特殊法人等改革基本法案(総務政務官答弁) 参議院内閣委員会-18号 2001年06月19日
特殊法人等改革基本法案(総務政務官答弁)
151-参-内閣委員会-18号 2001年06月19日
○委員長(江本孟紀君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、世耕弘成君、今井澄君及び吉岡吉典君が委員を辞任され、補欠として山崎力君、小山峰男君及び市田忠義君が選任されました。
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○委員長(江本孟紀君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(江本孟紀君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に森田次夫君を指名いたします。
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○委員長(江本孟紀君) 戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案を議題といたします。
発議者本岡昭次君から趣旨説明を聴取いたします。本岡昭次君。
○委員以外の議員(本岡昭次君) ただいま議題となりました戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
今次の大戦後既に半世紀を超え、二十一世紀を迎えました。しかしながら、我が国が過去、侵略行為や植民地支配により多大の苦しみを与えたアジア近隣諸国において、これらの地域の人々が我が国に抱いている不信感や不安感は依然として根強いものがあります。その原因の一つが慰安婦問題であります。いわゆる慰安婦は、今次の大戦において、日本の軍や官憲などの甘言、強圧等により本人の意思に反して集められ、日本軍の慰安所等で兵士に性奴隷的苦役を強要され、女性の尊厳と名誉が深く傷つけられた未成年を含むアジアの女性たちのことであります。
戦後、慰安婦が社会的な問題として意識されるようになったのは、一九九〇年六月の参議院予算委員会においてその実態の調査を政府に迫ったことに始まります。当初、政府は、民間の業者によるものであり、国は関与していないので実態を調査することは不可能との立場でしたが、これは韓国などの被害者の強い反発を招きました。その後、政府は調査を行い、一九九三年八月、初めて慰安婦問題への軍の関与を認め、おわびと反省の気持ちをあらわしました。しかし、被害者に対する国家補償については、サンフランシスコ条約や二国間条約で解決済みであるとして拒否しました。
また、国際連合においても、慰安婦問題は、一九九二年二月の人権委員会で初めて取り上げられて以来、世界人権会議、世界女性会議等で大きな問題として論議されてきました。特に、人権委員会の女性に対する暴力に関する特別報告者クマラスワミ女史は、一九九六年一月、人権委員会に報告書を提出しましたが、その中で、慰安婦は軍事的性奴隷であったとし、被害者に対する国家補償や関係資料の公開などを日本政府に勧告しています。この勧告を含む報告は、一九九六年四月の人権委員会の女性に対する暴力撤廃決議として各国の支持を得て採択されました。
その後も、一九九八年八月、差別防止少数者保護小委員会の戦時性奴隷制に関する特別報告者のゲイ・マクドゥーガル女史が、戦時性奴隷等に関する報告書で慰安婦問題への対応を厳しく批判し、日本政府に対して改めて国家補償を求めています。
さらに、国際労働機関の条約勧告適用専門家委員会も、慰安婦問題は強制労働を禁止した国際労働機関二十九号条約に違反しており、日本政府が国家補償を行うよう希望する旨の報告を四度にわたって行っています。ことし四月の国連人権委員会でもクマラスワミ特別報告者が一九九六年の勧告が履行されていないことを再び指摘しています。
ところが、政府は、慰安婦問題については国民参加の道を探求するとし、一九九五年七月、民間団体である女性のためのアジア平和国民基金を設立し、国民の募金による見舞金の支給で国の法的責任を回避しようとしてきました。しかし、この見舞金は、各国で多数の被害者から受け取りを拒否され、批判を受けている事態が続いています。
また、韓国政府は、一九九八年四月に女性のためのアジア平和国民基金の償い金を拒否する元慰安婦被害者に対して一人当たり約三百万円の支援金を支給すると同時に、外交通商省を通して、日本は第二次大戦中に日本軍によって行われた反人道的な行為に対し、心から反省し、その上で謝罪すべきであるとの声明を発表しています。
台湾の当局も、一九九七年十二月に台湾の元慰安婦被害者に対し、立てかえ支給の形で一人当たり約二百万円を先行支給し、日本政府に謝罪と国家補償を求めております。
フィリピンにおいても、謝罪と国家補償を求める決議が昨年十一月、フィリピン議会上下院に提案されています。
日本国憲法前文は、「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」と我が国の進路を示しています。この憲法の理念を踏まえ、アジアに生きる日本国民として、慰安婦問題を早急に解決する必要があるとの考えにより、このたび本法律案を提出した次第であります。
本法律案は、今日、女性のためのアジア平和国民基金の事業が行き詰まりを見せている中で、問題解決のためには国の責任において措置を講ずることが不可欠であるとの認識のもとに、慰安婦問題の解決に対する我が国の姿勢を明らかにするとともに、その解決のための基本的な枠組み及び道筋について規定するものであります。なお、具体的な措置につきましては、関係国等との協議を経て、決定し、実施することとなっております。
次に、本法律案の内容の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、この法律は、今次の大戦及びそれに至る一連の事変等に係る時期における旧陸海軍の関与のもとでの組織的かつ継続的な性的な行為の強制により女性の尊厳と名誉が著しく害された事実について、謝罪の意を表し及びその名誉等の回復に資するための措置を我が国の責任において講ずることが緊要な課題となっていることにかんがみ、これに対処するために必要な基本的事項を定めることにより、戦時性的強制被害者問題の解決の促進を図り、もって関係諸国民と我が国民との信頼関係の醸成と我が国の国際社会における名誉ある地位の保持に資することを目的としております。
なお、慰安婦という言葉は、被害者が受けた被害の実態を反映していないので、本法律案におきましては、これにかわるものとして戦時性的強制被害者という用語を用いることとしております。
第二に、政府は、できるだけ速やかに、かつ、確実に、戦時における性的強制により戦時性的強制被害者の尊厳と名誉が害された事実について謝罪の意を表し及びその名誉等の回復に資するために必要な金銭の支給を含んだ措置を講ずるものとしております。
第三に、政府は、戦時性的強制被害者問題の解決の促進を図るための施策に対する基本方針を定めなければならないこととしております。また、政府は、基本方針を定め、または変更したときは、これを国会に報告するとともに、公表しなければならないこととしております。
第四に、政府は、第二の措置を講ずるに当たっては、条約等との関係に留意しつつ、関係国の政府等と協議等を行い、その理解と協力のもとにこれを行うよう配慮するとともに、国民の理解を得るよう努めるものとしております。また、政府は、第二の措置及び第三の基本方針に定める実態調査を実施するに当たっては、戦時性的強制被害者の人権等に配慮しなければならないこととしております。
第五に、政府は、毎年、国会に、戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関して講じた施策及び第三の基本方針に定める実態調査により判明した事実について報告するとともに、その概要を公表しなければならないこととしております。
第六に、内閣府に、戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関し、重要事項の審議、施策の調整・実施の推進、実態調査の推進等の事務をつかさどる機関として戦時性的強制被害者問題解決促進会議を置くこととし、また、同会議に、実態調査の推進の事務を行う調査推進委員会を置くこととしております。
なお、この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとし、施行の日から起算して十年を経過した日にその効力を失うこととしております。
以上が、本法律案の提案理由及び内容の概要でございます。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようにお願い申し上げます。
ありがとうございました。
○委員長(江本孟紀君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
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○委員長(江本孟紀君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
特殊法人等改革基本法案の審査のため、本日の委員会に政府参考人として、総務省行政管理局長坂野泰治君及び財務省主計局次長藤井秀人君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(江本孟紀君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(江本孟紀君) 特殊法人等改革基本法案を議題といたします。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
○簗瀬進君 おはようございます。民主党・新緑風会の参議院の簗瀬進でございます。
きょうは議員立法、与党三党の皆さんがお出しになり、また衆議院で全会一致ということで送られてまいりましたこの特殊法人等改革基本法についての質疑をさせていただきたいと思いますが、あらかじめ御了承いただきたいのでありますけれども、議員立法ということもありまして、質問通告のあるもの以外についても、原則的な理念的な問題については若干幅広く質問をさせていただくこともあるかもしれません。大変な論客の皆さんがおそろいでございますので、どうかお答えをいただければ大変ありがたいと、このように思っておる次第であります。
まず、今、特殊法人の問題が大変いろいろな意味で焦点になっております。財政の問題にもしかり、あるいは日本の経済構造をどのように改革をしていくのかということにあっても、この特殊法人あるいは認可法人等の問題が一つの大きなポイントになっているわけであります。
しかし、歴史的に見ますと、特殊法人の制度についても私は功罪ともにあるのではないのかなと、こういうふうに思っております。ということで、こういう議論の出発に当たりまして、この制度の持っている功と罪、これについて提案者それから石原大臣それぞれの、この特殊法人制度の歴史的な功罪ということについて簡潔に御認識を御披瀝いただければ大変ありがたいと思います。
○衆議院議員(太田誠一君) 特殊法人につきましては、これまで行革のことが俎上に上がるたびに、特殊法人はどうなのかということで、かつての第何臨調と言われたときからたびたび取り上げられているわけでございます。だから、功罪の罪については従来から政治の世界あるいは政府においても認識があったものと思います。
一方、功の方は何かといえば、それはこの二〇〇一年一月六日からスタートをしております省庁改革、新体制の中で独立行政法人というものを新たに導入して、これまでの国の行政機関を切り出して分離独立させ、それによって半ば自己責任によって効率化を図る、そういうスキームが導入されたわけでございますが、特殊法人はそれぞれ違った法律でできておりますが、その独立行政法人をつくったときのアウトソーシングという考え方のプリミティブな形態だと思います。早い時期に我が国においては、国が直接行うよりも独立した事業体をつくってそこで半ば自己責任において行うという方が効率的であるという考え方で導入をされたものと思います。それはそれなりに歴史的な役割を果たしてきたものと思うのでございます。これが功の方であります。
これまで、特殊法人改革につきましては、ことしから始まります二〇〇一年の一月六日の改革に先立って、二、三年前には相当大きな合併や再編成は行ったところでございますが、それはあくまでも一般的な全体を網羅する改革ではなかったわけでございます。個々の法人に着目をして、その合併や廃止というものを進めてきたわけでございますので、今回はもっと網羅的に、あるいは一般ルールというものをきちんと確立してやっていこうということであります。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま発議者の太田議員の意見の御開陳とオーバーラップする部分は避けさせていただきたいと思いますが、やはりそれなりの時代要請を受けまして行政の実務を行うという形で有効に機能してきた部分はあったと思います。しかし、お役所仕事という言葉に代表されますように、前例踏襲主義あるいはコスト主義、また経営責任の不明確あるいは会計の不透明、いろいろな面でむだが出てきたと。
そして、これまでの改革では、各特殊法人に着目して特殊法人の統廃合等に中心的な改革の力点が行われていたわけでございますけれども、省庁再編そして新しい時代を迎えた今、改めまして全特殊法人の全事業をゼロベースから見直して、社会的存在意義というものがあるのかないのか、またあったとしても効率的にまた合理的にだれもが判断したように事業が運営されているのかというようなことを今回の特殊法人改革では議論をし、成案を得べく現在鋭意検討させていただいているというところでございます。
○簗瀬進君 今、大臣が全事業ゼロベースというふうな御表現であったわけでありますけれども、これは後で特殊法人改革についての中間取りまとめについて聞きますが、そのときに聞く予定でありましたのですけれども、若干先になってしまうかもしれませんけれども、事業全体をゼロベースという考え方と同時に、存在自体をゼロベースでというふうな考え方もこれはあるだろうと思います。
すなわち、特殊法人制度というものが、ある意味で歴史的に見たときに、民間のまだ未成熟の中で公的なセクターがこれをしょわなければならなかった、こういう側面もあって誕生をした、こういうふうな側面、歴史的な経緯もあるかなと思うわけでありますけれども、現在のように経済のシステムがいろいろなところで大変たわわに枝ぶりを実らせてまいった、そういう状況にあっては、そもそも特殊法人というそういう存在形態自体がある意味で日本の経済の今後の発展ということには害をなすのではないのか、こういうふうな認識もあると思うのですね。
でありますから、例えば、私自身もまだ結論は自分自身では出ていないんですけれども、事業をゼロベースというよりも、その存在自体をゼロベースで考えたらどうだろうという考え方があるんですけれども、これについては大臣としてはどんな御所見をお持ちでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 簗瀬委員の御質問にお答えを申し上げたいと思いますが、私どもは昨年十二月に決定されました行革大綱にのっとりまして新しい時代にふさわしい、今委員が御指摘になりました行政組織制度への転換を目指すとの観点から、今、その業務の廃止あるいは整理縮小・合理化、民営化等その他の運営主体へ移管等の改革を進めているところでございまして、今、第一段階として全事業の見直しを行わせていただいていると。そして、この全事業の見直しを踏まえた上で、今委員御指摘されたような組織の見直しを行うと。
特殊法人という名前からいたしましても、英語ですとスペシャルカンパニーと言うぐらいでございますので、特別な会社というわけでございますから、特別な会社が今の時代に必要なのか必要じゃないかという簗瀬委員御指摘の意見というものは世間にもあるということも十分承知しております。そういうことを十分踏まえまして、次の段階として組織の見直しを行い、見直し結果を盛り込みました特殊法人等整理合理化計画を今年度中に取りまとめたい、計画を実現するための法制上の措置というものは集中期間であります平成十七年度末までに講ずると、こんなタイムスケジュールで議論を深めてまいれればと考えております。
○衆議院議員(太田誠一君) この特殊法人の整理合理化というのはどういう観点からやるのかというと、多くの特殊法人が過去にいろんなものを合併したりなんかしておりますので、その事業は単一ではなくて複数のものを含んでいるわけです。そういたしますと、その事業一つ一つを検討した結果、例えば主要な事業はもうなくなる、事業に着目してそれがなくなる、あるいは半分以上がなくなるということになったら、当然その母体たる特殊法人も廃止をされるということになりますので、今の簗瀬委員の問題意識と私どもの問題意識は共通でございます。
○簗瀬進君 特に太田議員は、私もかつて自民党にあった時代にはいろいろと御指導をいただいたりあるいはいろんな議論をさせていただいたことがあるんですが、歴史的に見たときに、一部、特に中曽根民活、当時、中曽根さんが、やっぱり今と同じような国債をどんどん発行して財政改革が非常に問題になったときに、相当財政をカットすると、こういうふうな状況がありました。そういう中でいわゆる中曽根民活路線というのが出てくるわけであります。
しかし、その際にもう一つ、言うならば、今まで公共事業を肥大化させていたものを、国が直接やるというよりも法人という特別の形をつくってそちらの方に移行をして、ある意味ではお化粧直しをしたのではないのか。だから言うならば、特殊法人がここまである意味で肥大化をしていろいろと経済自体に大変なマイナスを及ぼすようになったその出発点というのは、実はその中曽根民活の影の部分であったのではないのか、こういうふうな指摘があるわけであります。
この認識については、発議者はどうお考えですか、特に太田先生。
○衆議院議員(太田誠一君) 常に特殊法人そのものの設置は、中曽根民活のときよりも随分、ほとんど早かったかと思います。そして、特殊法人が一応一通り今あるものが出そろった後、臨調答申などで、これはやり過ぎだというか、つまりいろいろ疑問があるということが指摘をされて、その後は公益法人の姿をとったり、認可法人があったかどうかわかりませんけれども、公益法人などの別の形態、特殊法人の形態ではない設置の形態のものがたくさんつくられたと思います。
