経済成長二%で一兆円の税収増ですか、それからすれば今の六百六十六兆という、これは全部でしょうけれども、それの解消というのは目もくらむような数字になるわけでございまして、その辺の何らかの道筋というか、その辺がないとなかなか国民というのは消費に向かわない。やっぱり消費というのは、私は経済の専門家でないですけれども、いろんな国内総生産を出されるかもしれませんけれども、その根源はやっぱり個人消費ですね。だから、それがしっかりと動き出さないと景気が動き出さない。それには、今の状況が、赤字赤字で行っている状況が、どっちの方向に向かうのか、その方向を見せていただきたいということを随分前から言ったんですが、なかなかお答えいただけない。異常だということさえ余りはっきり言った大臣はおられないんです。
 その辺、大臣、個人のお考えでも結構ですけれども、今言ったお話の中にもございましたけれども、これがもうだんだん黒字の方向に持っていける、こんなことで持っていけるんだというその辺のお話、もし聞かせていただければひとつよろしくお願いいたします。

○国務大臣(塩川正十郎君) 私も政治家になる前はずっと商売をやっておりまして、中小企業のおやじさんでございました。でございますから、借金の怖さというのは、私は本当に身にしみておるんです。しかし、一般に政治家とか役人は借金の怖さというのを知らないですね。そこが私は非常に感覚が違うところだと思っておるんです。
 私は、この六百六十兆円というのは本当に異常な状態だと思うております。ですから、何としても食いとめるということ。その食いとめはこういう三十兆円で一回辛抱しますと、このことが、十四年度でこれが姿として出てまいりましたら、国民の多くの方は、これは本気になって政府は財政を立て直そうとしてきたという安心をしてもらえる。財政を立て直すということは、国民にとりましては福祉と年金と介護、こういうものを約束してくれるんだなという、そういう根底に触れてくる問題だと思うております。政治信頼といいましょうか、私はそこにあると。公共事業の約束とか何かは、そういうようなものは政治の信頼につながりません。けれども、老後の生活を保障してくれるんだなという、こういう気持ちが政府で出てきておるということだったら信頼してくれてずっと落ちついてくれる。
 そうなれば、国債の頭押さえというか、三十兆円以内に抑えるということも、あるいは地方行政の削減も国の削減も経費の削減は納得してくれるんじゃないかと思っておりますので、これからの財政運営で一番の焦点は、三十兆円に抑えたい、この一点に絞って私は十四年度予算をやりたいと思っていますから、御協力をひとつぜひお願いいたしたいと思っております。

○岩本荘太君 私も大分同じような見解を持っているつもりでございますが、やっぱり国民が痛みを分け合う、これは分け合えないとは僕は思わないんです。ただ、その分け合い方に不平等性が出たりあるいは落ちこぼれが出る、こういうことに対してしっかりやっていかなきゃいけない。
 したがって、はっきりとこれからの方向がこうなんだよということを示してもらえれば辛抱するといいますか、痛みを享受、享受と言ってはおかしいですけれども、受けて我慢できる、そういう人もあると思うんですね。その辺でどうしろといってもなかなか、今の三十兆円でとめるというのが限界だという、それ以上は私は質問しないつもりですけれども、ぜひそういう覚悟で。
 と同時に、やっぱりそういうことによって国民の気持ちがなえてきちゃいけない。景気というのは、私は何もお金だけの勘定じゃないと思っています。これも先週申し上げたんですけれども、要するに生きがいといいますか、やる気といいますか、そういうものを持たせる、そういうものを持てばやはり世の中は活性化する、景気をよくするということは世の中を活性化させることだと思うんです。
 そういう意味で、先ほど言いました人口が減少するときに本当に経済成長するか。この場合も、要するに人口が減って経済成長しなくても個人の所得で見れば決して前より減らない、減らないけれども全体から見れば減っている。そうなると、全体のGDPに焦点を当てるんではなくて、個人の満足に焦点を当てたときに、そういうGDPばっかり、金、金ということでない別の面の国民の価値観、こういうものを植えつけると言ってはおかしいですけれども、こういうものを誘導するというのもやっぱり国の一つの仕事じゃないかなと。これは文化であり伝統、芸術であり、そういうものばかりじゃないでしょうし、いろんな面があると思うんですね、スポーツにしろ何にしろ。そういうようなところにこれからもう少し焦点を当てていかなきゃいけないんじゃないかなと私は思っているんですが、この辺について、もし大臣のお話がございましたら。