今の民活というのはさらに、これは我々の今視野に入っております公益法人などよりもさらに民間との境目がなくなってくる姿でございまして、恐らくそれも発想としては、政府の狭い行政機関の中に取り込んでおいてそこでやるよりも、独立性あるいは自己責任性というものを持った方がいいと。さらに、民活で申し上げると、それが民間の利潤を上げようという動機とうまくやっていった方がいいという観点からできてきたものだと思います。
ただ、それは多くは、実はそういうふうにしておいて民間的なプロフィットというものを求めると同時に、非効率性は少しも解決をされないという例も多々出てまいりましたので、いわゆる民活という言葉が意味したものもその後破綻した事業が多いのではないかというふうに思っております。
だから、よほど、そういうことに踏み出すには、事業計画そのものに対するみずからに対する厳しさが必要なのではないか、それはあらゆることについて、特殊法人まで含めて言えることだと思うのであります。
○簗瀬進君 官の論理と民の論理がうまいぐあいに効果を発揮したときもあるんだけれども、まさに例えば営利企業の中においては当然、言うならば効率といいますかコストといいますか、それが最優先の課題にならなければならないところが、今度は官の論理の中でそれがあやふやになっていく、あいまいになっていく、そういうものの中で特殊法人の病理的な現象がどんどん拡大をしていったのではないのかな、私はこのような認識を持っておりまして、これは、日本の全体のトータルの社会構造といいますか、産業構造も含めまして、この中で官僚セクターとそれから営利セクター、あるいは市民のセクター、このそれぞれのセクターをどういうふうにバランスをとっていくのかという大変大きな問題に私はこれはつながっている問題なのではないのかな、こういう認識を持っております。
でありますから、特殊法人についての改革というふうなことでいったときに、例えば、後に私は天下りの問題でかなり細かく質問をさせていただきますけれども、天下りの問題も非常に単純化してとらえることは私はある意味では問題の本質的な解決から遠ざけてしまうのではないのかなという認識を持っています。
例えば、霞が関には相当優秀な人材がいらっしゃる。この優秀な人材を社会的に全体的にどういうふうに位置づけていくのか、それを個々の公務員の一つの人生サイクルの中でどう位置づけていくのか、こういう大きな視点で物を見なければ、結果として、先だけぶった切って、行く場所がない、じゃどこに行くんだと。あの有為な人材が社会的にどういうふうになってしまうのだ、こういうふうな大きな社会全体のサイクルというようなものを背景に置きながら天下りの問題も論じていかなければならないと思うんです。
私は、そういう意味では、特殊法人という一種ぬえ的な存在というようなものは今後は整理されていかなければならない。整理されていくとしたら、やっぱり民の論理に行くもの、すなわち営利セクターの方にきちんと位置づけられなければならないそういうものと、官の論理に行かなければならないもの、そしてもう一つは、やっぱり市民の論理、言うならばNPO法人的なものにきちんと位置づけられていく、こういうふうな形で大きなサイクルを構想しながらこの問題に取り組んでいただきたいと、実はこのように考えております。
これは持説でございますので、質問ではございません。
この特殊法人の問題で一つ、これは前に内閣委員会で石原大臣に質問したことでもあるんですけれども、すぐ記憶を忘れるので大変有名になった塩じいという方がいらっしゃるわけでありますが、もう忘れてしまったかもしれませんけれども、塩じいがかつてこういうふうなことをおっしゃっていた。公共事業をカットしていかなきゃならない。そのかわり、特殊法人に対する貸し出しの条件を緩和する等で対処することもあるかもしらぬみたいなことを言ったわけですよ。
まさにそれは先ほどの中曽根民活の、巷間言われている中曽根さんが、表面づらの国債の発行額を抑えなきゃならない、しかし景気対策のために公共事業をやらなきゃならないので、その部分を特殊法人にしょわせて特殊法人の活躍の場所を与えていったという、ああいう一種の病理的な経済をつくっていく発端になった考え方と全くその塩じいの発想は同じなんですよ。これでは特殊法人改革の意味が全くないんです。
これについてもう一回大臣として、このような財務大臣の御発言に対する所見と、特殊法人改革について、言うならば公共事業のカットした見返りにそちらの方にしょわせていくというふうなそういう発想についての、それを改革のベースに置かれると全く意味がなくなってしまうわけです、その点についての御所見を大臣からちょっと聞かせていただきたい。
○国務大臣(石原伸晃君) 簗瀬委員の御質問にお答えを申し上げたいのでございますが、まず一点は、塩川正十郎財務大臣がそのような御趣旨で発言をされたのかという詳細は存じておりませんので、一般論としてお答えをさせていただくのであるならば、委員の御指摘と私の考えはまさに軌を同一にしていると思います。
と申しますのも、特殊法人等の事業というものは、皆様方のこれまでは郵便貯金あるいは簡易保険あるいは年金といったようなところから資金を借りてきて有償で行われていたわけでございます。今問題になっておるのは、この有償資金が本当に返せるのか返せないのかというところでさまざまな問題が露出してきている。そんな中、仮に一般歳出を抑えるかわりに、現在この財投改革も行われましたが、まだ、残念ながら財投機関債というのは今年度中に発行されるわけでございまして、二十の法人で一兆数千億円の規模と聞いておりますけれども、一体これが本当に市中で消化されるのか、あるいは新たなマーケットを形成することができるのか等も不透明な段階でございます。
そんな中で、今委員御指摘のとおり、一般歳出がカットされるから、それを旧財投あるいは有償資金に転嫁して公共事業の不足分を補っていくということは、その事業が効率的に運用されるのであらば正しいことでありますけれども、なかなかそういうものに目が行き届かないという問題の論点に端を発して現在この議論がなされていることにかんがみますと、やはり問題があるのではないかという委員の指摘はまさに的確な御指摘であると私は考えさせていただいているところでもございます。
○簗瀬進君 まだまだいろいろと質問したいことはあるんですが、原則論ですのでもう一つ、これは大臣それから発議者、お二人に聞かせていただきたいのは、特殊法人が本質的に悪であるというふうな議論は私はとりません。それはある意味で社会が未成熟、経済が未成熟の中でやっぱりいろいろな要請に対応する、いろいろな制約の中で事業もしていかなければならない、そういう中で出発をしてきたという側面もこれは間違いなくあるわけです。ところが、出発点ではそうであったけれども、だんだんそれが自己肥大化、自己増殖化、そして病理化して、感覚の麻痺をしていく。特にその最たるものが天下りの問題だと思います。
しかし、天下りの問題一つとってみても、官僚の皆さんからとってみれば、日本の社会全体の中で自分の第二、第三の人生の持っていき場所がないというふうな形になってくると、結果として、官僚一人一人にとってみても、それは家庭人であり、子供を育て自分の老後を考えなければならない、まだ生きがいもやる気もたくさんあると。そういう中で、じゃどこで自分の働き場所をつくっていくのだという形になって、手っ取り早く自分の関係先に特殊法人をつくる。また、それがやがては、特殊法人をつくったということがその官僚の一つの省内におけるステータスになっていって、そして将来の自分まで保障をしてくれる。こういうふうなものの中で、特殊法人の外に今度は公益法人やら株式会社というようなものを関係したものとしてつくっていく。言うならば、本来は民の論理の中で、営利企業の論理の中でやらなければならないものに関して、まさに官の論理でそれを取り込んでいってしまう。
私は、そういう意味では、企業セクターを官僚セクターが、言うならば特殊法人という形、株式会社という形をとって、官僚セクターが営利セクターにきちんと位置づけられないものを食ってしまっている、こういうふうな結果になってしまっているのではないのかなと思うんです。でありますから、このような認識について、発議者、大臣、どのようにお考えになっているのかというのが一点。
それからもう一点、もっと大切なことは、そういう意味で、自己増殖的に病理化した特殊法人が生まれてくる過程にあっても、そこに勤めている人たちというのは、入社する際、その法人に入る際はやっぱり自分の生きがいをそこに求めて、そして自分の生活をそこにかけてやっているわけであります。彼らにとってみれば、いわゆる上の方でどのようなプロセスでこの特殊法人ができたのか、あるいはどのような社会的な背景の中でこの特殊法人ができたのかということについては、それは自分の関知しないところなんです。そして、ここまで来てしまっている。そういう中で特殊法人の改革をしなければならないというのは、ある意味では彼らにとっては自分に関係のないところで起こった出来事の責任を一人一人がしょわされるというふうなことで、非常にある意味ではかわいそうな部分もあるんですよ。これはすべての企業においてもそうだと思います。
でありますから、この特殊法人の改革をする際には、必ずそれは、一人一人の人たちが、自分たちはそこで悪いことをやるために特殊法人に入っているわけじゃないんですよ。だから、そういうふうに考えてみたときに、言うならば全体的な社会の変遷あるいは営利企業や日本の経済の成熟の中でこの特殊法人というようなものについてのきちんとした位置づけがようやく行われるようになった。しかし、その前提での彼らの生活あるいは今後の生活というようなものをいかに守ってやるのかということもこれは大変大きな政治の課題であり、改革を進めていく人々のそれは責務であると思います。
にもかかわらず、私は衆議院のこの議論を聞かせていただいたときに、どうもやっぱり発議者の太田さん、それは民の論理でもう押しまくられている。その部分、まだ踏み込むことはなかなかできないんだ等の、かなりはっきりとした、ある意味ではちょっと厳しい御答弁が多かったんですね。私は、それは非常に残念であります。まさにそういう大きな流れの中で改革していかなければならないけれども、一人一人のそこに勤めている皆さんの生活というようなものをどうやっていくのか。これは改革を進めていく際の必ず車の両輪でやっていかなければならないものであって、それがしっかりとしていかない限りは、改革はいたずらに社会不安を呼ぶだけなんです。
そのことについての御認識をしっかりと聞かせていただきたいし、また、それに対してどういうふうな具体的な手当てをお考えになっているのか、あるいはこの特殊法人、今審議をしているこの議員立法の中ではその部分がどのように考慮されているのかということを発議者に聞かせていただきたいし、また、特殊法人改革のこの改革を進めていく際に、今の一人一人の勤めている人たちに対する立場をどういうふうに配慮していくのか、それについての大臣の基本的な姿勢を聞かせていただきたいと思います。
○衆議院議員(太田誠一君) 前半の、特殊法人などの活動が本来民間で行われてよいものを従来から侵食してきたのではないかという御指摘でございますが、それはそのとおりでございます。
今まで我々は、大体二十年ぐらい前の感覚というのは、ともかくこれはよいことだから国民も喜ぶだろうとか、あるいは必要なんだということの単純な論理で法律もでき、いわゆる政府の役割あるいは特殊法人の役割も抵抗なく受け入れられてきたわけでございますが、最近は、例えば総理が、民間でできるものは民間でやらせるのであって政府でなければできないことしか政府はやってはならないというような、この官と民の間の役割分担ということについて厳密な議論がなされるようになってきたのは最近のことでございます。
だから、今例えばこの国会に出されている法案の中にも、随分従来型の伝統的な、いいものだからいいじゃないか、必要なんだ、あるいはみんな喜ぶということで出ている法案も私は結構あると思うんです。それは人々の常識が変わっていないから、大ざっぱな官民の役割を混同した施策というのは今もたくさんありますので、これは今後も我々は整理をしていかなくちゃいけないということであることはそのとおりでございます。
それを、設置目的があるわけですから、なるべく、特殊法人にしろ、これから出てくる独立行政法人もそうでありますけれども、設置目的を明快にし、限定して、それ以上のことはやらせないと。例えば、一方では民間でやれる仕事をなぜやるんだというふうに問わなくちゃいけないし、あるいはこれは一般会計で本来やるべきことではないのか、省庁の設置法そのものにのっとった施策を何で特殊法人にやらせるんだという指摘もしなければいけなくなるわけでございます。限定していくということが大切だと思うのでございます。
それから、雇用の問題でございますが、雇用問題というのは、当然これはこれまでその施策を推進してよいものとしてやってきた立法府の意思でございます。一つの法律をつくることも立法府の意思だし、それを放置しておくことも立法府の意思でありますので、そういう立法府の責任というものはあると思いますので、雇用問題については、必ずこれは我々発議者としても最後まで責任を免れることができないというふうに思っております。
ただし、何をどうするかということを考えるときに、この人たちが失業しちゃったら困るだろうというところから出発をした場合にはこれは整理合理化という話にならないわけでございますから、整理合理化の話をして一応決着をつけて、そこの枠組みが決まってから私はその話をすべきであろうと。ただし、我々も気がつかないことがあるわけでございますので、極力そこで働いておられる方々のお気持ちとかあるいは状況というものについては配慮をしながら進めていかなければいけないことだと考えております。
別に血も涙もないわけじゃなくて、ちゃんと考えているけれども順番としてこういうことだということです。
○国務大臣(石原伸晃君) 簗瀬委員の御質問の論点は三つぐらいなのかなという気がするんですが、一つは、今後段で太田発議者の方から御言及のありました特殊法人に勤める方の雇用の問題と、そして特殊法人改革を進めるに当たっての天下りの問題、そこからさらに委員の御意見として、生きがいを持ってそこで働いている人が余生を暮らせるように、また仕事をしてもらうためにいわゆるNPOを有効に使うことができないのかといったような三点の御論議があったと思うんです。
まず、雇用の面から申しますと、発議者も血も涙もないわけではないというお話をされておりますし、これももう委員既に御承知のことだと思いますが、参議院の内閣委員会での附帯決議をちょっと読ませていただきますが、──衆議院でございますか、失礼いたしました、参議院はこれからでございます。「特殊法人等の改革の推進に当たっては、これまで維持されてきた当該特殊法人等の職員との良好な労働関係に配慮するとともに、関係職員団体の理解を求めつつ、その雇用の安定に配慮すること」ということを決議していただいているものを政府としても尊重すると申し述べさせていただくということで御理解を賜ればと思います。
そしてもう一つ、天下りの問題でございますが、これも実は附帯決議に載っておりまして、「役員の経営責任の明確化、給与・退職金及び役員人事等の適正化を図るとともに、特殊法人等の透明性を確保するため、財務内容等の情報公開及び業績評価システムの整備を推進すること」というような決議もいただいております。
三番目の御質問は、委員が働いている方々の生きがいという点に問題の提起をされ、NPOとの関連のようなお話をされていたと思いますけれども、公務員の方あるいは特殊法人に働いているような方々の再就職を一方的に規制するのではなく、能力や経験を生かして生きがいを持って働いていただくというのはまさにそのとおりだと思いますし、NPO法人、まだできたばかりで、さまざまな分野で仕事をされていると思うんですけれども、公務員の方があるいは特殊法人で働いていた方がNPOに移られて、これまでの経験、ノウハウを生かされるということであるならば、これは非常にすばらしいことであると考えております。
○簗瀬進君 大臣の今の御答弁は、私の言葉足らずの部分もあったかもしれません、働いている人と言ったときに、天下りをしたその上で働いている人と、それからずっと昔からそこで働いている人とでは、やっぱりこれはニュアンスが違いますので、そこは私も区別して考えているつもりであります。
また、ちょっとわかりづらい考え方かもしれませんけれども、日本の全体の社会構造を考えますと、官僚セクターと営利セクター、そして官の論理にもなじまない、営利にもなじまないというものについては、私は特殊法人等のスペシャルカンパニーと言われているようなものではなくて、まさにそういうものは市民の論理の中でこなしてもらおう、それがNPOだと。だから、社会で存在をすべき法人の形は、まさにその官の部分とそれから営利の部分と市民の部分、この三つに分けて考えていくような大きな社会構造をモデルとして置いた上でこの改革を進めていくべきなのではないのかなというのが私の考えでございますので、そこをちょっとつけ加えさせていただきたいと思います。
個々の議論に入らせていただきますけれども、衆議院のやりとりを読んでみますと、一点ちょっと気になる食い違いがございまして、何でこの法案を出したのかなと。もう政府が挙げて取り組んでいらっしゃるというところに後追いで、昨年出されていた部分がいろいろと国会の中でいろんなやりとりがあったということは私も承知しておりますし、太田さん本人から早くやってくれというふうに私も言われたことがありますので、その辺についての細かなやりとりについては聞くつもりはございません。
ただ、この法案ができたことによって組織が混乱をするようなことがあっては困るんですよ。法案ができたことによってさらに今内閣がやろうとしている動きがどんどん引っ張られるということであればいいんだけれども、どうも法案ができたことによって逆に混乱してしまうのではないのかなと思うような部分が一点見られました。
それは、発議者若松さん、いらっしゃっておるんですけれども、衆議院の質問の中で、この法案によって言うならば特殊法人改革推進本部というようなものがつくられる、それから既に内閣の方では石原大臣がリーダーシップをとっておやりになる行政改革推進事務局がある、だから行政改革推進事務局があって特殊法人改革推進本部事務局があって、事務局がやたらいろんなところに出てくるんじゃないのかなと、こういう心配を我々は持ちます。まさに特殊法人改革もすっきりとしようというところにあるわけなのに、この法案をつくることによって逆に複雑性を増してくるんじゃないのかなと、こういうふうなことがございます。
質問の中で、若松さん、「行革の事務局は統合されていく、そう理解しております。」と、これ答弁ではそうお答えになっている。一方、同じような質問に対して石原大臣がどう答えたかというと、「連携は密になるということでございます。」と。統合的になるのか、連携が密になるか。連携ということは二つ並び立ちながら連携をしていくということでありますから、若松さんの言っている統合とちょっとニュアンスが違うんですね。
これは、この法案ができたことによって余計厄介にお互いに顔を立てながらなんというようなことで改革のスピードが混雑、混乱をするんじゃないのかな、こういうふうな心配も私どもするんですけれども、この点についてお二人の認識を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 一応、この法案ができますと総理大臣を本部長とする推進本部ができるということでございますので、その関係で政府の方からどういう整理になるかもう一度整理をさせていただきたいと思うんですが、行政改革担当大臣及び行政改革推進事務局というものが今ございます。そして、特殊法人等改革推進本部及び同事務局との関係というものがどうなってくるのかという点が御質問の趣旨だと思うんですけれども、政府において行政改革を担当する大臣としては現在私がおります。また、行政改革担当大臣の補佐を行い、昨年十一月に閣議決定された行革大綱に定める事項のうち特定の重要事項、すなわち特殊法人等改革、公務員制度等改革及び行政委託型公益法人等改革の実施に関する企画立案を行うため、内閣官房に行政改革推進事務局というものが設けられたところでございます。
そして、この法律案が御審議をいただいた後、成立、施行により設置される特殊法人等改革推進本部及び同事務局については、その所管事項というものが私がさきに述べました大臣並びに行革事務局、もう既に設置されているものと極めて密接に関連する、言うまでもございませんし、特殊法人等改革推進本部及び同事務局が設置された際には、この間も御答弁させていただきましたけれども、適切かつ密接な連帯、連携が必要になるものと考えているというふうに御理解をいただければ幸いでございます。
○衆議院議員(若松謙維君) 提案者といたしましては、先ほど石原大臣が申し上げた御説明は理解しております。
御存じのように、現在の行革推進本部は閣議決定でなされまして、特に今まで中央省庁再編、改革に伴う事務が多かったわけですけれども、それ以降かなり行革が進みまして、そして特殊法人改革、公益法人改革、そして公務員制度改革と、こういった多岐にわたりこの事務が必要になってきたわけでございます。
しかし、今回この法律が通ることによりまして、特にこの特殊法人につきましてのやはり強力な事務体制が必要であると。これは法律に基づく事務局でありますので、当然、現在行革事務局がやっている部分がこの法律に基づいて設置される特殊法人等改革推進事務局に整理統合されるという形での私は連係プレーであると、そう大臣の説明は解釈しておりまして、この法案の趣旨は決して損なってはいない、きちんと私どもの提案者の意を体して行っていただいていると、こう理解しております。
○簗瀬進君 くれぐれも船頭多くして船山に乗り上げるということのないように、この法案の趣旨が本当にしっかりとできるように進めていっていただければと思います。
私は、この法案の中で、特に法律をつくるというようなことの意味が、今の組織体制が、さらに推進体制が強力になるよと、こういうふうなお話もあったわけでありますが、それと同時に、特殊法人を今後考えていく際のいろいろな、言うならば理念というよりもさらにもっと深まった形での判断基準といいますか、これをこの法律がしっかりと指摘をしてくれればこんなにいいことはないなと、こういうふうに思っているわけであります。
やっぱり一つの明確な基準があって、それに合うか合わないかによっていろいろな判断を最後にしていく、こういうふうなことをまさに法律や行政は基本的に心がけなければならない。特殊法人の例えば民営化にしても廃止にしても、それは関係当事者にとっては大変な大きなことでありますので、それがやっぱりちゃんと納得できるようなそういう説明をできるかどうか、まさにそれがこの法案の三条の基本理念の部分なんです。
そこで、大変恐縮でありますけれども、細かな質問で、我々も今後の委員会答弁が特殊法人についてのいろいろな改革を進めていく基準になるような答弁をぜひともいただきたい、そういうことで細かくちょっと聞かせていただきたいと思います。
第三条の一番先に基本理念として何が挙げられているか、「その事業の本来の目的の達成の程度」を判断する。「目的の達成の程度」、これについてまず聞かせていただきたいんですけれども、目的達成の程度を具体的にどういうふうに判断するのか、その手法を聞かせてください。
○衆議院議員(太田誠一君) これは厳密なことが言えるのならば、もうこの法律をつくる段階で書いているわけでございます。ですから、こういうふうな書き方をしているということは、大体この枠の中でさらに詰めてもらいたいという気持ちを込めて目的達成の程度という言葉をここで使っているわけでございます。
ですから、特殊法人はそもそもできたときにその設置の目的がございますので、その設置の目的に照らして、それをその後の特殊法人の歴史の中でどの程度果たしているのかということを見る、そういう角度があるのではないかということでございます。だから、設置の目的があって、例えば五カ年計画とか十カ年計画があって、しかもそれはこういうニーズがあるはずだからこういう事業をやりますというふうなことまできちんと定期的につくっておれば、それが達成されていれば達成しているということが言えるわけでございますけれども、すべての特殊法人がそういうふうにきちんと計画的にやっているわけではありませんので、そこを厳密にやるというとこれは相当の困難があるということも確かでございます。
しかしながら、設置目的というものはいずれもはっきりいたしておるのでございますので、設置目的に照らしてその達成の程度を判断することはできると思います。
なお、こういうことを数量的にはっきりせよということの議論が行われることがよくありますけれども、これは数量的に把握できるはずがないと私は思っております。これは主観的な問題でありますから、それはきちんと、こういう目的に照らしてこういうものを設置してこれだけの資源を投入している、しかしながらその事業の成果はこのようなものであるのを、これを見て、それを例えば国民がどう判断するのか、あるいは国民を代表して国会がどう判断するのか、あるいはこういう我々発議者の意向を反映して、それを踏まえて今の行革担当大臣がどう判断するのかという、その大変主観的な問題になってこようかと思います。その主観的な選択が国民に対して説得力を持つかどうか、簗瀬先生に対して説得力を持つかどうかというのはその時点でなければはっきりしないということだと思います。
○簗瀬進君 次に、「その事業を民間にゆだねることの適否」ということがございます。まさに民間にゆだねるのか、あるいは官が行うのか、あるいは特殊法人という特別形態をさらに残しながらやるのか等の判断は非常に難しい判断だろうと思います。
ということで、どういうふうにお考えになっているのか聞かせていただきたい。事業を民間にゆだねることの適否、民のものにするのか公のものにするのか、その適否をどういうふうに判断なさるのか、そのメルクマールとしてどんなものをお持ちになっているのか、聞かせてください。
○衆議院議員(太田誠一君) これは、既に本年の一月六日からスタートいたしております省庁改革の大きな柱が独立行政法人化ということでございました。そのときにも、現に国の行政機関の中でやっているものの中で民間にゆだねるものというものはこういうものである、つまり民営化ということができるものはこういうものであるということを整理いたしておりますし、また現に、これまでも特殊法人の中でもJR、NTTなど既に民営化した実績がありますので、ある程度ここはイメージがわくんだと思います。
ただ、その中で今言葉の使い方が世間で大変混乱をしておりまして、完全民営化ということとそれから民間委託というものは別の話なんだけれども、しばしばそれがごっちゃにされております。民間委託というのは本体がなくなるわけじゃなくて、本体の仕事の相当部分は、この部分については実は民間に委託をした方がいいんじゃないかということを特殊法人自身の経営の判断として行うということでございまして、経営判断をしている主体はそのまま残るわけでございます。民間委託は相当できるはずだと考えております。しかしながら、さっき言いましたように、民間委託の方が多くなってしまったならばもとの法人は要るのかどうかということにもちろんなってくるわけで、廃止するというふうな問題になってくるわけでございます。
また、完全に民間にゆだねるということになりますと、そういうものも当然今までもあったんだからこれからもあるんだと思いますが、完全に民間委託ということになりますと、通常は常識的に言えば株式を上場しなければいけない。つまり、単にそこに今いる人たちに国の大切な財産や過去に投入した一般会計の投入分をただでくれてやるわけにはいかないわけでございますから、それはちゃんと対価を、民営化というのは民間でそれを買う人がいるから株式を売り出すことができるわけでありまして、そこが非常に、単に決意をすればいいというものではなくて、買ってくれるところがなければ完全民営化というのはできないということでございます。それはまた、判断の基準は売れるか売れないか。そして売れるようにするためには、例えば過去数十兆円投入しているんだけれども、この数十兆円でもって売って買い手はない。買い手はないで、ないとしたら、それじゃもうかる部分だけで売り出すとすればそれは一体何なのかといえば、これは私は民間委託の話だと思いますよ。民営化じゃない。根っこから民営化するなら根っこから今まで投入した資源をちゃんと民間から買ってもらわなくちゃいかぬということだと思うんです。
○簗瀬進君 第三条のその「民間にゆだねることの適否」の後に書いてある言葉というのは、どうも私から言わせれば、これは民間にゆだねることの適否を、同じことを繰り返して言っているような感じでございまして、これは重複なんではないのかなと思うんですけれども、「事業の便益を直接又は間接に受ける国民の範囲及び当該便益の内容の妥当性」、まさにこれを見た上で民間にゆだねることの適否を考えようということだろうと思うんです。
ここを、立法技術がどうのの話はさておき、ここで重複して書かれているということは、この判断が相当やっぱり難しいということではあるだろうと思うんですけれども、まさにこの核心の部分ですよね、「民間にゆだねることの適否」、その便益が国民にどの程度の範囲に行くのだろうか。国民の全階層の何%まで行くのか。例えば一〇〇%行けばこれは公がやるものであるし、だけれども六〇%だったらどうなんだ、地域に偏在化している場合はどうなんだろうと、そういうふうな話にもなってくる。それから、その国民に提供されるべき便益の内容がどうなのかということについても一つの大きな判断のメルクマールだろうとは思うんです。これをどういうふうにくみ上げてやっていくのかということがやっぱりこれはポイントですよ。
大臣、このまさに民間にゆだねることの適否、今の、次のものも含めて、国民の範囲あるいは便益の内容の妥当性等も含めまして、これから御判断なさるわけですから、どういうふうなお考えで民間にゆだねることの適否を御判断なさろうとしておるのか、聞かせてください。
○国務大臣(石原伸晃君) この点につきましては、先ほども若干触れさせていただいたんですけれども、特殊法人の個々の事業について、社会情勢の変化ということに論拠を持ち、また事業の本来の目標の達成ぐあい、あるいは具体的な事業の仕組みですとか、それをどういうふうに実施しているかの手法、それによりまして廃止するものは廃止する、民営化できるものは民営化する、整理縮小するものは整理縮小、その他の先ほど来太田議員が御指摘のように、新しく独法というものができたわけですから、独法の方への移管等を行う、こういう事業見直しが終わった後、いわゆる組織論として民営化というものが出てくる。
具体的に申しますと、その今言っていました事業の見直しをやっていって、もうこの事業は社会的に存在意義がないんじゃないか、また、その他の運営主体に移管された法人について、そんなものは廃止を検討したらどうかというようなことを考えてみたり、あるいは民営化の部分について言いますと、事業の採算性というものがまだまだ高い、かつ国の関与というものはどうも時代の変化によってもう必要ないんじゃないかという法人もあると思います。そして、それを、今の特殊法人という組織形態よりも、委員が先ほど来御指摘されたように、民間的な企業経営的な感覚を持って事業をやった方がより効率的にこの施策というものを継続実施できる、あるいは民間でももう既に同じようなことをやっていて、民間もこんなことをやっているぞというような法人については、この三条の三行目から下段のところに書いてあるようなことで、原則民営化する、そういうことになるというふうに理解をさせていただいております。
○簗瀬進君 発議者の太田議員は経済についても大変明るい方なので聞かせていただきたいと思いますけれども、その後にある、事業に要する費用と国民が受ける便益との比較等の観点というようなことが入っております。言うならばコストパフォーマンスということだろうと思うんですね。そのコストパフォーマンスを具体的にどういう手法で判断をすべきものと考えているのか。例えば、やみくもにつかみでこれというようなことには私はならないと思う。ある意味で今大変進んでいる財務分析とかいろんな考え方を入れていくべきであろうと思うんですね。そうしたときにどんなお考えを持っているのか。これについては簡単で結構ですので、太田発議者とそれから石原大臣、それぞれから聞かせていただきたいと思います。
○衆議院議員(太田誠一君) これは、今でも政府のいろんな担当の方々と話すと意見が必ずしも一致しないところなんでございますが、これは個人として、発議者としてお答えさせていただきますれば、こういうコストと便益の関係というのを一九六〇年代に例えばマクナマラ戦略とかいってやっておりましたけれども、結局いずれも失敗をしているわけであります。なぜ失敗をするのかというと、便益の計算というのは、これをどう評価するかというときに必ずこれは主観的な要素が入ってまいります。主観的な要素を排除したものはおよそあり得ないわけでありますから、主観的にそのウエートをつけたり何かすることを、あるいははかる速度を主観的につくらなければなりません。そうすると、それはわかりにくいものであるし、また説得力もないもの。私はそうは思っていないと言われたらおしまいなんですから、それは。私はこのウエートに賛成できないと言えばおしまいなんですから、ベネフィットの方は、便益の方は実ははかることが難しい、みんなが合意することは難しいということでございます。
だから、素朴な、この事業をやったこの結果はこうであるということを示す、あるいは計画をするということを示して、それと、先ほど申しましたように、かかるお金あるいは利子、あるいはそのさまざまなそのために払う犠牲というものを並べて見せて、特に国会に対して見せて、あるいは国民に対して見せて、そしてそれをどう判断したのかということさえ説明をしておく、説明責任を果たしておくことが基本だろうと思うのでございます。
費用便益分析というものはあるんだというふうにまだお考えの人も多いけれども、私はそういうふうには思っておりません。本四架橋の話についても、例えば通行した車が何台であるのかということももちろんあれだし、またそのためにと思われる企業の立地がどれだけあったのかということもある、あるいは買い物がどうなったのかということもある。そういうものはただ素朴な数字として出しておけばいいのであって、それをウエートづけして、これはこんなに大事なことなんだと思うかどうかというのは、ウエートをあるものに高く置くというのは、それはその省庁の判断であって、例えば私の判断じゃない、それは住民の判断じゃない、国民一般の判断じゃないということになりますので、事実だけを示せばいいんだと思っております。
○簗瀬進君 結構です、大臣。
今御答弁がございましたので、石原さんの考えも聞きたかったんですけれども、時間の関係で、次の質問との絡みもありますので、大臣に最後に、この特殊法人改革の問題についての今後の方針ということで、恐らくこの法案がきょうの審議そして採決ということになれば直ちにこの特殊法人改革についてのいろいろな中間取りまとめの案を御発表というふうな、そういう手順になっていくのであろうと、このように推察をいたしておりますし、きょうの新聞等でもかなり大きな見出しで、特殊法人がどうなるんじゃということで、例えば朝日新聞でありますけれども、「十六法人が問題」とか、「廃止含め事業見直し」とか、こういうふうなことが出ております。
私は、やる以上、何点かの問題がありまして、今議論してきたような、最終的には、いろいろな判断をしながらも最後はやっぱりどこかで政治的な決断をしていかなければならない、そういう瞬間は来るだろうと思うんです。でありますから、そういう際に一番大切なことは何かといえば、やっぱりこの部分でもいわゆるインフォームド・コンセントなんですよ。しっかりとこれについてはこういう理由でこういうふうに決断をしましたというその改革の方針をきちんとやっぱり皆さんに伝える、そしてそれについての判断を、決断をした後のことでありますから、後世にゆだねるということになるわけなんで、そういう意味では、しっかりとした理由づけを皆さんにいわば公開をする、こういうことがやっぱり一つ重要なんではないのかなと。
でありますから、それは後のことになるので、ちょっと質問が後先になりましたけれども、一番最初は、判断に至るその検討指針をきっちりと立てながら進むということが一つ。それから二番目には、ある程度明瞭な年限の目的プラス数値基準、これがやっぱり必要である。そして最後に、先ほど申し上げましたいわゆるインフォームド・コンセント、ちゃんと説明をするというふうなことの三点が重要になってくると思うんです。指針、それから年限、数値基準、最後のいわゆる公開といいますか説明、この三点についての大臣の考え方を聞かせていただきたい。