○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、来年度は予想されるように中期展望計画でいきますと三十三兆三千億円の国債発行をしなきゃいけない。その三兆三千億円を削ろうというのが私の三十兆円に抑える、これはちょっと御理解していただいて協力していただいたらできる話。
 といいますのは、今、行政経費が十年前と同じなんです。ところが、物価は一〇%下がっておるんです、十年前から見まして。それに合わせて行政経費も削らなきゃならぬものを削っていないんです。ここをどの程度削れるかということは、相当できると思います。それは公共事業であり、例えば一般の教育関係を見ましても、学校給食を見ても、これは非常にまだ見直すところがたくさんあると思います。ODAもそうです。そうしますと、三兆三千億円の国債発行を削るんだと言いまして、できるものかと皆言いますけれども、私はそれほどのことでもないし、理解さえしていただければできる、そこは共有をして。
 ですから、私は、余り個人の犠牲において三兆三千億円の国債を下げようということは考えておりません。やっぱり公的行政支出の中でこれを考えていきたい、こう思っております。

○岩本荘太君 そういうことで、要するに人口がふえない時代は今までと物の視点を変えていかなきゃいけない。したがって、個人に負担はさせないけれども、GDPとして国の収入はこれは減っていくかもしらぬ。そうすると、それが結局赤字国債を返せないということにつながる。その辺が国の視点で見た場合と個人の視点で見た場合の違いがあると思うんですね。二十一世紀でその辺をよく認識して、個人の満足度というものを、今までと違った価値観というものを導入しなきゃいけないんじゃないのか。
 今のお話で、私も、行政経費を減らすというお話は大変結構ですけれども、本当はその前に人員削減といいますか、そういうものは統合でできたかもしれませんけれども、あれは具体的にどこまでできたかよくわかりませんけれども、そういうものがあって、それによって政府の支出も減るでしょうし、それからまた行政経費もいろいろ削っていく、そういうのが一つの方向かなという気がしているわけでございます。
 とまれ、そういうことと同時に、先ほどから言っておりますその裏腹の関係でしょうけれども、それによって社会の活力がなくなるということはこれもまた一番恐れなきゃいけないことでございますので、その辺もひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。
 もし何かございましたら、二分ありますので。

○国務大臣(塩川正十郎君) 行政経費を削ると同時に、今言っておりますように銀行の不良債権の整理を急いでおりますのは、やはり新しい産業部門、そこに潤沢な資金を出したい。これが銀行経由の間接投資ではなかなか進まないと思いまして、ですから直接投資に向かうようにする。そのために証券税制等を私は急いでおるところでございますが、そういうぐあいに構造を変えることによって産業界も活性化しなければGDPがふえませんので、その両面でもって対応したいと考えております。

○岩本荘太君 もう時間がございませんが、どうも私の申し上げている価値観の面でなかなか大臣の御答弁が得られないんですが、これはまた次の機会に。何か私は質問する機会が大変多いものですから、次の機会にまた譲らせていただきまして、これで終わりにいたします。
 どうもありがとうございました。

○平野貞夫君 塩川大臣にはあと二十分我慢していただきたいと思います。お疲れでしょうから、答弁は簡明にお願いします。岩本先生とは大変波長の合う質問でよかったと思いますが、私は御機嫌を悪くする質問になるかもわかりませんから、よろしくお願いします。
 あとこの国会も二週間足らず。一番の問題である外務省の松尾元室長の事件の本質というのが解明されていない、これがぼかされておるという観点からお尋ねしたいんですが、塩川大臣が大臣就任の前、ことしになってテレビとか雑誌でいろいろいわゆる機密費の使い方について発言されたんですが、その後両院の予算委員会等で忘れた、あるいは錯覚だ、あるいは深く反省する、こういうことを申されたんですが、現時点の御心境はいかがでございましょうか。