○国務大臣(石原伸晃君) 多岐にわたる御質問でございますが、検討の指針というのはもう既に四月にお示しをさせていただいたもので、タイムスケジュール的にいいますと、中間的な取りまとめなものを今週にも出したい、そして年度内に組織形態まで踏み込む、そして整理合理化計画をつくって、この集中期間の十七年度末までに所要の法律的施策を準備すると、そういう方向性になってくると思います。
そして、もう一点、数値基準を明らかにしてという二点目の御質問なんでございますが、いかなる特殊法人等も今回の中では例外にするつもりはございませんし、先ほどもお話しいたしましたけれども、すべての法人等の事業事務について、先ほど委員も御指摘になったように、いろんなところが子会社をつくっているということで、この子会社も視野に入れて、先ほど来申していますようにゼロベースから事業を見直しており、組織形態についてはこの事務事業の見直し作業を踏まえて、先ほどこれも議論になった、廃止すべきものは廃止する、民営化するものは民営化すると。そして、存続するものは、当該事業見直し後の事業を担う実施主体についても、委員の御指摘は特殊法人というものはもう全部要らないんじゃないかというような御指摘だったと思いますけれども、発議者の中で、独立行政法人というものをつくったし、それに類似するものに行ってもいいんじゃないかというようなお話もございましたけれども、独立行政法人等への移行など抜本的な見直しに取り組んでいくと。
そして、今回、六月の取りまとめというものは、この四月にまとめました十八類型ごと七十六項目の論点整理の延長線にある事業見直しの方向性を示すものであると。この方向性を示した後、現実問題としては夏の終わりぐらいに、また各特殊法人、各所管官庁とのやりとりがあって、そのやりとりを十分聞かせていただいて、当方の行革事務局また行革大臣としての判断によって、先ほど来議論のある、廃止するものは廃止しろ、民営化するものは民営化しろという決断を下していくと。そしてそれをアカウンタビリティーということで言うならば、公にさせていただきたいですし、当内閣委員会、さまざまな委員会で御質疑をいただいて説明責任というものを果たしていきたいと、こんなふうに考えております。
○簗瀬進君 一部の報道でございますが、特殊法人に対する国庫からの支出についての削減を明瞭に数値を示してやっていきたいと、こういうふうなお話を若干私も耳にしておるんですが、その点についてはいかがですか。
○国務大臣(石原伸晃君) これは委員もう既に御承知のことだと思いますが、小泉総理の所信表明の中で、この特殊法人等への補助金等については、「大胆な」というお言葉を使われて、大胆な削減を目指すと。この「大胆な」というのは、実は定量的なことをあらわす形容詞じゃないわけですね。量がわかれば「大幅な」にきっとなると思うんですけれども。
といいますのは、今事業の、先ほど来御説明させていただいておりますように、ゼロベースから事業の見直し、こんなものは必要じゃないんじゃないかとか、これは違うところがやってもいいんじゃないだろうかというようなことをやっております。この結論が出た段階で、そこに出ております一般会計あるいは特別会計等の十三年度の補助金が五兆数千億円と承知しておりますから、そこでこの事業がカットできれば、必然的にそこに補助金が行っていれば定量的に初めて数字の減額というものが出てくる。これも五兆数千億でございますから、一割といっても五千億円といったような莫大な金額になる。そういうむだがあるならばまた特殊法人がやる必要がないということが、これから概算要求の後、本予算もございますので、そんな中でこういう数量的な議論が出てくるものと承知しております。
○簗瀬進君 今御発言にあったとおりに、国費については五兆三千億、それから財投については二十四兆円今年度は打てると。そして累積残が二百三十七兆、特殊法人トータルである。これはもう大変なある意味の財政の重い足かせになっているわけでありまして、これについては、大胆というのは何か言葉が勢いがいいので、やってくれそうだとは言うんですけれども、結局大胆は定量の意味は持たないというふうな御答弁をされてしまいますと、何となく我々の肩の力がかくっと抜けてしまう。小泉さんの言っているというのはそういうことなのか、言葉は勢いがいいけれども、内容はないのかというようなことにやっぱりなるんですよ。これはちょっとやっぱりおかしいなと思いますね。
だから、大胆というのは、本当の意味で大胆になるためには、ちゃんと大胆な数字を出していただかないと意味ないじゃないですか。どうですか、その点は。
○国務大臣(石原伸晃君) かなり思い切って発言をしているつもりでございまして、大胆という意味に定量的な意味はない。そして定量的な意味がなぜないのかといったら、積み上げてきた数字でなければ腰だめな数字になってしまう。だから、仮に五兆三千億円でございますか、五兆三千億の一割であるならば五千三百億円というかなりボリュームのある数字、これは大幅と、簗瀬委員もこれは大幅だと、これはかなりのものだと言われる数字に、仮に一割であったらなるんじゃないかと。総理が大胆にと言っているんですから、総理の大胆には私の考える大幅を超えているということも十分に予想されると御理解をいただければ幸いに存じます。
○簗瀬進君 「大胆に」と「仮に」という言葉の意味がありましたけれども、「仮に」も、随分実態を持った「仮に」なのかなというふうに私は理解をさせていただきました。
それで、天下りの問題について次に進みたいと思うんですけれども、予定した時間を随分食ってしまいましたんですが、天下りの問題についての国民の批判といいますか関心が非常にやっぱり高いものがございます。
今ちょっと時間がなくて、また、天下りをした人についての給与あるいは賞与あるいは退職金等の支払いについて、なかなか調べてもすっと情報を出してくれないんですね。個人のプライバシーだということで言われてしまう。
だけれども、それはプライバシーというよりも、これだけ特殊法人についての中身が問題になっている。先ほど言ったように五兆三千億やら財投二十四兆、これはいずれにしてももとはといえば国民のお金であります。その上で、随分内容が悪くなっている特殊法人の方も大変な給与をもらっているというような状況が出てくるわけです。
今お配りしてある「特殊法人の常勤役員数と年間支給総額一覧」という表がございますけれども、これはいわゆる七十七法人で常勤役員ということだけで調べさせていただいたんですが、その数字だけはまとめることができたんですけれども、常勤役員で七十七法人で七百三十四名、年間支給総額が百五十五億、これには退職金は入っておりません。退職金を入れればさらに相当な金額になるでしょう。平均すると二千百十五万円、こういうふうな常勤役員の皆さんが、これはかなり高額な給与、賞与を得ている、こういうふうな状況なんですね。でありますから、私は、こういう実態をもっとしっかりと情報公開をすることによって、やっぱり特殊法人の中にあっても相当な緊張感を持って仕事に取り組むということにこれはなるだろうと思うんです。ところが、その天下りの実態についての情報公開というようなものが実は余りきちんと整備をされていない。
人事院の方に来ていただいておりますけれども、天下りの問題についての人事院で関与している情報公開というのはどんなのをされているか、ちょっと御紹介ください。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 私たちは、民間企業に再就職した、いわゆる議員の言葉では天下りしたという方については、在職中の五年間の最終ポスト、そしてそのポストにかかわる再就職先企業との関係、そして在職中どういうような具体的に関与をしたかということを中心に、情報を国会と内閣に報告しております。
○簗瀬進君 今御答弁にあったとおりに、人事院が絡んでいるのはいわゆる民間会社に行った方の話であります。
じゃ、総務庁、昨年十二月二十一日、今は総務省になっておりますけれども、内閣官房、総務庁ということで各省庁再就職の概況についてという、こういうペーパーが出ているんです。これはそれ以前から行われていたことですか。
○大臣政務官(新藤義孝君) 総務省の大臣政務官でございますが、これは平成十一年の四月二十七日付、中央省庁等改革推進本部で決定をし、その方向性を出した中で、平成十二年の一月三十一日に「再就職状況の公表に係る関係省庁官房長等申合せ」、官房長の申し合わせの中でこういうものを、特殊法人、営利企業を含めて再就職の公表をしていこう、こういうことで決まったものでございます。
○簗瀬進君 たしかそれ以前についてはこのような調査は行われていなかったというふうなことを聞いております。
というふうに、言ってみますと、人事院がやっているのはいわゆる企業に行った方の話、初めて総務庁が昨年一年限りと、一年間に各省庁の課長職以上で退職した職員の再就職概況というようなことを調べて、これでは、確かに特殊法人に例えば五十二人とか、認可法人に二十六人、財団法人に百四十六人、社団法人六十一人ということになっていますけれども、これは一年間だけの話でありまして、それ以前にどれくらいの人が行っているのかということについては数字がないんですよ。それは各省はあるかもしれませんけれども、取りまとめをしているところがないんです。天下りがこれだけ問題になっているのに、責任を持って天下りの状況というようなものをしっかりと把握をしているというセクションがどうも今までないんですよ。
これでは、特殊法人改革をさらに進めていく上において、まず国民の関心が一番高い天下りの問題。それは、みんな生活が大変厳しくなっている、経済状況も厳しい、そういう中で特殊法人の中では大変な欠損を出しているようなところも出ている、みんな知っているわけですよ。にもかかわらず、年間平均、役員は二千万円以上の給与をもらって、退職するときには、衆議院で上田さんが相当細かく聞きましたけれども、相当な高額の、普通の人の退職金の計算から比べれば、やたら高い基準で退職金をもらっているという、そういう実態が出てこない。どれくらいの退職金が出ているのかという数字も一つ一つ聞いたって教えてくれないんですよ。こういうことで、私は、本当の意味での特殊法人改革というのが、特に一番国民の関心の高い部分に切り込んでいけるのか、全くこれは疑問符をつけざるを得ないんです。
ということで、行革担当大臣として、この天下り問題についての、まず基本的な人数とか、それから天下り先とか、それからそういう人たちに払われている給与とかあるいは退職金とか、そういう実態をきっちりと調べるような、そういうことをやっぱりやるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 委員が再三再四御指摘いただいております公務員の方のいわゆる再就職の問題、天下りに対する国民の皆さん方の厳しい批判というものがあるということは十分私どもも認識しておりますし、いわゆる押しつけ型の天下りと言われるような疑いを持たれる再就職というものは委員御指摘のとおり厳しく規制されていかなければなりませんし、今ディスクロージャーということも委員御指摘になりましたけれども、一体どこにどんな人がどのぐらいの給料で行っているのかといったような、国民の厳しい監視下のもとでこういうディスクロージャーも公明正大に行っていくことが重要であり、再就職に関する情報の公表というものを私どもの行政改革に携わる部局としても積極的に推進していきたいと考えておりますが、一義的には総務省の所管になるのではないか──内閣ですか、内閣の所管になると思いますので、委員の厳しい御指摘があったということは内閣の方にもしっかりと伝えさせていただきたいと考えております。
○簗瀬進君 質問は別に移ろうと思ったんですけれども、今の御答弁で、これは再質問せざるを得ないというか、行革担当大臣も自分でやるとはなかなか言えないと。総務省はやれるんですか。きょうは内閣はちょっと呼んでいないんだけれども、じゃ総務省はやれるんですか。さらに、これ一年間限りの取りまとめというようなことで総務庁の段階でやったこれを引き続けられるのか。さらに、これを拡充して、過去のものとかあるいは支払われている給与内容とか、そういうものについてさらにこの内容を豊富にする、そういう御用意はあるのかどうか。
○大臣政務官(新藤義孝君) これは役所としてどうするかということを問われれば、これは総務省というものは全体の状況を把握して、各省が各省の職員の皆さんの先についての、そもそもは各省庁が、各府省が課長級以上の人間の天下りという再就職についての状況をチェックして、それを総務省としては、全体に内閣官房とともに取りまとめをしているんだと。だから、ルールを決めるのは、総務省で決めたことではございませんで、これは内閣の官房長の申し合わせという事務申し合わせ。それから、先生が先ほどから御指摘をいただいているのは、今度は渡りと言われているやつですね。これについては閣議決定ですね、閣議決定でこういったものを規制しようじゃないかということになっているわけです。
ですから、内閣の全体の方針を出すことがまず第一なのでございまして、どこでやるんだといっても、今それが今の限られた範囲で私どもはやっているんだと。ただ、先生が先ほどからおっしゃっているようなことは、特にあえて私見を申し上げさせていただければ、公務員制度全般についての、それからまた今の再就職につきましても課長職以上になっています。ですから、物すごくすそ野が広がっちゃっているんです。しかし、問題なのは、ある一部の国民から見て、これが適正と言えるのかと。そして、短期間においてそういう退職金が支給されること自体がいいのかと。これは一握りの部分に絞られているんではないかと私は思っております。
ただ、それを公務員制度全体でもってやっていくと、非常に今のこのような状況になってしまうということで、それは私も先生と同じ問題意識を持って、担当省庁でございますから取り組んでまいりたいと、このように思います。
○簗瀬進君 どうも責任を持ってやるセクションがまだもってはっきりとしていないということでございますので、石原大臣、先ほどもこれは内閣できちんと対応したいというふうな御答弁がありましたので、きちっと議論をしていただいて、天下り白書を、今出されているのはいわゆる企業への天下りだけの話であって、特殊法人とか認可法人とかのものについてはきっちりとしたものは全然出されていないという状況にある、これを改めて御認識いただいて、これはまさに特殊法人改革の基本的な前提の数字ですから、これちゃんと対応してもらわなければ困るということをぜひ要望をさせていただきたいと思います。
ちょっと済みません。時間がなくなっちゃって、御趣旨はよくわかりますから。
公務員制度改革が今叫ばれているんですけれども、実は天下りの問題でも一部懸念が出ておりまして、先ほどの御答弁に若干触れている部分もあるんですけれども、言うならば、人事院が関与するようになっていると。ところが、これから公務員制度が改革になって、どうも改革の基本設計の案では、各省の人事管理者が相当強い力を発揮すると。田中外務大臣はその前ぶれのような感じがいたしますけれども。そういう状況になってまいりますと、人事院の関与というようなものがなくなっちゃうんじゃないのかなと。そうすると、天下りはどうもチェックが見えないところに行くんじゃないのかなという懸念があるんですが、これについて大臣のお考え方を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 普通の事業会社、営利企業への再就職については、行革大綱並びに公務員制度改革の大枠を踏まえまして、方式を大臣の直接の承認を要するということにさせていただくとともに、新たに再就職者が出身府庁に不正な働きかけを行うことを禁止する再就職後の行為規制を導入するということを現在検討しております。これまでにも増して事前事後のチェックを強化すると。
今ずっと議論を聞かせていただいて、国民の皆さん方もこの天下りに関する批判というものがあるということはもう大多数の委員の共通な御認識だと思います。私も同じ認識を持っておりますし、従来の人事院による事前規制に重点を置いた仕組みから、今申しましたように事前事後と総合的なチェックをダブルでかけていくわけですから、委員が御心配しているようにチェックが弱くなるということはなくて、ましてや大臣が承認するわけですから、万々が一問題が起こったときは承認した大臣の責任ということにも言及するわけでございますので、これまでよりも私は厳しくなるんじゃないかというふうに考えております。
そして、大臣の直接の承認の基準というものなんですけれども、明確な承認基準のもとで行うことは言うまでもございませんし、承認された案件について再就職先との関係に関する先ほど来議論が出ているディスクロージャーで情報を詳細に公表する、こういうことをやれば、これまでよりはよくなりますし、お手盛りという批判には十分こたえていくことができるんじゃないか。基本設計の中で政府として考え方を明らかにしていきたいと考えております。
先ほどの特殊法人等への給与や退職金の問題について最後に一言だけ言及させていただくならば、今国会で独立行政法人等情報公開法案が提出をされているところでもありますし、この法律案が通っていないからとはいえ、やはり特殊法人の側が国の行政等に対する国民の信頼を確保していく上で、委員が先ほど来御指摘されている内容についてはわかりやすく説明していくということが重要であり、特殊法人がみずから進んで開示する、そういう努力をしていくということが特殊法人側にも必要なのではないかと考えております。
○簗瀬進君 時間もほとんど尽きておりますので、最後に、先ほど言いましたように、特殊法人というのはやっぱり政治的な考慮の中で出発をしているわけです。それに、働いてきた人たちというのは、やっぱりそこでその職場を生涯の職場と考えて一生懸命やろうとした人たちでありますから、その人たちの生活が不安になるような、そういう雇用不安をつくってはならないと思いますので、これについては絶対避けていただきたいという要望をさせていただいた上で、一つだけ聞かせていただきたいんです。
規制改革会議というようなものの中でいろいろなものが論じられているんですが、雇用労働についての議論が行われている。どうも雇用労働について担当している委員が、言うならば新しいタイプの雇用を積極的に進めようというそういう考え方をお持ちの方が明らかな委員が多くて、若干、公平中立な立場の委員の方がいないような感じがするんですが、そういうことではちょっとやっぱり最初から信頼が失われてしまうんではないのかなという感じがするんですけれども、これについての大臣の御所見を簡単に伺って、質問を終わります。
○国務大臣(石原伸晃君) 委員の御指摘は、総合規制改革会議の雇用労働分野担当者にいわゆる雇用の先進的な考えをお持ちの方が入っているから議論が一方に偏るんじゃないかという御懸念だったようにお聞きするんですが、一応こういう会議のメンバーに、これは総理の諮問機関でございますので、非常に格式の高い会議であると認識しておりますので、それぞれの所属する、あるいは自分の企業に有利になるようなものとは離れて、大所高所から幅広い議論をお願いしたいということは申していますし、もちろんこの委員会に入っている十五名の委員の方は、それは当然だと、そういう話をされておりますし、雇用労働分野の人選に当たりましても、先生のような御懸念に配慮いたしまして、産業界の方二名、そして学識経験者、学者さんですけれども二名と、バランスも配慮させていただいておりますので、委員の御懸念は回避できるのではないかと考えております。
○大森礼子君 公明党の大森礼子です。
まず最初に、提出者の方にお尋ねするのですけれども、まず本法案の提出に至った経緯をお尋ねいたします。
この法案は閣法という形ではなくて議員立法、与党三党の議員立法という形をとっておりますので、与党三党による検討経緯はどのようなものであったのか、簡単に教えていただきたいと思います。
○衆議院議員(井上喜一君) このたびの中央省庁の組織の改編につきましては、大幅な抜本的な改定が行われましたことは委員も御承知のとおりでございます。特殊法人等につきましても、昭和三十九年来、累次のいわゆる臨調で取り上げられ、またそれを可能な限り実施していくということで相当効果を上げてきたのも事実だと思うんです。ところが、なかなか特殊法人等の行政改革が難しいということ、中央省庁の組織改定の視点に立ちまして見直していこうということであります。
特に、中央省庁自身は中央省庁の事務を取り扱うのでありますけれども、それに関連する事務としましては、特殊法人でありますとか認可法人、あるいは場合によりましては公益法人なんかにも及ぶと思うのでありまして、ここまで踏み込まないと本当の行政改革ということにはならないわけであります。
そんなことで、このたびこの法案を出させていただいたのでありますけれども、大体こういうものというのは政府と与党が一体になりまして引っ張っていかないと実施はできない。あるいは強いて言えば、さらに言えば世論の支持というようなものがなければうまくいかないわけであります。
そういうようなことから、私ども昨年、与党三党で行財政改革推進協議会というものを設置いたしまして、累次の協議会での検討、あるいはその下に実務者会議というものを設置いたしまして、ここでも何回か議論をいたしまして、このような法案にまとめたということでございます。
何せ政府はもちろんやっていただかないといけないのでありますけれども、与党の方も、あるいは国会全体の皆さん方が協力していただきませんと実が上がらない、こういうことでありまして、そんな思いを込めてこのたびの法案を出させていただいた、こういうことであります。
○大森礼子君 改革のためには政府と与党とが一体となってしなくてはいけない、それゆえにこの法案を出したという御説明ですが、確かにこの法案が成立いたしますと、議員立法として提出された今お話しになった経緯から見ましても、やはり与党として政府の取り組みというものを大いにバックアップしていかなくてはいけないと考えるわけですけれども、提出者としてはこれからのバックアップの仕方といいますか、これについてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○衆議院議員(井上喜一君) この法案が成立いたしますと、政府といたしましては一年以内に整理合理化計画を立てる、そしてその計画に基づきまして所要の立法措置をするとか、あるいはその実施をしていく、こういうことになるわけであります。政府の方では中心になりますのが特殊法人の改革本部、総理大臣が本部長になります本部でありまして、これでやられると思うのでありますけれども、そういう今申し上げましたような全過程につきまして我々としてはバックアップしていきたい、こういうことであります。
○大森礼子君 本部の方は国務大臣等がされるんですかね。ですから、それで与党と結びつくのは何か当たり前な気がして、ちょっとバックアップの仕方としては具体的な御答弁はなかったのかという気がいたします。
次に、さっき天下りの問題が出ておりますので、こちらの質問を先にしたいのですけれども、やはり改革というものを進めるためには既得権というものに切り込んでいくということが必要だと思うんです。先ほど簗瀬委員とそれから石原大臣とのやりとりを聞いていたんですが、何かここが少し弱いのかなという気がするんです。
週末でしたか、私、新幹線の中でいろんな新聞を読んでおりましたら、投稿欄のところに、特殊法人だったか民間だったかちょっとそこは定かでないのですが、こういうことが書いてありました。天下りの実態ということで、投書なんです。十時ごろ出社して、十一時ごろまで新聞を読んで、すぐ昼になって一時ごろまで食事をして、ちょっと仕事をして、三時ごろには帰ってしまう、これでたくさんの給料を得て退職金もがばっと取っていくという、こういう投書、詳しく覚えていないんですが、ございました。
だから、国民の皆さんがおかしいと思うのはここなんだろうと思うんです。やはり給与といいますか、これは労働の対価でありまして、我々ひとしく労働の対価にふさわしい仕事をするということが要請されているのではないか。私は以前民間の方で働いておりましたけれども、例えば自分の給料があると、この給料を得るためにはこれだけの売り上げを上げないとこの給料は出ないんだという説明といいますか、こういうことを受けたことがございます。
先ほど石原大臣の方は、必要な能力、人材の使い方として天下りというものは否定できないだろうという趣旨のことをおっしゃいました。そのとおりなんです。そのとおりなんですが、それでいきますと、実は判断基準というものが明らかでなくなるんです。やっぱり問題は給与との関係でありまして、例えばある仕事をする、いい仕事をすると、それが年収五百万でしたら、おおよくやっていると言うでしょう。ところが、年収二千万だったらふざけるんじゃないと。どういう仕事をしたかということは報酬との関係で決まるものではないかなという気が私はいたします。そこで、やはり天下りがいいかどうかは、その仕事ぶりと報酬との関係というのは周囲が納得すべきものでなくてはいけないだろうと。そこのところが実態が違っているからいろんな天下りに対する問題というのが出てきているのではないかなと思うんです。
ですから、能力を活用するために否定できないんだという論理だけではこの天下りについての改革はできないのではないか、こう思います。また、それがおいしい収入源となっているのであるならば、そういう既得権益ですから、こういう天下りの方がこの改革に抵抗するということも十分考えられるわけなんです。
それで、特殊法人等について最終的には廃止までも考えるわけですから、そのことを考えますならば、先ほど簗瀬委員が言ったように給与等の公開ぐらいはやってもいいのではないかと私は素朴に思うんです。国から出資金とか借入金とか補助金とか、要するに最終的には国民のお金が出ているのであるならば、必ず条件としてそういう給与を公開しろということを言ってもいいのではないかと。
それで、先ほど情報公開法との関係で、特殊法人等の方がみずから進んで開示することを期待するというふうな趣旨のことを大臣おっしゃったんですけれども、やはりこれはするわけないと私は思うんです、そんなおいしい話を知られてたまるかと。だから客観的に、それから本当に天下りとしていい仕事をしているかどうかということは、やはり収入、これとの関係だと思いますので、何かもう内閣で考えるとかどうのこうのとかいうのじゃなくて、若い石原大臣にこの辺ずばっとやっぱり切り込んでいただきたいなと思うのですが、大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 私も大森委員、またさきに御質問をされました簗瀬委員と心は一緒でございますが、まだ通っていない方の独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律要綱を読みますと、この法律ができることによりまして、独立行政法人等、すなわち特殊法人等に対し法人文書の開示を請求することができるものとすると記されておりますので、現段階ではこの請求権もないというふうに理解しております。
そうしますと、先ほども話したんですが、法律が通っていませんけれども、みずからが、これだけ批判の対象になっていて、廃止、民営化というような議論の俎上に上がっているんですから、一体どれぐらいの給料をもらってどれぐらいの仕事をしているか、せめてその理事以上の役員の方が進んで開示していただけないか、そういう趣旨で話をしたわけであります。
同じような議論が実は日銀の中でもございまして、そのときは日銀の方がみずから進んで総裁の給与と副総裁等の給与等も公にしたとたしか記憶しておりますので、その意味で私申させていただきました。
両委員の御指摘はまさにそのとおりでございますので、民間に天下った方の民間企業の給与というのはなかなか難しいのかもしれませんけれども、やはり税金を払っていないところの給与は私はみずから進んで開示していただきたいし、そういうものがなければ国民の皆様方の、大森先生御指摘のとおり、五百万円の仕事を五百万円でやっているんだったらだれも文句を言いませんし、五百万円の給与で十時に来て十一時にまだ新聞を読んでいるというのはまずいと思いますけれども、そういうことを公にする意味でも、このディスクロージャー、情報公開というものが非常に重要になってくるというふうに認識させていただいております。
〔委員長退席、理事簗瀬進君着席〕
○大森礼子君 ですから、天下りの実態、こんな仕事をしていますよ、こんないい仕事をしていますよ、必要なんですよという説明よりも、やはり給与、収入をばんと明らかにすればそれにふさわしいかどうかというのはすぐわかることでありまして、一番天下り問題については効果的なやり方だろうと思います。
そこで、法律上の問題もあるということですが、ぜひ大臣の方からも、どんどん御自分の掌として、すべきだすべきだというふうに言っていただきたいな、こんなふうに思います。私どもも言っていきたいと思います。
それから、この法案では特殊法人等の組織形態について、これは五条二項関係になりますが、廃止、民営化、独立行政法人化、その他の措置を講ずることとされているわけです。それで、廃止とか入りますから、天下りに、さっき言いましたように、こういう人も生き残りをかけて抵抗するのかなという気もするわけなんですけれども、これは非常に実は大変な作業であろうと思うんです。
それで、五条のところに、「特殊法人等改革推進本部は、この法律の施行後一年を目途として、」、一年なんですね、それから「基本理念にのっとり、」、これは三条に規定してありまして、「その事業の本来の目的の達成の程度、」、以下いろんな一つの基準というものがあるわけなんですけれども、ただ、この三条に掲げている一つの基準といいますか、これは非常にある意味では抽象的でありまして、こういうものを測定する方法というのは一体どういうものだろうか、何だろうかと思うわけなんです。そして、国民にとっても特殊法人等側にとりましてもお互い説得力のある判断基準というものが必要なのではないか、このように思います。そこの判断基準というものが明確でないと、一年を目途として計画というものもできないと思うんです。
それで、なかなか一年で計画を立てるというのは期間的にかなりきついものがあるのではないか。しかし、本当にこの改革がうまくいくのかどうかということは、この一年間計画をどうつくるかによって多分成功するか失敗するかというのが決まっていくのだろうと私は思っております。
〔理事簗瀬進君退席、委員長着席〕
そこで、廃止、民営化、独立行政法人化、その他の措置を講ずるための判断基準につきましてどのように考えておられるか、お尋ねいたします。
○衆議院議員(井上喜一君) まさにこの第三条の規定に沿って特殊法人の見直しをするということでありますが、この法律に書いてありますように、本来の目的の達成の程度、これもまた特殊法人によりまして状況が違っておりますけれども、特定の目的に絞って設立されたような特殊法人でありますとその達成状況、あるいはそうじゃなしに、ずっと継続的に事業をしていくというような特殊法人につきましてはその事業のやり方、効率性のようなもの、あるいは正確性のようなもの、そういったことが判断になると思います。また、民間にゆだねるということは、民間にゆだねましても採算がとれるとか、あるいは民間に任す方がより効率性が高いというようなことだと思います。
それから、その便益の度合いがどの程度国民的な広がりを持っているのかというようなこととか、あるいは費用対効果、つまりその事業に投資をする投資額としてはどの程度が妥当なのかというようなこと、これは当然検討すべきことでありまして、それらの基準によって判断するのでありますが、私は、特殊法人というのはもう種々雑多でありますので、単純な基準をつくりましてそれでどうだというような判断をするのは必ずしも適当じゃないと思うんです。
ですから、いろんな側面から検討して総合的にどうするか、これは例えば国営に戻すとか県に任すとか、あるいは民営化するとか廃止するとか、そういったことを検討していくのが適当ではないのか、こんなふうに考えております。
○大森礼子君 そうですね。余り単純な基準でもいけないし、しかし共通の基準も要るのかなと、非常に難しいところだろうと思います。
財務省にお尋ねいたします。質問がちょっと前後して申しわけございません。
改革を進める上では、やっぱり特殊法人等の財務とか業務の実態を国民に明らかにするということが重要になってまいります。要するに、国からの出資金、借入金、補助金等の形で、過去、現在、未来にわたる国民の負担によって事業を営んでいるわけですから、説明責任を果たす必要があると。
そこで、財務省におきましては特殊法人等の会計処理の見直しを進めているというふうに承知しておりますけれども、どのような方向で見直しをされているのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(藤井秀人君) お答えいたします。
先生御案内のとおり、昨年の十二月の行政改革大綱におきまして、国の財政事情をわかりやすく開示し、財政に係る透明性あるいは説明責任を確保するという観点から、特殊法人等の会計処理につきまして見直しを行うということになっております。
このため、私ども、財政制度等審議会というのがございますけれども、この場におきまして、特殊法人等が仮に民間企業として活動を行ったという場合の財務諸表、具体的には、例えば退職給付会計とか、あるいは時価評価会計、あるいは連結重視、そういう最新の企業会計原則に従って作成をしてみよう、その上で最終的にはわかりやすい形で国民負担に帰すべきコストを開示する手法ということで鋭意検討を行ってまいりました。
ちょうど本日でございますけれども、本日の審議会におきまして具体的な作成指針を取りまとめるという段階に至りました。この指針を踏まえまして、九月末までにこの企業会計原則に沿った具体的な開示、これは従来の財務諸表に加えまして、まずは十二年度決算ということになるわけでございますが、各特殊法人等において開示が行われるということが予定されているということでございます。
○大森礼子君 説明責任を果たすという場合に、提供すべき情報をわかりやすい情報にする、これが財務におきましては会計処理の方法だろうと思います。それから、そのわかりやすくした情報を公開するということで情報公開という問題になるわけでございます。
時間の関係で、総務省の方に情報公開についての取り組みをお尋ねしようと思いましたが、先ほど少し出ましたのでこれは省略させていただきます。
最後に、石原大臣にこれからの御決意といいますか、やはりこういう改革というものは、時を得たときに本気にやる人間が、人を得て、そして時間を決めて集中的にやらなければできないことであろう、このように思っております。例えば、特殊法人等整理合理化計画を策定、一年目途、これも大変な実は作業になるのではないかと思っております。
こういうときであるからこそ、やはり若い大臣に対する期待というものは大きいわけですけれども、最後、時間の関係もありますので簡単で結構ですが、大臣の改革に挑む御決意をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 大森委員、御激励をいただいたと感謝申し上げますし、また、今やらなくていつできるのか、そして国の財政の事情を考えたときに、この特殊法人等にむだなお金が投入されているとするならば、そんなむだをやっていく余裕はありませんし、もっと重点的に配分していかなきゃならない分野というものはさまざまあると思っております。
そんな意味から前段のくだりで大森委員が財務省の方に御質問をされたと思うんですけれども、私もまさに同趣旨でございまして、一般会計、特別会計と合わせまして単年度に五兆三千億円も特殊法人に補助金という形で資金が流れている。この実態を速やかに解明していただいて、むだを省いて効率的な透明性を高めたものに変えていく。
そしてその際、組織形態論が出てまいりますけれども、年度内に廃止すべきものは廃止する、民営化すべきものは民営化する、また独法に移すものは独法に移すといったような、組織形態論までを含む整理統合計画を、本法案が成立後、本当に一年以内といわず可及的速やかに成案を得るべく努力をさせていただきたいと考えております。
○大森礼子君 終わります。
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳です。
先ほどから特殊法人の存在そのものの功罪論についてもいろいろ質疑が展開をされておりました。もとより行政改革が叫ばれて久しくなっておるのでありますが、この行政改革との関連で、特殊法人の改革問題についてもこれまでいろいろと議論をされてまいりました。
これまで何度も何度も特殊法人の見直し、改革が唱えられながら、必ずしもうまくいかなかった、これは一体なぜだろうか。どこに原因があったのか。過去の特殊法人改革が統廃合といった場当たり的な数合わせに終わった面があったのではないかというふうにも私は思うわけでありますが、石原大臣と発議者は、これまでの政府による特殊法人改革というのがうまくいかなかったのはなぜだというふうに思っておられるのか、そこらあたりをまず最初にお聞きをしたいなと思っております。