○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、報償費というのはやっぱり行政を遂行する上において必要な経費だと思っております。
 ただ、私は、報償費こそはそれを行使、使う人の政治家の本当の良心と倫理観に基づくものであってそれ以外のものではないと思っておりまして、今後とも報償費というものはいろんな点で活用されるであろうが、それは必ず要するに公共のためになるように使っていただくということを念願しておるところです。

○平野貞夫君 私は、自分の役人の体験から、実は塩川大臣が取り消された話は真実の可能性が強いという、そういう思いでございます。
 たしか塩川大臣は福田政権ができたときの最初の官房副長官、そのときの官房長官が園田直先生。私は、昭和四十年から四十二年にかけて園田先生が副議長のときの秘書をやりました。そして、園田先生が御病気になられたときには本を書こうというようなことで、官房長官時代に苦労された話をいろいろ聞きまして、塩川大臣がおっしゃる話よりもっとひどい話を聞いております。
 それから、たしか副長官をおやめになって、その後議運の筆頭理事をやられた細田吉蔵議運の委員長、このときに私は御夫人も一緒に北欧と東欧を海外旅行のお供をしました、野党の先生方と。このときにやはり塩川先生は、大変お気を使われて苦労されていたということも知っております。
 それから、例えば私が議運の担当課長をやっているときに、越智伊平議運の委員長、中曽根内閣の、このときにはかなり派手にやっているときでして、私も直接間接にかんでいたんですが、海外旅行で議運班で、ボンから当時の後藤田官房長官に野党の先生が連署されて礼状を書いたんですね、最初に、いろいろ御高配をいただいて順調に旅行は進んでいますと。私が手紙を書いたんですから。
 これは、やはり大臣、大臣の言うことは本当なんですよ。あるいはそれ以上のことが行われているということで、それでもあれですか、まあ余り私も意地悪くは言いませんですが、御否定なさるんでしょうか。ここがもう五五年体制の悪いことははっきり悪いと、こういうふうに出して新しい出発をするべきだという観点から申し上げるんですが、いかがでございましょうか。

○国務大臣(塩川正十郎君) 世界各国、公文書の公開は三十年ということになっていますね。平野さんはそこまで言うたらもうみんな知っているんだから、僕のことは。だから、それはあれを言え、これを言えということになるんでしょうけれども、私もやっぱり中身はちょっと触れることは勘弁していただきたいと。三十年たったらちゃんと申し上げますから。

○平野貞夫君 いやいや、これだけのやっぱり答弁をなさるというのは大した見識だと思いますよ。それは、私の事実を否定されていませんから。それは大変御見識を評価します。
 さて、いわゆる機密費の外務省から内閣官房への上納問題、これがやっぱり問題の本質なんですが、これについて入りたいと思います。
 きょう出されました「週刊ポスト」という雑誌に、上納問題についてこういうふうな記載がございます。「外務省の機密費(約五十六億円)から、毎年約二十億円が首相官邸の大金庫に上納され、野党対策や議員外遊の餞別など政権維持の秘密工作費にあてられていることは本誌が四年前に報じていたが、」ということで、一般の新聞もいろいろやっていますが、やっぱり皆さん何にも言わないものだから取材に限界があるようでございますが、きょうの記事は、これは週刊誌といえども非常にかたく取材していますから、私は信用しておるんです。
 小泉政権でもこの上納がそのまま続けられているという外務省幹部のいわゆるコメントを出しておるんです、人の名前は書いていませんが。これをちょっと読み上げますと、「外務省から官邸に機密費を上納する際は、内閣府の会計課長が官房長官名で外務省の会計課長に支出を要請し、外務省内で官房長、次官の決裁を経て、一回につき五千万円の小切手二枚が渡される。内閣府は指定金融機関である都銀の虎ノ門支店で」、ここまで具体的に書いています、「小切手を現金化し、官邸の大金庫に納める。毎月一億から二億円ずつ渡されるが、外務省はその段階で「官房長官あてに機密費を支出した」という会計処理を行なうため、その先は何のチェックもない「官邸の裏資金」として使える。 「そうした上納は小泉政権になってもそのまま続けられている」と外務省幹部は説明する」と。
 こういう記事があるんですが、このことについては何か御感想はないでしょうか。