○国務大臣(石原伸晃君) 照屋委員の御質問にお答え申し上げたいと思います。
特殊法人の数で見ますと、平成八年四月の九十二法人が現在七十七法人に縮減しておりますので、その取り組みに一定の成果が見られたところでございますけれども、一九九五年、私も村山政権下で、村山総理の指示を受けて特殊法人改革に着手をさせていただきましたけれども、そのときも政府系金融機関の数を減らせという指示でございましたので、数を統廃合するというふうに傾いたという点は否めないところでございます。
しかしながら、今回特殊法人等の問題点といたしまして、これももう既に言われて久しいことでございますが、経営責任の不明確性、事業運営の非効率性、不透明性、組織、業務の、これも先ほど来の質問で同僚議員から御提議がありましたが自己増殖、また経営の自立性の欠如等が指摘されておりまして、これまで整理合理化計画においては実は特殊法人等の事業の見直しが必ずしも十分に行われてこなかったと、こんなふうに認識しております。
このため、今般の特殊法人等改革においては、このような問題点を念頭に置きつつ抜本的な改革に取り組んでいるところでございます。
○衆議院議員(井上喜一君) 私は、この特殊法人改革というのが、委員御指摘のとおりこれまで十分に行われてこなかったんじゃないのかと、こういう感じを持つ者の一人でございます。
私は、この理由につきましてはこのように考えるんですね。国本来の仕事というのは国のこの省庁が行っておりますが、それに類似の仕事を特殊法人にやらせている場合もある。現に国の事務であったものを特殊法人に移しかえたものもございます。あるいは、その後追加されました事業につきましても、多かれ少なかれ国がやるべきような性格の事業が多かったと思うのであります。
そんなようなことから、これにメスを入れていくということは、関係省庁にとってみれば自分の省庁の中の改革につながっていくというような、そういう感じを持ったんじゃないかと思うんですね。自分たち自身の改革といいますか、中に手が入ってくる、そういうようなことで大変な抵抗があったんじゃないかと思うんですね。
ところが、民間の方におきましても、徐々に状況の変化で、例えばかつては到底採算が合わないと思われていたようなことも民間でできるんじゃないか、こんなことも出てきておりますし、最近のような状況になりますと、事業の効率性というようなもの、こういうものを要求されてくると。こういうようなことから見直すべきだという、そういうような世論が私は高まってきていると思うんです。
今回行いました中央省庁改革というのはまさにその一つの突破口といいますか、特殊法人改革につきましては突破口を開いたようなものじゃないかと思うのでありまして、今こそこの機を逃さずに、これまでは確かに難しかったんです、おっしゃるように数をある程度減してくるような、そういうところに重点があったと思うのでありますけれども、本来の特殊法人等改革をやらなくちゃいけない、そういう時期に来たと、こんな認識であります。
○照屋寛徳君 発議者の方にお伺いいたしますが、今度の特殊法人等改革基本法案の第三条で、いわば基本理念みたいなものが明定されておるわけですね。この三条の基本理念というのは、私の考えですけれども、かなり概念として抽象的な部分も多いのかなというふうに思わざるを得ません。
もう一つは、この特殊法人等改革基本法案を私どもが考える場合に、はなから整理のみを目的とするのではなくして、一方では特殊法人が国民生活の維持向上に果たしている役割、これも私は全く無視するわけにはいかないだろうと思うんですね。だから、改革をしていく上で、国民や利用者のための改革の視点というんでしょうか、あるいは国民生活の維持向上の視点というのもまた重要視されなければいけないんじゃないかと思いますが、そこら辺は発議者はどのように考えておられるでしょうか。
○衆議院議員(井上喜一君) 全くおっしゃるとおりでありまして、まさに国民の視点から見直すということでありまして、ある意味では特殊法人本来の目的等から見直していこうと、こういうことだと思うんですね。
私は、特殊法人というのは、わかりやすく言えば民間のいいところと役所のいいところを発揮する、そういうような組織として当初考えられたんだろうと思うし、また事業につきましても、そのときの状況に応じて事業を縮小したり、あるいは多くできるというような、そういう弾力性があるわけでありまして、そういうものとして当初は観念されたと思うんですけれども、時代の推移といいますか状況の変化で果たしてそのようになっているのか、いろんな問題点が私はあろうと思うんです。
やはり、見直しの視点といいますのは国民のためになっているのかどうか、あるいは国民のためになっているとしても、そのやり方として、事業の執行の仕方としてこれでいいのか、こういう視点から見直していかなくちゃいけない、こんなふうに思います。
○照屋寛徳君 さて、法案の第五条で、「特殊法人等改革推進本部は、この法律の施行後一年を目途として、」「特殊法人等整理合理化計画を定めなければならない。」、こう書いてあるわけですね。
私は、大臣と発議者にお伺いをしたいのは、この一年を目途に定められなければならないとする整理合理化計画の策定に当たって、労使間の事前協議、このことについて私の意見を申し上げたいのでありますが、もう申すまでもなく、近代労使関係、近代労働法の出発点というのは、労使が対等の人格者であり対等の立場である、こういうことが私は出発点だろうと思います。そういう点では、計画の策定や実施に当たっては、当該法人労使における十分な事前協議が保障されなければいけないんじゃないかと思います。同時に、推進本部等においても関係者との事前協議を徹底することが大事じゃないかな、こういうふうに思っております。
その点について、大臣とそれから発議者の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 委員の御質問にお答え申し上げたいと思います。
本法案では、特殊法人等整理合理化計画は、本法案に基づいて設置される本部長を内閣総理大臣とする特殊法人等改革推進本部が策定することとなっております。特殊法人等における労使協議の対象となるものでは残念ながらないと考えております。
なお、衆議院内閣委員会における附帯決議の趣旨を踏まえ、これまで維持されてきた特殊法人等の良好な労働関係に配慮することは必要であるという認識を持っているということは、もう既に前委員の御質問の中で答えさせていただいたところでもございます。
○衆議院議員(井上喜一君) 特殊法人で働いておられる皆さん方が労働三法による権利を持っておられること、私どもこれは十分承知をいたしておりますし、また事業を円満に実施していくという上から見ましても労使関係が正常に保たれるということが大切であること、これはもう言うまでもないと思うのであります。
したがいまして、整理合理化計画をつくります場合には、関係の方のいろんな御意見は伺わないといけないと思うのでありますけれども、これは非常にかた苦しい言葉で言えば管理運営事項というんですか、そういう性格のものでありまして、委員がおっしゃるような事前協議の対象になるようなものではないんじゃないかなと、こんなふうに考えております。
○照屋寛徳君 私は、これは管理運営事項だから労使の事前協議は必要ないというのは大変な暴論だというふうに思います。これは、単に管理運営事項だということで事前協議を排除するような問題じゃないというふうに思いますね。まさに特殊法人改革に当たって、雇用の確保というんでしょうか、それはやっぱり私はしっかり政治や政府の責任で果たさなければいけないと思いますよ。
というのは、いろいろ特殊法人そのものの経営とか運営そのものに法人そのものの責任もあろうかと思いますが、特殊法人改革の基本法を制定して、さあこれから特殊法人の改革をやろうというときに、政策やこれまでの制度を決定して執行してきた政府や政治の責任というのは当然あるわけで、ここのところは、私自身は、むしろ職員の雇用確保というのを法文上も追加をして明示すべきだ、こういうふうに思っておるわけでありますが、先ほども、整理合理化にまず決着をつけてから雇用の問題というか、そのことについても考えようというふうな太田議員の御答弁もありましたけれども、私は、改革に当たっての雇用問題、このことについては発議者やそれから大臣はどのように考えておられるのか、改めてお聞きをしたいと思います。
私の考え方は先ほど申し上げましたように、しっかりした、雇用主である政府の責任というんでしょうか、あるいは政策変更による政府の責任と言った方が表現は妥当かもしれませんが、雇用問題についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○衆議院議員(井上喜一君) 先ほどお答えをいたしましたように、雇用問題というのは大変大事な問題であるという認識はもとより持っておりますし、労使の関係も正常に保っていくということがこの事業を実施していきます上で必要だということは、これは言うまでもないと思うのであります。しかし、委員がおっしゃるように、事前協議というようになりますと、これは労使関係におきましてはまた特別の意味を持つ私は言葉だと思うのでありまして、この雇用関係は十分な配慮をする必要がございますけれども、そういう配慮をしながら整理合理化計画をつくる、当然でありますけれども、いわゆる労使関係におきます事前協議をしなくちゃいけない、そういう性格のものではないんじゃないかと、こんなふうに考えます。
○照屋寛徳君 衆議院における附帯決議等も見させていただきましたけれども、発議者の方は、念を押しますけれども、大臣からもお触れになっておりましたが、この特殊法人等の改革の推進に当たって当該特殊法人等の職員との良好な労使関係の維持、労使関係に配慮をする、そして関係職員団体との理解を得て進めるんだ、そういうことが大事なんだという、そういう御認識は持っておられるんでしょう。
○衆議院議員(井上喜一君) 特殊法人とその特殊法人の組合は、これはしょっちゅうお話はしておりまして、仮にこういう整理合理化の対象になりまして変更を余儀なくされるというような場合にも、その労使の関係というのは十分な意思疎通が私はなくちゃいけないと、こんなふうにそれは思います。しかし、政府が整理合理化計画をつくるに当たりまして、それでは組合との事前協議が必要なのかということになりますと、私はそれは少し性格が違うものではないかと思うんです。
いずれにしましても、よく労使の間で話し合っていただきたい、それはもう当然のことだと思います。
○照屋寛徳君 百六十三とも言われる特殊法人、それぞれ根拠法律も違いますし、それから設立の目的も多種多様であります。ともあれ、そういう特殊法人をつくってきたというんでしょうか、そういうそれぞれの事業目的に沿って政策展開をしてきた政府の責任というのは当然あるわけですから、この改革に当たっても労使間の円満な関係、これはとても大事なことだし、特に雇用の確保における政府の責任も当然しっかり押さえておかなければいけない、このことを私は強く申し上げておきたいと思います。
最後に、特殊法人改革の中で先ほどから議論されております天下りの問題、再就職の問題ですね。これについて、私は正直、給与、退職金等含めて国民の大きな怒りや不信がそこに集中しておるのではないかなというふうに思います。もう一つは、内部登用による公平な役員の人事制度、これは特殊法人が全部なくなってしまうわけじゃありませんから、改革の中でこの公平な人事制度のあり方の問題も当然重要であります。この特殊法人への天下りの実態、その問題点については、大臣それから提案者はどのように考えておられるのか、それから公平な役員人事制度のあり方についてはどのように思っておられるのか、それをあわせてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 委員御指摘の点は、同僚議員の質問の中にもあった点でございますが、いわゆる特殊法人等への公務員の再就職について国民の皆さん方が重大な関心を持っているということは十分認識しておりますし、特殊法人等が中央省庁から再就職の安易な受け皿になりませんように行革大綱にのっとってその適正化、そしてこういう問題につきましては累次閣議決定させていただいておりますので、この閣議決定を厳正に遵守するとともに、今後これらの法人の改革の検討とあわせて検討を進めていきたいと考えております。
そんな中で、特殊法人等の役員人事についても、委員御指摘のとおり適正化に努めてまいりたいと考えております。
○衆議院議員(井上喜一君) 私は、特殊法人の役員人事はやっぱり適材が適所に配置をされるということでなくてはいけないと思うんですね。単に役人だったらいかぬとか何じゃないといかぬということじゃなしに、役人におきましても、今大臣の方から御答弁がありましたように、適材でなくてはいけないし、押しつけというようなことがあってもいけないと思うのでありますが、また、ずっとその特殊法人に採用されました方の中からまさに適材があればその方を役員にするということもこれは当然あっていいことだと思うんですよね。そこで採用されたから何が何でもそこの人でないといかぬということではないと思うのであります。まさに適材を適所に任命をしていく、そういうことが必要だろうと私は思います。
○照屋寛徳君 先ほども申し上げましたが、第五条で、この法律の施行後一年を目途に特殊法人等整理合理化計画を定めなければならないと、こういうことでございました。私の意見を申し上げておきますと、多種多様な、数の上でも百六十三という膨大な特殊法人等をかくも短期間にというか、これで整理計画を策定するのは余りにも急ぎ過ぎではないかなというふうにも私は思っております。
例えば、この改革対象の特殊法人の中に沖縄振興開発金融公庫というのがございます。私は沖縄金融公庫の債務者でございまして、そこからお金を借りて家をつくっております、まだ返している途中でありますが。一方で、金融公庫もことし初めて副理事長の役職を内部登用したんですね。これまでは県の副知事経験者が自動的にというか、その副理事長の役職についておったんですが、初めて内部から登用したということで私はそれはとてもよかったなと、こういうふうに思っております。同時に、沖縄のような経済状況の中ですと、開発金融公庫の地域経済に果たしている役割というのは非常に大きいわけですね。
そんなこんな考えてみますと、私は、一年を目途にということで何か改革のスピードを競い合うというか、それを急ぐんじゃなくしてじっくりやってもいいのではないかということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。これは意見として申し上げます。
○衆議院議員(井上喜一君) 急ぎ過ぎじゃないかという御質問であります。他の委員からはもっと早くできるんじゃないかと、こういうような御質問もあるのでありますけれども。
先生、最初御質問いただきましたように、なかなかやろうとしても特殊法人の改革は進まないんじゃないかという御質問がございました。したがいまして、特殊法人改革については長い歴史がありまして、それなりにデータがそろっているんですね。したがいまして、方針さえ決まれば割合とそういう計画も一年という期間をかければきちんとしたものができ上がってくるんじゃないかと我々考えております。もちろん先生御指摘のように、拙速でいいというものではありませんで、十分熟慮した、そういった計画じゃないといけないと、こんなふうに思います。
○委員長(江本孟紀君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
午後零時十九分休憩
─────・─────
午後一時三十分開会
○委員長(江本孟紀君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、山崎力君が委員を辞任され、その補欠として矢野哲朗君が選任されました。
─────────────
○委員長(江本孟紀君) 休憩前に引き続き、特殊法人等改革基本法案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。
私は、提案者にまずお聞きしたいと思います。
本法案を読ませていただきますと、特殊法人等の改革は、基本理念に従ってつくられる特殊法人等整理合理化計画、ここにポイントがあるように思います。そして、つくられた計画は期限を区切って実施する、こういう趣旨だと思いますけれども、そうしますと、このポイントは特殊法人等整理合理化計画とはどんなものかということになりますね。
そこで、計画で何を決めるのかということ。その特殊法人が実施している事業については、「廃止、整理縮小又は合理化、他の実施主体への移管その他」と書いてありますね。その特殊法人の組織形態については、「廃止、民営化、独立行政法人への移行その他」の措置となっています。そうしますと、別表に記されていますけれども、七十七の特殊法人については、現在、個別法についてちゃんと取り扱いはやられているわけですが、それはやめると。つまり、特殊法人という組織形態は廃止して、法人の解散とかJRのような特殊会社にする、あるいは独立行政法人にするとか、こういうふうに組織の形や看板はすべて変わるようになるということなのかどうかが第一点。
もう一点は、法案の第五条を見る限り、現在行っている事業は「廃止、整理縮小又は合理化、」という条文になっています。そうしますと、現在特殊法人と呼ばれている組織が行っている事業で、国民の要求と期待にこたえて拡充強化する、先ほども答弁の中で、国民の視点が大事だからその観点で見直すという答弁がありましたけれども、答弁はそう言いながら、私はこの法案を見ている限りこういう事業はあり得ないということにこの文から見たらとれるわけですね。そのようなことが特殊法人等整理合理化計画に一切求められていない、そういう拡充強化ということは求められていないという文章になっています。こういうことなのでしょうか。
法案の内容とこの立法の趣旨をまずお尋ねいたします。
○衆議院議員(若松謙維君) 御質問にお答えいたします。
まず、この法律の施行後一年をめどとして特殊法人等整理合理化計画が定められます。そこで、特殊法人等の個別の事業についての見直し、これは四月三日、行革事務局の方からその中間報告が出ましたが、そこでそれを行って、今後いわゆる「廃止、整理縮小又は合理化、他の実施主体への移管その他各特殊法人等の事業について講ずべき措置」、こういったものが定められると。これが現在作業中、そういうふうに私どもは理解しております。
そこで、さらにその作業を踏まえて、今後特殊法人ごとに見直し後の事業をどういう実施主体に移すか、こういった組織形態の内容が決定するわけですけれども、いずれにしても、一つの方向性ということを今早急に行革の事務局では議論していただいていると理解しております。
そこで、委員の御質問に答えをするわけですけれども、基本的に個別の法人に対する具体的な措置なんですけれども、これは御存じのように、いわゆる国会側が決めるものではなくて、あくまでも私どもが提示した一つの改革案、これが十二月一日の行革大綱に載っているわけですけれども、それをベースに特殊法人等改革推進本部が判断する、こういうことになっております。いずれにしても、そういった見直し、検討を行いますと、原則としてこの特殊法人等はいわゆる現在の組織形態等は変更する、そう考えております。
しかし、この法律を法文上そのまま解釈いたしますと、最終的に、じゃ、すべてその特殊法人という形態がゼロになるのか、そういったことまで明記している法律ではありませんで、最終的にこの特殊法人等改革基本法にのっとった基本理念、また具体的な手続を踏まえて、それで、具体的に組織形態なり事業の見直しなりが何ら変化がない、そういったこともあり得るということを別に排除していない、そういう法律体系になっております。
しかし、そうはいっても、私ども提案者といたしましては、これはもう長い話でありまして、新進党時代のいわゆる特殊法人改革のサンセット方式、いわゆる一定期間以内にゼロベースに持っていく、こういった議論の延長でこの法律ができております。あわせて小泉総理が、いわゆるこの特殊法人等の改革についてはゼロベースで考えていく、そういった私ども提案者の意を受けて言っていただいておりますので、いずれにしても、この法律施行後、かなりの特殊法人等の整理合理化が現在の形態という形はなくなる形で進むのではないかと、そのように理解しております。
そして、もう一つの御質問の件ですけれども、国民の期待に応じてさらに現在の業務量がふえたりとか、拡充強化することを否定しているのではないか、そんな質問に私どもは理解したわけですけれども、いずれにいたしましても、この法律案そのものはすべての特殊法人、認可法人について聖域を設けないで例外なく見直し、検討をする、百六十三法人についてすべて見直す、それも五年以内ということのおしりを決めておりまして、いずれにしてもこの改革の退路を断ってやろうという基本理念になっております。
そういう枠組み法案でありまして、国民の要求と期待にこたえて拡充強化する、こういったことはあり得ないんじゃないかという御質問ですけれども、私どもといたしましては、国民にとって真に必要な事業ですか、もしそれがあるとしても、その組織形態等も含めて、私どもは、この法律に基づいて設置される特殊法人等改革推進本部が適切な措置を行っていただけるんではないかと、そう期待しておるところでございます。
○大沢辰美君 そういたしますと、形態についてはなくなると。事業については、この法案を見る限り、廃止、整理縮小または合理化となっている。だけど、今答弁の中で言われましたけれども、国民の視点で、国民の要求があればすべて見直すということなんですか。私は、理解として、そうすればすべて見直すことはいいと思います。その観点に立って、本当に国民の要求と期待、国民の視点に立っていわゆる拡充強化するということもあり得ると考えてよろしいんですね。
○衆議院議員(若松謙維君) まず、国民の期待というものは当然行政として、また政治側としても判断すべき材料だと思います。しかし、この改革基本法の理念等にもありますように、御存じのように今何でもかんでも行政がやる時代でもありません。民間のさまざまな効率的なサービスの提供の機会が非常に多岐にわたっている、こういった状況も踏まえまして、万が一国民の期待が高まっている、もしそれが民営化なり、また民間委託なり、そういったものでできる、かつそれが効率化という観点から正しいものであれば、私はそういった道がとられるのではないか、そう理解しております。
○大沢辰美君 私は何でもかんでもと言っているわけじゃありません。今答弁ありましたけれども、本当に国民の要求と期待、何度も申し上げますけれども、国民の視点に立った見直しをするんだという先ほどの井上喜一提案者の答弁を聞いて、私はそういう立場で本当に真の改革をやっていただきたいということを指摘して、次の質問に移ります。
そこで、特殊法人改革では何をどう改革すべきなのか、以下、特に都市基盤整備公団と石油公団、本四連絡橋公団、こういう点について私は具体的に質問をしたいと思うんですが、初めに都市基盤整備公団の問題で、公団住宅のあり方について質問させていただきたいと思います。
この点について、私は阪神・淡路大震災を経験した一人としまして、六年半前に多くの集合住宅が崩壊する大被害を受けました。多くの住宅を失ったわけですけれども、私は、ここで都市基盤整備公団が行った大震災後の緊急の対応、そして対策については、当時の住宅・都市整備公団と言っていた住都公団が本当に一定の評価を得るような役割を果たしたと思うんです。
例えば、人的支援では、一級建築士がたくさんいらっしゃるわけですから、技術者も含めて延べ七千二百七十人の方が応援に支援に入ってくださった。被災者の一時避難という、そういうときの住宅として公団の賃貸住宅、建てかえであいていた分もありましたので約五千二百戸提供してくださっています。緊急の救済事業として民間ではできない私は大きな役割を果たしたと思っています。復興住宅については、公団は一万八千戸余りの住宅を建設してくださっています。だから、被災地の住宅建設、もちろん市や県や公営住宅、六万五千戸建てたわけですけれども、そのうちの一翼を担いました。
本当にこういう役割を果たした公団に対して、提案者そして大臣も含めまして、人的資源等の維持、存続の必要性についても認識をお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(若松謙維君) ただいま委員から、特に阪神・淡路大震災の経験を踏まえての特に都市基盤整備公団についてのお話がございました。私も現地に視察も行ってまいりましたし、やはりあの大災害のときに、ちょうどこの公団の空き部屋、これを活用した罹災者の方々への家の提供、あわせて不足分を仮設住宅で対応した、こういったいわゆる復旧活動等にも多大な貢献をしたと私は認識しております。それとあわせて、空き部屋があったということは非常にいいわけですけれども、では空き部屋があることそのものについてのやはり議論もしなければいけないのではないかと。
私どもはこの特殊法人等改革基本法をつくるに当たりまして、そういう災害についての議論というよりも、やはり効率的ないわゆる行政サービスをいかに行っていくか、そういった観点を強く考慮しながらこの法案をまとめてきた次第でありまして、いずれにしても、個々の特殊法人、特に今御指摘の都市基盤整備公団というところについての今後の取り扱いにつきましては、私どもは特殊法人等改革推進本部にゆだねているところであります。
いずれにしても、提案者といたしましては、それぞれの特殊法人等におきますいわゆる人的な資源とか今まで築いてきた物的な資源、そういったものは政府側が適切にそれを最大活用する、そういう期待を持っていることも事実でございます。
○国務大臣(石原伸晃君) 大沢委員の御質問にお答えいたしますが、委員が既に御指摘いただきましたように、都市公団は震災発生後の翌日には本社に兵庫県南部地震対策本部を設置するなど、応急仮設住宅一万戸の建設など復旧活動を支援し、延べ七千二百七十人の職員を派遣されたということも承知しております。また、住宅建設等の面で人的資源の蓄積というのがあるということも承知しておりますが、そのことをもちまして今回の事業及び組織形態の見直しの例外になるものではないと考えております。
○大沢辰美君 一つ、ちょっと答弁の中で提案者が空き部屋のあることが問題だということを言われましたが、私の、五千二百戸という空き部屋は建てかえ中のものがたまたまあいているのがあったということなんです。現在は大体千五百ぐらいしか全国で空き部屋はありませんから、それは一定回転の部分ですから問題になる数字ではないと思うので、その点はもう一度誤りのないようにしていただきたいと思います。
ですから、私は、今この例を挙げさせていただいたのは、決してこのことをもって指摘というんじゃなくて、本当にこういう役割を果たしてきたこの公団の、皆さん認識を持っていただいて、これからもこういう役割を果たせるような教訓は生かしていただきたいと思います。
災害の場合は、もちろん公団だけじゃなくてすべての人たちが支援に駆けつけてくださったわけですけれども、やはり災害の場合の生活の再建の基盤というのは住みかなんですね、住宅なんですよ。そういう点で公団の果たした役割というのをもう一度念を押しておきます。指摘だけしておきます。
次に、公団住宅の居住者が今全国で七十五万世帯ですか、約二百万人と言われる方が住んでいらっしゃいます。今、こういう問題が発生するたびに、特殊法人の問題が論議されるたびにとても不安に駆られています。今進められている特殊法人改革、今言われましたように、要らないものは廃止する、民営化でできるものは民営化するということで、公団住宅は一体どうなるんだという不安なんです。
ここに、全国公団住宅自治会協議会が自民党さん初め各政党に出した要請がございます。この中で、「このたびの特殊法人改革、その業務と組織の抜本的見直し作業において、公団賃貸住宅を公共住宅として存続させ、かつ拡充させる施策を策定するよう要請します。」と言っています。そしてその理由は、次のように述べています。「約七十四万戸の公団賃貸住宅には二百万人が住んでいますが、世帯主の高齢化、世帯収入低下がすすむとともに、「公団住宅に長く住み続けたい」と考えている世帯が急増しているのが実情です。」、「公団賃貸住宅は一体どうなるだろうか、私たちは公団賃貸住宅の存続・発展に関して不安を抱いています。」と重ねて述べています。
資料1をお配りさせていただいていますが、見ていただきたいと思うんですけれども、この資料1は、一九九九年に公団自治協が行った第五回団地の生活と住まいアンケート調査の一部です。これは実に十一万三千六百四十八戸からの回答を得ています。回答者の七四%の方が公団住宅に長く住み続けたい、こういうふうに述べています。しかし一方では、家賃値上げや高家賃が不安だという人が九割を占めています。
私も先日、公団住宅を訪問してまいりましたけれども、やはり廃止、民営化という言葉を使うたびに、一体家賃はどうなるのか、本当に住み続けられるのかという不安があるということを多くの人から聞いてまいりました。
問題は、公共の賃貸住宅としての公団住宅はどうなるかということなんです。自治協の各政党への要請にある公団賃貸住宅を公共住宅として存続させる、この点が今回の特殊法人改革の中でしっかり守られるのかどうか、大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 先ほどもお話をさせていただきましたけれども、特殊法人等の見直しにつきましては行革大綱に載っておりまして、すべての特殊法人等について徹底した事務事業の見直しを行うこととしており、都市基盤整備公団を例外とするものではないということは御理解をいただきたいと思います。
そんな中で、四月に発表いたしました論点整理の中で、都市基盤整備公団を初めとするいわゆる公共事業系の建物管理・譲渡を業務とする特殊法人等につきましては、一つ、借入金により建設を行い、それを料金収入等により回収する事業については、採算性に問題がないか、採算性の見通しが適切、妥当か、社会経済情勢の変化等により、既に事業の意義が乏しくなっていないかといった論点を指摘させていただいているところでございます。
また、平成十一年度下半期の損益計算書を見ますと、都市基盤整備公団が行っております賃貸住宅勘定の収支の中で、半期の間に政府補給金が八百六十一億円、国庫補助金が五百五十三億円、合わせて一千四百億円の国費が投ぜられている、こんなことも見据えながら見直しの議論を行わせていただきたいと考えております。
○大沢辰美君 今、決算の十一年度下半期の数字を示されたわけですけれども、この千四百億円というのは、やはり住宅政策として、政府がいわゆる財投の高い利子のときに、その利子の補給をすることによって、入っている人たちの家賃を一定低減したり、それに合わすような適正な賃貸住宅の家賃にするためにやられた、住宅政策の一環として出されたものだとこの金額については認識しております。そういう点だけを挙げて、私は採算の問題をやること自体は少し論理が違うのではないかなということを指摘しておきたいと思います。
次に、資料2を見てくださいますか。これも自治協のアンケートによりますと、世帯主の年齢は六十歳以上が全体の四割を示していますね。家計を支える収入も年齢構成を反映しております。ですから、年金生活者が二〇%、年金とパートやアルバイト収入でという世帯を加えると、全体の四分の一が年金か年金を中心に家計を支えています。五分位階級の中で年収四百八十六万円未満の第一分位世帯ですか、これはもう五〇%を超えているわけですね。また、年収が二百六十万円未満の世帯だけでも二割を超えています。
私は、どこの国でも年金生活者の生活を最も直撃するのが家賃だとか物価値上げだと思うんですね。その中でも家賃の値上げは、本当に家計の支出に占める大きさがやっぱりつらい、非常に大きな影響があります。
私は、直接先ほども公団の方にお伺いしましたと申し上げましたけれども、兵庫県の浜甲子園団地の方にもお伺いさせていただいたりして高齢者の方とお話を聞かせていただいたんですが、やはりそこは、特に全国平均よりまだ平均を上回っているという実態がございました。ですから、公団の廃止や民営化は公共住宅としての公団住宅の廃止ということに当然なってくるわけですから、その結果、やはり圧倒的居住者の期待に反して、住み続けることができなくなるのではないかというこの不安、特に高齢者世帯を中心とする大きな不安に、政治家として大臣はどのようにこれはこたえていかれますか。
○国務大臣(石原伸晃君) 先ほど来御答弁申し上げさせていただいておりますように、すべての特殊法人等について徹底した事務事業の見直しを行うものとしておりまして、都市基盤整備公団を例外とする考えはございません。
また、公団賃貸住宅の平均家賃は五万七千円、民間賃貸住宅の平均家賃は六万六千七百円と、それだけの開きがある中で、公団賃貸住宅につきましても、高齢者向け住宅の供給にかかわる施策のそもそもの必要性や、その施策を特殊法人等による事業実施という形態で行う必要性も含めまして、先ほど公共公物すなわち公共事業系の特殊法人等について論点をお示しいたしましたが、その論点を踏まえながら、ゼロベースから見直すということを行わせていただきたいと考えております。
○大沢辰美君 大臣、形態とか、特に特殊法人をすべて見直すんだと、そういう何かこの辺だけの論議じゃなくて、今実際に二百万人の方が住んでいらっしゃって、そこには高齢者の人たちがこんなにたくさん住み続けたいと言っているんですよ。そういう人たちの不安を取り除くどういうふうな施策をやるんですかということをお聞きしているわけなんです。
そこで、年金生活者などの高齢者が公団住宅に住み続けられるためには、国の公共住宅の施策の充実こそが私は必要だと思うんです。
ようやく国庫から家賃補助を入れた家賃制度がつくられましたね。それはとても喜ばれています。建てかえでは、低所得高齢者世帯に対して家賃を減額する制度もつくられました。家賃の改定のときには低所得高齢者への値上げ額を抑える措置なども実現しています。対象は限られているために、もっと広げてほしいという要望は強くありますけれども、私は、この制度を聞いて本当にいい制度だなと思いますから、これは続けていただきたい。
だけれども、本当にこれが民営化になったらどうなるんだという不安があるわけですね。ですから、高齢者世帯の賃貸住宅の居住確保では、マスコミでもしばしば取り上げられるほどの社会問題になっていますけれども、今国会で成立した高齢者の居住の安定確保に関する法律、まさにこの対策が大きな柱の一つでした。この法律の説明資料では、多くの民間賃貸で高齢者の入居を敬遠されている。民間賃貸住宅管理会社の四割は、管理する住宅の大部分につき高齢者入居を不可としている。つまり、高齢者はお断りとしているんですね。これは日本賃貸住宅管理業協会の調査で明らかになっているわけですから間違いないと思います。東京都の調査でも、高齢者世帯の七割以上が住み続けたいという希望の調査も出ています。これが私は住宅分野での実態ではないかと思うんです。
ですから、法案の提案者と大臣にお伺いしますけれども、重ねて、特殊法人改革を進めるときに、例えばこの都市基盤整備公団を検討するのに、住宅政策の内容をどこでどのように反映させるのか。
そして提案者は、この基本法をつくるに際してどんな検討をされたのか、高齢者の問題に限って答弁をいただきたいと思います。
○衆議院議員(若松謙維君) まず、提案側といたしましては、今、高齢者のお話がございましたが、先ほどの家賃補助制度等、大変手前みそになりますが、公明党がかなり制度の提案から、そして予算の確保から、そういった観点からの努力をした側でございまして、私どもはこの高齢者、特にそういったいわゆる一般的に弱い立場の人に対しては可能な限りの配慮をということで努力しているつもりでございます。
そこで、住宅政策というお話があったわけですけれども、先ほどの家賃補助制度とか。じゃ、高齢者住宅をどうするのかと。あわせて、実際私の選挙区が上尾にありまして、かなり大型の公団があるところでございます。これがもう十年ぐらいで一挙に人口が数倍になったところでありまして、日々そういった入居者の方々と対話をしております。
そういう経験も踏まえまして、あくまでも住宅政策というものは、当然国の施策としてさまざまな国会の議論等があるわけですけれども、その住宅政策を実際に運営する、また施行する、その法人としての形態はどうあるべきなのか。ここに今回の特殊法人等改革法案の存在意義があるわけでありまして、あくまでもその住宅政策を効率的に、税金のむだ遣いがないように、そういった観点から、この際都市基盤整備公団も含めてやはり見直すときに来ているんではないか、そういった観点からこの法案をつくっておりまして、それでかつ、今委員がお話しされましたような、高齢者に対する住宅政策とは基本的には別の次元でやはり議論しなければいけない、そのように理解しております。