○国務大臣(塩川正十郎君) それは、私は全く空想の話だと思います。それは、平野さん自身がもうそういうことはよく御存じだと思うんです。そういうことを今までやっておりませんし、外務省とそれから官邸との間は私は全然知りません。知りませんけれども、そういう事実はないと。それが何かしらうわさで走ってしまいまして事実のように言われておりますが、私はそれはないと思っております。

○平野貞夫君 いずれまた来週、決算委員会の総括がありますので、これは総理にも外務大臣にも聞いて、もし事実がなければ、これは雑誌を訴訟するとか、そういう措置をとってもらわなければ政治の権威にかかわると思います。
 しかし、田中外務大臣も、一時はこの問題に非常に関心を持っていたと公式に発言をされている。今でも、事務方はないと言っている、否定しているという程度のことを言っておるわけですが、私は、大臣のお話ですが、この上納は確信的に推測できるんですよ。それをこの機会に申し上げたいと思うんですが、ちょっとその根拠を申し上げたいと思います。
 それは、自民党は昭和三十年代のある時期までアメリカのCIA資金を政治資金としていたんです。これが党としての政権運営に極めて役に立っていたと、こういう事実があるんです。こう言われると、大変証明しなきゃだめな責任があるわけなんですが、ところが昭和三十六、七年、これを自民党は断るわけですね。断って、しかし、なかなかやっぱり与党もあるいは政権党としてもいろいろ金がかかるということで、佐藤内閣から考え出されたのがこの上納システムじゃないか。これは、もちろん財政法に違反することでございます。
 そこで、いろいろ私は調べてみたんですが、そのきっかけとして申し上げたいのは、昭和五十一年二月にロッキード事件というのが起こるんです。四月になって事件がクライマックスになって国会が全く動かなくなったときに、ある出来事が起こるわけです。私は、このときに前尾繁三郎衆議院議長の秘書をやっておりました。そのときにどういうことが起こったかといいますと、昭和五十一年の四月二日にアメリカのニュー・パブリックという雑誌が、児玉がCIAと関係があり、児玉を通じて政府高官に流れた金の中にはCIA資金も含まれていた疑いがあると報道しました。それからもう一つ、同じ日にニューヨーク・タイムズが、ケネディ政権時代のロジャー・ヒルズマン国務次官補が、就任の際に、日本の一つ以上の政党にCIAから資金が供給されていると知らされていたと語ったという報道があったわけです。
 それで、自民党はかなり混乱しまして、私の記憶では、歴代の経理局長が会合を持ちました。それで、前尾議長も経理局長だったですが、そこの会合に行くわけにいきません。会合の結果を細田、当時の経理局長だったですか、経験者ですが、前尾議長のところに報告に来ました。私はそのときに同席していました。ということで口を合わせておりますので、ないということを、よろしくという話を私は現場で聞いていました。深刻な顔をして前尾さんはそれを聞いていました。
 そして、次の日、四月三日に当時の自民党の中曽根幹事長は、CIA資金の自民党流入説は事実無根であるとして、ニューヨーク・タイムズ社、それからロジャー・ヒルズマンさん、それからニュー・パブリック社に取り消しを求める抗議電報を打ちました。ところが、マスコミは、何も両紙とも自民党と明示したわけじゃないといって、かなり冷ややかになるわけでございます。そして、こういったことが原因になって、その年の総予算は強行採決されます。
 強行採決された後、実は、これからの正常化の分析を私は前尾議長の自宅でやりました。そのときに、このCIA資金の報道とどういう関係があるだろうかという議論になりまして、前尾議長からこういうことを言われました。私は当時、毎日日記をつけていましたが、これがその日記のコピーなんですが、前尾議長は、政党の背後には複雑なものがあり、僕が幹事長をやっているときにも外国からの資金の話がいろんなところから持ち込まれたが、全部断った、どんなに苦しくとも、政治に外国の資金を使ったら終わりだ、このことのけじめがつかない人がいたかもしれない、こういうふうに私に語っています。このことは形を変えて今でもあるんじゃないかと思うんです、形を変えて。非常にこれは大事な問題です。
 その後、私は前尾議長の親友である警察官僚、内務省官僚の丹羽喬四郎先生といろいろこのことについて話す機会があって、丹羽先生からいろいろ具体的な話を聞かされているわけでございます。