○国務大臣(石原伸晃君) 若松発議者のお考えと一緒でございますが、若干、都市基盤整備公団のやっております賃貸住宅居住者は高齢者の方々が多い、何か半数以上が高齢者の方々というような印象をお受けしたんですが、私の持っております資料によりますと、いわゆる高齢者と言われる六十五歳以上の方々は、全公団賃貸住宅居住者のうち八・五%ということでございます。
そのような観点から見ましても、特殊法人の組織形態の見直し論の中で、あるいは事務事業のゼロベースから見直しの中で、そもそも特殊法人という形態の公団に高齢者対策の住宅事業をやらせる必要があるのかないのか、その点も含めまして検討をさせていただきたい、このように考えております。
○大沢辰美君 またちょっと数字が違っておりますけれども、私は今、年金生活者ということで六十歳以上の統計を出したわけですね、約四割以上ということ。今大臣がおっしゃったのは六十五歳以上、私は六十五歳以上でもこのアンケートでは二三・九%あると思うんです。統計が違っているのでしょうか。それはまた後で詳細に照らし合わせていきたいと思います。
そういう中で、高齢者の皆さんが安心して住み続けられる、そういう住宅を本当に国の施策としてやっていただきたいということを重ねて申し上げたいと思います。私は、「オピニオンリーダーが語る私の都市公団への期待」というのを発行しておりましたので、その中の一人の希望というんですか、考え方というのをちょっと紹介させていただきたいと思うんです。ノンフィクション作家の松原さんという方ですね。この人は、「一生安心して住める賃貸住宅をつくって欲しい」と。「賃貸住宅は「一生安心して住めます」「絶対追い出しません」ということが何より大切だと思う。特に女性は夫に先立たれるなど一人になる人が多いので、みんなものすごく不安がある。」と、こういう指摘もしております。
本当に私は、これは高齢者の一人の声ですけれども、そういう点をきちっと見直しの中で位置づけると。答弁の中でどうしても形態がどうあるべきかということばかりが先に出ておりますので、事業の内容で本当に国の責任ある役割を果たしていただきたいということを指摘して、もう一点お聞きしたいと思います。
私は、公団住宅というのは子育て環境にどうだろうということも点検をしてまいりました。だれが見ても公団の団地は、民間マンションなどに比べたらとてもオープンスペースに恵まれています。緑も豊かですし、子育てにも適した住環境と言えますね。先ほど紹介した私の兵庫県の浜甲子園団地も、緑に囲まれていて、まるで全体が公園のようなところなんですね。これはやっぱりすばらしいな、これは民間ではできないことだなということを感じました。だから、子供を産み育てやすい環境というなら、私はこういう住宅こそ守って広げていくべき内容だと、いわば拡充強化していかなければならない施策ではないかと思います。
ところが、今、公団住宅には異変が起こっているんですね。団地を出ていく人たちに子育て世代が多いというんです。中には、近くの民間のマンションに引っ越して、子供は団地で遊ばすという人もいます。子育てにこんなによい環境なのにどうして団地を出るのかというと、公団家賃が高過ぎるからだということを聞きました。
公団家賃がどうしてこんなに高くなったのか、それは、公団家賃は以前の原価主義から市場家賃に変えられてしまいました。いわば家賃の民営化とも言えます。最も子育てに適している公団住宅から若い子育て世代が出ていかざるを得ない、こんなおかしなことはないと思うんですね。居住者は、公共の賃貸、いわゆる住宅の家主としての公団が廃止されたら家賃がこれまで以上に高くなるのではないかと、もう本当に心配をしているんです。
大臣と提案者にお聞きしますが、少子化対策を本当に真剣に考えるならば、現に存在しているこういう公団住宅の環境を守って、子育て世代がどんどん入居できるように、家賃も適正にする、希望者が多ければ新たにつくる努力もする、これが国民が求める本当の改革ではありませんか。
○国務大臣(石原伸晃君) 委員御指摘の、外で遊ぶお子様の世代を何歳にとるかという問題はございますが、十四歳までの公団賃貸住宅居住者の数は十九万二千四百人、全体の一〇・五%と。公団住宅についても、新エンゼルプランにおける食住近接で子育てしやすい都心居住の推進という政策そのものの必要性や、その政策を、先ほども申しておりますけれども、特殊法人等というその事業実施という形態で行う必要性が本当に今あるのかないのか、以上のような論点を踏まえながら、今回の特殊法人改革ではゼロベースから見直させていただきたいと思います。
先ほどの数字は、五歳から十四歳までの方が公団居住者の一〇%を占めているという数字をお示しさせていただいたものでございます。
○衆議院議員(若松謙維君) 今、委員の少子化対策という観点からの御質問ですが、ちょうど私が議員になりました八年前、これがいわゆるバブルの破裂していよいよ下がるころ。ところが、ちょうど私の選挙区は東京と埼玉の県境、埼玉の方ですけれども、いわゆるバブルの時期につくりましてかなり高いものについたと。結果的に公団住宅の方が民間よりも高かったという事実もあるわけなんですね。
そういった状況に対して、今少子化対策というお話ですけれども、これはやはりきめ細やかな、それぞれの地域に応じた住宅供給施策という方が私は効率的な形で運営されるんではないか、そう考えている一人であります。そういたしますと、当然、地方自治体とかと提携をした公営住宅とか、また民間借り上げの住宅制度とか、そういった形をとってしても、委員がおっしゃられる少子化対策等に十分な対応もできるんではないか、そう考えております。
そういうふうに考えますと、じゃ、この少子化対策等の観点も含めて、都市基盤整備公団でなければいけないかという議論は私は別問題であると思いますし、実際に、私どもが先ほど申し上げました上尾の公団に住んでいらっしゃる方々にも、やはり公団自体の経営形態が特殊法人である必要はないと、そう断言される実際に協議会の役員の方もいらっしゃいます。ですからこそ私は、この法律を通していただいて、都市基盤整備公団の経営のあり方等についての見直しをこの際すべきではないかと。その方がかえって税金のむだをなくして、その税金のむだをなくした結果、いわゆる家賃を下げる等への反映にもつながるんではないか、またそれを公団の入居者も期待しているんではないかと、そんな意見も時々聞くこともお伝えしたいと思います。
○大沢辰美君 私は、別の問題でなく、この家賃の問題にしても環境の問題にしても、本当に今公団がやっている事業そのもの、市営や県営はあるけれども、やはり公団のすばらしさというのがあるということを私は評価しているわけなんですね。
先ほども家賃補助についてそういうことをやったんだということをおっしゃいましたけれども、今多くの公団に住んでいらっしゃる自治協の皆さんが運動されて、本当に高齢者の皆さんや低所得の人や年金生活の人たちにはこの家賃補助が大事だということで要求をして、私は、各党派、政党を超えてこのことが制度として実現したんだと思います。
その点を一点最後に指摘をさせていただいて、最後の質問ですけれども、一昨年、通常国会で衆議院建設委員会と参議院の国土・環境委員会でそれぞれ都市基盤整備公団法に対する附帯決議が全会一致でつけられました。その第一の項目には、「政府は、国民生活の安定向上のためには住宅政策を通じた福祉の増進が不可欠であることを踏まえ、公団賃貸住宅、公営住宅等の適切な役割分担と連携に配慮しつつ、大都市地域等において居住水準の向上が必要な世帯等のために、良質な公共賃貸住宅を計画的に供給するよう努めること。」というのがあります。
特殊法人改革を進める上で、今の附帯決議を尊重するのですか、それともこれは関係ないということでしょうか、大臣にお伺いします。
○国務大臣(石原伸晃君) 大沢委員の質問にお答えいたしますが、しゃくし定規に聞こえるかとも存ずるんですが、今回は、例外を一つでも設けますと、特殊法人というものはそもそも政策的意義があるから特殊法人という形態でこれまで事業をしてきた。しかしながら、時代の変遷によりまして、先ほど発議者の若松議員が御指摘されましたように、特殊法人である都市基盤整備公団というものが運営する賃貸住宅を高齢者対策の住居とする、あるいは少子高齢化の少子の部分の子育ての住居にするというそもそもの意味があるのかないのか。
御指摘のような附帯決議があったということは十分承知しておりますけれども、いずれにいたしましても、特殊法人等の事務事業並びに組織形態については、総理も申しておりますように、すべてをゼロベースから例外なく見直ししていきたいと考えております。
○大沢辰美君 尊重するのですかと聞いているんですが、附帯決議を。
○国務大臣(石原伸晃君) 当委員会で議決された附帯決議でございませんので私が申すまでもございませんが、この附帯決議があったときに、多分、当時は建設大臣、あるいは参議院の国土・環境委員会でございますから、国土庁長官並びに環境庁長官がこの附帯決議について政府として尊重するとの発言があったものと承知しております。
○大沢辰美君 ぜひ、この附帯決議にもきちっとこたえていただけるような真の改革をしていただきたいということを述べまして、終わります。
─────────────
○委員長(江本孟紀君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として宮本岳志君が選任されました。
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○椎名素夫君 けさから委員の方々、いろいろとお詳しく質問をされまして、またそれに対して発議者あるいは石原大臣から大変丁寧なお答えがあって、大体お考え方というのはわかったように思いますので、余りつけ加えて質問することはありません。
ただ、おっしゃっているように、国というところには非常に万般について政策というものが必要であり、それをどういう手段でやっていくかということの一つとして、ある時期大変な必要性を感じて特殊法人というようなものをつくってやってきた。それが永遠に一番適当であるということはないので、この時期にゼロベースできちっと見直していこうということについては、そういうお考えだと思うんですが、全く賛成です。しっかりやっていただきたいというふうに思います。
それで、これから理念に従った基準をつくって、それによってゼロベースで見ていくという話ですが、これなかなか、先ほどからもお話があるようにどういう基準でやるか。例えば、評価といっても太田さんが言われたように費用対効果というようなことを、本当にきちっと効果というようなのは考量できるのかというような問題もあったり、いろいろ厄介な問題があると思うんです。
余り細かい話は非常に不得意でございますので、ここでひとつ大づかみの御参考になるかと思うお話をしたいと思うんですが、これは結局、整理の問題だと思うんです、物事を整理する。
私は、昔自分で会社をつくりまして、貧乏会社を零細企業から中企業ぐらいまでやった経験からいって、会議をやって物を考えてその決定に基づいて物を動かそうなんということは、やっていたらつぶれちゃうんです。なものですから、とにかく一番簡単なやれることから手をつけていくということで、簡単なルールというのをいつも求めておりました。
これはもう何十年覚えていることなんですが、とにかく仕事をやっていると物がたまります。机の中もいっぱいになっちゃうし、書類棚もぎゅうぎゅうになってあふれてくるし、いろんな雑物がたまってくる。そうすると、もう狭くて自分の身を置くだけでもどうにもならないし、机の上で物も書けないというような話になってきて、とにかく整理していかなきゃいかぬ。それと本質的には似た話だと思うんです。
こういうのは一体どうすればいいんだろうといったら、ある人はとにかく何でもどんどん捨てろと言うんです。よくそういうことを言う人がいますが、それをやりますと必要なものを捨てちゃうことが多いんです。それで、後になって、ああ捨てちゃったといって困ることがあるんですね。
そうじゃなくて、少しぜいたくな話だけれども、自分が今働いている空間と同じ空間をもう一つつくれというんです。同じ机を置いて、同じ書類棚を置いて、それで一月一日に身一つで引っ越せと。次の年になって仕事を始めて、ああ、あれが必要だと思ったら、必要なものを一つずつ持ってくる。さらに、もとの部屋にないものでどうしても必要なものは新たに購入したりして備えていく。最初からですから、非常に身動きがいいんですが、それで一年たって、大みそかになってまだ向こうの部屋に残っているものは何も考えずに捨てちまえという話を聞いたんです。
これは実際に実施するかどうかは別にして、大変に私は教訓を含んでいる話だと思って、以来拳々服膺しておりますが、慌てて捨てることもないし、必要なものは来年、再来年とずっと持ち越す。こういうようなことを考えてやらないと、さあこれで部屋がいっぱいになっちゃったけれども、何を捨てるかその基準をつくろうと言っている間に一年たつ。それよりも、新しい空の部屋に入ってどんどんそのルールに従ってやっちまった方がいいという話は、こういう非常にこんがらかったことを考えるためにあるいはその途次、御参考になるかと思ってお話をいたしました。
質問でも何でもありませんから、これで終わらせていただきます。
○委員長(江本孟紀君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○大沢辰美君 特殊法人等改革基本法案に対する反対の討論をさせていただきます。
反対の理由の第一は、本法案が進める特殊法人改革は、国民の住宅権を保障するための公共賃貸住宅の供給や不況で苦しむ中小企業への公的融資、就学の機会均等を促進するための奨学金制度など、国民生活と営業に重要な役割を果たすことが求められている特殊法人の事業を廃止、整理縮小または合理化し、その組織形態も廃止、民営化、独立行政法人化しようとするものであり、本来、廃止や縮小が当然のものと、また維持し充実させなければならないものを一律に取り扱う本法案は容認できません。
阪神・淡路大震災のときに当時の住宅・都市整備公団が全国規模の人的体制を動員して、公団居住者だけでなく被災者の居住確保、建物の安全対策に果たした役割は決して小さくありません。住宅の確保に苦しむ高齢者への対策や子育てに優しい町づくりのための良質な住宅、居住環境の整備を進めるためにも公共賃貸住宅の役割はますます重要になっています。
反対の理由の第二は、本法案の特殊法人改革は、今日の財政危機の最大の原因である公共事業の見直し、とりわけ環境破壊を伴う大型プロジェクトの抜本的な見直しを先送りし、組織形態と看板のかけかえで赤字と借金のツケだけは国民負担にされる危険性が高いことです。現に、空港やダム、河口堰や干拓事業などなど、小泉内閣は全国各地で進められている過大な需要予測に基づく大型公共事業を中止せよという国民の声にはこたえていません。また、石油公団の改革を直ちに実施すれば、莫大な額に上る税金の使い道を大企業への応援から国民生活向上へ切りかえることがすぐできるにもかかわらず、本法案や政府の特殊法人改革にはこの方向性が全く明記されておりません。
日本共産党は、国民生活に必要な事業は守り充実させる、大企業奉仕やむだな事業は縮小、廃止する、天下りや官僚特権を取り除き、徹底した情報公開によってガラス張りの経営を実現することを特殊法人改革の基本に掲げ、引き続き努力することを表明し、討論を終わります。
○委員長(江本孟紀君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
特殊法人等改革基本法案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(江本孟紀君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
簗瀬進君から発言を求められておりますので、これを許します。簗瀬進君。
○簗瀬進君 私は、ただいま可決されました特殊法人等改革基本法案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
特殊法人等改革基本法案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。
一、特殊法人等改革の推進に当たっては、平成十二年十二月一日に閣議決定された行政改革大綱を踏まえ、これとの整合性を図るよう十分配慮すること。
二、特殊法人等の改革に当たっては、その事業が、独占的な事業等について、その効率性、合理性等を図る観点から実施されていること等にかんがみ、その事業及び組織の全般について、内外の社会経済情勢の変化を踏まえた抜本的見直しを行うこと。
三、特殊法人等の事業及び組織形態の抜本的見直しに当たっては、政治主導の下に、特殊法人等の個々の事業について、その目的、事業内容、中長期的な経営分析などの検証を十分に行った上で、特殊法人等の改革が円滑に推進できるよう万全の措置を講ずること。
四、特殊法人等改革の推進に当たっては、国民の批判を踏まえて、いわゆる天下り問題について、役員の経営責任の明確化、給与・退職金及び役員人事等の適正化を図るとともに、特殊法人等の透明性を確保するため、財務内容等の情報公開及び業績評価システムの整備を推進すること。
五、特殊法人等の改革の推進に当たっては、これまで維持されてきた当該特殊法人等の職員との良好な労働関係に配慮するとともに、関係職員団体の理解を求めつつ、特にその雇用の安定に十分配慮すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(江本孟紀君) ただいま簗瀬君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(江本孟紀君) 多数と認めます。よって、簗瀬君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、石原国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石原国務大臣。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配慮をしてまいりたいと存じます。
○委員長(江本孟紀君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(江本孟紀君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時二十四分散会

