 そこで、実は問題は、内閣報償費と外務省の報償費は前尾さんが自分が幹事長のときに断ったと。この時点中心にどういう流れをしているかということを今調べましたところ、池田政権ができたのが三十五年の七月でございます。そして、このときに外務大臣は小坂善太郎先生。小坂善太郎先生が、六〇年安保の後でございますので非常にもめた後でございますが、やはりこれから日本もいわゆる情報収集活動に予算をつけなきゃだめだということで、それまで内閣の報償費というのはまとめて一括していたわけなんですが、三十七年の予算から内閣官房、一般行政に必要な報償費とそれから情報の収集及び調査に必要な経費というふうに分けるわけでございます。このときに、情報収集に必要な資金が非常に少ないんですね、二千九百六十三万。それから、一般の報償費は一億四千四百十七万という程度、合計して一億七千万ちょっとから始まるわけでございます。
 そして、池田内閣のときにはこれでずっとやっていたようなんですが、池田内閣が佐藤内閣にかわって、日韓国会のときに非常にやっぱりいろんな対策費を使っております。そのときに、三十九年に佐藤内閣にかわるわけでございますが、これが暮れでございましたので、四十年の予算はもう固まっておるわけですから四十年度の予算には手をつけられない。そこで、四十一年度予算にこの報償費をどんとふやしているわけです。
 それはどういうふやし方をしているかといいますと、情報を集めるんじゃなくて一般の報償費、何と五六%、一億三千六百万、二億四千万程度のものが四億に一挙にこれは限界まで伸ばしているわけでございます。それから同時に、このときに在外公館の報償費を昭和四十年まで八億三千万だったものを六二%ふやして十三億三千万に五億ふやしているわけです。このときの外務大臣椎名先生と大蔵大臣福田先生の会話がおもしろい。私は、この大臣折衝に立ち会った人から直接聞いた話なんですが、福田大蔵大臣はさすが怒ったそうです。内閣の報償費もこれだけふやしているのに何で在外のこれをふやすのかと。そのときに、その理由は何だと椎名先生に聞いたら、椎名先生は知りませんと言ったというんですね。恐らくこの辺から私は非常におかしくなった。CIAの資金がもう切断した、いろいろ対策費に困った、何かいい知恵出して資金を集めなきゃいかぬということが考えられたんだと思います。
 このころはもう自民党絶対ですから、自民党の金庫と官邸の金庫の一部は同じようなものというふうに僕は理解するんですが、実は私は、四十年の暮れに園田副議長の秘書になっております。そして、報償費がどんとふえた四十一年の五月ごろから私は定期的に当時の副長官の竹下さんのところへ対策費をもらいに行ったんです。竹下さんというのは非常にいい人で、すぐにこにことして封筒くれたんですが、後任の亀岡さんというのは、おまえ名刺に受け取ったと書いていけというふうに言われたんですが、この金だっていろいろあって、恐らく園田副議長経由でいろいろ対応した金がこの四十一年で二千万とは言わぬと思います。ですから五%です、四億ですから。足りるはずないです。私は、このときから上納というのがどうも裏で約束されたんじゃないか。
 したがって、これはかいわいの人はもう常識でございまして、しかし絶対に言っちゃいかぬという。しかし、この絶対に言っちゃいかぬということを今ここで、聖域なき改革と言っているわけですから、やはり政治が信頼されるためにはこれを出さなきゃいかぬと思いますが、塩川大臣、これについて、財政法違反ということは明確にわかっていますので、財務大臣として調査を命令してくれませんか、一連のことについて。

○国務大臣(塩川正十郎君) その使途についての私は財務省の責任があるのかどうか、ちょっとわかりません。
 また、今とうとうと述べられたことについて、私は全く初耳のことで、そんなことがあったのかなということでございますが、私も関知していないことでございますので、コメントすることはできません。

○平野貞夫君 今、コメントすることを要請はしていませんが、私は来週も取り上げますが、ひとつ調査はすることは、これは聖域なき構造改革ですから、政治の構造改革をすることがまず先だと思います。
 若干時間が余っていますが、以上で終わります。

○委員長(谷川秀善君) 他に御発言もないようですから、本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後六時三十一分散会